津島通信

OCTOBER '98
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◆CONTENTS◆

FD用メールソフト(10/12)

IME98 UPDATE(10/02)

B'Zを聴いちゃ悪いか!@「きむたく日記」

出勤した日に,暇を見つけて更新しております。

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takumi@mxd.meshnet.or.jp

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FD用メールソフト

 教員・教官の方たちの中には,校内での学生のメール利用について頭を悩ませているかたもおいでだろう。一番の問題は,電子メール利用を希望する学生が多いにも関わらず,PCの台数が少ないこと。またメールソフトのセキュリティの問題から,1つの電子メールソフトの共有ができないことである。最初の問題はハード面の問題なのでどうしようもないが,2番目の問題はクリアできそうで,文系の人間にはクリアが難しい問題だった。そこで登場したのが,FDにインストールしてFDから起動できるメールソフトである。これならば,PCにソフトをインストールすることなく,FDからメールの送受信ができる。Pocket Mailerは,そのようなメールソフトである。ファイルをダウンロードし,FDにインストールして諸設定を済ませれば,直ちに利用ができる。現在送受信100通の制限つきで試用ができる。問題はシェアウェア(課金ソフト)である点で,1800円するのが問題だ。しかし学校への一括導入なら,応相談らしい。
 経済的な問題があるのなら,「AL-MAIL32」をお勧めしたい。これなら,学校関係者は無料で利用できる。PCにソフトをインストールし,FDには各個人のメールボックスを移して利用する形態になり(普通はメールボックスもPCにある),設定がすこしややこしいが,FDに送受信の記録が残るので個人のプライバシーを守ることができる(FDを自分でキチンと管理する限りは)。FD利用の設定については,個人的に問合せていただければ,設定を伝授いたしましょう。(10月12日)

 

IME98 UPDATE

 9月30日,MS社のIME98アップデートプログラムが公開されました。ただしダウンロードには,非常に時間がかかるのでダイヤル・アップの方は御注意下さい。4MBもあるんですから。LAN回線の当方でも,まだダウンロード出来ていません。


「きむたく日記」

 

10月29日木曜日晴

     午前・午後講義。4回生が卒論の章立ての仕方について相談に来る。教育学部の国語教室では,「おおまかな指導」をされているので,どうしたら良いか不安になるらしく,マニュアル世代でお節介&おしゃべり@木村は重宝らしい。換言すれば,体よく利用されているだけなのだが,頼られるのは嬉しいものだ(特に女性には)。
     ただ,友人のパソコンの見積もりに僕を利用する大学院生Mさん,なんか間違っていないか?

10月28日水曜日曇

     午前中講義。小川未明の「なくなった人形」(『小川未明童話集』岩波文庫)について報告する。討論で学生から逆に教えられたことも含めてまとめると以下のようである。人形を乞食の女の子に盗まれた女の子が「どんな場合でも盗みはいけない」という杓子定規な考えから解き放たれて,「堪忍」や「人情」で柔軟に対応できるようになる心の成長をテーマとした童話であると位置付ける一方で,「乞食の子」だからという理由で盗みを「堪忍」するというのは,社会的に恵まれた「幸福」な側からの押し付けがましい論理であり,その論理が「乞食の子」の「悪行」そのものへの指導を欠いている点も看過できない。そしてそれを「人情」という美名で包み込んでしまう語り手を批判した。
     教育学部の授業なので,作品を文学的に読むことについて葛藤がないわけではないが,今回は強引に推しすすめてしまった。あとで質問に来た男子学生が,「面白かった」といってくれたのは救いであったが……。
     午後は,図書館で論文と発表のための資料探しをする。

10月27日火曜日雨

     午後2コマ講義。後期の国文購読では現代文学を講義する事にした。対象作品は流動的だが,とりあえず最初は太宰を取り上げようと思う。没後50年ということもあるので。大学院の演習を済ませてから,木曜日に「雁」について発表する山磨クンの指導。語り手の「僕」について考察をまとめていたが,お玉の内面が描きこまれている事に注意をうながす。そしてお決まりの雑談。
     「先生って,50万本代を使ったって書かれてましたよね。いつ読まれているんですか」
     「……(そ,それだけは聞かんといてくれー)」
     気を取りなおして,小川未明の「なくなった人形」のレポート作り。近代童話のレポートなんて,自分でやるとはいったもののとてもやりにくい。

