OCTOBER 2004
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◆CONTENTS◆
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【きむたく日記】
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広 告(刊行より1年間)
¶ 玉井敬之『夏目漱石詩句印譜』,翰林書房,2004,本体4,000円(税別)
漱石の研究書ではありませんが,師匠の趣味の本です.
¶ 『原爆文学研究』3,花書院,2004.8.31,本体1,200円(税込)
¶ 『敍説』U―08,「特集◆梅崎春生」,花書院,2004.8,本体1,800円(税込)
¶ 米村みゆき『宮澤賢治を創った男たち』青弓社,2003.12.17,本体3,000円+税
¶ 岡山市・岡山市文学賞運営委員会編『おかやま しみんのどうわ2004』吉備人(きびと)出版,2004.2.14,定価1,000円
¶ 『敍説』U―07,「特集◆距離感」,花書院,2004.1.6,本体1,800円(税込)
木村も書いています.
¶ 綾目広治 『倫理的で政治的な批評へ』皓星社,2004.1.30,本体2,800円+税
のっけから福田和也批判で始まる痛快で刺激的な著書.批評理論系の方は,看過できない綾目先生の新著です.
¶ 米村みゆき編『ジブリの森へ 高畑勲・宮崎駿を読む』森話社,2003.12.15,本体2,200円+税
映像テクストであるジブリ作品をどう「読み」「研究」の射程の中に位置づけなおすのか,文学研究者たちの果敢な取り組みです.
¶ 『現代文学史研究』第1集,現代文学史研究所,2003.12.1.
大久保典夫「純文学の死」,大井田義彰「越境する中年女―松本清張『けものみち』論―」他.
目次
「きむたく日記」
10月27日水曜日曇時々晴
寒くなった.今日,やっとこさ小泉さんが豊岡入りしてくれたらしい.
新潟の地震被害も深刻なようなので,立て続けの自然災害に見舞われて首相も大変だと思うが,視察と行政指導はきちんとやってほしい.被災した出石町では,こんなエピソードがある.被災した人が役場の人間に「被災した家屋を何とかしてほしい」と行政の協力を要請したところ,「自分の家のことは,自分でやってくれ」といわれたそうだ.ひどい対応もあったものである.
イラクで,日本人の青年が,アルカイダ系グループに拘束されたようだ.アンマンで一緒に滞在していた日本人からバクダット入りを再三とめられたにも拘らず,「大丈夫」「何とかなる」と言って,バスで入国したらしい.前に拘束された3人の頃よりも事態が悪化している情報を認知していなかったのか.先日自衛隊の宿営地に砲弾(信管外し)が打ち込まれた事件を知らなかったのか.物見遊山気分の認識の甘さには,あきれ返るばかりだ.しかし,その甘さは死を以ってあがなわなければならないものではない.なんとか助かってほしい.
なんとかならんのかという意味では,鬼束ちひろである.鬼束ちひろの音楽が好きだった.しかし今夏,彼女は突然「ロッカー」に転向して固定ファンの度肝を抜いた.僕も「育つ雑草」を視聴して,「これは違う」と思った.そしてシングルが発売予定の今日,インターネットに年内休養のニュースが流れた.
どうしたの?,鬼束ちひろ.
10月21日木曜日晴
昨日岡山を襲った台風23号は,僕の郷里兵庫県の但馬地方にも深い爪あとを残して行った.昨夜21:00過ぎに郷里(日高町)の母とやっと電話連絡が取れ,水が近所の道路まで来ているという話を聞いて,岡山の風雨が収まっていたことから,「そちらももう大丈夫だよ」と言っていたのだが,甘かった.
ニュース報道によると,深夜円山川の堤防が豊岡市の方で一部決壊したため,豊岡市内が水没したのである.風雨が収まったあとも,堤防が壊れるくらいに水量が増していたようなのである.
朝も昼休みも,郷里に電話がつながらず心配していたが,14:00過ぎに親戚の叔母が携帯電話に連絡をくれて,両親が無事であることと,床下浸水で終わったが今停電しているということを教えてくれた.叔母の話では,家のあたりは水没を免れていたが,周辺道路が水没したので,陸の孤島状態になっていたようなのだ.
同じように連絡が取れなかった妹の嫁ぎ先とも連絡が取れた.甥っ子たち2人は,大人たちの右往左往をよそに,2日連続の休校をこれ幸いとゲーム三昧の日々を送っていたようである.
ようやく安堵して,生協で新刊を買う気分になった.「アエラ」や石原千秋『漱石と三人の読者』(講談社現代新書)など,数点を購入.
