津島通信

NOVEMBER 2003
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◆CONTENTS◆

【広告】
【きむたく日記】

◆今月の予定

11月8日 岡山大学教育学部国語研究会

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感想をお聞かせ下さい。
kimutaku@cc.okayama-u.ac.jp

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広 告(刊行より1年間)

¶ 千年紀文学の会編『過去への責任と文学』,皓星社,2003.8.15.本体2,800円(税別)

 綾目広治「現代思想と文学―九・一一の以後の文学と思想」他

¶ 『敍説』Uー06,「特集◆性交」,花書院,,2003.8.12.本体1,800円(税込)

¶ 原爆文学研究会編『原爆文学研究』2,花書院,2003.8.1.本体1,200円(税込)

目次

¶ 鳥井正晴氏『明暗評釈』第1巻(第1章〜第44章),和泉書院,2003.3.30.本体5,500円(税別)

¶ 岡山市・岡山市文学賞運営委員会編『おかやま しみんのどうわ2003』吉備人(きびと)出版,2003.2.8,定価1,000円

 


「演劇鑑賞サークル」のご案内 (岡山限定)  

   以下の要領で,演劇を鑑賞する仲間を募集します.役者が目の前で演じている舞
   台を見ると,TVや映画とは違う迫力と魅力に圧倒されます.募集の期限はあり
  ませんので,是非入会をご検討ください.

                  記

  ・入会の条件
   @教官・事務官・学生・院生・OB,OGなど,一切不問.
   A最低半年以上,サークル会員でいられる人.
 
  ・ 申し込み先:木村 功  〒700-8530 岡山市津島中3丁目1−1 岡山大学教育学部内
     (入会先:岡山市民劇場  岡山市磨屋町4-21 金谷ビル2F,086-224-7121,FAX086-224-7125)

    ・費用
   @入会金:1,500円
   A月会費:
        一般会員;2,300円
        学生会員;1,800円,
    
  ・演劇上演の時,入場料は要りません
  年間平均6〜8本の演劇が鑑賞できます.普通演劇鑑賞は,5,000円以上/1回
 かかりますので,演劇が好きな人にはかなりお得といえるでしょう.また,席が
 余れば期間中複数回の観劇も可能です.
 
  ・個人単位だと,事務局から割り当てられる座席の位置が悪くなるので,「サー
  クル」という単位(3人以上)を作って座席の割り当てを貰った方が,費用対効
  果があがるのです.

  ・詳細は,木村まで.

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 2003年 11月例会「三人吉三巴白浪」(さんにんきちさともえのしらなみ)(原作:河竹黙阿弥,出演:河原崎國太郎,藤川矢之輔,瀬川菊之丞)
 


「きむたく日記」

11月27日火曜日晴

     一日有給で休んだので,エネルギーチャージは十分である.午前,午後と講義をこなす.その後ゼミ生の人生相談とF君の卒論指導(院生N君の卒論を貸し出したので,N君はまた質問の相手をしてやって下さい).
     講義の後,4年生から片山恭一「世界の中心で,愛をさけぶ」がベストセラーになり,NHKのニュース番組でも10分ほど取り上げられてましたよ,と教えられる.本自体は,発売当初から知っていたが,こういう展開は予想だにしなかった.これも冬休みの課題読書である.他にも「静かな大地」,島田雅彦の三部作,阿部和重「シンセミア」上下を予定している.今年の冬休みは楽しみである.論文集も溜まっているので,読まねばならないが….

     昨日夕食を食べながらニュースを見ていると,紅白出場歌手が紹介されていた.一青窈さんも「もらい泣き」で出場するとのことで,奥さまと「良い曲だよね」と話し合う.
     その時フトオヤジの脳裏を過ぎったのは,わが愛する甥っ子である.
     幼い頃彼は「母さん出ちゃった〜,ワーン」と「もらし泣き」していた(一青さん,ファンの皆さんスイマセン).

11月25日火曜日晴

     風邪のひき始めなのか何なのか,昨夜来身体が重く不調.悪心で食欲もなく,奥さまが作ってくれた粥をすすって生きている.コンビニに入ると,弁当の匂いにムカついて吐き気を催してしまう.
     なんとか,講義はこなすが,集中力を欠いていて,発表させた学生たちの意見を纏め上げようにも頭が働かなかった.学生には申し訳ないことをした.明日は,有給を使って休もう.
     そういえば,今日は憂国忌(三島由紀夫の命日).

11月21日金曜日晴,風強し momiji.JPG (67091 バイト)

     講義は無いが,院生の指導.食事に出たときに,持ち歩いていたデジカメで撮影した構内の紅葉をご覧に入れよう.
     ただし,美しい紅葉を見せているのは,この木だけである.京都の宇治へ遊びに行ってきた母の話では,京都の紅葉もサッパリらしく風情などなかったとのこと.
     
