津島通信

MAY 2004
PREV | NEXT


◆CONTENTS◆

【広告】
【きむたく日記】

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

back numbers


広 告(刊行より1年間)

¶ 米村みゆき『宮澤賢治を創った男たち』青弓社,2003.12.17,本体3,000円+税

¶ 岡山市・岡山市文学賞運営委員会編『おかやま しみんのどうわ2004』吉備人(きびと)出版,2004.2.14,定価1,000円

¶ 『敍説』U―07,「特集◆距離感」,花書院,2003.1.6,本体1,800円(税込)

 木村も書いています.

¶ 綾目広治 『倫理的で政治的な批評へ』皓星社,2004.1.30,本体2,800円+税

 のっけから福田和也批判で始まる痛快で刺激的な著書.批評理論系の方は,看過できない綾目先生の新著です.

¶ 米村みゆき編『ジブリの森へ 高畑勲・宮崎駿を読む』森話社,2003.12.15,本体2,200円+税

 映像テクストであるジブリ作品をどう「読み」「研究」の射程の中に位置づけなおすのか,文学研究者たちの果敢な取り組みです.

¶ 『現代文学史研究』第1集,現代文学史研究所,2003.12.1.
 大久保典夫「純文学の死」,大井田義彰「越境する中年女―松本清張『けものみち』論―」他.

¶ 千年紀文学の会編『過去への責任と文学』,皓星社,2003.8.15.本体2,800円(税別)
 綾目広治「現代思想と文学―九・一一の以後の文学と思想」他

¶ 『敍説』U―06,「特集◆性交」,花書院,2003.8.12,本体1,800円(税込)

¶ 原爆文学研究会編『原爆文学研究』2,花書院,2003.8.1,本体1,200円(税込)

目次


「演劇鑑賞サークル」のご案内 (岡山限定)  

   以下の要領で,演劇を鑑賞する仲間を募集します.役者が目の前で演じている舞
   台を見ると,TVや映画とは違う迫力と魅力に圧倒されます.募集の期限はあり
  ませんので,是非入会をご検討ください.

                  記

  ・入会の条件
   @教官・事務官・学生・院生・OB,OGなど,一切不問.
   A最低半年以上,サークル会員でいられる人.
 
  ・ 申し込み先:木村 功  〒700-8530 岡山市津島中3丁目1−1 岡山大学教育学部内
     (入会先:岡山市民劇場  岡山市磨屋町4-21 金谷ビル2F,086-224-7121,FAX086-224-7125)

    ・費用
   @入会金:1,500円
   A月会費:
        一般会員;2,300円
        学生会員;1,800円,
    
  ・演劇上演の時,入場料は要りません
  年間平均6〜8本の演劇が鑑賞できます.普通演劇鑑賞は,5,000円以上/1回
 かかりますので,演劇が好きな人にはかなりお得といえるでしょう.また,席が
 余れば期間中複数回の観劇も可能です.
 
  ・個人単位だと,事務局から割り当てられる座席の位置が悪くなるので,「サー
  クル」という単位(3人以上)を作って座席の割り当てを貰った方が,費用対効
  果があがるのです.

  ・詳細は,木村まで.

 -------------------------------------------------------------------------------
 2004年 6月例会「雁の寺」


「きむたく日記」

5月31日月曜日
     中国地方は29日に梅雨入りした.昨日は蒸し暑く30度を記録して,今日は一日雨である.
     29日午後,同僚の授業につきあって長島愛生園に行ってきた.
     自治会メンバーである神谷さんという元患者の方の案内で,資料館や施設をめぐり,お話を聞いた.
     患者さんたちが入所の際に,全身裸にされて前後ろ写真を撮影されていたことを知り,衝撃を受けた.皮膚病扱いされていたので,外側の症状を記録するためなんだろうと言われていたが,とても耐えられるものではない.
     つれてこられた患者が最初に診察を受ける回春病棟跡も見たが,消毒用(注)に白いクレゾール液を入れられて入浴したという浴室が印象に強く残った.浴槽自体は大きくは無いのだが,浴室が不自然に広い.つまり患者が入浴している時に,看護士たちが見ている場所が確保されているのである.当時の証言によると,若い女性でも,看護士たちの目の前で衣類を脱がされ,酷い場合には男性と一緒に入浴させられたという.
     証言を思い出しながら,当時のことを想像してみると,人権蹂躙の惨さ・恐ろしさが身に迫ってくるように感じられた.この他にも,金銭を取り上げられ,名前を園内通称に切り替えさせられ,死亡した時用に解剖受諾書にサインをさせられる.病気になっただけでも災難なのに,医者・国からこんな目に遭わせられるのである.
     こんなことが,愛生園だけでも2千人余の患者にされていた.
     あらためて,怒りを新たにした一日であった.

    (注)ハンセン病の伝染性はかなり弱く,免疫力の弱い赤ん坊・老人がかかる程度といわれているので,このような「消毒」をする必要はない.「入浴」は,患者たちに「ハンセン病患者」であることを受け入れさせるためのイニシエーションなのである.