石原氏は,「いまなぜ漱石について語ろうとするのか,その理由」を書くことについて,断りが書かれており,その姿勢に同感しつつ,改めて漱石や文学が教養,文化から外れていったこの10年を思わないではいられない.千円札からも外れるし….文学者から医学者(野口英世)への変化は,案外象徴的かもしれない.文部科学省の,戦後59年にわたる「文学」外し行政が漸く報われる時代が来たということか(ケッ,胸糞悪いゼ).
10月19日火曜日雨
台風接近で雨がよく降る.
昨日研究授業から戻るさ,助手席の窓を半分開けたままにして運転していたらしく,出勤時になって助手席側がびしょ濡れ状態になっているのに気づいた.
7月半ばに(業者に泣き落とされて)納車された新車である.この衝撃たるや,食後のデザートであるクリームブリュレを床に落としたショックに相当する.
奥さまにいうとバカにされるし,彼女が乗るシートでもあるので,内緒でタオルと雑巾を持ち出し,水を吸い取る.僕の心も土砂降りであった.
午後,講義2つ.安部公房の「棒」の講義に挑戦.
10月18日月曜日晴
附属中学校で行われる教生の研究授業を参観する.古典が2つと現代文が1つのメニューであった.教生の堂々とした授業に,普段の自分のへらへら講義が対照されてしまうのであった.「ヒトのフリ見て我がフリ直せ」というが,教生の授業といえど自分の勉強になるということを再確認した.残念ながら,本来全員出席のはずの大学院生の出席が多くなく,残念な思いをした.
ゼミ生が授業者として授業を行った3年生の「開かれた頁」(黒田三郎の詩)は,最初の連の2行に,平和に安住しているような現代人への批判が読み取れるようなことを言っていたのだが,かなり疑問を覚えた.批評会で,授業を作った教生グループに向けて,そのようには読めない根拠を示し,深読みに過ぎるのではないかと指摘しておいた.
また論説文に空欄を作って,予想読みをさせる宿題を出していたようだが,事前に渡されていた課題文を読んでもどうしても空欄部が埋められず頭を悩ませていたところ,授業後に配布された解答文で,実は予想読みの根拠になる部分が,空白部以降のカットされた後半部分にあることが判明した.予想読みをしようにも,「予想ができない」のである(!).確かに,H高氏の文章は上手いとはいえないが,それでも意味が取れないとはいえない.学生たちが説明文を読めていない問題が明らかとなり,頭を抱え込む.これは大学の講義内容の問題なのか,高校の授業レベルの問題なのか,現実逃避をしてはいけないが,ゆゆしき問題である.
夜自室で授業準備をしていると,相愛大のT先生から夜襲電話.
10月15日金曜日晴
午前中,附属小学校でゼミ生の教育実習の授業を参観.「天使」のように見える可愛い児童たちに囲まれて,青ざめながらも楽しそうに授業をしていた.羨ましかった.
院のゼミ生から,「淵」の書き順を知っているかと尋ねられた.僕は知らないことは知らないとハッキリいえるくらいプライドがないので,「知らん」というと,「GAHOH」という書き順を教えてくれるサイトを紹介してくれた(Quick Timeが必要).
生まれて初めて,「淵」の正しい書き順を知った.ちなみに「FUTI」ではないので,くれぐれも誤解のないように.
10月13日水曜日晴
13:00から1時間教室会議.独法化してから非常勤講師を削減する圧力が強くなった.国語教育でも,書道の専任スタッフがいないのに,その書道科目をさらに削減するようにいってきたので,了承できないという話になる.大学は会社組織のような営利組織ではない.確かに無駄は省く努力は必要であろうが,教育上に必要なものを満たしていない科目を削減することなど,到底受け入れられるものではないのである.
10月12日火曜日晴
久々に講義で,山川方夫「菊」を取り上げる.現実から人間は簡単に零れ落ちてしまう.その脆さが印象に残る佳作である.
講義後,受講していたゼミ生から「妄想系の女性から迫られたことはありますか」と聞かれた.「ノーコメント」と答えると,「妄想系の恋愛をしたことはありますか」と再び尋ねられる.
「もっとノーコメント(怒)」
研究室に戻ったら,事務官から電話.
「先生,つかぬことを伺いますが,どちらで講義をされていましたか?」
「え,530◆教室ですが」
「実は,一階の会議室でマイクテストをしていましたら,先生の声が流れてきまして(笑)」
「……」
ワイヤレスマイクを使っていたので,混線したらしいのだが,事務職員の方々に話を聞かれていたかと思うと「いや〜な気分」になった.
