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「こころ」と明治の思想

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 明治の思想といふのは,「私は倫理的な人間です」とか「恋愛は神聖」とかいふてゐるアタリなんですよ.
 漱石自身自分を「明治以前の道徳」=国・君・親・他人本位の考え方と,「明治以降の道徳」=自分本位の考え方のハイブリッドだといつてました.先生もK本位で考えたかつたけど,自分の欲望にまけた人でした.そういふ葛藤に,明治に生きた近代人の精神的な特徴を漱石は見出していたのでせう.
 あと「恋愛」といふのも,明治の20年代半ばにキリスト教の考えとともに明治のブンガク青年に流布した新しい風俗でした.
 ほかにも「明治の精神」といふのもありますが,これについては百家争鳴状態で,あまり立ち入らぬがよろし.
 以上,ご参考までに


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