10月26日月曜日曇り

     大学に出勤して論文作成。昨日石川さんから同人誌「敍説」の締切りについてメール連絡があり,最終締切りが11月中旬までと書いてあった。11月一杯で完成させようとしていた僕は,霹靂に撃たれたようなショックを受けた。11月14日には,お目見え興行があるので,講義準備と発表準備と論文作成が重なってしまった。もう「非常事態宣言」である。それでもなんとかしようと思って,石川さんに11月19日に送信しますとメールをおくると,もっと早く送ってくれてもいいよと優しい催促が返って来たのだった(天狗堂主人からのプレッシャーもあるらしい)。
     論文リスト98年の10月のデータを更新する。情報提供者の吉田さん,いつもありがとう。読書カードをつけておられるのを掲示板にも転載してくれているのでしょうが,真面目な勉強ぶりには頭が下がります。
     肩こり甚だし。

10月23日金曜日雨

     昼休みに白水君来室。教育実習の裏話。3週間実習に行って,教案作りを徹底的に叩き込まれたそうだ。睡眠時間が,2,3時間というのも凄まじい。しかし教壇に立ったのは,研究授業を含めて5時間というのだから,ちょっと少ないと思う。教壇上での経験から学ぶことも多いと思うのだが。他山磨クン・柴田君来室。
     講義準備と論文作成をする。そう言えば,昨日の「読売」で三島が10代の頃に先輩に宛てた書簡が大量発見されたことが報じられていた。「新潮」に発表されるとのこと。

10月22日木曜日晴れ

     開学記念日のため休講。読書。

10月21日水曜日晴れ

     午前中講義。後期は「小学国語2」で,童話を扱う事にした。国語教室よりも幼児教育からの積極的登録者が目立った。そんなものなのかという感慨あり。
     12:30〜13:30来年度開講予定のガイダンス科目と総合演習の打合せのための会議。根岸さん,信時さんのメールへの返信をしたため,生協に本を見にいく。新刊で長山靖生『「吾輩は猫である」の謎』(文春新書)を購入。なぜこうも歯学博士のような門外漢が漱石本を平気で出すのか,それこそ「謎」である。それにしても「文春新書」とは……。ハードカバーよりも新書を多く出すという薄利多売戦略なんだろうかと勘繰ることしばし。天麩羅ソバを食べてから会議室に向かう。
     14:30〜18:30まで教官会議。ソバのせいか,今日はとうとう会議中に昇天してしまった。
     明日は開学記念日で休講である。スポーツ大会があるそうだが,そんなんしるか!1年目なので講義準備のためには,空き時間を空費する余裕はないし,山口県あたりから無言のプレッシャーを感じて毎日の眠りも浅いのだ(休日は寝たい)。おまけに11月14日は国語研究会(教室のOB会か?)でのお目見え興行(発表)があるので,その準備もしなければならないのだ。

10月20日火曜日晴れ

     研究授業で,はじめて付属中学に行く。神頭・岩佐・森川・塚本教官というプロ教師の皆さんに鍛え上げられた教生の発表は,それぞれ目を見張るような仕上がりを見せていた。それぞれの指導教官の方法論を反映した指導案を見ていると,僕が出た大学の国語教育の教育実習の指導教官とは雲泥の差があることを見とめざるを得ない。これがプロだという迫力が違うのである。文学部の学生はいいかげんな教育実習を受けるのではなく,単位互換ができるなら教育大で講義を受けたほうがはるかに良い。
     しかし,今日の僕が何をしていたかというと,メガネが壊れたために,板書は見えず,教生の表情は勿論,隣の人の顔もよく見えず,構内で迷うありさまで,疲れきってしまった。視力が出ないと言うことは,情報のかなりの部分を取り逃がす。聴力には,直に集中力の限界が来る。
     実は度入りのサングラスで代用しようとしたのだが,やはり着用する勇気が出なかった。おかげで,誰がいたのかさっぱり分からなかった。だが,声と体格で,人は結構分かるものではあるようだ。

