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SEP
◆CONTENTS◆
カシオペアの2ヶ月
最初は信時さんや根岸さんがノートパソコンを購入しているので、ノートパソコンの購入を考えていたのだが、昨年11月にWindowsCE/HPCの発売のニュースを聞いて、購入を見合わせたのだった。ノートよりも小さい携帯用のPCというものがどのような物か楽しみで、7月のカシオペア日本語版の発売は本当に待ち遠しかった。
カシオペアの購入目的は、電子メールの読み書きと文書作成の2点だけだった。カシオペアにはモデムが内蔵されていないので、通信を行うには新たに購入する必要がある。TDKのモデムカードを19800円で購入して、郷里でアナログ回線からプロバイダに接続し、電子メールを読んだときはモバイルの有り難みの一端に触れたような気がした。本当のモバイラーとは、携帯・PHSをもって常時ネットワークにアクセス出来る人を指すのであろうが、そんな暇や用もないので、僕には11pm以降のアクセスで十分だった。友人や同僚、教え子たちと絶え間なく連絡を取ることが出来た。しかし旅行先の北海道で、ホテルのグレーの公衆電話を使ってアクセスしようとしたが、これはエラーが出続けて結局成功しなかった。原因は案外モデムの差込が浅くて、認識されなかったのかもとおもっているが、文系にはこの辺なかなか難しいものである。車のようにはいかない。
それからPIE(ポケットインターネットエクスプローラー)は、ひどい。アクセスして5分くらいで、エラーがでてカシオペアがダウンしてしまうのだ。「第2のリセットボタン」とあるユーザーは評したが、正鵠を射た意見である。Wintelというtelnet用のソフトも同様で、ダウンしまくるので暗然とさせられたしlogがとれないのも困りものだった。メール以外の通信では、本当にがっかりさせられた。ただしパソコン通信のほうはやってみなかったので、なんとも言えない(ニフティにも入っているだけになってしまった)。
さて文書作成であるが、これは遅い遅いといわれながら、僕自身はさほどストレスは感じなかった。辞書が幼いので、辞書登録をして鍛え上げていく必要があるが、これは時間の問題である。また8月8日から入力環境をソフト的に改善するモジュールがダウンロードできるようになったので、入力・変換スピードは早くなった。それにようやく待望のエディタが登場した。KPAD(free)・スーパーエディタF99(free)、WZ for CE(β版)がそれである。いずれも一長一短があるが、スーパーエディタF99は、簡単な機能しかないので操作の点では使いやすいと思う。しかし長文を入力すると、変換スピードが低下して、かなりイライラする。こうなると実用度が疑われる。Pocket WZ Editorは多機能すぎて秀丸ユーザーの僕には使いづらい。β版なので9/30までしか使えないが、動作が速く快適に入力が出来る点では、今のところNO.1だろう。KPADは手作りの良さが残っていて、個人的には好きなのだが、他の2者にはまだ機能と操作のしやすさではまだまだ及ばない。
文書作成時の大きな問題は、視認性の低さであろう。文字の小さいのはフォント数を大きく設定することで回避できるが、見にくさはどうしようもない。改善の余地がある。次期CEのバージョンアップに対応してカラー画面の登場が噂されているが、買い換える必要があるにしてもよしとしなければならないだろう。1年後まで視認性の悪さに我慢できるか、正直自信がない。
カシオペアのユーザーは、HPでフリーソフトを公開している。カシオ謹製のソフトばかりではなく、操作性・実用性をユーザーサイドから考え抜いたソフトばかりで、フリーというのが驚きであるが、ありがたいことだ。このソフト群の多さでは、モバイルギア版のCE機を遙かに凌駕していると思う(多分)。
さて、このカシオペアをこの2ヶ月どう使ったかという事にもどるが、PCの文書データ(.TXT.DOCとワード文書)をやりとり出来るので、今まで持ち運べなかったものを持ち運んで閲覧したり書き込んだり出来るようになった。ちょっとしたメモや思いついたアイデアを書き留めて、それをPCに移してから文書としてしあげたり、メールで出したり出来た。論文の加筆訂正も十分可能である(僕のカシオペアは8MBの容量を持つ。3.5FDならおおよそ7枚分に相当)。また学生がFDで提出したレポートを、カシオペアに移して、好きな所で読み、コメントを書き加える事が出来た(将来的にはメールで、出先から随意に添削データを返信できるだろう)。 CASIOが設置しているカシオペアラウンジに書き込みをしていた予備校生は、ノート代わりにカシオペアを使用しているそうだ。カシオペアの「G天王星」という和漢和英辞書も十分役立つと評価していた。この報告からもカシオペアの実用度は、大体推測してもらえるのではないだろうか。九州大学の花田先生は7月に「(カシオペアが)欲しい」とおっしゃっていたが、「むしろリブレットを」と勧めた僕も、現在ではカシオペアでも良いのではと思い始めている。使い込めば愛着が湧いてくるマシーンなのである。しかし、来夏には新しいカシオペア(カラー機)が市場に投入されるであろうから、買い控えた方がいいとは思うが。
あとカシオペアでは、サウンドベガという録音機能が面白い。僕は夏休みに甥っ子達の声を録音して、彼等と遊んだりしたのだが、これが結構いろいろな場面で備忘録としてばかりでなくコミュニケーションツールとして役立つのである。「らくがき君」というソフトは、感圧式のペン書き機能を利用して自在に文字を書けるフリーソフトで、キー入力で処理出来ないときに役立つ。またスタンプ機能として、コンビニやGSの図をフォーマットとして持っている。実用性では、カシオ謹製の「ペイントアトラス」より操作性に優れている。CEのタイマー機能もいい。僕は目覚ましに「鶏」の声をセットして、これで毎日起こして貰っている(チョット寂しいゼ)。PCはいずれも持ち運ぶには重いが、HPCはモバイルだけでなくベッドサイドマシーンとしても利用できる、場所を選ばないマシーンなのである。ただし、それには「落とす」という危険性もついてまわることを、十分意識しておかなければならない。僕もすでに2度落として、カシオペアの美しいアルミカバーに傷をこさえてしまった。はやく専用カバーを買いたいのだが、宇部にはおいていない。地方の悲しさをしみじみとかみしめている。
最後にカシオペアレポートを纏めておこう。
問題点(だけ)
殆どハード面の問題ばかりに思えるが、これらの問題を受け止めることが出来れば、あなたも私の仲間だ。
PIEによるWWW閲覧、telnet(FTPも?)機能が脆弱。
ショートカットが多く、ランチャー用フリーソフト(DTOPかHOTKEY)を導入しないと動作が遅い
視認性の悪さ
起動・終了ボタンの感度が悪い
クレードルなんて殆どいらんやんけ(騙された。4000円返せ)!
バックアップに時間がかかりすぎる