あ、そうそう、書き忘れたことがありました。私の現代音楽の好きな作曲家次の人と曲です。クラム「マクロコスモス」、フェルドマン「ヴィオラインマイライフ」などです。私は物理的な音の論争より、作曲の精神世界を楽しんでいます。もちろんそれは楽譜では書き表すことのできない世界です。デニソフの精神世界も好きです。
はじめまして、わたしは素直に現代音楽を多くの人に知っていただいて、すこしでも現代の良い曲を現代音楽を知らないか、または、毛嫌いしたいる方々への紹介をしたいと思います。この雑記帖をご覧になって、気軽に現代音楽を知りたい方はマイHPに来てっください。http://www.justnet.or.jp/home/gustav-nietzsche/WELCOME.htmです。
「楽しく聴く」ことと、「なんでもOK」という姿勢は別だと思います。
それにそももも、「楽しく聴く」姿勢に最もふさわしくないのは、「現代音楽撲滅協会会長」とか称している人物の言動では?
こんにちは。現代音楽ももっと楽しくききたいですね。作るための理屈はともかく
できあっがた作品にいろいろいってもしょうがないんじゃないんですか?
では
こんにちは、NECODJIRUです。こちらにははじめてお伺いいたしました。
中野さんとは、Net News を通じて mail をやり取りしておりましたが、映画にお詳しいかたと思っていましたら、それ以上に音楽について造詣の深いかたでいらしたのですね :-)
私はそれほど音楽に精通しているというほどではありません(趣味でアコーディオンを弾く程度...)。
どちらかというと、絵画の方面から現代音楽を聴くことが多いです(美大出身のためでしょうか)。
武満徹さんにつきましても、10数年ほど前、西部美術館で行われた荒川修作(...字失念)の展覧会で偶然見かけたとか、高輪美術館(現セゾン美術館)でボイスなどの映像に使われていると「ああ、武満徹だ...」と納得するとか、くらいの浅い知識であります。
# 高輪美術館が軽井沢にできた当時、ジョン・ケージが来日して演奏を行ったときは見に行きました。
現代音楽というカテゴリーは切り分けが難しいですが、こちらに参加されている方々のそれぞれの視点やこだわりが伝わってきて、私のような現代音楽素人にはたいへん勉強になります。
おりにふれてこちらにはアクセスさせていただき、勉強させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
Uemuraさんへ:はじめに、中野さんは、書き込みは掲示板への一本化を希望しておられるようです。
リゲティ全集は、ソニー・クラシカルのオリジナル企画で、来年のリゲティ75歳の誕生日に向けて、
全作品を録音するようです。録音は3年前から始まっており、この1年で急速にリリースされるでしょう。
SQ集とピアノソロ作品集以外には、合唱曲集と声とアンサンブルのための作品集が店頭に並んでいました。
サロネンは、「ソニー・クラシカルの抱える近現代ものを振れる唯一の有名指揮者」なのかもしれません。
ストラヴィンスキー新全集も、彼の棒で進行しているようですし。
野々村さんへ:リゲティの全集について詳しくお教えください。揃える気マンマンなんですが、サロネンというのにひっかかりを感じます。彼のシベリウスで納得行かないものを感じてますので……。バッハが話題に上ってますが、弾いて楽しいのがバッハでしょうね。どう弾いてもイイ。
先日、作曲家の山本裕之さんから、じきじきに「日本の作曲家'97」のご案内
をいただいた矢先、ピアニストの井上郷子さんからもじきじきにご案内が来て
しまいました。月末は、試験前にもかかわらず、演奏会のために右往左往しそ
うです。
芦田さんへ:私は、ドビュッシーは大好き、ラヴェルはものによって好きです。
バッハやベートーヴェンを聴いて飽きるとしたら、たぶん演奏の問題でしょう。
グールドのバッハのクラヴィーア曲の録音や、アーノンクールのベートーヴェンの
管弦楽曲(含交響曲・協奏曲)の録音なら、「飽きる」というのは考えにくいです。
ブーレーズのラヴェルは、「マ・メール・ロワ」はすばらしいけど、あとは良し悪し。
コストパフォーマンスを考えたら、私はクリュイタンスの輸入廉価盤(EMI)を買います。
芦田さんへ:私は《先生》ぢゃないっすよ。私は、ナイマンや吉松の音楽が好きではありませんが、
音楽自体を《批判》するつもりはありません。ただ、《現代音楽の作曲家》であることを売り物に
していると、売れても儲からないけど、売れなくても公的助成などの役得が付いてくるので、それ
相応の責任ある活動はしてほしいと思います。特に、無責任な現代音楽の悪口なんてのは論外です。
ナイマンは、ミニマル音楽のレビュー本を書いたりして、それなりに社会に貢献しているのですが。
野々村さんが、バッハやベートーヴェンがお好きだとは
ちょっと意外でしたね。僕は、この二人はあまり好きではありません。
たぶん、僕が、2時間ずっとバッハだけを聴き続けていたら、十分飽きます。
やっぱり、ドビュッシーやラベルが、たいへん魅力的です。
彼らの作品は、人類の遺産です。ブーレーズの指揮した「ダフニスとクロエ」
のCDを買おうか、と思っているところです。次はドビュッシーのピアノ曲
「映像」その他を買いたいです。
年末年始に考えたことを一気に吐き出してしまったので、連続3回も書き込み
させてもらって恐縮です。野々村さん、今年も「先生」としてよろしくお願いします。
コマーシャリズムという観点から言うと、吉松らが非難されるより、むしろ、
コマーシャリズムと無縁な辺境でシリアスな音楽を一所懸命に作っている
人たちのほうが褒められるべきではないでしょうか。もっと非難されるべき音
楽は、街にあふれかえっています。
吉松隆やナイマンの音楽をけなしてしまったので、少しフォローしておきま
す。僕は、彼らの音楽は嫌いではありません。吉松の音楽は、独特の美しさを
持っており、魅力的です。ナイマンの音楽は、いわば、彼の「体臭」そのものです。
刻みのリズムに変拍子を混ぜてぎこちない動きにしたり、他のジャンルの音楽を
融合させるようなことも得意です。車のCMに使われていた「あの人のワルツ」やら、
映画「ピアノ・レッスン」のようなこともやっているので、誤解されやすいと
思いますが、そのサウンド・トラックと「ザ・ピアノ・コンチェルト」は、
全然違う音楽です。
トーナルな音楽をつくっているからといって、ただそれだけの理由で、
一概に批判されるべきではないということを、まず、確認すべきです。
現代という文脈から離れて、より普遍的な表現を目指した結果が、
十分に、創造的なものになっていれば、芸術としての価値は十分あります。
僕の知る限り、ベリオにもトーナルな作品はあるし、武満さんや佐藤聰明や、
ペルトにもそういう作品はあります。では吉松隆やらナイマンの音楽が彼ら
と一線を画するのは、なぜなのでしょうか。
