津島通信

 MARCH '99
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◆CONTENTS◆

@「敍説」の入手方法について(訂正版)

「きむたく日記」

出勤した日に,暇を見つけて更新しております。

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takumi@mxd.mesh.ne.jp

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「敍説」の入手方法(訂正版)

     定期講読大募集

     木村も関与している文芸(批評)同人誌「敍説」について,個人的に結構問い合わせがありますので,ここで入手方法を掲示しておきます。

    【入手方法】
     「地方小出版流通センター扱い」と指定の上,書店に注文してください。定価は 1800円です(税込み)。定期講読も可能で,その場合は花書院内「敍説係」へ問い合わせてく ださい(送料無料)。
     【花書院】
     〒810-0012 福岡市中央区白金2-9-2
       TEL 092-526-0287
       FAX 092-524-4411
     現在は,18号まで刊行されていますが,17号までのバックナンバーの目次は,以下のアドレスで分ります。品切もありますです。
    http://www.bekkoame.or.jp/i/gf8533/josetuindex.htm#top


「きむたく日記」

3月25日 火曜日晴

     大学・大学院の卒業式。4年次生・大学院の皆さん,ご卒業おめでとうございます。
     15:10からカルチャーホテルで謝恩会。会費が少ないので恐縮。せめて卒業記念パーティーのような形式にして貰えたら,こちらも応分の負担ができて良いと思うのだが。それにしても,三宅先生ではないが皆さんお綺麗で,一体誰が誰だかサッパリ分りかねた。紫のシャツを好むS田君と,応援団の学ランを着ているY君(富田先生へのエールは感動しました)は目立った。1年休学してイギリスに留学し帰ってきた小川君とも話す事ができた。良い経験をしてきたようだし,PCにも関心を持っている様なので,「伝道師」ができたワイと喜ぶ。
     ホテルを出たところで稲田先生曰く,「やれやれ,これで1年がようやく終わりましたな」

3月23日火曜日晴

     17日の記述で,特定の個人を推測させてしまう記述があり(推測はハズレなのだが),迷惑をかけてしまったのでその部分を削除した(誤解されたY君,ごめんなさい)。自分でも大人気ない内容だとは思うが,削除する気は一切無い。都合が悪ければ,削除してしまえばこちらの勝ちというのがインターネットの「便利」な所なのだが,大人気なくても僕は直に削除してしまえるような適当なことを書き連ねているのではないのだ!
     僕の書いたことに,objectionがあるなら,研究室に来て欲しい。S田君ではないが,「個人面談」しましょう(内輪ギャグ)。

3月19日金曜日雨

     1月に購入したノートPCのIME98(MS社謹製日本語入力ソフト)がおかしい。17日に書いたこととも関連していたようなのだが、変換しようとするといきなりフリーズするのである。これでは仕事にならない(デスクトップでも仕事はできるのだが、年齢のせいか目の疲労度が違うのだ)。神戸の信時さんに相談すると、98の場合は、CDからの再セットアップで上書きしたらどうかとアドヴァイスをいただいたので、「フム自分と同じ考えだワイ」と安心して、上書きしてみるがNGだった。フリーズするのである。そうなると後はHDのフォーマットしかないという、これまた信時さんと僕の見解は不幸な一致を見る事になってしまった。HDから必要なデータをFDに移行してから、フォーマットするが、この冬育てた「ユーザー辞書」を移し忘れていたのに気がついて、自分までフリーズしてしまった。
     チクショーと思いながらノートPCのHDを再セットアップする合間にメールをダウンロードすると、先週結婚1周年を迎えた山大@石川さんからメールあり。奥さんと韓国旅行をしてきたと実に嬉しそうな文面で、読みながらウキーッと原始の怒りに捕らわれてしまうワタクシであった。

3月17日水曜日晴れ

     大学生協で来年度用の文具・ファイル類を購入する。併せて研究室の本棚の整理。仲先生・山下航正さんから抜き刷りをいただいたが、まだ読めないでいる。
     論文をまとめているのだが、ワード98が突然システムダウンを起こして、作成した分のデータが保存できず、論文作成に影響が出ることはなはだしい。もう一つは、傍線などの文字修飾を加えて図表を作成していたのだが、横書きで作成したのを縦表示に変更しようと考えた。それが30箇所程あり、一挙に縦表示に変換したところ、全て文字修飾が消えてしまったのだ。頭を抱えた。まだまだ未だしの感が拭えないワープロソフトである。

