津島通信

MAY 2005
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◆CONTENTS◆

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【きむたく日記】

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広 告(刊行より1年間)

¶ 一柳廣孝・久米依子・内藤千珠子・吉田司雄氏『文化のなかのテクスト』双文社出版,2005.2.25,本体1,800円+税

¶ 野中潤氏『横光利一と敗戦後文学』笠間書院,2005.3.17,本体3,700円+税

¶ 岡山市・岡山市文学賞運営委員会編『おかやま しみんのどうわ2005』吉備人(きびと)出版,2004.2.20,定価1,000円

¶ 『敍説』U―09,「特集◆薩摩」,花書院,2005.1,本体1,800円(税込)

¶ 宮川健郎氏『日ようびのお父さんへ 本をとおして子どもとつきあう』,日本標準,2004.11,定価1,470円

¶ 馬場伸彦編『ロボットの文化誌』,森話社,2004.12,本体2,300円(税別)

 米村みゆきさんの「アトム・イデオロギー」(第3章)が含まれています.

¶ 真樹龍彦『聖餐の夜』,沖積社,2004.11,本体2,500円(税別)

 漱石研究・百闌、究・幻想文学研究で業績をお持ちの,真杉秀樹氏の小説です.真杉氏には,他に『「東電OL殺人事件」行―ある女の生涯―』,『赤い死』,『ふざけた殺し』,『吸血鬼の夜』の作品があります.

¶ 玉井敬之『夏目漱石詩句印譜』,翰林書房,2004,本体4,000円(税別)

 漱石の研究書ではありませんが,師匠の趣味の本です.

¶ 『原爆文学研究』3,花書院,2004.8.31,本体1,200円(税込)

¶ 『敍説』U―08,「特集◆梅崎春生」,花書院,2004.8,本体1,800円(税込)


「きむたく日記」

5月31日火曜日晴

     ブログに挑戦してみました.
    http://areasoseki.at.webry.info/

5月30日月曜日晴

     もうすっかり初夏といってよい気温である.でも以下は,ゾッとする話.
     今日の午前2時ごろのことだが,岡大医学部がある東古松で,警察と中国人グループとの銃撃戦があった.巡回中の警察官が不審なワゴンを発見し,職務質問しようとした所,車から降りてきた男がバールで警察官を襲撃,さらに別の男が拳銃を発砲したのである.応戦する警官は,5発を発砲.一発が相手の太ももに命中し,逮捕したそうだ.
     歌舞伎町じゃないのに,市内での銃撃戦とは…….岡山もかなり物騒になってきた.

5月24日火曜日晴のち曇

     昼休みに,郵便物を出すために津島郵便局まで10分かけて歩く.出掛けには曇り按配だったのが,見る見る黒雲が垂れ込めて来たので,大いに焦る.天気予報では晴れで降水確率0パーセントと言っていたのに…….昨日もそうだったが,空はにわか雨が降るような気配で緊張感一杯である.傘など持ち合わせていないので,必死で歩くはめになった.
     帰る途中生協に入荷本を受け取りに行き,「せりふの時代」に坂手洋二の新作が掲載されているのを認めてこれもついでに購入する.
     それからまた,雨に降られぬよう必死で教育学部棟めがけて歩こうとジャケットを脱ぐと,学生に後ろから「落としましたよ!」と注意される.見ると,黒いカード入れが落ちていた.かくも慌しい35分間の散歩だったが,研究室に入って暫くすると空は晴れ上がって来るのだった.
     まぁ,人生ってこんなものか,と思う.