     「裏を見せ表をみせて散るもみじ 良寛」

11月20日木曜日曇のち雨

     午前中,附小の教育実習を参観する.通勤時の市内渋滞の深刻さを身を以って味わった.10kmもない距離を40分かけて走り,授業開始5分前にようやくにして間に合う.
     実習を参観してみて,授業を成立させる要素として,教え方と教材研究の2つがあるなぁと改めて再認識させられた.僕がビデオを回していたのも,教生を緊張させた原因かもしれない.
     実習が終るや,慌てて講義のために大学に戻る.忘れ物をしたので,附小に来ていたゼミ生に「忘れた」と携帯メールを送ると,「持って帰ってます」と返信あり.さすがである.
     午後大学院の講義.「夏の葬列」の解釈をめぐって報告者を交えて討論.最初昼食したてで眠そうだったが,後半は我も我もと発言し始め,普段話さない留学生まで加わって盛り上がった……というより大混乱(?)であった.皆隠れK−1戦士のようだった.私のゼミの院生だけが大人しかった.

11月19日水曜日曇のち雨

     午後研究科会議と教授会.16:40頃終了.午後は,来年度のシラバスをWEB入力して,会議に出て終った.

     昨日から熊本の黒川温泉の某ホテル(「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」)を舞台に起こった,ハンセン病の元患者の宿泊拒否問題は,ホテル側が療養所側へ謝罪し元患者の宿泊を「検討する」ということで幕を閉じることになったようだ.
     ハンセン病の元患者が宿泊することは,他の温泉客への迷惑になるという主張は,宿泊を受け入れたことで生じる客離れを想定したものであろう.言い換えれば,そこにはホテル側をそう判断させた精神的風土というか土壌が(その辺に)残存していることの表れだと思う.「西日本新聞」のインターネット配信ニュースによると,ホテル側にかかった電話の「6,7割が非難」というのは分かるが,「3,4割が激励」だったそうなのである.ホテル側の姿勢は当然大問題であるが,「3,4割」のハンセン病元患者への偏見を保有し続ける層が背景に存在している事を理解しておく必要がある.その意味で今回の宿泊拒否問題は,まだまだハンセン病をめぐる問題が途上にあるというスタディーケースとなった.
     願わくば,ホテル側は,逆切れ会見を開いたとされる支配人のクビを切るのではなく,その人をしてキチンとハンセン病問題を勉強させて欲しい.それこそが,本当の問題解決への一歩である.
     それにしても驚いたのは,この問題が報道されると同時に,県や熊本法務局,ついでに言えば福田官房長官(「変な人がいる」)が迅速に対応したことである.「3,4割」の人々は,他人事と考えるべきではない.時代はどんどん変化している.あなたたちも変わらなければならない.

11月18日火曜日晴

     3限の講義が終ったあと,日本語の通じない留学生に連絡事項を四苦八苦しながら伝えていると,グーグーガンモ似のA先生が,こちらを見てはっとした表情を浮かべ,それからニヤニヤと僕の横を通り過ぎて行った.
     話終えた僕が研究室に戻ろうとすると,講義室に入らずに待ち構えていたA先生が,嬉しそうに言った.
     「木村さん,横に成長したんじゃない?
     「ほっといてください!」(怒)

11月17日月曜日晴

     午前中有給を取って,歯のメンテナンスに行く.統合(合理化)に伴い,附属病院の名称が10月から変わっていて「岡山大学医学部・歯学部附属病院」となっていた.名称が変わっただけで,駐車場に入るまでの待ち時間の長さは相変わらずである.今日は30分道路で待った.
     午後大学に出勤して,雑用や学生の指導.HPのBBSを見ると,吉田正さんが,東北大学附属図書館の「夏目漱石ライブラリ」を紹介してくれていた.内容も充実しているので,関心のある方は是非来訪を!

11月15日土曜日曇

     朝起きて,掃除機をかけ,奥さまと食事を採ってから,大学に出勤.
     今日は半月前から予定していた,大学院生の部屋の共用PCのリカバリ作業日である.13:30頃から始めて,(論文読みながらも)やっと終ったのは18:00近かった.インストールするソフトが多いのは仕方ないのだが,ウィンドウズやオフィスのアップデートのファイルも多いのだ.心底閉口する.
     僕が管理するPCは研究室の自分のを含めて,5台ある.共用PCが一番管理に困る.今回のトラブルの原因は,ソフトの勝手なインストールによるものだったから,ソフトの無断インストールを禁じることにした(禁止が遅いという説もある).

11月13日木曜日雨のち晴

     昨夕は,(一人で)市民会館で歌舞伎「三人吉三巴白浪」を見てきた.今まで歌舞伎は,食わず嫌いで,全く観た事がなかったのだが,やはり観ておいてよかったと思う.ストーリーは,女装や窃盗,殺人,闘争,インセストタブーなどのてんこ盛りなのだが,様式に従った演出の中にそれらが配置されると,ピタリと嵌ってしまうのが実に不思議であった.懲悪の要素もあって,最後には助かると思われたお嬢吉三とお坊吉三が,坊主吉三ともども捕り方に絡めとられていくことを予感させて幕は降りていった.
     「こいつぁ〜春から縁起がいいやぁ〜」というのは,耳だけで知っていたのだが,この作品から出たものとは知らなかった.お嬢吉三が,百両と名刀を一挙に手に入れたシーンでのセリフであったのである(この後,お坊吉三が駕籠から登場).
     ……しかし,男性の女装を見るのは,やはりツライ.囃し方の三味が録音テープのようだったのも残念.
     帰ったら,奥さまにあらすじを教えるように言われて,おそい夕食をとりながら,内容を話して差し上げる.「それで,何がテーマなの?」といわれて,「この作品は,テーマを読み取るもんじゃない!」と言ってしまったのは,失言だったろうか.