     信時さんからメールで,共同執筆した「近代文学研究のためのインターネットのインフラ整備を……」と題する提言書をWEBに再掲したとの連絡が来る。学会誌なので,会員の方以外では見ることができないものだが,関心がおありの方は是非ご一読いただきたい。

10月18日日曜日雨のち晴れ(暑い)

     後日掲載

10月17日土曜日雨

     学会のため,新幹線を使って上京する。宇部短時代は,近くにANAの飛行場があったので,1時間30分のフライトで10:00過ぎには東京に着いていた。今回は,13:30に東京につき,会場ではなく神田で探し物をするが収穫が無かった。雨中うろうろするのも嫌なものである。東京は肌寒く,秋ものを着ている人が多かった。Tシャツ姿の元気な人もいるにはいるが,稀少である。
     16:00に新宿南口で洛星の教え子たちと待ち合わせ,22:00まで食事をして歓談する。

10月16日金曜日小雨

     岡山駅のTISで新幹線のチケットを購入する。僕が東京に行く時は,必ず天気が大荒れになるので憂鬱だ。前回も台風が来ていたような記憶がある。しかし10号は並みの台風になったようだし,少しはマシか。駅前郵便局で,甥ッ子の為にポケットモンスターの絵入り葉書を購入する。5枚セットで350円である。
     大学で講義準備と論文作成,読書に勤しむ。我ながら今日は殊勝な勤務ぶりだ。

10月15日木曜日曇り時々晴れ

     台風の影響かとても蒸し暑い。仕舞っていたポロシャツや綿パンを出して着たほどである。
     今日から専門の講義が始まるが,教育学部のため教育実習で3年生がおらず,教室は寥々たる風景である。プリントアウトした泥縄式講義ノートを見ながら,やる気に影響するなあと呟く。90分×2の講義で,疲れた。蚊にも刺された。
     根岸さん信時さんから,「週末の学会どうするの」と問合せあり。17日は他用でサボり,18日だけいく予定である由返答。天狗堂主人(一説に花田俊典とも)から,モバギで見るTGVという画像閲覧ソフトのインストールができないとの報告メールあり。この問題は先週からやり取りしているのだが解決できない。カシオペアではないので勝手がわからず仕方がないのもあるが,あとは対応機種違いしか考えられなくなった。それか,彼の品行(多分過去)に対する「天罰」である(やーい)。
     B'Zの”Treasure”を聴きながら,「日記」を書いていると,たまたま来た学生から「なんでB'Zなんか聴いているんですか」と言われた。オジサンがB'Zを聴いちゃ悪いか,大体B'Zもオジサンではないかと内心反発するが,紳士の僕は優しく微笑するだけだった。

10月13日火曜日雨

     専門の講義が15日から始まるので,大学で泥縄式講義ノート作り。
     18:30頃,仕事に疲れてメールチェックをしていると,大学時代の先輩中原達公さん(皆タツコウと呼んでいたが,今もって名前をなんとお読みするのか分からん)からメールが届いた。卒業されて埼玉で高校の国語科教員をしているとのこと。学生時代は,「木村!」と呼んでいたのに,丁寧に敬語を使っておられるのがおかしかった。
     埼玉県では国語科教員が集まって「埼玉県高等学校国語科教育研究会」を作り,中原さんはそこで情報機器研究委員会@ホームページ担当(代表)というお立場にあるということだ。HPも充実したリンクを持っているので,他県の国語科教員の先生方はご参考にいかがでしょう?
     それにしても,あの頃僕たちは二十そこそこ。30半ばのオジサンになるなんて思いもしなかったですね,中原さん(しみじみ)。

