津島通信

JANUARY 2005
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◆CONTENTS◆

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【きむたく日記】

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広 告(刊行より1年間)

¶ 『敍説』U―09,「特集◆薩摩」,花書院,2005.1,本体1,800円(税込)

¶ 宮川健郎氏『日ようびのお父さんへ 本をとおして子どもとつきあう』,日本標準,2004.11,定価1,470円

¶ 馬場伸彦編『ロボットの文化誌』,森話社,2004.12,本体2,300円(税別)

 米村みゆきさんの「アトム・イデオロギー」(第3章)が含まれています.

¶ 真樹龍彦『聖餐の夜』,沖積社,2004.11,本体2,500円(税別)

 漱石研究・百闌、究・幻想文学研究で業績をお持ちの,真杉秀樹氏の小説です.真杉氏には,他に『「東電OL殺人事件」行―ある女の生涯―』,『赤い死』,『ふざけた殺し』,『吸血鬼の夜』の作品があります.

¶ 玉井敬之『夏目漱石詩句印譜』,翰林書房,2004,本体4,000円(税別)

 漱石の研究書ではありませんが,師匠の趣味の本です.

¶ 『原爆文学研究』3,花書院,2004.8.31,本体1,200円(税込)

¶ 『敍説』U―08,「特集◆梅崎春生」,花書院,2004.8,本体1,800円(税込)

¶ 米村みゆき『宮澤賢治を創った男たち』青弓社,2003.12.17,本体3,000円+税

¶ 岡山市・岡山市文学賞運営委員会編『おかやま しみんのどうわ2004』吉備人(きびと)出版,2004.2.14,定価1,000円

¶ 『敍説』U―07,「特集◆距離感」,花書院,2004.1.6,本体1,800円(税込)

 木村も書いています.

¶ 綾目広治 『倫理的で政治的な批評へ』皓星社,2004.1.30,本体2,800円+税

 のっけから福田和也批判で始まる痛快で刺激的な著書.批評理論系の方は,看過できない綾目先生の新著です.

目次


「きむたく日記」

1月31日月曜日晴

     先週から修士論文の査読に悩まされている.息抜きにマイケル・フレインの戯曲『デモクラシー』(岩波書店)を読んだが,東西ドイツの時代に西ドイツ首相に,東ドイツのスパイが秘書官として張り付いていた話も,思ったようなイデオロギーの対立と人間の葛藤が重なるようなものではなく,政治的現実というのが何層にも積み重なって構成されているものであることが分かったくらいで,少々当てが外れた気分であった.
     雑用をこなしていると,卒論を出したゼミ生が,受取証を見せにやってくる.そういえば,今日が提出締切日であった.

     先日の小泉今日子の事故に関しての奥さまとの会話
     「知ってる? 小泉今日子の話」
     「そうそう,ひき逃げしたんだって」
     「それをいうなら,当て逃げだよ」
     言語現象としてマコトに興味深い,ウチの奥さまである.

1月26日水曜日晴

     昼過ぎに,昨年度卒業生のF森君が,就職の挨拶に来る.県警の採用試験に合格した話は,噂で聞いていたのだが,元気そうな顔を見せてくれたのが嬉しかった.同級生の院生が痩せたらしいのを僕のHPで見て驚いたと言っていたが,彼自身も今までにない落ち着いた雰囲気を漂わせていた.1年間の苦労が,彼に奥深さを与えていた.
     国内の治安悪化や警察内部自体でも不祥事が相次ぐ大変な時代であるが,粘り強さと誠意で勤めていって欲しい.小柄な彼の後姿を見送りながら,そう心に祈るのであった.
     「頑張って,いい卒論を書いて下さい」と,4年生にエールを残してくれました.

1月24日月曜日晴

     昨夜は,1時過ぎまでかかって修士論文の査読ノルマをこなし,本日はゼミ生の卒論の指導.大体内容が仕上がっていたので,「もう指導を受けにこなくていいよ」とOKを出す.提出1週間前である.
     しかし,「敵」はまだ納得せず「メールして,アポとりして良いですか.自分だけ楽しようとしてませんか」とシツコク食い下がろうとするのであった.
     「いえいえ,君に教えることは,もうないんですよ(オホホ)」

1月21日金曜日晴

     午後,オムニバスで1年生向けの講義.来週の時間が,教務の都合で休講にされたので,その次の週で試験を行う予定なので,今日1時間で試験の範囲をカバーしなければならなくなった.いつにないプレッシャーの中で,講義を行う.講義内容はともかく,必死さは学生に伝わっていたようだゼ(フッ).
     査読しなければならない他の修士論文を渡される(ガックリ).まだ全然読む気になれない.でも,モチベーションを高めていかなければ.
     S原先生に,PCの授業.お礼にファイルバインダーをいただいてしまった.

1月20日木曜日晴

     午前講義,午後演習.院のゼミ生が,「悩まして」くれる.
     修士論文の提出締切日.ゼミ生と含めて,全員無事に提出したようだ.あとは,査読地獄が私の行く手に待つのみ(トホホケョ).

1月19日水曜日曇→雨→晴

     13:00から教授会.普段にない早い時間設定だが,学部長の都合によるものだという. 15:00過ぎには終了したので,とても嬉しかった.
     明日の読者論の講義で使う,論文資料を読んで過ごす.

1月17日月曜日晴

     阪神・淡路大震災から今日で10年が経過した.
     この10年間に日本では,長期の不況・金融不安と,関連した治安悪化・社会制度に対する不安が進行した.そして傷ついた被災者・遺族の方々の心は,癒されぬままに時間だけが経過している.希望という言葉が,本当に実質を失ってしまった10年ではないだろうか.僕は,そんな気がしている.

