西の石門を訪ねて・・・窓越えの道

訪れた場所の概略図 島四国八十八カ所霊場18番札所の石門を知る人は多いですが、西の石門について知っている人は 少ないと思います。私が知ったのは数年前に雑誌に掲載された吉田初三郎の西日本鳥瞰図を 見てからです。戦前に新聞の付録用に描かれたこの地図には西の石門が観光地として掲載されていました。 その後、1980年頃に訪れたことのある人の話を聞いて見に行くことにしました。ただその人もはっきりと 場所を覚えていなかったので少々苦労しました。2002年の2月に2回ほど探索し天恵と呼ばれる 行場までは行きましたが、石門にはたどり着けませんでした。その後小豆島ロータリークラブが発行した 「島のやまなみ」という山歩きのガイドブックを土庄町の図書館で読み場所が確認できました。 2003年の冬は週末に雨が多く山に入れなかったので2004年1月に再び挑戦しました。 今回は土庄町から池田町中山を経て内海町草壁に行く昔の主要街道の窓越えの道も 歩いて見ました。なお中山側から窓までは2003年5月に一度訪ねていますのでそのときの 写真も使っています。なお左の写真内のルート図は概略図で、実際の道とは異なっていますので もし歩いてみようという方がおられましたら注意してください。
2007年3月現在のデータを下部に追記しました。

太郎屋敷池 笹が茂る道 炭焼き跡 ため池の跡
草壁から寒霞渓への登山道の途中に休憩スペースや農免道路入り口がある場所に三太郎うどんの工場が あります。その横の道が今回の入り口です。ガイドブックによると直進せず左に曲がって畑の上を通る道の方が わかりやすいと書かれていたので今回はそちらに行き、数年前に青年会議所が作ったMAPにミステリースポットとして 紹介されていた太郎屋敷池にもよることにしました。歩き始めてすぐに前方に建設中の砂防ダムが見えてきました。 通れるか不安でしたが迂回路がありました。そのまま進むと石積みのダム状の池がありました。ただ周囲は笹に おおわれ眺めはいまいちでした。この池の下辺りに登り道があるはずでしたが見つかりません。あきらめて本来の 街道を通ることにしました。先ほどの道を曲がらずに直進すると切り通しを抜け森の端を通る歩きやすい道です。 荒れていますがコンクリート舗装の跡もあります。でも次第に笹が増えてきて、かきわけて進む状態になります。 そのまま上りながら左に入る道を探してそちらへ行きます。ほぼ水平にしばらく行くと谷を渡ります。以前来たときに 辺りを探索すると壊れた池の跡や炭焼きの跡などがありました。今回はそのまま直進し谷間にかかる辺りで上に 登る道へ入ります。この辺りに来ると木や石に赤く目印がされているので参考にします。一番笹が密集している ところも抜け岩が転がる谷を渡ると下から来る道と合流します。その辺りから上は2003年8月の台風の影響で 以前より荒れていました。でも杉林の中に入ると道はわかりやすくなります。ただ昔の敷石がごろごろして歩き にくいです。

大釜の跡 天恵 内部のかまど跡 不動明王像など
森の中を登っていくと左(東)側のカーブの横に大きな釜跡があります。その横をほぼ水平に進むと崖の下に 「天恵」と書かれた行場跡に出ます。さらに上に登ると同じように岩穴を使った住居跡に出ます。どちらも 瓶や鍋などが残っていました。戦後の一時期に使われていたようです。崖沿いに登ると不動明王などの 像がありました。前回来たときには下に載せたカンカケイマイマイの殻も見かけました。

カンカケイマイマイの殻 水飲み場 石門横の小宮跡 西の石門
石のころがる山道 窓からの眺め
元の道に戻り次の右(西)側のカーブにわき水があります。前回来たときはヒシャクもありました。 次は水飲み場横の崖沿いに進みます。今度は西に水平に進み次の崖のところで少し下に 降りて崖をまわりこみ崖沿いに上に登ります。木に赤い星印マークがあるところから西に進むと 「西の石門」にでます。結構大きいです。東側は木立に囲まれていますが西側は平地で 木も無いのでこちら側で祭祀などをしていたのかなと思いました。元の道に戻り九十九折りの 道をしばらく登ると高い木も少なくなり峠の頂上も近づいた辺りに岩場がありその上に行くと 内海の風景が目の前に広がります。窓の名の由来は本によって異なりますが、両側の岩壁の 間に風景がひろがって見えるので建物の窓からの眺めにたとえたという説があります。

「中山みち」道しるべ お地蔵様 栗畑の跡を抜けて 谷状になった道 昔を偲ばれる道
風景を眺めて休憩して登り始めるとすぐに峠の頂上に出ます。そこには道しるべとお地蔵様が ありました。右手の崖沿いに登る道を行くと四方指に行けますが今回は西に向いて進みます。 笹の間を通っていくと両側に栗畑の跡がひろがっています。数年前まで小豆島ヴィラが管理して いたそうですが今は草におおわれつつありました。しばらく行くと笹も少なくなり歩きやすくなります。 そして道は左に曲がりますが、そこを右に行くと蛙子池・銚子渓方面に着くそうです。とりあえず 左に進むと谷間で右にカーブして登り始めます。このまま行くと段山・小豆島ヴィラまで登って しまいますので谷間にある荒れた道を下ります。昔は整備された道だったようですが中央部が V字谷になっている箇所もあります。そのまま下ると舗装路に出て中山池にでます。私は ここまで車で迎えに来てもらいましたが、池の堤を通ってさらに下っていくと中山の中心部に出て バスに乗ることもできます。今回の私の所要時間は寄り道をしたり迷ったりで3時間ほどかかりましたが 昔の人なら中山から草壁地区まで歩いても2時間かからなかったのではないかと思います。

2007年3月追記

道しるべ 奥に祭壇の跡がある小さい洞窟
・登り初めてすぐの椎茸栽培所の手前から山道を登ると尾根沿いに石門のある谷に出ます。
・石門の谷は以前は東側を登ってから谷を渡りましたが、谷を渡ってから谷沿いに登る方が わかりやすくなっています。
・最近はボーイスカウトもキャンプに利用しています。
・石門への入り口には山の会が道しるべを設置してくれています。


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