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鑑賞日:2008.06.21/公開日:2008.06.21
「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国(INDIANA JONES AND THE KINGDOM OF THE CRYSTAL SKALL)」
(演)ハリソン・フォード、シャイア・ラブーフ、ケイト・ブランシェット、カレン・アレン、レイ・ウィンストン

インディ・ジョーンズ4
パラマウント・ピクチャーズ配給
皆さん、こんにちはー。
 今日ご紹介するのは、19年振りに帰ってきたインディ・ジョーンズシリーズの最新作、「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」です。
 私は、1作目の「レイダース 失われたアーク」、2作目の「魔宮の伝説」のときは、お子ちゃまだったもんで劇場では観ていません。
 が、TVで放映していたのを見て、小学生ながらインディー・ジョーンズの大ファンに。
 「魔宮の伝説」から5年後の1989年に3作目の「最後の聖戦」が公開されたときには、 「初めて大きなスクリーンで観られる」と、とても嬉しかったのを覚えています。
 ただ、タイトルが「最後の聖戦」だし、インディシリーズはこれが最後だと思っていたんですよね。
 まさか、19年を経てカムバックするとは思いませんでした。(^^; ←いや、何年か前から企画が進行してたけど、脚本でモメたらしいのでギリまで本当かなぁ?と疑ってました。
 でも、ハリソンがインディとして戻ってきてくれて、ファンとしてこんなに嬉しいことはありません!
 それに、マリオン(カレン・アレン)も!
 「レイダース」のヒロインがまた登場するなんて、長年のインディファンにはたまらないサービスです。(^^)

 本作は、14、15日に先行上映をしていたので、試写にはずれた時点で先行上映で観たかったのですが、 所用で都合がつかず、初日にようやく鑑賞となりました。
 さて、ここで簡単なあらすじを紹介しましょう。

 舞台は、前作から19年後の1957年。超常現象的なパワーが宿っているという秘宝“クリスタル・スカル”を求め、 相棒の若者マット・ウィリアムズ(シャイア・ラブーフ)とともに、新たな冒険の旅に出る。
 しかし、クリスタル・スカルの力を信じている旧ソ連軍の指揮官スパルコ(ケイト・ブランシェット)は、 インディを利用してクリスタル・スカルを手に入れようと目論んでいた。
 インディは敵の裏をかき、クリスタル・スカルを手に入れられるのか。また、その秘めたパワーとは……。

 と、まぁ、いかにもインディシリーズらしいあらすじですね。(^^)
 インディシリーズには、神秘の力を持つお宝を求める悪の集団(ナチスだったり、邪教を崇拝する集団だったり……) はつきもの。
 今回の敵役は、旧ソ連軍。米ソ冷戦時代が舞台なので、無難なところでしょうか。
 その指揮官スパルコを演じるのが、ケイト・ブランシェット。
 彼女は、本当に変幻自在ですね。どの映画もまるっきり違うイメージの役柄を演じ分けられるのは、 本当にすばらしいです。

 一方インディ演じるハリソンは、というと。
 はっきり言って、動きにキレがありません。結構なお年だから仕方ないんですけどね。
 ただ、そのキレのなさを笑いに変えているところは、さすが。
 これまでのシリーズを見ている人は、過去の作品と比べて笑えるアクションシーンがたくさんあります。
 アクションシーンだけでなく、これまでのシリーズを見ている人ほどクスッとなるシーンが満載。
 一応これまでのシリーズを見ていなくても楽しめるようにはなっていますが、 これまでの作品を観たことがない人は、本作を鑑賞する前にDVDで観ておいたほうがより楽しめるでしょう。
 何しろ、写真や銅像だけで出演?のあーんな人やこーんな人もいますから……。
 特に復習しておきたいのは、「レイダース」。1作目からのファンは、冒頭から“ファンサービス”にニヤリとできます。
 それと、「最後の聖戦」も是非復習しておいてください。ショーン・コネリーとの掛け合いを復習しておけば、 また別のところで、ニヤリとできます。
 あとは、インディとは関係ありませんが、舞台となる1957年の10年前の事件(タブロイド的な、ですが) を押さえておきましょう。これを知っていると知らないでは、ストーリー展開の納得性がだいぶ違ってくると思います。

 それにしても、前作から19年経っていることと整合性をあわせるために1957年が舞台になっているのは、 本当に脚本上うまいこといったなーという感じ。
 個人的には、あの手の展開は苦手なんですが、 露骨じゃなかったし(露骨な脚本もあったらしいけれど、ハリソンがダメ出しをしたとか) あの時代を背景にするなら仕方ないというか、それなりによく練られた脚本だと思います。 ←思わせぶりな上に分かりづらいですが、これ以上書くと完全なネタバレなので……。
 でも、やっぱり、個人的には前3作の方がよかったかな。インディがだいぶ年取っちゃったのがちょっと寂しいというか。(^^;
 スピルバーグ、ルーカス、ハリソンの3人は、もしかしたら、また次回作もあるかも……などと思わせぶりな発言をしていますが、 あながちリップサービスでもないかも。そんな終わり方に見えました。
 もし、次回作があるなら、やっぱりそれはそれで楽しみです。(^^)

【Holyの評価・・・(^-^)/VeryGood(★★★★☆) ← インディのアクションのキレは悪くなっているけれど、そこは笑いのパワーで完全カバー。マリオン再登場で、レイダースからのファンには嬉しいシナリオになっています。やっぱり、インディ・ジョーンズって面白い!


鑑賞日:2008.05.14/公開日:2008.05.10
「最高の人生の見つけ方(THE BUCKET LIST)」
(演)ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン、ショーン・ヘイズ

最高の人生の見つけ方
ワーナーブラザーズ映画配給
皆さん、こんにちはー。
 今日ご紹介するのは、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンのアカデミー俳優が主演の「最高の人生の見つけ方」です。
 邦題はなーんとなくうそ臭いなぁと思っていたのですが、原題の「THE BUCKET LIST(棺おけリスト)」に興味をひかれました。(^^;
 タイトルが、そのものズバリ《棺おけリスト(棺おけに入るまでにやっておきたいことをリスト化したもの)》なわけですから、 主人公が劇中で死を迎えることは分かっているわけです。
 死を受容して、どんなことを人生の最後にしようと思ったのか、とても興味があったんですよねぇ。
 主演の二人は、どちらも1937年生まれでそれなりの年齢だし、結構現実味がある内容になっているかなぁと思ったからです。
 また、クセのあるジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンがどう共演するのかにも注目していたので、 それなりに期待して観に行ってきました。(^-^)/
 ちなみに、同じような《棺おけリスト》モノ?の映画としては、 2003年に制作された「死ぬまでにしたい10のこと(My Life Without Me)」があります。
 こちらは、主人公が23歳の女性なので、あまりざらに起こることではないですね。
 そういう意味でも、本作は《誰にでも起こりうること》として観られるのではないか、と思いました。
 さて、ここで簡単なあらすじを紹介しましょう。