それはやはり、現代というものを見据えた上での音楽作りがなされていないから
だと思います。さきほど、「現代という文脈から離れて」と書きました。離れっ
ぱなしではいけないのです。そこが、吉松らの音楽に深みがない、最大の原因
ではないでしょうか。気持ちのよい音楽ばかり作って/聴いていてはいけない
のです。音楽を発信する側も受信する側も、現実を見なければいけないのです。
誤解されると困るのですが、私はバッハやベートーヴェンやシューベルトの音楽は大好きです。
プーランクやショスタコーヴィチ(1930〜50年代を除く)やブリトゥンの音楽も大好きです。
デューク・エリントンやチャーリー・パーカーやセロニアス・モンクの音楽も好きです。
矢野顕子やコシミハルやEPOの音楽だって好きです。
でも、コリリアーノやグレツキやタヴナーの音楽は、全然面白いとは思いません。
ナイマンや吉松隆やトークの音楽を聴いていると、腹が立ってきます。それだけです。
寺田さんへ:私は、武満さんのオケで聴く気になるのは「マージナリア」までですね。
調性は、秘すればこそ花で、垂れ流しでは全然面白くない。それでも、「リヴァラン」から
「ア・ストリング・アラウンド・オータム」までは、その中では良かった方だと思います。
寺田さんへ:このページへのアクセス数はそんなに多くありません。レスポンスは気長に待ちましょう。
芦田さんにも書いた通り、民音での「芭蕉の情景」の演奏は、確かにつまらない。でも、曲自体はいい。
ペンデレツキは、「ヴァイオリン協奏曲」以降はベタベタのメロディ屋さんですね。まあ、それでも、
ドイツのガキどもよりはプロらしい仕事をしていることまでは否定しませんが。
いずれにしても、そんなにたいした作曲家だとは思いません。クセナキスとは比べ物にならない。
このコーナーにはどのくらいの頻度で書き込みをしたらいいのでしょうか。前回の続きを書きたいのですが、前回の次に誰も書かれないようなので。
このページは武満徹追悼のページなので武満さんの話題にしましょう、今回は。みなさんは武満さんの作品では何がお好みなのでしょうか?僕にとってはまず、『ア・ストリング・アラウンド・オータム』が一番ですかね。あの時期の集大成でもあり以降の彼の作風への橋渡し的な曲で、ゆったりとした流れのなかにヴィオラの線的な動きがゆれ、なんともいえない心地よいものだと思います。武満さんといえば、10年ごとくらいに作風がかなり変化していきましたが、初期の作品、『レクイエム』や『ノヴェンバー・ステップス』、『アーク』などのことを考えると、80年代後半以降の作風には当時からほんのりと香っていた調性への憧憬の顕在化がありありと感じられます。さて、これはもちろん全くの私見ですが、みなさんはどうでしょう。ぜひ、お好きな作品とそのききどころなどをお知らせください。
下の文章のレスポンスをお待ちしております。
はじめて書き込みします。芦田君の紹介です。是非々々といわれまして。最近はなんの話なんでしょうか?湯浅譲二とかぺンデレツキとかがみえかくれしていますが。湯浅譲二の「芭蕉の風景」は高校の時CDを買いましたがあまり面白くなかったように記憶しています。ペンデレツキの交響曲第3番は面白く聞きました。しかし、むかしの(旧来の)彼の作風はどこへやらといったかんんじです。クラスターによるあの「広島の犠牲者にささげる哀歌」なんんかは、スコアまでかってたまに聞いております。ペンデレツキで思い出しましたがクセナキスも昔の彼とよくにた響きかもしれません(違ったいみで計算されたクラスターとして)。あと、全々関係なさそうですが、ミュージックトゥモロゥがミュージックインフューチャーだった時、カール・ヴァインの交響曲第二番をやりましたがいい曲でした。彼は、オーストラリアの作曲家で、ミニマル系やニューロマン的な曲をかいています。とはいっても、現在の吉松(隆)のようなものではありません。吉松についてはかきたいことがいっぱいあるのでまた今度。今回は初めてなのでここまでにします。あ、武満さんのことにふれるのをわすれてしまいました。
野々村さんありがとうございます。今度弟子入りさせてください。:-)
ところでWeb Board と雑記帖は記事内容をどう区別すればよいのでしょう。
どちらでもいいのですか? fjのニュースグループに現代音楽に関するものは
(僕の知る限り)ないので、classicalに投稿していた現代音楽のリスナー
もWeb Boardに投稿してくれるといいですね。
芦田さんへ:「どの」と言っても2種類しかないと思いますが、これはもう圧倒的にフォンテック盤です。
なんと言っても、カップリングされている曲が月とスッポンだし、演奏自体もフォンテック盤の方がいい。
これに限らず、DENONの選集など、じゃんじゃんトライして下さい。期待は裏切られないでしょう。
「Towards the Midnight Sun」が入ったCDも、もし幸運にも見つけたら、即ゲットしましょう。
湯浅譲二の「芭蕉の情景」のCDはどの盤がお勧めですか?
舟場さん、ペンデレツキの第3番の交響曲いかがでした?
あの曲はやっぱり、僕にただならぬインスピレーションを与えてくれます。
はじめまして。舟場と申します。一番好きな曲は「シュニトケ/ヴィオラ協奏曲」です。
質問ですが、NHK-FM で放送されている「現代の音楽」の番組の最初に流れる曲は何ですか?
来週はペンデレツキの放送だそうで、3番の交響曲なら楽しみです。
白石美雪さんがペンデレツキの名前 "クシシュトフ" を言いにくそうに
紹介されるのが、(ちょっと失礼ですけど)、かわいいと思います。
ゆーさんへ:ピアソラは「似たような作品が多い」とのことですが、それを言ったら武満さんこそ....
6日深夜、日本テレビで小津安二郎監督の「麦秋」(昭和26年作品)
が放映されました。(日テレと松竹は最近の「学校U」でもそうですが、
友好な関係が築かれたのでしょうか?)
「東京物語」「晩春」などと並ぶ小津映画の傑作ですが、石坂昌三
「小津安二郎と茅ヶ崎館」(新潮社刊96年日本エッセイストクラブ賞授賞)
によれば原節子の結婚観が脚本の下敷きとしてあったようです。小津と野田高梧
の共同による本が特に冴えわたっています。
初めてこのページを見ました。皆さんすごく音楽に詳しくて、耳が肥えているのででビビってしまいます。僕は知識も耳も肥えていませんが作曲の道を目指すものです。この前、発表会があって今はへとへとですが、体力が回復したらこのページに参加させてください。宜しくお願いします。
実は最近piazzollaにはまっている。僕の知っている限りでは似たような作品が多いけど好き。です。ではまた参加させてください。
中村明一(尺八奏者)に関するページ、発見。
http://www.gardencity.or.jp/~jazzfes/homepage/nakamura/
中山さんへ:これは、クレーメルのことですか?イーノのことですか?
