鑑賞日:98.01.07
「私家版(TIRE A PART)」
(演)テレンス・スタンプ、ダニエル・メズギッシュ
今年最初に見てきたのは珍しくフランス映画です。
タイトルは「私家版(“しかばん”と読みます。原題は“TIRE A PART”)」。
私家版って耳慣れない言葉ですよね。これ、出版用語で“少数の人のために発行された自費出版書籍”のこと。
それにしても、タイトルがこんな耳慣れない言葉だと、これだけで敬遠する人が多いと思うんだけどなー。
タイトルもうちょっとなんとかならなかったんですかねー。(^^;
ちなみに、私はタイトルではなくてサブタイトルの「本が人を殺す」
に興味をひかれたんで、観てみようかなーと思ったんですけどね。
# サイコ・スリラーとか好きなんで。(^-^;
さて、簡単に内容をご紹介しますと...
あるイギリス人編集者エドワード・ラム(テレンス・スタンプ)のところに鼻持ちならないフランス人作家ニコラ・ファブリ
(ダニエル・メズギッシュ)が最新作の小説を持ち込みます。
# ちなみに、なぜかこの編集者は昔本の贋作の大家だったという設定付。
この作家B級小説ばかりで文学賞とは無縁だったんだけど、今回の最新作についてはとにかく自画自讃。
傑作と豪語してはばからない嫌味な態度!
# ここだけで、観客が「イヤな奴!」と思うのに十分すぎるくらい。
自分の体験談を元にしたというこの小説、エドワードがいつものように読み進めているうちに愕然とします。
なんと、小説のヒロインとして描かれていた人物は30年前に自殺した自分の恋人!
30年ぶりに過去の事件を調べ、恋人が自殺した原因がファブリにレイプされたからだったと知ります。
そこで、ファブリから、作家生命を奪って復讐を誓うんです。
# ずっと事件のショックで独身を通していただけに恐いですよー。(^^;
その復讐の凶器となるのが、“私家版”、そう本なのです。
直接手を下さず、作家の作品を戦前の作品の盗作だと思わせるよう、
かつて贋作のプロだったエドワードは政治家から依頼された本(なぜか「アラビアのロレンス」)
の贋作制作を引き受けたことを利用して復讐のための私家版作りをしていくんです。
編集者の精巧な技術と執念?によって作られた“私家版”のストーリーそのものが、
作家を追いつめていくという設定は新鮮だし、見事!
ストーリーの展開にも無理がないし、ミステリの要となる完全犯罪の組み立てや実現性もすごく緻密に設計?されていて、
ミステリファンだったら釘付けになると思いますよ。
# しかもフランス最高の文学賞を受賞させてからどん底に突き落とすという冷酷さも際立って?ます。
戦前に利用されていた活字体や用紙はもちろん、インクや製本の糊、
クロスまで再現してみたり、遺族や出版社まで調べに調べて完璧な“凶器”を作り上げるんですもの!
いやー、フランス映画ってどうもとっつきにくいんですけど、これはハマる怖さです。
原作も数々の文学賞に輝いているそうなので、今度読んでみようかなーと思ってます。
ミステリ好きにはすっごくオススメの一作!
【Holyの評価・・・(^_^)/VeryGood】
「フェイス・オフ(FACE/OFF)」特別試写会参加!
(演)ジョン・トラボルタ、ニコラス・ケイジ
さて、今回見てきたのは来年お正月第二弾(って言っても2月くらいかな??)として公開が予定されているFACE/OFFの試写会です。
FBI捜査官とマフィアの映画なんですが(「フェイク(Donnie Brasco)」といい、
FBIとかマフィアって定番ですよねー)、この映画今までにない斬新な映画でもあるんです。
どこが斬新かというと、タイトルが思いっきりヒントになってるんですが、
FBI捜査官とマフィアの顔が入れ替わっちゃうところ!
「おいおい!どうやって顔入れ替えるんだよーぉ!」とお思いの方、ごもっともです。
ちょっとあらすじをご紹介しましょうね。(^^;
このFBI捜査官ショーン・アーチャー(ジョン・トラボルタ)が6年前に自分の息子を殺したマフィアキャスター・トロイ(ニコラス・ケイジ)を執拗に追った甲斐あって、
捜査も大詰め、逮捕できそうだというところから物語りが始まります。
でも、そんなに簡単に終わったんじゃ映画にならないってわけで(^^;、追いつめたFBIとマフィアとの銃撃戦の末死んだキャスターが、時限爆弾をセットしていたということが判明。
爆弾のありかを突き止めるためキャスターの顔を移植し刑務所へ潜入するアーチャー。
無事爆弾のありかを突き止め安堵とともにFBIに戻ろうとしたアーチャーを待ち受けていたのは、なんとアーチャーの顔を付けたキャスターだった...!
と、まぁお膳立てに無茶はありますが(^^;、またもや宿命の戦いが始まるというお話なんです。
それにしても、ジョン・トラボルタもニコラス・ケイジもお互いをよく研究しただろーなーと感じますね。
要は二人がそれぞれキャスター役とアーチャー役をやっているわけだけれども、本当に顔だけ入れ替えたかのように見事に表情やらしゃべり方が変わります。
特にあの悪役顔(!?)のニコラス・ケイジが最後の方に見せる善人顔にはなんとも胸がしめつけられますね。
ただ、俳優の演技がいいのに、ストーリーの設定が結構雑なのが残念です。
だって、植物状態で人工的に延命措置をしている人間が突然むくっと起き上がったりだとか、
同僚1人の強力なススメで妻にも上司にも内緒で移植手術を行うだとか、
爆弾テロの話はあっさり葬りさられて二人の確執にしかスポットが当たってないとか、
いくら囚人の顔をつけているからと言って、FBI捜査官が脱獄するため関係ない人まで次々に殺しちゃうとか...。(^^;
そういう細かい点まで気を配ってあると、他人の顔を移植するストーリであっても「そんなバカなー!」という思いをしないで見られると思うんですがねぇ。(^^;
やっぱり、そういうところはちゃんと納得いく説明をつけるとか、思いっきりギャグにしてもらわないとなー、なんか中途半端。
それとですねー、銃撃のシーンがやたらと美化されているのも“私には”納得行きません。(-_-;
銃撃シーン披露が映画の目的の一部になっちゃってるんだもの。
アクションものが好きな人や“クリント・イーストウッド系”が好きな人にはいいと思います、ハイ。(^^;
# ヒューマン・ドラマを期待している人には同じFBI&マフィア物の「フェイク」をオススメします。
【Holyの評価・・・(-_-)Soso】