 一代で築き上げた財産を更に増やすことと、最上級のコーヒーを飲むことだけが生き甲斐のエドワード・コール(ジャック・ニコルソン)。
 ガールフレンドの妊娠により、大学を1年で中退し、その後46年間ひたすら家族を養うために自動車整備士として働いてきたカーター・チェンバーズ(モーガン・フリーマン)。
 まるで接点のない人生を歩んできた二人が、一つの病室で入院患者同士としてめぐりあった。
 それぞれ、余命は半年間。
 カーターが病室で書き留めた『BUCKET LIST(棺おけリスト)』をきっかけに、 二人は残された人生を有意義に過ごすための旅に出る……。

 この手の話は、ともするとお涙頂戴になりがちですが、本作は適度にユーモアを織り交ぜており、決して重苦しい話ではありません。
 しかも、押し付けじゃない程度に“死を通じて生を見直すことができる”よう、うまい具合にまとめられていました。
 ここ数年の純愛ブームで、死を扱う作品が氾濫していますが、 この作品は《悲劇的な運命の主人公に感情移入させ観客を泣かせる映画》ではありません。
 余命宣告は悲劇的には違いないのですが、主人公は病気に関係なく、年齢的に人生の終わりに近づいている男たち。
 これまでの人生で、遣り残してきたことや悔いを漠然と感じてはいても、日常生活を変えるきっかけがありませんでした。
 それが、余命宣告を受けたことで、死を受け入れるためには、残された時間を輝かしいものに変える必要があることに気づかされるのです。
 この作品のよいところは、闘病の苦しさを描くのではなく、よりよい死を迎えるための“準備”を描いた点。
 老年期を迎えたら、死から目を背けるのではなく、将来の死を受容することで逆に残された生を活かすという発想は、 もっとあってもよいのではないかと深く考えさせられました。
 もっとも、余命を宣告されるような状態になってからでは、遣り残したことをやり遂げられる保証はどこにもありません。
 だから、平均寿命が近づいてから考えるのではなく、身近な人の死を経験したときとか、 人生の折り返し地点を過ぎたとき(平均寿命の半分くらい?)とか、 もっと若いうちに自分の人生を度々見直さないといけないなぁ、と思いました。
 そういう意味で、全ての大人にオススメしたい作品です。
 一人で観に行って自分の人生をじっくり振り返るもよし、パートナーと観に行って互いの人生観について語り合うもよし。
 真面目に、自分の人生を一緒に考えてくれそうな人と観に行くとよいでしょう。
 私は一人でふらっと観にいったのですが、またパートナーと一緒に観たいなぁと思える作品でした。
 ちなみに、この映画では、一人が労働者階級で、一人が成功した実業家です。
 一人を金持ちにしたところ、しかもジャック・ニコルソンが演じているところもミソ。
 ジャック・ニコルソンが言うから笑えるジョークや、一人を金持ちにした設定が活きる様々なロケ地など、 本当によくまとまった作品でした。
 最近、巷でエンディング・ノート(自分が死んだ際、家族などに伝達すべき事項や葬儀の希望などをまとめておくノート) が流行っていますが、それより前に《棺おけリスト》を作っておくべきですね。(^^;

【Holyの評価・・・\(^o^)/Excellent(★★★★★) ← 期待以上のストーリー。期待以上の演技。期待以上の景色。死を通じて生を見直すドラマだけど、決して重くない。全ての大人にオススメできる素晴らしい作品!


鑑賞日:2008.03.14/公開日:2008.03.01
「ライラの冒険 黄金の羅針盤(THE GOLDEN COMPASS)」
(演)ニコール・キッドマン、ダコタ・ブルー・リチャーズ、サム・エリオット、エヴァ・グリーン、ダニエル・クレイグ

ライラの冒険 黄金の羅針盤
ギャガ=松竹 配給
皆さん、こんにちはー。
 今日ご紹介するのは、イギリス人作家のフィリップ・プルマンの小説を映画化した 「ライラの冒険 黄金の羅針盤」です。
 原作は、「黄金の羅針盤(1995)」、「神秘の短剣(1997)」、「琥珀の望遠鏡(2000)」の三部作で構成されており、 今回はその第一部を映画化しています。
 私は原作を読んでいないのですが、評価の高い原作の映画化とあってとても楽しみにしていた作品です。
 ちなみに、コールター夫人役のニコール・キッドマンのキャスティングですが、 原作者のフィリップ・プルマンからニコールの元に手紙が送られてきて、 「小説を書いていたとき、あなたをイメージしていました。だからぜひ、コールター夫人を演じてください」とあったのだとか。
 原作者たっての願いでキャスティングされるとは、役者冥利に尽きるでしょうね。
 さて、ここで簡単なあらすじを紹介しましょう。

 我々の暮らす世界とは似て非なるパラレルワールドのイギリス・オックスフォード。
 この世界の人々は、“ダイモン”と呼ばれる動物の形をした守護精霊と一心同体に暮らしているのだ。
 勝気でおてんば娘のライラ(ダコタ・ブルー・リチャーズ)は、ダイモンのパンタライモンや親友ロジャーらと共に、騒がしい日々を送っていた。
 しかし、街では謎の組織に次々と子どもが連れ去られる事件が発生し、親友ロジャーも姿を消してしまう。
 「もし、相手が失踪したらお互いに探しあう」という約束を交わしていたライラは、 迷わずロジャー救出の旅に出る。  そして旅立ちの日、彼女は学寮長から黄金色の真理計(アレシオメーター)を手渡される……。