優れた音楽家は、ごく少数の例外を除けば同性愛者か色情狂のどちらかだそうですから、お好きな方をお選び下さい。
私がイーノを評価していないのは、彼がロック畑の出身だからではなく、単に音楽として刺激に乏しいからです。
そこんとこ、よろしく。
はい、そのようです。でもお陰様で少しだけ、目が醒めました。
そんな人だとはつゆ知らず・・・。
でも、そこがよかったりしてきてしまうので、もうやめておきます・・・
(すみません)。
中山さんへ:女好きクレーメルのフェロモンにハマったのでしょうか?それはともかく、
ブライアン・イーノは、元々はロキシー・ミュージックというイギリスのバンドでキーボードをやっていた人で、
ミニマル・ミュージックを聴いて「これなら俺でもできる!!」と思ったのか、《環境音楽》というのをやり始めました。
自身のアンビエント・レーベルから出した最初の作品「Music for Airport」は、*教養*として知っていてもいいのでは
(でもその前に、ライヒの「It's Gonna Rain」「Piano Phase」「Drumming」「Music for 18 Musicians」
やライリーの「In C」「Rainbow in a Curved Air」といったミニマル音楽の基本は押さえておきましょう)。
音楽活動を前衛から始めてミニマルへと移っていった久石譲さんは、イーノのようなロック・ミュージシャンが
ミニマル音楽の領域に入ってきたのを見て、それならとポピュラー音楽に転じました。
芦田さん、それはわたしのことでしょうか。それでしたら、全然
気にすることありません。わたしは、いわばサユリストと同じで、
クレーメリストになってしまいましたので、音楽は最低でもすべて
許容してしまうのです(不謹慎ですみません)。もうこれは、たとえ
野々村さん、中野さんでもとめられません。でも、ピアソラのことは
よく理解していないと、よくクレーメルに言っておきますので
(機会があったら)、お許し下さい。 それよりどなたか、
ブライアン・イーノについてご存知でしたら教えて下さい。
中野さん、野々村さんへ。笠羽先生は、臨時に招かれただけだと思います。
今も「音楽論」の授業がありますが、先生も内容も別です。
授業では、東京でのブーレーズ祭の豪華なプログラム(解説書?)
を希望者全員にくれました。
ところで、クレーメルのピアソラ讃はやっぱり駄作なんですかねえ。
10月7日に、「クレーメルなら」と思って、聞きもしないうちに勧めて
しまって、内心じくじたるものがあります。
笠羽さんは、早稲田の先生ですよね。モグっているのですか?それとも東大の教養でも教えているのですか?
なんか、うらやましいなあ。「徒弟の覚書」も「参照点」も「今日の音楽を考える」も、翻訳は笠羽さんです。
ブーレーズは、たぶんピアノ曲が一番*難解*で、音色が豊かなアンサンブル作品の方が聴きやすいでしょう。
大井氏の演奏はなかなか豪快(でも必要な場面では繊細)で、肉体に直接訴えかけてくる楽しいものでしたが。
最後に、チックは、時代とともにけっこうスタイルが変わっていませんか?ブラクストンたちと「サークル」
をやっていた頃が、いわゆる現代音楽には最も近かったのでしょう。
芦田さんへ。笠羽映子さんといえば、この欄で野々村さんが紹介しておられるピエール・ブーレーズ「クレーの絵と音楽」(筑摩書房)を訳された方ですね。
どんな授業なんでしょうか。
私は今、武満徹さんもそのオリジナリティを感じ取って愛していたというアストル・ピアソラの新五重奏団盤に夢中です。
またこれもある方からのご紹介で聴いたフランク・ザッパも天才的で素晴らしいと思います。
大井浩明<ブーレーズ・ピアノ作品全曲演奏会>、行きたかったのですが、クラブの
用事(選曲)があって行けませんでした。(投票には行きました。)
その代わり、先輩から3つのピアノソナタを集めたCDを借りました。
ブーレーズの音楽に興味があるのは、学校での(笠羽映子先生の)音楽論の授業で、
ピアノ曲「12のノタシオン(小片)」に出会ったからです。CDの曲はどれも難解
ですが、ときどきチック・コリア的な響きがすると思うのは私だけ
でしょうか。まあ、チックが現代音楽のピアノから影響を受けたというほうが適
当なのですが。(ジャズの嫌いな方、ごめんなさい。)
野々村さんのお墨付きをもらって、ピアソラ自身の弾く「バンドネオン協奏曲」を入手しました(ELEKTRA/NONESUCH 7559-79174-2)。
やはりピアソラのバンドネオンは力があって聴く者の胸に迫ってくるものがあります。
フォーラムにはなぜかポストできないので、こちらに書きます。
クレーメルの「ピアソラ讃」を聴きました。最初に結論を述べると、
あなたがこのCDをまだ買っていないとしたら、
そのまま買わずにいるのはかなり賢い選択です。演奏家で一番ダメなのは、予想通りピアノ。
マッコイ・タイナーみたいなデカくて濁った音を出すのが正しいジャズピアノだという
思い込みは、いいかげんやめてほしい。バンドネオンがピアソラに遠く及ばない
(パッセージの切れが悪かったり、フレーズが妙に伸び縮みしたりする)
のはまあしかたないとしても、ベースは上手下手以前に全然聴こえないし、
頼みの綱のクレーメルも、駒留の反対側をこするノイズやグリッサンドの美しさでは、
2回目の新タンゴ五重奏団の名手スアレス−パズに遠く及ばない。
その分、倍音奏法などを駆使しているが、そもそもアンサンブルの
ヴァイオリンパートには最も美しいメロディが割り当てられているので、逆効果でしかない。
アレンジもおかしい。
殆んど元の五重奏団の編成なのに、なぜギターだけを外す必要があったのか。
その結果、例えば「孤独」では、本来はピアノが基和音を弾き、その倍音をギターが添えて
ヴァイオリンを彩る部分が、ピアノだけの伴奏になって安っぽくなったり、
「五奏者のための協奏曲」の前半のクライマックスにあたる、
ベースラインをピアノが和声付けしてヴァイオリン・バンドネオン・ギターが
三声の対位法をなす部分のギターパートがそっくり抜けていたりと、何を考えているのだろうか。
特に後者では、冒頭はピアノとベースのユニゾンの下降スケールで始まるはずなのに、
この録音ではピアノだけで間の抜けた感じになっていたりと、
いいところが見当たらない。クラリネットを加えたのも、
バンドネオンのパートを分割してヴァイオリンを目立たせるためだけのようだし。
そして、譜読みもいい加減。音楽がいっこうに流れていかないのを
ルバートを多用してごまかすなんて、場末のキャバレーバンド並みのやっつけ仕事だ。
ピアソラが亡くなってからはや4年、トリビュートアルバムも随分出ましたが、
ピアソラ自身の解釈を殆んど検討していないことが明白なこの録音は、最低のものの一つです。