10月12日月曜日曇り

     久しぶりに紀伊國屋書店に行き書籍を購入する。小学館文庫の中上健次選集2『異族』が欲しかったのだが,それ以外にも衝動買いしてしまった。こういうところは独身のうまみであって,結婚していたらそれこそ絞首刑ものである。『日本文壇史』23,24(講談社文芸文庫)・『対訳ワーズワス詩集』(岩波文庫)・森田誠吾『明治人ものがたり』・古屋健三『「内向の世代」論』(慶應義塾大学出版会)・小森陽一『<ゆらぎ>の日本文学』(NHKブックス)・鈴木貞美『日本の「文学」概念』(作品社)である。軽いところで,『新ゴーマニズム宣言』5が出ていたので,これも購入した。『日本文壇史』は24巻で完結である。
     前に研究室に遊びに来た学生(♀)に,「君が主婦だったら,旦那の小遣いは,いくら渡す?」と聞いてみたら,「まあ3万円ですね」という回答だった。これはサラリーマンの小遣いの月額平均とほぼ見合っている。僕の昨年の本代(私費分)は50万円を越えていて,今年も既に超過しているから,とても月額3万円ではやって行けない。そういうことを言って,「君とは,結婚できないね」と冗談をいうと,「当たり前です。それに先生は読まない本まで買い過ぎです」と冷たく指摘されてしまった(ガーン)。
     「し,資料として買う分もあるからねえ。」

10月9日金曜日晴れ

     14:30より国立吉備少年の家の山崎課長と磯兼専門職員と,来年度フレンドシップ事業について協議。

10月6日火曜日晴れ

     昨夜,昨年話題だった「失楽園」をTVでやっていたので,見てしまった。黒木瞳は,やっぱり綺麗だなあと思う。しかし,描かれた世界というのは紋切り型のようにも思えた。どうして「心中」まで突っ走るのかが,今一つよく分からない。あれは九木(役所広司)側からの発案になっていて,彼の自己抹殺衝動に凛子が巻き込まれたように見えるのだった。最悪の不況の時期,サラリーマン(しかも斜陽産業の出版業)が左遷されて生きがいを失うというのは,大変リアリティがあるが,それに付き合うような献身的な女性は,少なくとも10代20代には見るべくもないだろう。現実は,一服盛ったり,死ぬなら高額の保険金をかけてからアンタ1人で死ね,というような女性ばかりではないのか(→女性からの苦情は一切受け付けませぬ。アワワ)。「失楽園」とは,男にとって都合のいい女性を描き出した物語なのだろう。
     大学に出勤して,メールボックスを覗くと,紀伊國屋書店から『OUR TIMES 20世紀』(角川書店13800円)が届いていた。5月頃角川の営業の人とまわってこられたので,お愛想程度で「これいいですね,欲しいなあ」などと調子を合わせていたのが,この始末である。どうしてくれよう。『広辞苑』の5版も出るというのに!
     小橋孝子さんから恵送された抜き刷りを読む。

10月2日金曜日晴れ

     研究室で論文読み。11:00過ぎに生協に行って,安藤武『三島由紀夫の生涯』(夏目書房),殷允■『台湾の歴史』藤原書店,小平麻衣子『尾崎紅葉<女物語>を読み直す』(NHK出版)などを購入する。iMACが置いてあって,思わず触ってみる。スケルトン加工の丸い筐体は,PCというよりおもちゃのようだ。黒いキーボードもアクセントになっていて洒落ている。皆が欲しがる理由が分かる。
     

10月1日木曜日晴れ

     久方振りの天気である。しかし暑いので閉口する。
     やっと自分の自由に使える時間ができたので,終日論文を読んだり,メモを取ったりして過ごす。宇部短大から送られた諸井先生(漢詩人としての乃木希典研究者)の紀要論文を読んでいると,明治18年,19年の日記をローマ字で書いていることや(写真版を読むがさっぱり判読できない。判読文が添えられていたので助かった。),著名な「爾霊山」の詩が『百花欄』では,語句の異同がある事などが書いてあり,大変興味深かった。
     雑用数件。