曲の説明
万葉の宴(まんようのうたげ)
『万葉集』の数多くの歌の中から宴にまつわる歌を題材に、「月(つき)の舟(ふね)出(い)づ」「一坏(ひとつき)の濁(にご)れる酒(さけ)を」「この世(よ)にある間(ま)は」の3つシーン(場面)で構成してみました。
春日(かすが)なる 御蓋(みかさ)の山に 月の舟出(い)づ みやびをの 飲(の)む酒坏(さかづき)に 影(かげ)に見えつつ 作者未詳(巻7の1295)
験(しるし)なき 物を思(おも)はずは 一坏(ひとつき)の 濁(にご)れる酒を 飲むべくあるらし 大伴旅人(巻3の338)
生(い)ける者(ひと) 遂(つい)にも死(し)ぬる ものにあれば この世にある間(ま)は 楽しくをあらな 大伴旅人(巻3の349)
平城京の東、御蓋山とその向こうの春日山。その上に出た半月を舟に見立てて、盃の酒に浮かべよう。雅な宴の始まり。
悩んでもしかたがないことをあれこれ思い悩むよりは、一杯の酒を飲んで忘れてしまおう。孤独な宴。
生きとし生けるもの、必ず死が訪れる。生きている間は楽しくありたいもの。宴も佳境、人生も。
参考文献:『万葉手帳』(上野 誠、東京書籍)
(注) 縦譜につきましては、当該楽器のほかに他の楽器のパートを補助的に記載しています。ただし、複数のパートを集約し、オクターブも変えているところがあります。また、十七絃は箏に置き換えて記載しています。正確には、五線譜(スコア)をご参照ください。
音源
mp3 FILE:3ka047a_万葉の宴 v1.0.mp3(7:57)
楽譜
五線譜(スコア):3ka047g_万葉の宴(五線譜) v1.01.pdf
縦譜(箏・十七絃譜):3ka047jk_万葉の宴(縦譜/箏・十七絃譜)v1.01.pdf
縦譜(尺八譜):3ka047jt_万葉の宴(縦譜/尺八譜)v1.01.pdf
五線譜は「MuseScore」、縦譜は佐藤祈采氏ご提供の「JapoScore」を使用しています。イメージ写真はphotoAC素材を使用しました。
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