 予告編の映像がすごそうだったので、かなり期待していたんですが……、ちょっと「あれ?」という感じでした。
 映像は思っていた通り迫力満点だったのですが(アカデミー賞視覚効果賞を受賞しました)、 ストーリーがどんどん進んでいってしまうんです。
 三部作の第一部である本作は、物語の背景、登場人物・動物などの紹介も担っているはずですが、 本当にごく簡単な説明だけ。
 ライラの世界には、人間の言葉を話す鎧熊と呼ばれる巨大なシロクマ、魔女族、ジプシャンなど、 我々の世界には存在しない種族が共存しているのですが、その特徴が十分説明されていません。
 ビジュアル的には説明されているんですが(鎧熊はまんま鎧着てますし、魔女は空を飛びます)、 その信条や生き方などの説明がかなり薄っぺら。
 映画の中で山場はいっぱいあるのですが、山場へ至る物語がおざなりのため、 結果的に山場の緊迫感もその後の余韻もありません。←もったいなさすぎ。(-_-;
 多分、お子様にも鑑賞してもらおうと原作のボリュームに対して上映時間を短くしてしまったので、 深い説明がしきれなかったのだと思います(人気ファンタジーを映画化する際に陥りやすい問題。つまり、原作にはきちんと描かれているはず)。
 でも、この上映時間を短くしたのはミスだと思うなぁ。
   原作を読んでいない子供は、ストーリーについて行くのに精一杯で“なぜそうなったのか” ということまで理解できないと思うし、物語への理解も表面的でしかないから。 それどころか、映画を見慣れていない子は、ストーリーにすらついていけないかもしれません。
 であれば、あと30分くらい長くして、中学生〜大人向きに的を絞った方がよかったのではないでしょうか。
 物語の緻密さを犠牲にして表面的なストーリーをなぞるだけでは、大人の原作ファンは満足しないと思うのです。
 原作に大人の固定ファンがいるファンタジーというのは、何層にも折り重なった緻密な設定や描写が評価されているのだから。
ただスゴイ映像見せればいいだろ的な作り方(「ハリポタ」シリーズとか)は、個人的にどうも賛同しかねます……。(-_-;
 色々と厳しいことを描きましたが、主役のダコタとニコールの演技、そして特殊効果をふんだんに使った映像は見もの。
 第二作、大三作と尻上がりに出来がよくなることを期待したいです。

【Holyの評価・・・(^_^)Good(★★★) ← 短時間に山場を詰め込みすぎ。映像や演技はいいのに、もったいない。原作未読の方は(私も含め)、鑑賞後に原作による補習が必要。


鑑賞日:2008.03.08/公開日:2008.03.14
「魔法にかけられて(ENCHANTED)」先行上映鑑賞!
(演)エイミー・アダムス、パトリック・デンプシー、ジェームズ・マースデン、スーザン・サランドン

魔法にかけられて
ウォルト・ディズニー・
ピクチャーズ 配給
皆さん、こんにちはー。
 今日ご紹介するのは、ディズニー映画の「魔法にかけられて」です。
 この作品、これまでのディズニーアニメとは毛色が違う映画なんです。 というのも、ディズニーアニメのセルフパロディだから。ある意味自虐的。 うーん、ディズニーがこんなことするとは思わなかった。
 ここ数年ディズニーのアニメ作品はちっとも面白いのがないなぁと思っていたんですが(だって、ヒットしているのはピクサー作品だけだもんね)、 これはひょっとして久しぶりに面白いかも!と、去年のホリデーシーズンから期待していた作品です。
 まず、アニメと実写の融合のさせ方が面白い!アニメと実写の融合といえば、「ロジャーラビット」が元祖。 もうだーいぶ前からある手法なので、それだけでは目新しくないんですが―この作品は、アニメの世界から追放された先が現代のN.Y.って設定なんです。 いかにもディズニーならではの発想だと思いません?アニメの世界の方が“いい世界”ってことなわけだから。
 でも、そこから先がちょっと今までのディズニー作品とは違うんです。 だって、ディズニーアニメの世界をまんま引きずったお姫様が、N.Y.で白い目で見られるんですよっ! その部分は完全に自己否定。ディズニーアニメの常識がことごとく通用しない世界をわざわざ描くわけだから。 自分たちが描いてきた世界が、現代っ子の生き方と乖離しているって分かってるんじゃん、ディズニー。 ( ̄w ̄)
 次に、リスのPip(ピップ)の熱演。N.Y.のシーンはもちろんCGなんですけど、このPipがかわいいの。 アニメではおっさん声なんですが、N.Y.では甲高い鳴き声(ところどころ早口英語です。ナント、リマ監督の声! ) になってしまい、いろいろパントマイムをするんです。それがホントにかわいい。
 私は手のひらサイズの小動物がものすごく好きで、シマリスを飼ったこともあるんです。 パントマイムをするかわいいPipを英語サイトの動画で観て (2007年11月の全米公開前にはPipが活躍するシーンだけで数分に及ぶtrailerがあったんですが、現在は見られません)以来、 CG版Pipの虜になってしまったんですよねー。
 で、最後の決め手は昨年のホリデーシーズンNo1作品でだったこと。
 本当は是が非でも試写で観たかったんですが、残念ながら当たりませんでした。(T_T)
 前置きが長くなりましたが、ここで簡単なあらすじを紹介しましょう。

 おとぎの国“アンダレーシア”に住む心優しいジゼル(エイミー・アダムス)。
夢にまで見たエドワード王子(ジェームズ・マースデン)との結婚式の日、魔女にだまされ“Happily ever after(めでたし、めでたし)” など無縁の恐ろしい世界に追放される。そして、たどり着いたのは―現代のニューヨーク!
リアルな姿に変わったものの、おとぎの国の“お姫様キャラ”は相変わらず。 しかし、N.Y.では歌も踊りも通用せず、白い目で見られるばかり。
途方に暮れるジゼルが出会ったのは、夢も魔法も信じないバツイチで子連れの弁護士ロバート(パトリック・デンプシー)。 ジゼルを「本物のプリンセス」と信じる娘にせがまれ、仕方なくジゼルを家に連れて行く。
一方、ジゼルの追放をしったハイテンション王子のエドワード、ジゼルの友達でリスのピップ、 エドワードの継母のドジな家来が次々にN.Y.へ現れ、あちこちで騒動を巻き起こす。
ジゼルはアンダレーシアに戻れるのか……。

 かなり期待して観たにも関わらず……、期待通りに面白かったです!\(^o^)/
 これまでディズニーが真面目に作ってきたアニメをあれこれパロディにしているんですが、 ディズニーアニメの“お姫様シリーズ”を知っている人ほど笑えます。
 それに、ジゼル役のエイミー・アダムスとエドワード王子役のジェームズ・マースデンの演技がハマっていて、 これまた余計に笑えるんです。
ジェームズ・マースデンといえば、「X-MEN」のサイクロプス役が有名ですが、 あの役柄を思い出すとエドワード役とのギャップの大きさに、またおかしさがこみ上げてきます。
 本家サイトの予告編で気に入ったPipもかわいいし、 もう大満足の作品でした。
 まぁ、ディズニー作品なんで、ラストは予想通りというのが物足りないといえば物足りない。
 それでも、前半が抱腹絶倒なので十分楽しめました。
 ディズニーアニメが好きな人にも、そうでない人にもそれぞれ楽しめる部分があるので、 オススメ範囲は広いです―男性にも、です!←ディズニーなのに!
 カップルは言うに及ばず、親子でも、女性同士でも、 (行きにくいかもしれないけど)男性一人とかでも鑑賞に堪えられると思いますよ。
 ただ、ディズニーアニメに限らず「白雪姫」とか「シンデレラ」などのおとぎ話を全く知らない人は、 笑える場面がぐーんと減ります。そういう人は、事前に予習してから観てね。