5月23日月曜日晴

     妹からFAXを貰った.中学生の上の甥っ子が,先週17日から19日の間東京へ修学旅行に出かけていたとのことで,その概要が書いてあった.
     甥は国会議事堂や東京タワーを見学し,ミュージカルのキャッツまで観にいったそうだ.2日目には総合学習として,渋谷から班毎に指定の場所(東京ドーム・NHK・東京農大など)に行き,それから東京ディズニーランドへ行くために15:00に舞浜駅に集合するというオリエンテーリングのような体験をしたとのことであった.ちなみに甥の住む但馬には,JR山陰線(複線)が走っているだけである.私鉄との乗り継ぎがあったのかは知らないが,但馬の少年・少女には結構スリリングな体験だったろう.当の甥っ子だが,彼は早稲田大学に行ってWのマークが入った早稲田饅頭を,家族への土産に買って来たそうだ.黒い詰襟の制服姿でリュックを背負い,学生が行き交う構内をウロウロしている甥っ子たちの小さい姿が目に浮かぶようであった.
     僕は中学時代の修学旅行の記憶が全くない.但馬地方の中学生なら国会議事堂や東京タワー見学は,規定ともいえるルートだと思う.しかし,ミュージカルを観にいくなんて羨ましい話だ.僕らは皇居を回ったのではなかったか.ミュージカルの「キャッツ」ってのは,あの年代で楽しめるのプログラムかなぁと思う(当人曰く,「尻が痛かった」というのが感想).「ライオンキング」だろうと思うのだが,ともあれ時代は変わったものだ.早稲田大へのオリエンテーリングなども,引率教師たちはGPS機能つきの携帯電話で,生徒たちの行動を把握していたようで,この点でも確実に時代は変わったのだなぁと実感させられた.

5月19日木曜日晴

     講義2つ.喉の調子が悪い.今朝,布団を跳ね飛ばして寝ていたので,それが原因だろうか.季節がようやく夏に向けて動き出したようで,教室の窓を開けて授業を行う.聞こえてくるのは,バイクが通り過ぎる音,救急車のサイレン.それに,講義が始まって35分経ってから入室してくる学生が,扉をそっと閉める音(コラッ).

5月18日火曜日雨のち曇

    図書館ごもり.旧館のホコリにまみれ,身体が痒くなる.

5月17日火曜日晴

     ジョン・ローンのデビューを飾った「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」のDVDを入手.これで,木村のギャング映画コレクションがほぼ完成である.ギャング映画は多いが,「ゴッド・ファーザー」シリーズは言うまでもなく,懸案だった「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」とこの作品を手に入れることが出来て本当に嬉しい.健さんと松田優作が出た「ブラック・レイン」も結構お薦めである.
     それにしても,ジョン・ローンはどこに消えたのだろう.「ラスト・エンペラー」が頂点だったのかなぁ….B級映画の「シャドー」に出ていたのには驚いた.
     最近,面白い映画がないなぁ,と観ているヒマもないのだけれど,思う.
     20:00過ぎまで残業.

5月13日金曜日曇

     寒い.どうやら厳冬期にもひかなかった今年最初の風邪を,この5月にひいたようで呆れるやら困惑するやら,複雑な気分である.連休中に薄手の掛け布団に変えたのだが,ここ数日の寒さには十分な寝具とはいえなかったらしい.
     鼻水をすすりながら,午前中岡山市中央図書館で,雑誌のバックナンバーを調査.岡山出身のホラー作家に関する特集で,男漁りのエロ話対談をコピーしながら,情けなくて鼻水だけでなく,涙まで出そうになった.

     山村孝一氏は,中世文学の研究者である.
     別名「喧嘩太郎」と呼ばれていて,木村の大学院時代の愛すべき先輩でもある.その山村さんが,「『徒然草』に『序段』はなかった」(『同志社国文学』第62号)という,刺激的な論文を発表されている.以下要旨部分を紹介すると,

       現在,我々が目にする『徒然草』では,この有名な冒頭部は「序段」と呼ばれている.ところが,本来,『徒然草』にはこのような章段区分はなかった.また,「序段」という名称も,明治以降,誤解によって生じたもので,誤用が定着してしまったものである.
     というのである.具体的にいうと明治27年に出た鈴木弘恭(ひろやす)『徒然草文段抄』(青山堂書房)が,江戸時代まで「序文」と認識されてた「つれづれなるままに〜あやしうこそものぐるほしけれ」の冒頭を,「序段」と書いたことから始まって,大正期の沼波けい音『徒然草講話』(大正3年,東亜堂書房)を経て,次第に定着していったようなのである.
     山村さんは〈現在,我々が目にする『徒然草』冒頭本文は,近世以降の解釈を色濃く反映した物で,作者兼好の意図とはまったくの別物になってしまっていることが,明らかになった〉として,〈後世の色眼鏡を外し,原点に立ち返って読むことではないだろうか〉と問題提起している.
     さて,皆さんは山村論文をどう思いますか? 詳しい内容が気になった人は,「同志社国文学」第62号加美宏教授退職記年号をご覧下さい(PDFファイルで閲覧可能).