5月27日木曜日
     午前1コマ,午後1コマの授業のあと,学生の面談.4年ゼミ生の来襲が続いて,一日の勤務時間があっという間に終わってしまった.最後には,県北で教員をしているゼミ卒業生が,研修を利用して会いに来てくれた.遅くまで働いているためか,痩せていたのが気の毒に思えた.お土産をありがとう.2ヶ月ぶりだが,久々の笑顔が今日の収穫だった.
     注文していた,『遠藤周作「沈黙」草稿翻刻』(長崎文献社,3,150円)が入荷.大学院のゼミ生と2人で購入.「沈黙」の草稿は,遠藤の元に遊びにきていた学生が,不要と思って風呂の焚き付けに使って殆どが燃やされてしまったのだそうだ.その意味で,わずかに残った資料の翻刻は貴重である.
5月26日水曜日
     寝不足でツライ.朝5:30に目が覚めてしまったのだ.そのまま1限の教養講義に出かける.
     13:30から会議の3連続.終了は,17:15.「充実」しているなぁ(独法化していよいよ忙しい).
5月25日火曜日
     ここ数日,更新ができなかったが,サボっていたわけではなく,書きたくてもかけない話題ばかりであったので,自主規制(?)していた次第.
     午後,講義2つ.国文学の授業では,関礼子氏の「樋口一葉」(岩波ジュニア新書)を実物で紹介する.しかし紹介はしたが,人の本なので買ってとは言わなかった.
     先日見たDVD版「オケピ!」(三谷幸喜)の挿入曲「俺たちはサルじゃない」(「俺たちは天使じゃない」のもじり)のコーラスが,今日も呪いのように頭に鳴り響く.
     学生の指導をしていても,「俺たちはサルじゃない〜」と聞こえているのだ.誰か止めて.
     ちなみにウチの奥さまは,あまり三谷幸喜の自虐系の「笑い」が好きではない.
5月19日水曜日
     朝1限で教養の講義.近代女性史を家父長制を中心に60分でしゃべり,「十三夜」を残りの時間で解説する荒業の授業であった.帰途生協に立ち寄り,『「赤毛のアン」の秘密』を見つけて購入する.岩波から『ゲド戦記外伝』が,今月27日に発売されることを知る.買わねば! ああ,なぜ講義がある期間に刊行するのか.
     この数日,来年度の教養科目の担当者を決める仕事にかかりきりであったが,ようやく目途がついたので,自分の仕事に打ち込める.
     白石加代子・藤原竜也の「身毒丸」のDVDが紀伊國屋書店から届いた.「ラスト・サムライ」のDVDも買ったばかりで,観る時間を作らねば.
5月12日水曜日
     朝1限で教養の講義.早朝から「人肉食」がテーマで,受講生たちに苦笑される.
     来年度の教養科目担当者のメンバーを集める雑用に追われる.気がついたら,今年最初のゼミの時間.対象は,芥川の「鼻」である.
     4年生が,3年生にお手本を見せてくれる回であり,担当者Kは相当努力してくれたらしく,内容的には「良いお手本」になっていた.
     この緊張感が,卒論まで続けばよいのだが…….
5月10日月曜日
     昨日は日曜日にもかかわらず,大学院の新入生歓迎会に出席.日曜日の夜の外出は,翌日が月曜日だけに心理的に辛いものがある.幹事さんは,日曜日は外すというのが,こういう会の基本であることを理解して貰いたいものだ.

     遅ればせながら,「冬のソナタ」が我が家のブームになっていて,地上波で第6話の放送(材木がミニョンを襲う!)を見終わってから,続きをみたい我々は,日曜日にTUTAYAへ行って11話〜14話を借りて来てしまったのだった(7話〜10話はレンタル中だった).
     ただし,僕の視聴の関心は,ユジン役のチェ・ジウを見るためだけであり,彼女のウェディング・ドレス姿(13回)にはまったく惚れ惚れしたものだった.  ネタバレになるが,14話でとうとうミニョンとチュンサンが同一人物であることが判明.物語の展開もスピーディーで一番盛り上がる回であった.敵役のチェリンのやけ酒シーンも大変印象に残った.「なぜ誰も私を愛してくれないの.私が好きな人からは,愛してもらえない」云々の嘆きは,私の近辺からも聞こえてくるという意味で,人類普遍のテーマではあるなぁ.
     それにしても困るのが,奥さまが「私もこんなに愛されたい,純愛したい」と言うことだ.それに対して,「そんなに濃い〜毎日は,耐えられない」というのが僕の回答である.
     「新潮」の特別号を購入.

5月5日水曜日晴(子どもの日)
     連休最後の日,明日の講義準備のために大学に(イヤイヤ)出勤.さすがに構内にはほとんど誰もいない.
     我が家の連休は,2日に「海を眺めながらランチを食べたい」という奥さまのリクエストに応えて,小豆島に半日旅行(サル園・尾崎放哉記念館)に行ったくらいで,あとは自宅で読書・論文書きの静かな日々であった.人混みが大嫌いなので,僕はこれで十分満足しているのだが,子どもがいるとこういうGWはすごせなくなるのだろうなぁと,不安に思う(何時のことやら).そうそう,行楽シーズンの小豆島は,レンタカーも完売状態なので,やはり自家用車が必要である.バスもあるが,本数が少なくてほとんど使い物にならない.タクシーがあるが,これも行き先に待機してくれているわけではないので,便利とは言いがたい.なかなか不便な島であることを思い知らされた.
     テレビをつけると,GW特集なのか,混雑レポートなのか良く分からん内容で辟易する.おかげで中断していたアグネス・スメドレーの「偉大なる道」(岩波文庫)を大分読み進めた.昔の中国の教育内容も分かったりするので,これも面白い.