【おまけ:Pip特集】
英語サイトですが、日本語サイトにないコンテンツが見られるよ!
Pipの予告編(現在は短いバージョンのみ):
http://disney.go.com/disneypictures/enchanted/⇒「Video」⇒「Pip's Mime」
Pipのセーバー:
http://disney.go.com/disneypictures/enchanted/⇒「Downloads」⇒「Screensavers」
 

【Holyの評価・・・\(^o^)/Excellent(★★★★★) ← ディズニーがセルフパロディをやったというだけで、★1コ余分につけちゃいます。エイミー・アダムスとジェームズ・マースデンは本当にハマリ役。ジゼルが「That's How You Know」を歌うシーンでは、一緒に歌いたくなっちゃいますよ。←ちなみに、私の隣に座っていたカップルの男性、マジで膝叩きながらリズム取ってました!


鑑賞日:2008.02.27/公開日:2008.02.16
「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋(MR.MAGORIUMS WONDER EMPORIUM)」
(演)ダスティン・ホフマン、ナタリー・ポートマン、ザック・ミルズ、ジェイソン・ベイトマン

マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋
角川映画 配給
皆さん、こんにちはー。
 今日ご紹介するのは、「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」です。
 予告編を見た限りでは、さほど期待していた作品ではなかったのですが、 もともとファンタジーが好きなことと、ナタリー・ポートマン主演ということで(彼女は『レオン』から結構好き)、 公開から10日遅れで観てきました。  さて、ここで簡単なあらすじをご紹介しましょう。

 マゴリアムおじさんが(ダスティン・ホフマン)営むおもちゃ屋は、魔法で命を吹き込まれたおもちゃであふれかえっている。
 そんなおもちゃの数々に、マゴリアムおじさんのお店はいつも子どもたちでいっぱい。 同世代の友達をつくれないエリック(ザック・ミルズ)も、ここにいるときだけは幸せだった。
 でも、マゴリアムおじさんはもう243歳。店の若き支配人であるモリー(ナタリー・ポートマン) に店を譲り、自分は引退することを決意。 店の資産を把握するために、魔法を全く信じない会計士エリック(ジェイソン・ベイトマン)を雇い入れる。
 ところが、モリーはマゴリアムおじさんの引退に大反対。 一流の作曲家を夢見ているのに1曲も書くことができず、すっかり自信を喪失しているからだ。 また、子供の頃は天才ピアニストと騒がれていたことも、今の彼女にはプレッシャーでしかなかった。
 その上、そんなモリーを見かねたおもちゃたちまで抗議を始めたから、さあ大変!
カラフルで楽しげなおもちゃ屋が、重たい灰色の世界に変わってしまったのだ……。


    <以下、ネタバレ注意!ネタバレでもよい方は、黒字部分を反転させてね!>

 魔法を使うおじさんのおもちゃ屋って、どんな感じだろう?
 さぞかし、独創的で奇抜な魔法仕掛けのおもちゃを売っているんだろうなと、 とても楽しみにしていたのですが……。結構“フツーの”おもちゃでした。(-_-+
そりゃ、魔法で“生きている”んですが、あんまり魔法のおもちゃらしくないんだよなー、これが。
例えば、さみしがりやのソックモンキー(sock monkey:くつ下でできた昔ながらのおサルのぬいぐるみ)とか、 段が怖いスリンキー(slinky:段差を下りていくバネのおもちゃのことね)とか、 元のおもちゃ自体は、どこにでもあるものなんです。
 命が吹き込まれていることはすごいんだけど、マゴリアムおじさんっておもちゃ発明家じゃなかったの?
 他人の発明品に命を吹き込むだけでは、おもちゃ発明家とは言わないんじゃぁ……とか、思ってしまいました。(-_-;
 だって、日本のケロロ軍曹のぬいぐるみとか出てくるんですよー。 幻想的なユメの世界を期待していたのに、なんか商業的なニオイを感じてしまいました。(^-^;
 まあ、おじさんオリジナルのおもちゃもあるらしいんですが、基本的にそういうのが話に出てこないから。
 おもちゃ屋のシーンで心が和んだのは、カーミット(セサミストリート初期のキャラ) がお買い物するシーンでカメオ出演していたことくらい。私は彼が大・大・大好きなんです。 ワイヤーが見えるのはご愛嬌。ちなみに、声優はオリジナルだと思うんですが、 パンフとか買ってないのでホントのところはわかりません。
 あと、「ちょっとなー」と思ったのは、モリーの人物設定。
 彼女、子供の頃は天才ピアニストだったのに(でも、ピアニストとは程遠い指使い(-_-;))、今の志望は作曲家……。おもちゃ屋が大好きなのに、です。
 なぜピアニストのままではなく、作曲家になろうとしたのよ?  それに、おもちゃ屋とマゴリアムおじさんをこよなく愛しているのに、なぜ作曲家にこだわるの?  とめちゃめちゃ気になったんですが、最後まで答えは得られず。
 たしかに最後の方で“音楽”は絡んでくるんですが、やっぱり設定が生かしきれていないように思いました。
 彼女の志望が“composer”でなく、“conductor”なら、 その設定が最後のシーンでいい具合に結びつくんですがね……。
 上映時間が約1時間半と短いためか、せっかくのキャラ設定が十分に盛り込めていないのがとにかく残念!
 色々ナゾを残したまま終わるので、そういう終わり方が苦手な方は消化不良な感じがするでしょう。
 出てくるおもちゃや絵本は懐かしいものが多いので、意外に大人向けかも……。

【Holyの評価・・・(-_-)Soso(★★☆) ← エピソードをはしょりすぎた感があり残念。ある意味“不思議”はいっぱいなのに“魔法”は少なめ。最近、ハリウッドでオリジナル脚本の作品が少ない理由が垣間見えた気が……


鑑賞日:2008.01.31/公開日:2008.02.16
「エリザベス:ゴールデン・エイジ(ELIZABETH: THE GOLDEN AGE )」特別試写会参加!
(演)ケイト・ブランシェット、ジェフリー・ラッシュ、クライヴ・オーウェン・サマンサ・モートン、アビー・コーニッシュ