5月12日木曜日曇

     なんで,この数日間肌寒いのでしょう.
     立ち話をした事務職員の女性は,連休中に冬物をしまったのに,出さないと風邪を引きそうだといっていた.僕も今日は出勤時に,車に暖房をいれた程である.
     講義2つ.芥川の「蜜柑」と「走れメロス」だが,どちらも上手く説明できなかった箇所があり,少々不満足.何回もやっている教材なので,受講生は初めてあるということを意識していても,時間の都合もあって説明をすっ飛ばしてしまう箇所が出てくるのだ.読めている学生は問題ないが,そうでない学生には申し訳ない結果になるので,反省.
     今日は16:00からゼミ(前期は村上春樹が対象)もあるのだが,この休憩時間中に体力が回復できるかどうか.

5月10日火曜日晴

     午後食事しながらメールチェックをしていると,3月末日に送信した原稿について,「まだ受け取っていない.明日印刷所に入稿なので早く送れ」という督促メールが入っていた.編集者の他に,念のためにもう一人の責任者(今回のメールの送信者)にも送信していたにも関わらずである.どちらも失礼千万も良いところで,五月晴れのように爽やかで穏やかな木村センセイも,さすがに「ブチ切れ」た.
     腹立たしい気分を引きずりながら,講義.研究室に帰ってくると,紀伊國屋書店からFAXが入っていた.発注した本について,「購入依頼票には4冊とあり,実際に図書館へ納入した冊数は1冊です.どちらが正しい数字なんでしょうか.返事を下さい」って,ワイ……もとい私に聞くのか? 注文した冊数は,そちらもデータとして持っているだろうに,何のためのインターネット購入システムか,と思う.電話をしたら,とっくに帰ってやがる!(キー)
     他人のミスで,なんで時間を割かれて不愉快な思いまでしなければならないのか.本当にイライラさせられる一日であった.「プンプン」(C)さとう珠緒

5月9日月曜日晴

     珍しく30分寝坊.朝1ゼミの予定だったので,バナナを1本食べて,慌てて出勤した.木村の寝坊は1年にあるかないかなのだが,今日は連休明けの出勤ということで緊張したのか,4時まで眠れなかったのだ.携帯のアラームに気づかなかったほど熟睡していたらしいのだが,致命的なまで寝過ごさない自分の几帳面さ(?)には涙が出る.
     昼休みに津島郵便局まで用事がてら散歩.今日は,本当に爽やかな五月晴れで,からっとした空気と,室内で読書三昧の久々を過ごしていたのでお日様・紫外線が心地良かった.学生たちも外でコンビニ弁当を広げて食べているので,羨ましくなる.
     リフレッシュできたおかげで午後も気持ちよく,五月雨式に降りかかってくる「雑用」に対処できた.
     学生の指導で血圧が上がったかなぁと思って,懇話室にある血圧計で図ってみると,上120の下72であった.まだまだ,学生指導で「殺される」までは行かないようなので安心である.
 

5月6日金曜日雨

     長い連休を如何お過ごしでしょうか? 木村も8日ぶりの出勤です.その間の木村は,自宅で読書三昧の日々というか,積読書の解消の日々というか,毎日お勉強の日々でございました(一応).

     休みの間もJR関連のニュースが報道されていたので,関心を持ってみていたのだが,事故後に救助しなかった2人の運転士の問題行動や,天王寺車掌区のボーリング大会・懇親会(2・3次会)問題など,不祥事を上塗りする問題が次々に出てきて,公共交通の担い手たちの責任意識の劣化に目を覆いたくなる.
     JR西日本の社員たちの問題行動は,JRグループに潜在している問題なのか,JR西だけの問題なのか.少なくとも社員個々人の個別的な問題として矮小化することで,利益を追求する組織の論理が個人の内面にいかなる変容をもたらしたのかを明らかにすることから目をそらしてはいけないだろう.
     また,そこからは,我々日本人が抱える問題−−無責任問題も見えて来るように思うのだが,どうだろうか.