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◆CONTENTS◆
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【きむたく日記】
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感想をお聞かせ下さい。
kimutaku@cc.okayama-u.ac.jp
¶ 仲 秀和氏『漱石―『夢十夜』以後―』2001.3.30,和泉書院,2,500円+税
¶ 江種滿子・井上理恵編『20世紀のベストセラーを読み解く――女性・読者・社会の100年――』2001.3.29,学藝書林,2,500円(税別)
(所収論文;菅聡子「吉屋信子『花物語』『女の友情』――〈花物語〉のゆくえ」,根岸泰子「太宰治『斜陽』――その揺籃期の物語」他9本.)
¶ 花田俊典氏『太宰治のレクチュール』2001.3.10,双文社出版,5,600円
¶ 木村小夜氏『太宰治 翻案作品論』2001.2.25,和泉書院,4,800円
¶ 『敍説』第2期第1号1,800円(税込) 出ました!花書院(城島印刷) は,こちら.
¶ 小田島本有氏『小説の中の語り手「私」』2000.10.20,近代文芸社,2,000円(税別)
6月29日
金曜日晴6月27日
水曜日晴6月26日
火曜日晴6月25日
月曜日雨※ちなみに,この夢象先生,「お前のせいだ」と心無い支部会員にいぢめられたという噂だ.
6月23日
土曜日雨6月18日
月曜日曇6月15日
金曜日曇
ところで,お気づきであろうが,カウンターが10万に届いたようである.この数日のカウンタの数の増え方は尋常ではなかったが,誰か「遊んで」いた?前にもどこかで書いたのだが,このHPのカウンタは何度か止まったりしているので,概数でおじゃる.ちなみに10万を取ったのは私の友人の岡大事務官で,HPを見たら,「99998」だったので,思わず2つ動かしたのだそうだ(大笑).10万をGETして,結構気分は良かったでしょうね.
4年ゼミ生来る.卒論の対象をどうしましょう?というので,ビスコ(お菓子)を渡して,「頑張るんだよ」と言って,帰す.題目の締切まで,あと3週間.蒙古の襲来まで,あと何日だ.
6月14日
木曜日雨6月13日
水曜日晴のち曇 1限に1年生向けのガイダンス科目を数学教室のS先生とともに行う.出勤したのは,7:00過ぎ.起きたのは,6:00だった(泣).とても眠く.頭の芯がぼんやりしている.1年生の印象というと,1番目立つ後ろの席で寝ていたり,携帯をいじっていたりで,徹底的に当てて名前を聞いて発言をもとめるが,そういう学生に限って黙秘権を行使する.こちらの指示も聞いていない.「お子様大学生」というやつである.これも高等教育の大衆化,オレが大学の教官をしているくらいなのだから,と自分を慰める(?).
12:00から教室会議.国語研究会の会費をいきなり徴収され,新渡戸先生と泣くなくお別れさせられた.
12:40から,3年生のゼミ.報告に慣れていないのは当然なのだが,レジュメを早く読むので,「もっとゆっくり」というと,本当にゆっくり読みやがり,おちょくってんのか,クォゥラ!と巻き舌になりそうだった.しかし,天然というか,ファニーな学生なのだ(この学生のコードネームは,天然居士とする).人間って本当にいろんな人がいるのね(しみじみ).僕は人見知りがはげしいオジサンなので,こういう仕事は本当にストレスが溜まる.I土先生ではないが,奥山深く炭焼きでもしながら「淵沢小十郎」(宮沢賢治「なめとこ山の熊」)のように生きていきたいという心境になる(笑).
昨夜文部科学省をうろついていて,なんとあの『学制百年史』のアーカイブを見つけてしまった.花咲かじいさんの愛犬ポチの気持ちが良く分かる.黙っておこうかとも思ったが,資料編などは有用な資料でもあり,皆さんにお知らせする次第である.近代文学研究者で教育史関係の研究をしている人からは,感謝のお言葉を賜りたいものですな.Vo\oV
6月12日
火曜日晴 昨日自宅でメールチェックしたら,卒業したばかりのゼミ生が,仕事をやめると言ってきた.来年くらいに教採を受けたいのだそうだ.今日,出勤したら,1昨年卒業して一般就職したはずのゼミ生が,やはり教採を受けると電話をかけてきた.うーむ,ウーム.