エリザベス:ゴールデン・エイジ
東宝東和 配給
皆さん、こんにちはー。
 今日ご紹介するのは、「エリザベス:ゴールデン・エイジ」です。
 前作「エリザベス」
 公開から9年ぶりに作られた続編です。
 私は、前作でエリザベスを演じたケイト・ブランシェットの演技力に圧倒されてしまい、 それ以降、彼女が出演している作品はなるべく劇場で観るようにしています。 これまで演技で期待を裏切られたことはありませんし、私の中では演技力で現在トップだと思っている女優です。
 というわけで、「続編が作られる」、「監督も俳優も続投」と聞いて以来、 早く公開しないかな〜と心待ちにしていた作品です。運よく試写が当たって本当にラッキーでした。(^-^)
 ちなみに、ケイト・ブランシェットは、本作でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされています。 真面目な歴史物はどちらかというと映画では敬遠されがちですが、 賞レースで話題にもなったことですし、ヒットするといいですね。(^^)
 さて、ここで簡単なあらすじをご紹介しましょう(前作のあらすじは、「エリザベス」をご覧ください)。

 弱冠25歳にしてイングランド女王に即位したエリザベス(ケイト・ブランシェット)だが、問題は山積だった。 父王ヘンリー8世の遺志を継ぎ、プロテスタントの女王として即位したが、 国内にはカトリック信奉も根強く残っていたからだ。
エリザベスの転覆を狙う者が後を絶たない上、イングランドは欧州列強の侵攻の危機にも瀕していた。 とりわけ、スペイン国王フェリペ2世は、カトリック原理主義者でことあるごとにエリザベスに圧力をかけ、 カトリック派でスコットランドの女王であるメアリー(サマンサ・モートン)をイングランド女王に据えようと暗躍していたのだ。
そんな中、エリザベスの唯一の安らぎは、純真で従順な侍女ベス(アビー・コーニッシュ)との他愛のない会話や遊び。 そんなエリザベスの前に、新世界から帰還したばかりの航海士ウォルター・ローリー(クライヴ・オーウェン) が現る。女王の前でも臆することなく新世界を熱く語り、次第にエリザベスの心を激しく揺さぶるようになる。
国のために独身を貫こうとする彼女にとって、恋は許されない。 ベスをローリーに近づけて淡い恋を疑似体験しようとするが、それが思わぬ事態を引き起こすことになってしまう。
また、エリザベスの暗殺を企てたとしてメアリーを処刑したことを機に、 フェリペ2世がついに挙兵。スペインの無敵艦隊が目前に迫ってきていた……。

 前作同様、史実を元に描かれていきます。 映画では、有名な史実を元にすると、どうしてもストーリー展開が読めてしまい、 ドキドキ感が半減するものですが、本作はアルマダの海戦のシーンも予想以上に迫力があり、 緊張感がずっと保たれていました。
 それに、これも前作に引き続き、ですが、エリザベス役のケイト・ブランシェットが本当に素晴らしい! 声のハリ、しぐさなど、本当に女王なんじゃないの?この人!というくらい、風格と威厳があります。 前作では、女王に即位する前の姿が多かったわけですが、今回は女王然としたシーンばかりですので、 余計に貫禄を感じました。
 「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズでの、ガラドリエル(エルフの王妃ね)の演技を観た方なら分かると思いますが、 女王様役が本当にハマっています。もっとも、「LOTR」は「エリザベス」の演技で非常に注目されていたからこそのキャスティングだとは思いますが。
 とにかく、監督とケイト・ブランシェットの続投が決まった時点で、 この作品は成功しているんじゃないかと思うくらい、素晴らしい演技です。
 素晴らしいのは演技だけではありません。エリザベスは1世は着道楽だったといわれるだけあり、 衣装の豪華さは特筆ものです。女性で、ファッションに興味を持つ方なら、ため息が出ることでしょう。 個人的には衣装を見るだけでも鑑賞の価値ありだと思います。
 と、ここまでずいぶん持ち上げてきましたが、残念な点がなかったわけではありません。
 エリザベスは<ヴァージン・クイーン>と呼ばれており、生涯独身を貫きましたが、 実際には幾人もの愛人がいたとされています。 本作に出てくるウォルター・ローリーもその一人ですが、もっと真剣に結婚を考えた愛人もいたようです。
 にも関わらず、本作での恋愛面の描き方は非常に甘っちょろいんです。
 女王として政治面では豪腕を振るうのに、恋愛面では非常にナイーブに描かれているところは、 かなりうそ臭いわけですよ。知性があり豪胆な女王なら、恋愛面でもうまいこと愛人囲うんじゃないのー? とか思ってしまうわけです。(^^;
 また、その甘っちょろい恋愛模様が結構な時間を割いて描かれているため、 「ゴールデン・エイジ」というサブタイトルがつけられていながら、 アルマダの海戦に大勝利を収めたところで話が終わってしまうのです。
 個人的には、エリザベス1世の“黄金時代”を観られると期待していたので、 史実をだいぶ脚色してそーな恋愛に長時間割くなら、 アルマダの海戦以降にスペインに代わって世界貿易を手中に収め、 強国にのし上がって行く様をもっと描いてほしかったです。
 ただ、それだと歴史好きな男性向けっぽくなってしまいそうなので、 女性の観客動員を考えるなら今のままの方がいいのかなーとも思います。
 そのあたり、ちょっと「あれ!?」という感じでしたが、全体的には非常に満足度の高い作品でした。
 歴史物というだけでなく、恋愛の要素もあり衣装もゴージャスなので、 普段あまり歴史物を観ない女性にこそオススメしたい作品です。

【Holyの評価・・・(^-^)/VeryGood(★★★★☆) ← 前作に引き続きケイト・ブランシェットの迫真の演技が作品に適度な緊張感を与えていて、最後までダレない。映画好きの人にはもれなくオススメの作品です!