不幸にしてこれを買ってしまった人にとっての唯一の救いは、
《ヒット曲》中心の他のトリビュートアルバムとは違う、
シブめの選曲がなされていることくらいでしょうか。
もっともこれは、アップテンポの曲がうまく演奏できないから結果的にそうなってしまった
だけなのかもしれませんが。もし、クレーメルが本気でこれを《私の最高の録音》だと
思っているとしたら、彼はさっさと見捨てて、他のヴァイオリニストを追っかけた方がいいかも。
このアルバムでピアソラを初めて聴くクラシックファンはけっこう多いのでしょうが、彼が意図した音楽は、
もっとノリが良くて、もっと清潔で、もっとポリフォニックなものだったことを忘れないで下さい。
クレーメルのピアソラ作品集を買いました。まだ聴いてはいませんが。レーベルはELEKTRA/NONESUCHです。
選曲もなかなかいい。メインのミュージシャンはロッケンハウスでつるんでいる人ばかりでイマイチですが、
サポートメンバーは豪華ですね。感想はフォーラムの方に書く予定です。
フルート/ハープがらみで集めると、ドビュッシーは「ビリティスの歌」「シリンクス」「フルート・ヴィオラ・ハープのためのソナタ」
で3曲ありますが、ラヴェルはまともには「序奏とアレグロ」しかないので、あとはどうしても編曲ものになってしまいますよね。
それはそれでいいんですが、本当は、キャプレやオーリックの作品も入れて、オリジナル曲のみのアルバムにしてほしいものです。
芦田様:野々村さん、中野さんが「秋はピアソラか」と書いていらっしゃったので、
私もピアソラを買いました。秋にピアソラ合いますね。大好きになりました。
ちょっと、シャンソンにも似ていると思いました。 クレーメルがピアソラ作品集
をだしているんですか?さすがクレーメルです。それはどこからでているんでしょ
うか? すみませんが、教えて下さい。それにしても、バンドネオンの音色って
郷愁をかきたてますねえ。無性にフランスへ行きたくなってしまいました。
枯葉よ〜 枯葉よ〜 枯葉よ〜 枯葉よ〜
野々村様:何だかお久しぶりです。ドヌーブのBilitisのアルバム名は、
「ドビュッシー:ビリティスの歌」(Debussy: Chansons de Bilitis, etc.)
(POCG-7149)で、ラヴェルとドヴッシーの曲が3曲づつ入っています。
演奏は、アンサンブル・ウィーン=ベルリンです。ドヌーブもさることながら、
「亡き王女のためのパヴァーヌ」のフルートも素敵でした。
私もクレーメルの音は好きですが、昔からクラシックを聴いてきた人は、ああいう音は《メタリックで冷たい》と毛嫌いするようです。
もっとも、近年国際コンクールで上位に来るのは、彼のようなタイプの音の人が多いようですが。
中山さんへ:私がクラシックを聴き始めた頃には全然出ていなかった「ビリティスの歌」の録音は、いつの間にか10種類近くなっていますが、
中山さんがお買いになったのは、どれでしょうか?カトリーヌ・ドヌーブの語りというのには、そそられるものがあります。
ピアソラに関しては、ミュージック・フォーラムの方に少々書きましたので、よろしければお読み下さい。
現代のガーシュウィンとでも言うべき、20世紀後半の音楽を語る際には欠かせない作曲家だと思います。
10月1日に中山さんが、ギドン・クレーメルがいいと書いておられましたが、彼の新しいタンゴの作曲家・アストール・ピアソラ作品集もいいと思います。ところで、きのうの教育テレビでの、ペンデレツキの交響曲第3番はかっこうよかったです。CDが出たら買おうかな。
(→つづき)『ジョセフィン・ベーカーはアメリカのセントルイスで生まれた黒人女性ですが、
1925年にフランスに来て、「テアトル・デ・シャンゼリゼ」で上演された「黒人のレビュー」の
中でチャールストンを踊り、パリの話題を独占しました。そして、1930年、「二人の恋人」(J'ai deux amours)
によって歌手としても不動の名声を勝ち取った』そうです。二人の恋人とは mon pays et Paris(生まれ故郷とパリ)です。
この曲もきっと聞いたことがあると思います。
小林監督のご冥福をお祈りいたします。
中野さんへ。武満さんがテレビでシャンソンの話をされているのを見て、どの曲かなあと思っていたのですが、この曲だったんですか。
とはいえ、私のシャンソン・コレクションになかったのでさっそく買い求めました。中野さんもきっとご存知の曲です。
これは、「ジャン・ルノワールが1923年に作詞作曲したシャンソンで、『聞かせてください 愛の言葉を・・・
いつもと同じ言葉でも、心の底では何も信じちゃいないけど やっぱりもっと聞きたいの・・・』という甘くやさしい
愛の歌。」とあります。これをレコーディングして、1930年度の第1回ディスク大賞を受賞したのは、女性歌手の
リュシエンヌ・ボワイエだそうです。私の購入した「Chansons de Paris 第1集」というCD
の中でもこの方が歌っています。「パルレ モア ダムール・・・」とはじまります。(→つづく)
「切腹」や「怪談」で国際的にも活躍した映画監督小林正樹氏が4日亡くなられました。
享年80歳。武満徹氏は小林監督作品の内、10作品の音楽を担当しています。
I must inform you of bad news from Japan.
Masaki Kobayashi who directed the films of Kwaidan,Harakiri,etc.
is dead yesterday.
Toru Takemitsu composed music for his 10 pieces of film.
I am listening to Toru's "Requiem for Strings" for his soul.
中山さんへ。武満さんは戦時中の勤労動員先で見習い士官からこっそりとジョセフィン・ベーカーの
「聞かせてよ愛の歌を」というシャンソンを聞かせてもらって作曲家になろうと決心したと後年語っていますが、このシャンソン
について御存知ですか?
先月29日に亡くなられた遠藤周作さんの原作に基づく映画で、武満徹さんが音楽を担当したのは
「沈黙」(篠田正浩監督作品 '71年)だけかと思っていたら「日本の青春」(小林正樹監督作品'68年)
がありました。武満さんはこの音楽他を「旋律だらけで、ちょっと、ひどいんじゃないかと思うぐらいですね。」
と述べておられます。
「ビリティスの歌」は、朗読がカトリーヌ・ドヌーブなので、
びっくりでした。
これを、以前の上司が(事情があってやめましたが)知ったら
泣いて喜ぶことでしょう。ドヌーブの映画「反撥」が
いいと言っていました。 私は、シャンソンの
「クレマンティーヌ」「自転車乗り」などを思い浮かべながら
聴いていました。ご存知ですか?