3年生の学生から,旅行の土産だといって,栞を貰った(へへ).ゼミ生からは,新聞の切り抜き(アイヌ関係)を貰った(ウム).
坪井秀人編著『偏見というまなざし』(青弓社,2001)を読み始める.4限から4年ゼミ.その最中,稲田先生が,ドアをあけて「明日の会議,出てねー!」.終了後,必要になった論文をコピーしに図書館へ.
帰途生協のブックセンターで,講談社文芸文庫の企画物『戦後短編小説再発見』1,2,加藤典洋『「天皇崩御」の図像学』(平凡社ライブラリー),『となりのののちゃん』(東京創元社)を購入.
6月11日
月曜日晴2週間ぶりの講義.午前大学院,午後学部の講義をこなす.講義後,ガイダンス科目の打ち合わせをバリバリ行う.5限3年ゼミ生を個人指導でビシバシ.
先週末に起こった大教大付属池田小学校の惨劇は,学校関係者として非常に衝撃的だった.年少の女の子を中心に殺傷するなど,どう考えても卑劣で悪質な行動は,許し難いものがある.未来の可能性を凶刃によって絶たれてしまった8人の子供達の冥福を心から祈りたい.電話をかけてきた妹は,同じ年頃の男児を持つ母親として,涙が出たといっていた.親御さんの心情を思うと,言葉もない.
被疑者の人物像については,警察からのリークもあり,精神状態に問題があるというより,粗暴犯が精神分裂病のイメージを利用して起こした凶悪犯罪というように情報を操作しはじめているような気がする.法改正を検討するよりも,今回の被疑者のように粗暴行為を繰り返す人物を継続的に社会復帰させるプログラムの立案を早急に検討すべきであろう.
なによりも,教員を養成する上で,危機管理が出来なければいけないことも分かってきた.教室に凶刃を持って飛び込んできた侵入者にどう対処すべきなのか.そのような事態は今までの日本では考えられることではなかったが,また時代の歯車が一つまわったようである.考えてみれば,テロの対象として学校は,好餌以外の何ものでもない.
村上春樹『村上ラヂオ』(マガジンハウス)を読んだ.漱石の「坊っちゃん」について言及している箇所があり(118頁),「物理教師」と紹介していた.正しくは,山嵐と同様の数学教師である.東京物理学校の出身という設定から,まぎれてしまったようだ.傑作は,宇宙旅行のくだりで,ネタ本を読みたくなった.
6月7日
水曜日曇時々晴 蒸し暑い.昼休み,表町に出る.昨日,夏休みに「ライオンキング」を観に行こうとチケットぴあで,チケットを購入した.生協のJCBカードが使えず結局現金で支払ったのだが(話せば長い),その際カードを回収し忘れ,今日店から電話が掛かってきたのだった.大学生協発行のJCBカードには顔写真も入っているので,「この人」とか言われていたのかと思うと,とても恥ずかしかった.
ついでに天満屋でTシャツを2枚購入.これまたついでに,紀伊國屋書店で,家西悟『妻よ娘よ,きみと生きたい』(小学館文庫,2001.7)を購入.「きみと」ではなく,「きみたち」では無いのかとフト思う.ほか,猪瀬直樹『作家の誕生』(NHK人間講座のテキスト).こちらは,今までの著書のダイジェストである.まだ時間があったので,デオデオ・コンピュータウンに立ち寄り,憧憬のIBMノートPCs30の実物を見物しようと思ったが,ナシ.かわりに,新リブレットを見る.オフィスXPもインストールされていて,ワードXPを操作してみる.起ちあがった画面右側に操作案内が出て,うるさい.前のアシスタントも相当邪魔だったが.銀色のボディーがなかなかのシャープな印象であるし,大分前のリブレットに比べると薄くなった感じだ.
駐車場への帰り際,誘惑に負けて,天満屋地階のユーハイムのアップルパイを買ってしまう.この結末は,昨夜寝る時から分かっていた…….