     「あのう先生,今日はどこかおでかけですか?」とゼミ院生がいう.
     「何で?」
     「スーツ着てらっしゃるから」
     ↑これは「明らかな失言」である.

11月10日月曜日雨

     土曜日,国語研究会での発表を済ませる.ゼミの院生の発表もあったので,指導教官としてはそちらの方が一番緊張した.本人は殆ど眠れなかったといっていたが,無事に終ったので良かった.
     と,思っていたら,大学院で修了予定者には修士論文の中間発表が課せられることをウッカリ失念していて,これの指導をしなければいけない.ヤレヤレである.
     今日は冷えこんで肌寒い一日.講義の準備と大学院の講義の履修者の指導に励む.昨日の衆院選挙で,岡山の自民党が本当に強いことを認識させられた.

11月7日金曜日晴

     明日の学部内国語研究会の発表準備をする.論文を書いて,それを資料に直す.安房直子の「きつねの窓」を取り上げるのだが,このファンタジーを解釈するのは至難であることを,今更ながら再認識した.先行研究も,いちゃもんをつけるのもあるが,真面目に取り組むとドつぼにはまることを示している.
     明日は,院のゼミ生と一緒の発表で,子弟ともども「まな板の鯉」状態である.

11月6日木曜日晴

     講義2つ.19:00から市民文学賞「市民の童話」一般部門の審査を,岡山市市役所で行う.議論白熱,21:00まで仕事をして,運営担当スタッフの方のねぎらいを受けて退出する.
     「今から帰るよ」と奥さまに電話すると,「ハーゲンダッツのアイス,買ってきて〜」と返された.

11月4日火曜日晴

     今日は昨日までの学園祭の片付けのために休講である.土曜日の国語研究会の発表の準備をする.昼食をコンビニに買いに行くと,清算が666円になった.「666」は,悪魔の数字である(なんでかは知らん).前は,「777」が出て一日気分が善かったものだが,さすがにこの数字は….

     連休中のある午後,年下の友人たちに誘われて食事にいった.3日までの星野富弘展を見てから,混雑する表町を歩いていると,菅さんの息子が選挙運動をしていた.道をはさんだ向かいには,同じ岡山一区の共産党候補がいる.
     「先生は,誰に投票するンですか?」と尋ねられて困惑.6日に市役所に行く用事があるので,ついでに不在者投票をしようと思っているのだが,まだ決められないのである.

     山崎豊子の「白い巨塔」を一気に読んでしまう.昭和40年代というのは,癌治療が医療の最前線であったことが分かる.それにしてもコミックスの「BJによろしく」でも描かれているが,封建的な医局制度の改革は必要で,昔と全然変わっていないのだなぁ,ということを再認識する.現代文学なら偽証を強要される医局員柳原こそが,主人公になりうるのだが,TVドラマでは,伊藤という以前幻覚キノコで病院に担ぎ込まれた俳優が演じる.キャラが違うので,とても心配だ.黒木瞳のケイコ役は,もう目を覆うばかりだし.一方上川隆也(「大地の子」)はあの好漢関口弁護士を演じるのだが,おいし過ぎる役柄だ.里見医師の江口も最初からおいしい.ドラマ自体がこけない限りは,この2人は好感度を上げるだろう.唐沢くんは,実写版「新造人間キャシャーン」でもブライキングボスを演じるそうなのだが,財前(助)教授のイメージとブライキングボスのイメージがダブって,笑えて仕様がない.果たして今後大丈夫なのか.

     朝日新聞の土曜版にPCソフト(無料)の紹介コーナーがあり,毎回楽しみに読んでいる.今回紹介されていた「復元」というソフトは,ウィンドウズで「ごみ箱」から削除されたデータを文字通り復元してくれるソフトだ.
     早速ベクターというサイトからダウンロードして,試用してみると,最近削除したデータが出てきたのでビックリした.このソフトをつかうと,最近のデータならほぼ完全に復元できることが分かった.「保険」のようなソフトだなぁと思ったが,同時にこのソフトを使えばプライバシーなんてあったものではないと不気味にも思う.完全削除機能も,時間はかかるがついているので,これを使えばデータを完全消去できる.PCを誰かに譲ったり販売したりする場合は,このソフトで「完全削除」をしてから初期化すれば,大丈夫のはずだ.勿論,完璧というのは期待できないので,不安があればHD部分だけ取り出して壊すしかない.