ドヌーブは、さすがに発音が良くて(あたりまえか)、
耳元でささやくような低い声で、
神話の世界へといざなわれるようですね。
しかし、はじめて聞いた時は、フランス語のディクテを
しているような気になってしまい、思わず
ペンを握りしめてしまいました。
日曜日、「夢千代日記」(昭和57年作品、音楽は武満徹さん)を涙しながら見終わって、
NHK教育テレビにチャンネルをまわすと、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲
でした。どこかで、聞いたようなヴァイオリンの音だなと思ってよくよく見ると
、何とクレーメルではありませんか(多分)? クレーメルは、先生に教えていただいて
CDでしか知らなかったので、感激でした。あの集中力とのめり込み方はすごいですね。
以前からヴァイオリンは、音が神経にさわってあまり聴くことがありませんでしたが、
クレーメルの音はどんな高い音も神経にさわりません。今度は、クレーメルにのめり込みそうです。
先日、世田谷美術館での藤枝守の「植物文様」の演奏会に行ってきました。僕のすぐ前に作曲家本人が座っておられましたが、魅力的な音楽でした。次は、赤坂でのLichtungという一連の演奏会のうちの、佐藤聰明のとブーレーズピアノ曲全曲演奏に足を運ぶつもりです。みなさん、僕のWWWページにも来てください。
先程、武満徹のグレン・グールド賞授賞理由を間違えました。「東洋と西洋の音楽に橋をかけた業績によるもの」
の誤りでした。
また、グールド紹介のWWW上のページとしては、Glenn Gould Front Pageがあります。
28日付朝日新聞夕刊がAP伝として今月25日の武満徹のグレン・グールド賞受賞のニュースを豆記事で
やっと掲載しました。授賞理由は「東洋と西洋の音楽にかけた」業績によるもので、過去の受賞者には
87年:作曲家マリー・シェーファー、90年:バイオリン奏者ユーディ・メニューイン、93年:ジャズピアニスト
オスカー・ピーターソンがいることを伝えています。
授賞の模様についてさらに詳しい情報をお持ちの方はお教え下さい。
ミス・ブランチの音楽、ご紹介下さいましてありがとうごさいました。
だんだん、現代音楽に近くなってきたのでうれしいです。
休日は、ブラームスを聞いて過ごしました。サガンの「Aimez-vous Brahms..」
の中にでてくるヴァイオリン・コンチェルトと晩年のピアノ曲です。
サガンがこの小説を書いたのは、24歳位の時です。早熟というか、天才的
というか心理描写が的確で深くてあらためて頭が下がりました。
ブラームス晩年のピアノ曲に比べ、ヴァイオリン・コンチェルトは、まだ
ロマンチックな懐古的な感じがしますね。
サガンがブラームスの、特にこの曲を、選んだ理由が
何となくわかる気がしました。あるいは、クララ・シューマンとの恋も
考えてのことかもしれません。
この頃、ブラームスの音楽が、しみじみ好きになりました。
倉俣史朗「ミス・ブランチ」に合う音楽という話題が出ていますが、ぱっと思い浮かんだのは、ドビュッシーの「ビリティスの歌」です。
歌曲と朗読+器楽伴奏の2曲あり、両者は全く違う音楽ですが、どちらも合っていると思います。
武満さんなら、「ブライス」「雨の呪文」あたりでしょうか。
映画通の方から、ジム・ジャームッシュ監督のフィルモグラフィーを送っていただきました。
1.Stranger than Paradise (白黒・1986公開)
2.Down by Law (白黒・1987公開)
3.Mystery Train(カラー・1989公開)<4つのエピソードを繋げた作品>
4.Night on the Planet(カラー・1992公開)<オムニバス> LD有
5.Dead Man(白黒・1996公開)<ジョニー・デップ主演/音楽:ニール・ヤング> LD有
ほかに、短篇のCoffee and Cigaretteと一番製作年代の古いPermanent Vacationというのがあります。
臨床心理学の河合隼雄氏とフルート奏者の佐々木真氏(東響)によるレクチャ・コンサート
が21日朝日ホールで開かれました。二人とも京都大学の理学部出身(河合氏は数学科、佐々木氏は
理論物理の修士課程)ということで、落ちこぼれて、それぞれ心理学者とフルート奏者をやっていると河合氏が
冗談を言うと会場は大爆笑。内容としては河合氏の話はさておき、佐々木氏による尹伊桑「歌楽」は東洋の笛を
思わせる曲調がすばらしく場内は水を打ったように静かでした。尹氏はフルートの特性を知り尽くしている気がしました。
大事なことを書かないといけません。アンコールで河合隼雄氏が自慢のフルートで「花のワルツ」を佐々木氏と共演しました。
京大の退官記念で演奏会を開いたり、児童文学専門の本屋で大江光の曲を吹いたりと腕前の方は噂には
聞いていましたが、大したものです。よく透るはっきりした音で、負けたと思いました。(実は私も少々)
9月20日付朝日新聞夕刊に「5回目終えたサイトウ・キネン・フェスこれからは?」と
題する小澤征爾氏へのインタヴュー記事が掲載されました。その中で小澤氏は、来年はオペラに
代えて、武満徹の強い希望だったバッハの「マタイ受難曲」を取り上げ、弓や調弦を昔風にして、
バロック奏法でやることになると思うと述べておられます。小澤氏ほどの大家にしてこの実験精神には
頭が下がります。尚、来年は初のゲスト・コンダクターとして、ケント・ナガノが登場するそうです。
読者の方から、アメリカのインディペンデントの監督、ジム・ジャームッシュ(Jim Jarmusch)
が武満徹のファンであったことや最新作に「デッド・マン」があることを教えていただき、今日
発売になったばかりのLD(日本ビクター JVLF 77003-4)を視聴しました。起伏のないストーリーながら
詩的なまでに美しい映像が雄弁に語りかけ2時間を飽きさせず、見事なラスト・シーンへと収斂して行きます。
音楽は、70年代のフォーク、ロック・シーンをわかせたニール・ヤング。全編をほとんどエレキ・ギター一本の
ノイジーで飾り気のない音で通した音楽は、まるで無調の現代音楽を聴くかのような、大変きびしく胸を打つものがありました。
原美術館で、倉俣史朗展が9月23日まで開かれています。その作品の中に
「ミス・ブランチ」と名付けられた椅子があります。
これは『「欲望」という名の電車に乗って、それから「墓場」と書いた電車に乗りかえて、
そして六つ目のかどで降りれば、そこが「極楽」さ。』
で有名な「Streetcar Named Desire」の主人公ブランチ・デュボアをイメージした
椅子だそうです。透明なガラスの中に赤いバラの花を埋め込んである、繊細な優雅な椅子です。
あの椅子をミス・デュボアにプレゼントしてあげたら、極楽を実感したことでしょう。
精神に異常をきたすこともなかったかもしれませんね。私も、すごく気に入って
しまいました。お近くの方、ぜひ出かけてみて下さい。音楽とは関係のないことを
書いてしまいましたが、あの繊細な神経質な椅子にあう音楽はなんだろう、などと
考えてみるだけで楽しいではありませんか。
そして、何か思い浮かんだら私に教えて下さいませんか?