家西さんの本を読んでいると,血友病の大変さがよく理解できる.そして,HIVやC型肝炎ウイルスに感染させられた悔しさも.紹介されていた,厚生省の役人の一言一言の内容の傲慢さにも呆れるばかりだ.岩手県の職員もそうだったが,役人とは,国民に奉仕する存在ではないことを,我々は肝に銘じておく必要がある.ま,外務省の人たちについては,「伏魔殿」「人でなし」と相当非道い人たちであることが紹介されていますけれど,それはどうやら一部の例外的役人ではないようですな.おっと,他省の悪口を言っていてはいけません.
6月5日
火曜日雨 梅雨入りした.
研究室で,読書したり,講義ノートを作成.稲田先生から,メールソフトの調子が悪いと言われて,PCを見る.学部で立ち上げている,教官用WEBの話も出た.教授会で配布する文書をあらかじめWEBに掲載しておき,それを事前に読んでから会議に出るという構想のもとに作られたものだが,学部長の報告では,教官の半数しかメンバー登録していないようだ.閲覧者にはパスワードが発行されるので,それで人数が判明するのだが,出張で教授会に出ていない僕などはそのようなHPがあることすら知らなかった.メールで連絡が来ていないのだが,誰もそのことを学部長に教えたようでないのは,無用の仕事(?)を避けたい心理からなのか(笑).
ヤフーニュースに配信されたもので,「雷波少年」(日本TV系)のゴミ集めプログラムで,岩手県が「お役所仕事」振り(たらい回し)を発揮し,視聴者から苦情が寄せられた結果,HPで陳謝したそうだ.
6月4日
月曜日晴 土曜日に久しぶりに古本屋に行った.100円コーナーで,村上春樹の短編集『TVピープル』の帯付き初版本を見つける.思わず笑ってしまった(が,春樹研究をしている院生には黙っておこう).
今週一週間は,学部の専門科目は講義がない.教育実習期間だからだ.博多で転送して貰った本がまだ届かない(怒).
午後,会議.1時間半で終了.生協ブックセンターで,書籍の注文.食事をしてから,講義の出欠を確認したり,来週1年生向けに行う「学問の方法」のレジュメを作成して過ごす.
6月1日
金曜日晴「朝日新聞」(岡山は総合版)を読んでいたら,12日から池澤夏樹が「静かな大地」という北海道開拓史を題材にした小説を連載するという記事があった.中央−辺境的オリエンタリズム観の持ち主が,どのようなアイヌ観を描き出すのか,非常に興味深い.ちなみに,「静かな大地」というタイトルだが,1988年に花崎皋平氏が同名の書物を岩波から出版されている.対象も同じだ.早くも○○○か.
午前中講義.講義終了後,ゼミ生と雑談.軽く昼食を摂ったあと,図書館で調べもの.8月に中学校の国語教員の先生向けに講義をする必要があるので,教科書にどんな作品が取り上げられているのかを見る.定番の「故郷」をはじめ,「夏の葬列」「走れメロス」「トロッコ」.漱石の「吾輩は猫である」を取り上げていた会社が2つもあったのが心外.中坊には,面白いのかね?
村上春樹が,ジャック・ロンドンについて触れたエッセイも採用されていた.かいつまむと,日露戦争時に従軍記者として朝鮮半島北部にまで入り込んだ彼は,そこで村人達から歓迎を受けるのだ.文名が上がり始めた頃なので,「このような遠くまで名前が聞こえているのか」と嬉しくなり演台に上がることになった.しかしそこでいわれたことは,
「申しわけありませんが,先生の入れ歯を見せていただけませんか」
その土地の人たちは,入れ歯というものを見たことがなかったのだそうだ.それから,寒風の吹きすさぶ中,ジャック・ロンドンは,人々が拍手喝采する中,愛想よく30分ばかり,入れ歯を出したり入れたりして見せて上げたそうだ.
このあと村上春樹は,ジャック・ロンドンが得た教訓について,1000人が同じ体験をしても彼のような教訓を得ることは出来ないだろうとひとしきり感心して見せているのだが,僕はその「教訓」よりもジャック・ロンドンの態度に感心したのだった.
さて,「教訓」の内容が気になる人もいるだろうが,今日はこれでおしまい(笑).あなたなら,どんな教訓を得ますか?