土曜日はひどい目にあった.
学会の懇親会の後のぞみに乗ろうと京都駅に駆けつけたら,表示されているのは「のぞみ15号」で15:00の時間帯の便である.咄嗟に意味が理解できず,しばしフリーズ.自分の乗車券に記載されている21:14発「のぞみ33号」の字面と見比べて事態が理解できた.遅れているのである.
学会会場で,「(台風の影響で)帰りの便は大丈夫なの?」と聞かれて,「大丈夫ですよ,下りですから」と答えていたのだが,大間違いをしていた.下りののぞみは東京発だから,22号の影響をまともに受ける電車なのである.
「帰れない〜」とムンクの叫び状態に陥ったが,気を取り直して駅員さんから情報収集をし,運よく15:00台のこだまが6時間遅れで岡山に到着するというので,それで新大阪まで出て,新大阪発のレールスターで岡山に帰るという算段がついたのだった.
帰宅予定時間よりも一時間遅れで帰れたのは,不幸中の幸いというべきだろう.あるいは,僕の普段の行動(善行)を天上から見てくださっているエス様が,助けてくださったのかもしれない.京都駅ではのぼりののぞみ号がずっと停車したままだった.
帰宅したら原稿の校正が来ていた(げんなり).
10月8日金曜日雨
大学院ゼミ生N君の修論指導.30枚ほど書き上げていて,なかなか良い滑り出しである.卒論もかくありたいものだ.
16:00から17:00過ぎまで,教養科目運営委員会に出席.来年度から,シラバスはWEBオンリーで,閲覧用のCD−ROMは作らないのだそうだ.教員は自分のPCを研究室に持っているから直ぐにアクセスできるが,学生はPCを確保せねばならず不便だろう.
今までの台風よりも強力な,台風22号が来ている.明日京都で学会があるのだが,交通機関(山陽新幹線)がストップしないか心配である.最悪なのは,車中でストップして「缶詰」状態になることだ.
10月7日木曜日晴時々曇
午前午後と講義.といっても履修登録期間中の今は見学のお客さんも含まれているので,授業内容を説明するガイダンスで終わる.14:00から附属中学校で行われた教育研究集会に出席.「きつねの窓」の公開授業を見学する.
10月4日月曜日晴
なんということか,1日から後期が始まってしまった.僕の講義も明日からスタートである.ということで,今日は明日の授業準備に追われる.
土曜日の夜,奥さまと倉敷市水江のMOVIXに「モンスター」を観にいって来た.2002年に死刑執行されたアメリカ人女性の実話に基づく映画である.主人公の女性の孤独感・焦慮・絶望感が伝わって来て,監督は死刑囚の犯罪行動が何によって生み出されたのかというところまで,キチンと描き出していた.何が彼女をそうさせたのか,ということについては是非観にいって確認して欲しい.ハリウッド映画にうんざりしている人には,お勧めの佳作である.ただし,観終わったあとには落ち込むので,デートには向かない(笑).男性は要注意である.
「演劇鑑賞サークル」のご案内 (岡山限定)
以下の要領で,演劇を鑑賞する仲間を募集します.役者が目の前で演じている舞
台を見ると,TVや映画とは違う迫力と魅力に圧倒されます.募集の期限はあり
ませんので,是非入会をご検討ください.
記
・入会の条件
@教官・事務官・学生・院生・OB,OGなど,一切不問.
A最低半年以上,サークル会員でいられる人.
・ 申し込み先:木村 功 〒700-8530 岡山市津島中3丁目1−1 岡山大学教育学部内
(入会先:岡山市民劇場 岡山市磨屋町4-21 金谷ビル2F,086-224-7121,FAX086-224-7125)
・費用
@入会金:1,500円
A月会費:
一般会員;2,300円
学生会員;1,800円,
・演劇上演の時,入場料は要りません.
年間平均6〜8本の演劇が鑑賞できます.普通演劇鑑賞は,5,000円以上/1回
かかりますので,演劇が好きな人にはかなりお得といえるでしょう.また,席が
余れば期間中複数回の観劇も可能です.
・個人単位だと,事務局から割り当てられる座席の位置が悪くなるので,「サー
クル」という単位(3人以上)を作って座席の割り当てを貰った方が,費用対効
果があがるのです.
・詳細は,木村まで.
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2004年 7月例会「アンネの日記」