休み中、「ボルドー 華麗なるシャトー物語」という番組が衛生放送でありました。
ボルドー・ワインの女王といわれる Chateau Margaux(シャトー・マルゴー)は、
ベートーベンのピアノコンチェルトこそがふさわしいということでした。
熱烈な愛好者も多く、ヘミングウェイもその一人で、このChateauにあやかって
孫娘にマルゴ・ヘミングウェイと名付けたそうです。
このカーブには、レースのようなうすいピンクのかびが息づいていて、
外に出すと一晩で消えてなくなってしまうそうです。
ここでしか生きていけないはかなさ、おとぎ話のようですね。
ところで、'95年はワインの当たり年だったそうです。
「世界美術全集 第25巻 モロー・ルドン」(武満 徹・小倉忠夫 解説、小学館)を読んでいましたら、
モローは生前「画家としては、あまりに文学的」と言われたそうです。一方、作曲家ショーソンはルドンを「音楽的画家、交響楽的画家」
と言ったそうです。この画集は廃盤になってしまいましたが、お二人の解説がすばらしかったです。
アファナシェフは、「音楽家としては、あまりに文学的」という感じでしょうか。
ロイヤル・アルバートホールでのプロムス'96の第2部を14日(15日?)早朝衛星放送で見ました。
2ヶ月にもわたる音楽の祭典だそうですね。見ていてイギリス人のユーモアとはこういうものだったのか
と何となくわかりました。半年前には、エルガー晩年ののチェロ協奏曲(デュ・プレの)にのめり込んでいたので
「威風堂々」が同じ作曲家の手になるものとは信じがたいような感慨をもちました。 日本にもこういう大人の
文化が育ってくれればいいですね。
中山さんへ:ご愁傷様です (^ ^) お友達もイニシエーションに巻き込みましょう。
「展覧会の絵」や「クライスレリアーナ」のCDには彼が書いた戯曲が付いていて、
ベートーヴェン#30,31のCDには、自作の詩の朗読がカップリングされています。
それらの文学的評価はさておき、そういう志向の人なのです。
すっかりアファナシェフに魅了されています。きのうブラームスの間奏曲集とヴァイオリンソナタ集を
買いました。ブラームスは本当にすごいです。クレーメルも超verygoodです。朝方まで聞いてしまいました。
演奏もさることながら、アファナシェフ自身が曲について書いてある文章がすばらしくて、
ベケット、ボルヘス、ポー、カフカ、ショーペンハウアー、そして、マーレヴィチ等の画家たち・・・、もう
めくるめくような知的陶酔にすっかり酔わされてしまいました。CDジャケットの中にこういう人たちの名前を見出すとは
何という喜びでしょう! シューベルトのhorror、ブラームスは官能的なメランコリーとノスタルジーでしょうか?
シューベルトのhorrorはもう慣れました。より強い刺激を求めるようになりました。
中山さんは感受性がとても鋭いんですね。私はかなり鈍いから、このくらい刺激がないとどうも満足できなくて。
ともかく、この感想をアファナシエフが読んだら、さぞ喜ぶことでしょう。彼のシューベルトの録音は、あと2つあります。
ECMから出ている21番のソナタは、これほど極端な解釈ではないので、もう少し気軽に聴けると思います。
でも、2楽章は怖いかもしれない。もうひとつは、DGGから出ているヴァイオリンソナタ集。
クレーメルのヴァイオリンもぐうっす。シューベルト以外にもいろいろな録音がありますが、
一押しはブラームスの間奏曲集ですね。特に、最初に録音されたOp.117-119のCDがすごい。
ついでですが、中山さんを戦慄させたのは、かなりの部分はアファナシエフの魔力でしょう。
ブレンデルの録音なら、たぶん安らかに眠れるのではないでしょうか。
金曜日に待ちに待ったアファナシェエフのシューベルトが手に入りました。
最初聞いた時は生きていてよかったと涙がこぼれました。
が、だんだん聞いていくうちに恐くなってきまして、
夕べは何度か悪魔の到来を受けて全身神経と化してしまって眠れませんでした。
私の神経は、あの曲を聴くのに絶えられるほど強くないようです。シューベルトは神経に異常をきたさなかったのでしょうか?