鑑賞日:2008.01.21/公開日:2008.01.19
「スウィニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(SWEENEY TODD THE DEMON BARBER OF FLEET STREET)」
(演)ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム・カーター、アラン・リックマン

スウィニー・トッド
ワーナーブラザーズ映画/
ドリームワークス・ピクチャーズ 提供
皆さん、こんにちはー。
 今日ご紹介するのは、ジョニー・デップ&ティム・バートンがまたまたタッグを組んで話題の「スウィニー・トッド」です。
 本作で、ジョニー・デップはアカデミー前哨戦であるゴールデングローブ賞のコメディ部門で、 主演男優賞を初受賞しました(ちなみに、作品賞も本作)。しかも、後日アカデミー賞でもノミネートされたため、 余計に注目度が高まっている作品といえるでしょう。
 このサイトを以前からご覧になっている方は既にご存知でしょうが、 私は昔から大のジョニー・デップファンであり、ティム・バートンファンです。 このコンビの映画とくれば、観にいかないわけがありません!←本当は、試写で観たかったんですが、当たりませんでした。(;_;)
 ただ、ちょいと心配なのはミュージカル形式だということ。 こちらも何度も繰り返しになりますが、私はミュージカル嫌い。 基本的にミュージカル映画は観にいきません。 でも、ねぇ。やっぱりデップ&バートンだし……というわけで、観てまいりました。
 ちなみに、「スウィニー・トッド」はミュージカル好きの方なら、絶対に知っている超有名な作品です。 ミュージカルを観ない私ですら、あまりにメジャーな作品なので内容を知っているくらい。(^^; というのも、ハリウッド映画の中でちょこちょこ“スウィニー・トッドのミュージカル”が取り上げられていたりするから。 比較的最近の映画では、ベン・アフレック主演の「世界で一番パパが好き(2005年公開)」の中で、 主人公親子がスウィニー・トッドの劇を披露するというシーンがあります。
 ただ、「スウィニー・トッド」は元々小説だったということはあまり知られていません。 スウィニー・トッドは19世紀のロンドンに実在した殺人鬼だと思っている方が案外多いのですが、 元はトーマス・プレストが雑誌に連載した「真珠の首飾り」というタイトルの小説です。
それが、「フリート・ストリートの悪魔の床屋(THE DEMON BARBAR OF FLEET STREET)」のサブタイトルで舞台化され、 評判になるうちに都市伝説化したというのが定説となっています。 実在した床屋を基に小説が書かれたという説もありますが、証拠はないようです。 その後はご存知の通り、スティーブン・ソンドハイム作詞・作曲のミュージカル(トニー賞を8部門も受賞)が大ヒット、 ロングランになっているわけです。本作は、こっちのミュージカルを基にした作品なんですね。
 さて、前置きが長くなりましたが、「スウィニー・トッド」をご存知でない方に簡単なあらすじをご紹介しましょう。

 舞台は19世紀のロンドン。フリート街で理髪店を営むベンジャミン・バーカー(ジョニー・デップ)は、 美しい妻と娘と幸せな日々を送っていた。
しかし、バーカーの妻の美しさに心を奪われた悪徳判事ターピン(アラン・リックマン)によって、 バーカー一家の幸せは脆くも崩れ去る。
無実の罪でベンジャミンが投獄されてしまったのだ。 15年後に脱獄に成功し、スウィニー・トッドと名を変えてフリート街に戻ってくるも、 大家でパイ店を営むミセス・ラベットに聞かされたのは、悪夢のような事実だった。
妻はターピンを拒んで服毒自殺を図り、娘はターピンの養女となって幽閉されているというのだ。
スウィニー・トッドとなったベンジャミンは、カミソリを手に復讐を誓う……。

 ストーリーは知っているので、ミュージカルがバートン映画になるとどうなるのかな?というのが一番興味があったところなんですが、 正直ちょっとがっかりでした。
 舞台となるロンドンの雰囲気は、すっごくティム・バートンっぽく(というか、スウィニー・トッドのダークな世界観が元々バートンに合っているのだと思う)、 「バートン作品っぽさが出てる、出てる」とぞくぞくし、頬のこけたメイクのデップを観て「バートン作品の中ではこうじゃなくっちゃね!」などと喜んでいたんですが、 その後の展開はおなじみのミュージカルっぽいというか、無難な仕上がりとういか。
 ティム・バートン作品だからこそ、ジョニー・デップ主演だからこそ、敵役がアラン・リックマンだからこそ(アラン・リックマンもすごく好きな俳優なんです)、 すごーくすごーく期待していたんです。彼らの“新しいスウィニー・トッド”を。
 でも、ミュージカルに忠実すぎるというか、期待していた“映画だからこそ表現できる”新しさがほとんど感じられなかったんですよね(血がドバーッとかは映画ならではなんだろうけど、それじゃ物足りない)。 だから、なぜわざわざ映画化する必要があったんだろう?と思ってしまいました。
 ミュージカルを映画化した作品を鑑賞していてよくあるんですよね、こういう感覚。 ミュージカルの構成をぶち壊してゼロから再構成する必要はないんですが、映画ならではの新しさを付加できないと、 “ミュージカルを超えられなかった映画”になっちゃわけです。今回は、その落とし穴にハマっちゃったかなぁという気がなーんとなくしました。
 まぁ、ミュージカル版が好きな人には安心して観られるんだと思うんですが、映画という手法を存分に活かし切れていなかったような気がしてなりません。
 個人的には、ミュージカルの楽曲や歌はほんのちょこっとでよかったと思うのです(ミュージカルファンの方から異論が出るでしょうが)。 ほんのちょこっと出して、後はセリフをうまく使う。 ミュージカルの楽曲を多用してしまうと、ミュージカルを観た人はその舞台を思い出しちゃうと思うんですよねぇ。 すると、映画の印象が相対的に薄くなって、舞台の記憶が強化されはしないでしょうか?
 映画が好きな私には、必要以上にミュージカルに媚びていたように見えてしまいました。 背景・メイク・衣装はものすごーくバートンっぽいんだけど(ここだけ取れば、もろバートン映画)、 ストーリーはソンドハイム作品って感じなので、全体的にバートン作品という感じがしないんです。
 リメイク作品だから(本作はミュージカルの映画化だけど)、ちょーっとイヤな予感はしたんですが、イヤな予感が当たっちゃいました。(-_-;
 ただ、「スウィニー・トッド」は、かつてベン・キングスレー主演でミュージカルとは別バージョンの映画が作られていますので、 さらに新しい切り口で、っていうこと自体が難しい注文なんですが。
 というわけで、世界観だけバートンっぽいならそれだけで満足というバートンファンなら、 なんの違和感もなく見られるでしょう。あと、基になったミュージカルを知らない人も、(ホラー嫌いでなければ)違和感なく観られると思います。(^^;
 あと、公開前から話題になっていたジョニー・デップの歌声ですが、私的には可もなく不可もなく、まぁ想像通りといったところでした。 ジョニー・デップはロックバンドやってたんですが、ギタリストだったので、歌は全くの初挑戦。最初から特別な期待をしてなかったからね。 でも、まぁ、ファンにしてみれば新しいことやってくれて、ありがとうって感じです。
 ちなみに、何の予備知識もなく観ると、残虐シーンで引くかもしれません。(^^;
「スウィニー・トッド」は猟奇的な話ですので。 単に「ジョニー・デップ好きだから〜」という理由で観に行くと、猟奇的なシーンを見慣れてない人は、 その後ご飯食べられなくなるかもしれません。 私はこの手の映像は元々平気なタイプだし、ストーリーも知っていたから、 「映画を観終わった後でもミートパイ食べられるよ」という感じでしたが、 近くの席で座っていた若い女の子達が「どーしよう!今晩は何も食べられないよー」、「私なんか、後半手で顔を覆ってたから話がよく分からなかったよー」などと言ってました。(^^;
 また、間違っても初デートで本作を選ばないようオススメします。ヘタすると人格を疑われます。 一緒に行くなら、話題作は一通り見る映画好きの友人か、ミュージカル好きの友人と行くことをオススメします。
 ちょっと辛めのことばかり書きましたが、ティム・バートン作品だとか基になったミュージカルの出来の良さを勘案せず、 単純に本作だけの出来を評価するなら、(ホラーが苦手な人はダメだろうけれど)まとまったよい作品だと思います。 ミュージカル版がほどほどに好きな方なら、満足度は高いと思います。ハイ。

