鑑賞日:2008.05.14/公開日:2008.05.10
「最高の人生の見つけ方(THE BUCKET LIST)」
(演)ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン、ショーン・ヘイズ
皆さん、こんにちはー。
今日ご紹介するのは、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンのアカデミー俳優が主演の「最高の人生の見つけ方」です。
邦題はなーんとなくうそ臭いなぁと思っていたのですが、原題の「THE BUCKET LIST(棺おけリスト)」に興味をひかれました。(^^;
タイトルが、そのものズバリ《棺おけリスト(棺おけに入るまでにやっておきたいことをリスト化したもの)》なわけですから、
主人公が劇中で死を迎えることは分かっているわけです。
死を受容して、どんなことを人生の最後にしようと思ったのか、とても興味があったんですよねぇ。
主演の二人は、どちらも1937年生まれでそれなりの年齢だし、結構現実味がある内容になっているかなぁと思ったからです。
また、クセのあるジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンがどう共演するのかにも注目していたので、
それなりに期待して観に行ってきました。(^-^)/
ちなみに、同じような《棺おけリスト》モノ?の映画としては、
2003年に制作された「死ぬまでにしたい10のこと(My Life Without Me)」があります。
こちらは、主人公が23歳の女性なので、あまりざらに起こることではないですね。
そういう意味でも、本作は《誰にでも起こりうること》として観られるのではないか、と思いました。
さて、ここで簡単なあらすじを紹介しましょう。
一代で築き上げた財産を更に増やすことと、最上級のコーヒーを飲むことだけが生き甲斐のエドワード・コール(ジャック・ニコルソン)。
ガールフレンドの妊娠により、大学を1年で中退し、その後46年間ひたすら家族を養うために自動車整備士として働いてきたカーター・チェンバーズ(モーガン・フリーマン)。
まるで接点のない人生を歩んできた二人が、一つの病室で入院患者同士としてめぐりあった。
それぞれ、余命は半年間。
カーターが病室で書き留めた『BUCKET LIST(棺おけリスト)』をきっかけに、
二人は残された人生を有意義に過ごすための旅に出る……。
この手の話は、ともするとお涙頂戴になりがちですが、本作は適度にユーモアを織り交ぜており、決して重苦しい話ではありません。
しかも、押し付けじゃない程度に“死を通じて生を見直すことができる”よう、うまい具合にまとめられていました。
ここ数年の純愛ブームで、死を扱う作品が氾濫していますが、
この作品は《悲劇的な運命の主人公に感情移入させ観客を泣かせる映画》ではありません。
余命宣告は悲劇的には違いないのですが、主人公は病気に関係なく、年齢的に人生の終わりに近づいている男たち。
これまでの人生で、遣り残してきたことや悔いを漠然と感じてはいても、日常生活を変えるきっかけがありませんでした。
それが、余命宣告を受けたことで、死を受け入れるためには、残された時間を輝かしいものに変える必要があることに気づかされるのです。
この作品のよいところは、闘病の苦しさを描くのではなく、よりよい死を迎えるための“準備”を描いた点。
老年期を迎えたら、死から目を背けるのではなく、将来の死を受容することで逆に残された生を活かすという発想は、
もっとあってもよいのではないかと深く考えさせられました。
もっとも、余命を宣告されるような状態になってからでは、遣り残したことをやり遂げられる保証はどこにもありません。
だから、平均寿命が近づいてから考えるのではなく、身近な人の死を経験したときとか、
人生の折り返し地点を過ぎたとき(平均寿命の半分くらい?)とか、
もっと若いうちに自分の人生を度々見直さないといけないなぁ、と思いました。
そういう意味で、全ての大人にオススメしたい作品です。
一人で観に行って自分の人生をじっくり振り返るもよし、パートナーと観に行って互いの人生観について語り合うもよし。
真面目に、自分の人生を一緒に考えてくれそうな人と観に行くとよいでしょう。
私は一人でふらっと観にいったのですが、またパートナーと一緒に観たいなぁと思える作品でした。
ちなみに、この映画では、一人が労働者階級で、一人が成功した実業家です。
一人を金持ちにしたところ、しかもジャック・ニコルソンが演じているところもミソ。
ジャック・ニコルソンが言うから笑えるジョークや、一人を金持ちにした設定が活きる様々なロケ地など、
本当によくまとまった作品でした。
最近、巷でエンディング・ノート(自分が死んだ際、家族などに伝達すべき事項や葬儀の希望などをまとめておくノート)
が流行っていますが、それより前に《棺おけリスト》を作っておくべきですね。(^^;
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