悪魔的とでもいうような曲ですね。でも、アファナシェフも
シューベルトの後期の作品も取り付かれたら離れられない魅力があって、のめり込みそうです。
さて、カシニョールですが、一つあの曲に合う絵がありました。
海とも川とも雲の上ともわからないような所で、女の人がベンチに腰をかけている絵で、
女の人は今にも向こう岸に行ってしまうのではないかと思わせます。
今度は、アファナシェフを聞きながらこの絵を模写してみます。
マレーヴィチの絵もたいへん気に入りました。
本当に、すばらしい曲を教えていただいて、感謝感激です。ありがとうございました。
野々村さんへ。トライ・アン・ユン監督といえば、作家の辻邦生さんも絶賛していたデビュー作の「青いパパイヤの香り」が忘れがたいです。
渋谷シネマライズで10月初旬まで上映中の、トライ・アン・ユン監督「シクロ」は、音楽ファンには強くお薦めしたい映画です。
ストーリーと映像は、ヨーロッパで勉強した優等生の模範作以上のものではありませんが、音の使い方が実にすばらしい。
音楽もなかなかです。若かりし日の武満さんを思わせるものがあります。
臨床心理学の権威、河合隼雄氏とフルート奏者の佐々木真氏によるレクチャ・コンサート
「響き合う音と心」が9月21日(土)7時より有楽町朝日ホールで開かれます。曲目は、
J.S.バッハ「パルティータ イ短調」、尹伊桑「歌楽」他。問い合わせは、メゾン
048(477)1313まで。
今、公開中の映画『デッドマン・ウォーキング』(ティム・ロビンス監督作品)がすばらしい。
8月1日付朝日新聞夕刊で秋山登氏が「これは、社会学的な分析を試みた作品ではないし、
宗教による救済を訴えた映画でもない。ロビンスは、死刑制度に安易な回答を示さない。
観客の思考を尊重する。人間存在の深奥に迫る秀作である。」と見事な解説記事を書かれています。
音楽は、ブルース・スプリングスティーンの歌う主題歌が印象的で、また70年代に活躍したライ・クーダー
のボトルネック・ギターが聞けるのがうれしい。
昨年のサイトウ・キネン・フェスティバル松本のオペラ公演、ストラヴィンスキー『道楽者のなりゆき』
のCDがフィリップス・レーベルより発売中ですが、今年の
演目はプーランク『ティレジアスの乳房』です。主役は当代きってのソプラノ、バーバラ・ボニー。
相手役にはフランス・オペラの大ベテラン、フーシェクールという贅沢なキャスティングです。
今日放映された「題名のない音楽会」で司会の黛敏郎さんが日本の演奏会での「ドイツ偏重、
フランス軽視」の傾向を嘆いておられましたが、小澤征爾さんは松本でがんばってくれています。
今日、図書館に行ってみましたら、美術、音楽の分類のところにおもしろそうな本が
たくさん並んでいまして感激でした。これから、現代美術と現代音楽の本を読んで
勉強します。先生と打てば響くような会話ができるまで、少々時間がかかると思いますが。
もうすぐ芸術の秋ですし、世界が広がったようでうれしいです。残暑厳しいですが、お体大切に
して下さい。
中山さんへ:一見親切そうなおぢさんの言う通りにホイホイとついていくと.... (^ ^;)
「ハル」は、まだ観ていません。「キッズ・リターン」「おかえり」「絵の中の僕の村」
をはじめ、今年の日本映画はいい作品が多くて、どれから観ようか迷ってしまいます。
「Shall we ダンス?」のように、完全に期待を裏切ってくれたものもありましたが。
絵画と音楽といえば、ポップアート以降は、ロックおよびそこから派生した音楽が中心ですね。
大御所のウォーホルが、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのプロデュースをしたり。
野々村先生(先生と呼ばせていただきます)、色々とご教授ありがとうございます。
細かく指導していただかないと、とんでもないCDを買ってしまうことがあるので、本当に
たすかります。マレーヴィチも好きになると思いますが、ルドンも好きなので楽しみです。
「ハル」は見逃しました。今度、見てみます。
何だか通信教育、それも個人教育を受けているような贅沢な気分です。
中山さんへ:「閉じた眼」(IとIIがあり、私はIIが絶品だと思う)の録音はいろいろありますが、
演奏としては、ロジャー・ウッドワードがETCETERAに入れたものがベストでしょう。
ただ、とにかく武満さんの鍵盤楽器作品は1つ残らず聴きたいという場合は、
藤井一興がFONTECに入れた追悼盤ということになります。ウッドワードのCDで、
聴くに足る作品は尽くされてはいますが。《ことばと映像》といえば、
森田さんの「ハル」なんて映画もありましたね。
アファナシェフのレコードとファンタジー、昨日予約してきました。モートン・フェルドマンと
中野さんから教えていただいたルドンを題材にしたという武満作品「閉じた眼」もさがしてみます。
とっても楽しみです。ありがとうございました。 わたしの場合、現代音楽の世界も初心者なので、
絵にたとえて現代音楽の作曲家や作品を教えていただけると、入っていきやすい気がします。
武満さんの本によれば、ジャスパー・ジョーンズは「絵画はことばだから、映画は作らない」
とインタヴューに答えたそうです。武満さんもそれは正しいと書いてありました。つづけて、
<ことばと映像><ことばと音楽>という問題について、僕自身はまだ答えをだせないでいる、とも。
絵画・音楽・ことば(文学?)これは、脳の機能(右脳・左脳とか、言語野とか)の問題でしょうか。
すみません。養老孟司さんの本とか読んだものですから、消化不良をおこしています。
中山さんへ:ロシアの抽象画家マレーヴィチの「白の上の白」は、
白い正方形の上に少し色調の違う白い正方形をずらして重ねた、
彼の代表作のひとつです。アファナシエフのCDのジャケット参照。
もう一つの質問についてですが、抽象絵画が元気な時代は、現代音楽も元気でした。
両者は無関係ではないでしょう。特に顕著な例が、モートン・フェルドマンでしょうか。
彼は、作曲のインスピレーションを、音楽より絵画から受けました。最初に作品の長さを決めて、
キャンバスに絵の具を置いていくように音を置いていく彼の作曲法は、まさに絵画的です。
マーク・ロスコ財団の委嘱で書かれた「ロスコ・チャペル」あたりから
聴き始められてみてはいかがでしょうか(CD:米new albion)。
野々村さん、中野さん、クレーの本ご紹介下さいましてありがとうございました。さっそく2冊読んでみます。
きのう、「音、沈黙と測りあえるほどに」と「時の園丁」を読みました。
大江健三郎氏が「かれの文章に接すると、かれは言葉についても音をさがしもとめるような、
おそるべき綿密さの集中力によって、ひとつひとつ選び上げたのではないかと、
耳を澄ませて読むような心において、ほとんど傷ましさに似た感銘をうける。・・・
およそ同時代の芸術家によって書かれた、最上の文章のひとつである。」といっているように、
痛々しいほどの感受性を持つ者の苦しさが行間から伝わってきて、じーんとなりました。
ところで、マレーヴィチの「白の上の白」とはどういうことですか? 素敵な言葉ですね。
もう一つ質問です。抽象絵画と現代音楽は、通じるものがあるでしょうか?
中山さん、野々村さんへ:私は、絵は詳しくないのですが、パウル・クレーは大好きです。
「クレーの絵本・谷川俊太郎」アート・ルピナス・講談社は時々見ています。
大人の本はどうも難しくて、子供の本の方が私には合っているようです。
中山さんへ:
私がイメージしたのは、アファナシエフの録音です。これは、シューベルトと
しては《異端》に属する演奏ですが、マレーヴィチの「白の上の白」に通じる
ものをこの作品に聴き取った彼の解釈は、中山さんの目的に合致するでしょう。
なお、絵画と音楽を扱った本として、非常に優れたものをひとつ挙げておきます:
ピエール・ブーレーズ「クレーの絵と音楽」(笠羽映子訳、筑摩書房)。
野々村さん、中野さん、ありがとうございました。今度、二つともためしてみて、また報告します。
一応、この前の続きを書きます。『このような比較を続けていくと、カシニョールはヴァン・ドンゲンよりもプルーストに近い。
そもそもプルースト自身、目に見えない糸で文学と音楽を結び、文学と絵画を結んだのではなかったか?
主人公であり、プルーストの中心の”想”であるスワンは、フェルメールについてエッセイを書かなかった
だろうか? 「失われた時を求めて」に初めから終わりまで登場する画家のエルスティールのモデルは、かの
モンティセリではあるまいか?