【Holyの評価・・・(^_^)Good(★★★) ← 作品の出来だけで評価するなら★4つ半。ソンドハイムのミュージカル&ジョニー・デップが好きな人には文句なしにオススメ。スウィニー・トッド自体を知らないデップファンで心臓の弱い方は、手で顔を覆った上で指の隙間からご鑑賞ください。(^^; そーいや、ハリポタのワームテール(ティモシー・スポール)が、ターピンの部下で出てきます。二人一緒のときは、スネイプ先生とワームテールに見えちゃいました。


鑑賞日:2007.11.07/公開日:2007.10.27
「スターダスト(STARDUST)」
(演)クレア・デインズ、ミシェル・ファイファー、ロバート・デ・ニーロ、チャーリー・コックス

スター・ダスト
東宝東和 配給
皆さん、こんにちはー。
 今日ご紹介するのは、豪華俳優の共演で話題の「スターダスト」です。
 私は元々ファンタジーが好きなんですが、恋愛モノはかなり苦手。 この作品は、予告編から察するにかなりベタな恋愛ファンタジーなんだろうと予想していたので、 ほとんど期待はしていなかったんですが、 デ・ニーロとミシェル・ファイファーに釣られて観てきました。
 さて、まずは簡単なストーリーをご紹介しておきましょう。

 イギリスの外れにあるウォール村に住む青年トリスタン(チャーリー・コックス)は、 村一番の美女ヴィクトリア(シエナ・ミラー)に恋をしていた。
ある夜、村の外に明るく巨大な流れ星が落ちるのを目撃したトリスタンは、 その流れ星をヴィクトリアに捧げることで愛を得ようとする。
しかし、落ちた流れ星は美女に姿を変えていた。ウォール村の外は魔法界だったのだ。
しかも、邪悪な魔女や残忍な王子達もまた、400年振りに落ちた貴重な流れ星を探していた……。

 この作品の中に出てくるファンタジックな要素としては他に、ユニコーンだとか、 空飛ぶ海賊(空賊?)だとか、ヴィクトリアを巡る恋敵(←こういう作品には必須ですよね)なんかが出てきます。
 って、ベタすぎませんか? 残念がなら、私的には虫唾が走るベタさです。
 まぁ、無理に好意的に解釈すればファンタジーの王道とでも言えるかもしれませんが、 散々使い古された設定って今でもそんなにニーズあるんですかねぇ。(^^;
 でも、デ・ニーロを筆頭に超ゴージャスな俳優陣がこれでもか!というほど出演しているし、 なんだか映像にやたらお金かけてそうだし、いくら設定がチープでもストーリー展開は結構まともなのかなー なんて思って好意的に解釈してわざわざ観にいったわけですよ。
 ……観終わって、驚きました!
 ストーリーもベタ過ぎる〜!あまりのベタさに身もだえしてしまうほど。
 愛って普遍的なテーマだからベタになりやすいんですよね、恋愛映画って。
 でもそれにしても、何の驚きもないままソープオペラ的なストーリーが進行していくので、 途中で何度も遠い目になってしまいました。
 豪華な俳優陣と、湯水のように使ったであろう制作費がもったいない!もう少し何とかなったような気がしてなりません
 いえね、面白い要素がないわけではないんです。
 デ・ニーロ演じる空飛ぶ海賊船の船長のキャラは、今までにない斬新なキャラです。かなり笑えるし。
 残忍な7人の王子達の掛け合いもかなり面白い(特に後半!)。←おこちゃまには分からない笑いですが(というか良い子は笑っちゃダメだと思う)。
 ミシェル・ファイファーの変身振りも見ものだし。
 こういう本筋とは関係ないところは、いいんですよ。恋愛モノが苦手な私でも十分楽しめました。
 でも、とにかく本筋がねぇ。
 セミプロが書いた物語を、ハリウッドの一流スタジオが豪華俳優使って映像化しちゃった、みたいな感じがするんですよ。(-_-;
 ちなみに、この作品の原作者ニール・ゲイマン(今回制作も担当)は、イギリスでは人気の幻想小説家なんだそーです。 受賞歴も多々あるとのことだけれど、それにしてはずいぶん底が浅い話だなと思えてなりません(原作ファンの方ごめんなさい。あくまで私見ですから)。
 もっとも、ゲイマンの代表作は、こういうメルヘンチックな話ではなくダークな話らしいので、 本作だけで判断してはいけないんでしょうけれど。
 でもまぁ、映像がいいこと、(本筋じゃないけど)笑えるキャラが多いことには救われました。
 斬新なストーリー展開を好まない、かつ、恋愛映画好きの方で、 物語の最後はやっぱり“Happily ever after(めでたし、めでたし)”で終わらなきゃ!という人なら十分楽しめます。 というか、安心して観られると思います。
 ただ、恋愛映画は苦手という方や、どんでん返しのない話はつまらん!という方、 緻密に計算されたストーリー展開が好き、という方にはオススメできません。
 ちなみに、劇場で私の近くに座っていた女性客からはかなりの高評価でしたが(多分★★★★くらい)、 男性ウケはしていませんでした。
 最初からオチが分かる恋愛映画でも、目が★やハートになれる乙女向けの映画です。ハイ。

【Holyの評価・・・(^_^)Good(★★★) ← お姫様と王子様が出てくるおとぎ話が大好きな、乙女向け作品。恋人と観たいと思うかもしれませんが、超ロマンチストな彼でない限り女友達と鑑賞することをオススメします。(^^;


鑑賞日:2007.11.03/公開日:2007.10.20
「ヘアスプレー(Hairspray)」
(演)ニッキー・ブロンスキー、ジョン・トラボルタ、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン、クイーン・ラティファ