     来年度の学部・院のシラバス作成で気ぜわしい.おまけに教務委員なので,他の先生にも督促をしなければならないので,余計に気ぜわしい.
     同僚のI田先生が研究室に見えて,「木村さん,本出したの?」といきなり尋ねられる.岩波から出ている「図書」1月号を見せて貰うと,巻頭エッセイに木村功氏という人が本を出していて,それが紹介してあったのだ.同姓同名(名の読み方は異なるが)に関わる笑い話であった.

1月11日火曜日晴

     講義再開.3週間ぶりの授業で,少々緊張した.

1月6日木曜日雨

     昨日まで,有給を取って郷里で3日間過ごして来た.94歳の母方の祖父が,年末に自転車に乗ろうとしてずっこけてハンドルで胸骨を打撲した以外,特に変わったこともなく,父の白内障の経過も良いようで,先ずは祝着という年明けであった.
     ただし僕は年末の中国旅行以来,食っちゃあ寝食っちゃあ寝のグータラ生活で,胃もたれがするようになり,食欲不振にまで陥ったのは,例年にない特筆すべき事であった.思えば本厄に突入する歳なので,もう無理がきかなくなっているのかもしれない.いや,それでもオレはまだまだ若いのだ,と思ったりして自分を一人慰めている.
     帰郷2日目の4日に,運動不足を解消するために,奥さまを連れて,小さい頃よく悪ガキ連中と遊びに行った近隣の長楽寺という真言宗のお寺まで往復1時間の散歩に出かけた.ここは,往時安土桃山時代に栄えた寺であり,僧坊も多くあったようだが,秀吉軍の戦火に焼かれて全焼してしまい.現在は小さな寺として運営されている.散り椿の木があることで,県内では有名だ.
     この寺も昨年の23号でやられていて,山の頂上近くにある寺内の敷地の一部が土砂崩れを起こしていた.寺内にある排水溝が多量の雨水を処理しきれずに溢れだし,それが敷地の地面を侵食して,ついには土砂崩れを起こしたことが,地面を観察していて(文系の僕にでも)分かった.そん馬鹿なことが,と思われるかもしれないが,そのような信じられないことが起こっていたのである.
     後で家に帰ってから父から聞いた話では,住職さんは1昨年に本山から送られて来た人なのだそうだが,水害の折は文字通り死ぬ思いをしたそうなのだ.実は,長楽寺のある山の前は,竹貫川という小さな川が流れていて,あの円山川に合流している.あの時はこの川も氾濫して,黒々と大地を覆っていた.そして山は土砂崩れである.地域の消防団が電話で住職に,「早く避難をして下さい」と勧めたそうだが,住職は「どこに逃げろってんだ」と電話口で叫んだという伝説は,めぐりめぐって父の耳にまで届き,その息子に伝えられたのであった.
     昔のお坊さんなら,極楽往生の機縁が訪れたと喜んだことであろう,などと皮肉を言ってはならない.むしろ生命を軽視するようなそちらの方の考え方の方が,僕には恐ろしい.

1月1日土曜日晴

     新年明けましておめでとうございます.
     皆さん,新年をどのようにお迎えになられたでしょうか.
     木村は,奥さまの勤務の都合で,生まれて初めて郷里以外で迎える新年となりました.昨夜は奥さまと紅白を見ながら,「白鯨」を読んで過ごしました.昨日といえば,起き出して台所で珈琲を沸かしていると窓外が白いのに気づき,窓を開けてみると一面の銀世界だったのに驚きました.岡山では観測史上初めての大晦日の積雪だったようです.おかげで外出する前に車の上の雪(5センチ程)を取り除かねばならず,一苦労でした.
     いただいた年賀状を見ると,新しいスタートを切る人や,今年こそ頑張るぞという人もいて,新年らしい気分になりますね.
     木村も今年は密かに期することがありますが,果たして実現するかどうか.皆さんは,どんな計画・目標を立てられたでしょうか.お互い,頑張りましょう! 本年もよろしくお願いします.


「演劇鑑賞サークル」のご案内 (岡山限定)  

   以下の要領で,演劇を鑑賞する仲間を募集します.役者が目の前で演じている舞
   台を見ると,TVや映画とは違う迫力と魅力に圧倒されます.募集の期限はあり
  ませんので,是非入会をご検討ください.

                  記

  ・入会の条件
   @教官・事務官・学生・院生・OB,OGなど,一切不問.
   A最低半年以上,サークル会員でいられる人.
 
  ・ 申し込み先:木村 功  〒700-8530 岡山市津島中3丁目1−1 岡山大学教育学部内
     (入会先:岡山市民劇場  岡山市磨屋町4-21 金谷ビル2F,086-224-7121,FAX086-224-7125)

    ・費用
   @入会金:1,500円
   A月会費:
        一般会員;2,300円
        学生会員;1,800円,
    
  ・演劇上演の時,入場料は要りません
  年間平均6〜8本の演劇が鑑賞できます.普通演劇鑑賞は,5,000円以上/1回
 かかりますので,演劇が好きな人にはかなりお得といえるでしょう.また,席が
 余れば期間中複数回の観劇も可能です.
 
  ・個人単位だと,事務局から割り当てられる座席の位置が悪くなるので,「サー
  クル」という単位(3人以上)を作って座席の割り当てを貰った方が,費用対効
  果があがるのです.

  ・詳細は,木村まで.

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 2005年 2月例会「冬物語」(平幹二郎,岡山初登場)