カシニョールは、プルーストと同様、消えゆく世界を描いているのである。
もう消えてしまった浮薄な時代の雰囲気を表現し、そこからノスタルジーと夢をよみがえらせた、時の証人、
失われた社会の考古学者であるふたりに、私たちは賞賛を捧げてもよいだろうと思う。
失われた時−見いだされた時、消え去った夢−見出された夢。プルーストとカシニョールの共通項だ。』
そういえば、モジリアニとコクトーとか、絵画と文学を扱った本は見かけますが、絵画と音楽の本はないような気がします。
中山さんの書き込みに関してですが、
武満徹「ノスタルギア」....ということはなさそうで、
ぱっと思い付いたのはシューベルトのピアノソナタ、特に
18番「幻想ソナタ」でしょうか。
はじめまして。このページは音楽雑記帖ですので、場違いかもしれませんが許して下さい。
カシニョールの絵の模写をしていて、ふと思いました。この人の絵にあう音楽は何かな、と。
画集「魅せられた夢」の解説の中の気に入った箇所を抜き書きします。
『 カシニョールの最初の本格的な画集の序文に、ジャン・フランソワ・ジョスランはこう書いている。
「カシニョールの謎は過ぎ去った時のノスタルジー(郷愁)の中によりも、この落ち着いた庭園、穏やかで、人気のまったくない風景の状態にあると思う。咲きみだれた花と舞台のために白粉をした女性だけが、その秘められた空間を満たしている。天国か地獄か?おそらく煉獄であろう。生命は不動だ。
ジャン・フランソワ・ジョスランの指摘はたぶん正しいだろう。カシニョールの絵に謎があるとすれば、それは人物の中にではなくて、そのノスタルジックな世界にあるのだ。
ノスタルジーとは何か? 人生の一時期に対して感じる漠然とした後悔だろうか?あるいは、生きたかもしれない、もしくは生きなかった、生きたと思った時代を惜しむ気持ちだろうか?』
以下、プルーストとカシニョールを比較する文章が続きますが、それはまた今度載せさせていただいてよろしいでしょうか?
いかがでしょう?どんな音楽を聞きながらカシニョールの模写をしたらよいとお思いですか?
読者の方から、北野武監督作品第6作「キッズ・リターン」がとてもいいというお便りをいただきました。
私もぜひ観てみたいと思います。北野監督はあの事故で作風が変わったと言われています。
モーツァルトの生地、オーストリアのザルツブルクで1920年から始まり、
世界で最も名高い音楽祭の1つとして知られるザルツブルク音楽祭で1日夜、
劇団四季代表の浅利慶太さん(63)が演出するオペラ『エレクトラ』が上演された。
ザルツブルク音楽祭で、日本人演出家がオペラを演出したのは今回が初めて。
『エレクトラ』はギリシャ悲劇を基に作曲されたリヒャルト・シュトラウスの代表作。
浅利さんは、長年の友人で指揮者のロリン・マゼールさん(66)から演出を依頼された。
(8月8日付朝日新聞夕刊より)
そういえば、武満徹未亡人の浅香さんは劇団四季の女優さんでした。
空木さんへ。私もそう思います。でもこの曲は、難しくて誰でも演奏できないんです。尺八は横山勝也さん、
琵琶は鶴田錦史さんと決まっていました。鶴田さんが昨年亡くなってからは田中之雄さんが後を引き継がれています。
武満徹のノベンバーステップスのコンサートに行きたい。
もっと沢山演奏会を開いて下さい
先日の朝日新聞家庭欄で「子どもの目で問う映画相次ぐ」として伊映画『鯨の中のジョナ』、米映画『フィオナの海』、日本映画『絵の中のぼくの村』が紹介されていました。私は東陽一監督『絵の中のぼくの村』(第46回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作品)と『フィオナの海』を観ましたが、特に東監督作品がすばらしいと思いました。
双子の兄弟の演技もさることながら全編を覆う高知の美しい自然に魅了されます。
音楽担当は日本のカテリーナ古楽合奏団で、控えめで映像の邪魔にならない素朴な音を聞かせてくれます。
1日、NHK衛星第2で周防正行監督「ファンシイダンス」(1989年大映)が放映されました。
この映画はLDが廃盤になっていてなかなか観られなかったのですが、修行僧を描いた抱腹絶倒
青春グラフィティです。小津安ニ郎監督の影響が見て取れます。
美空ひばりがオペラのアリアに挑み、『歌に生き恋に生き』(プッチーニ作「トスカ」 引用者註)
を歌ったのはテレビ朝日『題名のない音楽会』だが、企画したのは司会の作曲家、黛敏郎氏(67)
である。「私は、クラシックも歌謡曲もいいものはいい、という考えですが、彼女も意欲的で、
見事なできでしたね」。番組が始まったのは昭和39年8月1日。「スポンサーの出光興産は『金は出すが口は出さない』
といった最初の約束を守ってくれています。視聴率についても、注文されたことは一度もありません」
(8月1日付朝日新聞夕刊《きょう》欄より)
芦田さんへ、ものすごい校歌ですね。ぜひ楽譜を入手したいのですが...
カタリストの千円のサンプラーCD(BVCT-9901)にはちょっとした解説がついており、そこから新たな音楽の世界へと、興味が広がる可能性があります。ジェームス・マクミランの曲が3曲入っています。ラベルの「ラ・ヴァルス」、ベリオの「シンフォニア」に共通するものを感じます。前から注目していた、ラウタヴァーラのテープ音楽も入っていました。ところで、武満さんは、私の自宅のすぐ近くの多摩湖(村山貯水池)に住んでいたことがあって、そのせいで彼の音楽には水がキーワードになるものが多いんです。また、私の出身小学校の校歌は、谷川俊太郎の作詞で武満徹の作曲であることもあって、私は武満さんには特別の親しみを感じます。ではまた。
雑誌「文學界」に武満徹の評伝を連載中の立花隆氏。氏のNHK人間大学「知の現在」は毎週月曜日10時40分から楽しみに見ています。昨日のテーマはサル学(霊長類学)の現在。平凡社より出版されている立花氏の同名の著書は私の愛読書です。以下は立花さんのホームページです。
立花隆「同時代を撃つ」
Tachibana Takashi's Home Page
今朝放映された「題名のない音楽会」のなかで、黛敏郎氏の新作オペラ「古事記」のリンツでの初演模様の一部が紹介されました。日本でも早く初演してほしいものです。
芦田さんへ、 ジェームス・マクミランについてもっと知りたいのですが、教えてくれませんか。
はじめまして。現代音楽って誤解されていると思いません?カタリストというレーベルからいろんな面白いCDが出ています。千円のサンプラーを買ってますます興味が深まりました。ジェームス・マクミランの音楽はとてもスリリングです。