ヘアスプレー
ギャガ・コミュニケーションズ
提供
皆さん、こんにちはー。
今日ご紹介するのは、ポッチャリ体型の女の子がスターを目指すミュージカル映画「ヘアスプレー」です。
 本作は、2002年初演のブロードウェイ1・ミュージカル「ヘアスプレー」を映画化した作品なんですが、 そもそも2002年のミュージカル自体が1987年にジョン・ウォーターズが監督した同名映画が元になっているのだそう。 つまり、映画⇒ミュージカル化⇒再映画化となってるわけですね。
 ところで、私個人はミュージカルが好きではありません(好きな方ごめんなさい)。 そのため、普段ミュージカル映画というだけで観ないことが多いのですが、 今回はジョン・トラボルタの女装に興味があったので映画館まで観にいってきました!
 本当は、公開されてすぐに行きたかったのですが、 いつものように仕事等で非常に多忙だったため結局公開から3週目にようやく観にいくことができました。  さて、まずは簡単なストーリーをご紹介しておきましょう。

 トレーシー(ニッキー・ブロンスキー)は、ダンスとおしゃれに夢中なボルチモアの女子高生。
 朝から大量のヘアスプレーを使って、ばっちり髪型を決めてから登校するという徹底ぶり。
 そんなトレーシーの夢は、コーニー・コリンズショーという人気のTVダンス番組に出演し、 憧れのリンク(ザック・エフロン)と躍ること。ただ、トレーシーは超BIGサイズの女の子だという問題があった!
 そんな折、ショーのレギュラーに欠員ができ、オーディションが開催されることになった。 しかし、オーディションの実権を握るのは、美人なだけが取り柄のベルマ(ミシェル・ファイファー)。 果たして、トレーシーはレギュラーの座を獲得できるのか……

 自分の苦手なミュージカル映画ということもあり、正直さほど期待していなかったのですが、 これがびっくりするほど面白かった!
 個人的には、ジョン・トラボルタが演じたトレーシーのママ、エドナがサイコーに笑えました。 だって、トレーシーそっくりに超BIGな女性に大変身!ですから。すっごいメイクに時間かかったでしょうね。
 “ジョン・トラボルタ=サタデー・ナイト・フィーバー”な人は、相当抵抗あるのかもしれません。
 でも、私は逆に「サタデー・ナイト・フィーバー」のトラボルタを知っているからこそ (あ、リアルタイムに映画館で観た世代ではありません)、あの配役に納得です。 だって、ファットスーツを着込んでダンスするのは相当大変ですよ! BIGな感じを出すには、男性俳優をキャスティングした方が面白いし(ちなみに、オリジナル映画でも母親役は男性が演じたらしい)、 “ダンスと言えばこの人!”みたいな俳優でないと、ねぇ。
 ダンスと言えば……。トレーシー役のニッキー・ブロンスキーは、オーディションで1,000人の候補の中から選ばれた新人。 ミュージカル映画なんで、歌とダンスをこれでもか!というくらいに披露していますが、 あの体型で息の切れないダンスはすごい!すごすぎる!
 相当ダンスレッスンを積んだと思いますが、よくポッチャリ体型がよく維持できたなー、とヘンなところで感心してしまいます。 元々ダンスをやっている子なんだろーか。でも、だとしたら、痩せたくなくても痩せちゃうと思うし、 ダンス経験がないなら、映画のためにレッスン積んだだけでガクッと痩せちゃうと思うんだよなー。不思議。
 私、相当昔(学生のとき)にジャズダンスやってたんですが、結構な運動量でさ、 真面目にレッスンすると筋肉も付くしポッチャリなんてなれないわけですよ。 だから、激しいダンスしながら(しかも歌いながら!)ポッチャリを維持するのは、結構すごいと思うのです。 消費したカロリー以上に食べるだけだけでなく、ジャンキーな物も相当食べないとね。 プニプニ感は野菜やたんぱく質では出ませんから。(^^;
 話が横道にそれました。
 この作品はとにかく底抜けに明るくて楽しいのですが、本筋と関係ないところの笑いのツボも絶妙なんです。
 特に、クリストファー・ウォーケン演じるトレーシーのパパ、ウィルバーには要注目ですよ。 このパパ、イタズラおもちゃの専門店を経営しているという設定なんですが、 このおもちゃ店がかなり笑えます。なんか飄々としたキャラなんですが、 すごいいい感じでトレーシーとエドナに絡んできます。
 クリストファー・ウォーケンって、こんなコメディもこなすんだーと意外な発見だったのですが(コメディという印象がない)、 コメディに無縁な感じの顔つきが余計に笑えた要因かも。
 しっかりミュージカル映画なんだけど、歌とダンスのTVショーを取り巻く話なので、 ミュージカル調が鼻につくことはなく、かえって自然な感じがしました。
 というわけで、ミュージカル映画が苦手な人にもオススメ度高い作品に仕上がっています。 ストーリーの緻密性がどうしても気になるという方や、ハッピーならいいじゃん!的な映画が嫌いだというヘソ曲がりな方にはオススメできませんが、 万人受け度の高い映画だと思います。
 ウッカリしていると、ラスト「YOU CAN'T STOP THE BEAT」が流れる頃には、思わずリズムを刻んじゃいますよ。(^^;
 最近楽しいことがないなー、なんて人はこの作品で元気をたっぷりもらっちゃってください!

【Holyの評価・・・\(^o^)/Excellent(★★★★★) ← 文句なしに楽しい!ストーリー展開はご都合主義だし、ありきたり。でも、ストーリー展開なんてどうだっていいじゃん!と思えるほど底抜けの明るさとパワーがある。だから、満点あげちゃいます、はい。



★画像現在公開中&近日ロードショー公開する映画
「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国(INDIANA JONES AND THE KINGDOM OF THE CRYSTAL SKALL)」/2008.06.21
最高の人生の見つけ方(THE BUCKET LIST)/2008.05.10
ライラの冒険 黄金の羅針盤(THE GOLDEN COMPASS)/2008.03.01
魔法にかけられて(ENCHANTED)/2008.03.14
マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋(MR.MAGORIUMS WONDER EMPORIUM)/2008.02.16
エリザベス:ゴールデン・エイジ(ELIZABETH: THE GOLDEN AGE )/2008.02.16
スウィニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(SWEENEY TODD THE DEMON BARBER OF FLEET STREET)/2008.01.19



★画像好きな俳優
・ハリソン・フォード
・ジョニー・デップ
・ケビン・スペイシー
・オーランド・ブルーム
・ゲイリー・オールドマン
・ケビン・ベーコン
・ショーン・ビーン
・エドワード・ファーロング←最近全く見かけないですが、ドラッグと縁は切ったのでしょーか?





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