     昨日は、停年で退官される教官の送別会を国語教室で開いたのだが、大学教官を19年勤めてこられた先生の体験談などがうかがえてたいへん有意義だった。学校の先生もされていたのだがその時に得たという御経験を紹介してみよう。

      1)家庭訪問までに、子どもの長所を1つ見つけておいて、家庭訪問ではそれを褒め上げる。親との信頼関係を築くことができるということだ。
      2)修学旅行で引率の教師の力量をはかる目安の一つとして、子ども達を集合場所で座らせるかいなかということがある。立たせたままだと退屈した子どもは、動き回るようになるので、必ず座らせることが必要だという。特にプラットフォームなどでの転落などを防ぐためにも大切なことである。新米だと、このことに気がつかないのだという。

     

     今、岡大の色々なクラブで送別会が開かれているようだが、ある4年生が下級生に「大学の勉強は『無用の用(※)』だったが、クラブで得たことは一生の宝だ」といったようだ。これを聞いた時に、「おまえにそれをいう資格はない」と心底腹が立った。大学生活で何も得ることが無かったというのであれば、それに勝る悲劇はないであろうが、大学が本来学問の場(色々な意味で)であることを考えれば、本末転倒の結果に終わったことは、御互いにとって御気の毒さまとしか言い様がない。わざわざこの不況下に大学進学をして、自分を磨き自己形成を遂げるに一番ふさわしい時期を過ごしたというのに、言うことが「大学の勉強は無用の用だったが、クラブで得たことは一生の宝だ」というのでは情けないではないか。
     この「日記」を読んでくれている学生諸君に言いたい。ハレの「送別会」で妙な発言をして下級生の失笑を買わないよう、しっかり学業にもクラブにも励んで自分を練磨して「品位」を身につけて欲しい。

    ※ちなみに「無用の用」とは、「無用とされているものが、かえって大用をなすこと。[荘子]」(『広辞苑』5版)であるが、その学生が語意を理解して使っていたとは思えない。大方「無用」ということを強調した言葉とでも思ったのだろう。……ハッ、また岡大の恥をさらしてしまった。

3月13日土曜日晴れ

     大学にFDを取りに出勤し,論文作成などの仕事をこなす。

3月12日金曜日晴れ

     後期試験のために入構できず(許可証紛失),研究室にFDを忘れたために仕事もできず,仕方なく自宅で本を読んだり車のガソリンを入れに行ったりして過ごす。

3月11日木曜日晴れ

     10:30から18:30まで,教官会議などの会議4連発。19:00から転退職される教官の方々の送別会。国語教室からは富田先生が19年間の岡大生活を終えられて退職される。この日記を見てくれていた理科助手の佐藤先生,中学校でも頑張って下さい。

3月10日水曜日晴れ

     万歩書店平井店に行く。昨日講談社学術文庫に入っている福沢諭吉の著作を買いに来たのだが,定休日だったのだ。12:00からの始業に10分ほど間があり,ふと道路の向かい側をみやると「古本市場」の支店があった。岡山の古本屋といえば,万歩と古本市場くらいしか知らないのだが,なんとこんなところに道路を挟んで2店が並立していたのである。早速3車線道路を横断して,古本市場を偵察する。古書は井上章一の『美人論』以外,あとはコミックスの山で大したことはなかったのだが,CDコーナーで宇多田ヒカルのファーストアルバムが出ていたのでそれを購入する。彼女は最近J−POPのヒットチャートに2曲もランクインさせているアーティストなのだが,弱冠16歳で,すべての作詞作曲をこなしているというツワモノなのである。そればかりではない。われわれの世代にとっては,あの「藤圭子」の娘という話題性もついてくる。藤圭子は,「15,16,17とあたしの人生暗かった」(「夢は夜ひらく」)という楳図かずおの世界を思わせるような歌(?)で,少年きむたくを夜な夜な怖がらせた歌手だったのだ。そして結婚した時には,洗剤で米を洗い,炊飯器のコンセントをさしこまずに「ご飯が炊けない」と泣いたという「伝説」を作って,これまた僕を怖がらせた女性であった。あれから16年,時間は流れたのである。
     万歩で目当ての文庫の他にも4冊文庫を購入して,大学に出勤する。そろそろホワイトデーのお返しをしなければならない。

3月8日月曜日曇り

     研究室でメールチェックをする。花田先生から「敍説」の購入方法について誤りの指摘があり,訂正する。
     昨日は,久しぶりに小説を読んで過ごした。三浦綾子『病めるときも』(角川文庫),村上龍『KYOKO』(集英社文庫),坂東眞砂子『屍の聲』。三浦・坂東作品を読むと,女はつくづく恐ろしいと思う一方で,村上龍のKYOKOは妖精のように優しく可憐だ。勿論これには,エイズ患者に応対する「優しい」「非差別的」な日本人というバイアスがかかっているからなのだろうが。
     国研の4回生の学生(女性)が友人を連れてやってきて,こんなものが友人のポストの中に入れられていたといって,CD-Rと手紙を見せてくれた。手紙は殆ど文意のとれない日本語もどきでイカレタ内容なのだが,CD-Rの中には,アドビ社のイラストレーター,フォトショップ,MS‐Officeのプロ版の3点が入っていて,そのシリアルキーが記載されてあった。彼女がインターネットで知りあった人物らしいのだが,ソイツは彼女の名前と部屋番号を自分のメールのIDにしているので,ビックリしてしまった。しかもその手紙とCD‐Rは,郵送では無いばかりか,示威的に手紙の1行目に住所を明記していやがるのである。
     彼女には,ソフトは不正なものだし,ウイルス感染している可能性もあることを説明して破棄するように勧めた。住所も不安だろうが,引越してしまえばこちらのものである。ベビーフェイスの可愛い子だからということもあろうが,ひっつく「バグ」(虫)は強烈だ。僕が父親か兄なら,このバグは「死刑」である。
     生協で『アーネスト・サトウ伝』(東洋文庫)を購入。

3月3日水曜日,晴

     とても暖かい。車の窓を開けても,風が心地よいくらいで,一気に4月の気候に突入しているように思う。万歩書店(平井店)で,三島由紀夫『朱雀家の滅亡』(昭和42)の初版本を,2000円で入手。多分高めの値段だろう。坂東眞砂子の『屍の聲』なんかも含めて,5000円ほど古本を購入し,レジで値段を告げられて青ざめる(昨日の今日だというのに……)。レジの女の子は,虫歯か耳下腺炎であろう,右の頬が目立って腫上がっていて,お気の毒だった。
     大学に出勤して,ここのところ全く取り組めなかった論文や積読書の解消に努める。

3月2日火曜日,晴

     遂に決心して,ウイルスバスターをオンライン価格3700円で購入する。とにかくデータの消失には代えられない。それにしても原価が8000円位だろうから,むちゃくちゃ安いことは安いのだ。それを相当な決心が要ったのは,ひとえに今月の交際費の多さによる。送別会がやたら多く,試算では3万円以上の出費が予定されている。

3月1日月曜日,晴

     2次試験の集計を行う。18:00から国語関係の教員と懇親会。片山倫太郎氏(36)と話す。奥さんの小橋孝子さんとも,メールベースで交流があり,他人のような気がしなかった。話してみるとかなり早い段階で僕のHPを見ておられて,「が(ど)っしりした体躯」という記述について指摘されてしまった。恐るべし,である。「世界に名前が流れた」と喜んでおられたが,「それはちょっと違うゾ」と思う(お分かりだろうけれど)。万歩書店のことや,学生気質・学生の就職状況の話をする。驚いたのは,御実家が現在,玉井師匠と同じ町内にあるということで,世間は狭いなあと思う。
     帰宅して村上春樹『パン屋再襲撃』を読了。東京の電気通信大学に通っているいとこからメールをもらう。卒論,出せたそうだが,PCとプロジェクターを接続して,プレゼンソフトで発表もしなければならないそうだ。教育学部の学生でも,これくらいはできるように指導されないと世間並とはいえないのだが,国語教室ではPCというだけで怖気をふるうヤツもいるので,困ったものだ。