ホーム :こゝろ :


先生の年齢と家の見取り図

前へ 次へ

 最初に〈年齢〉についてです。
 「私」に関しては比較的簡単だと思います。課題にある「明治45年」にはどんな事件があったか(史実でも作品の中でも同じです)を探してみましょう。そして,その時の「私」の職業が何だったかを探し出せば,年齢が想像できると思います。
 「先生」と「お嬢さん」については,二人の若い頃が書かれている「下 先生と遺書」がヒントになります。「○○戦争の時か何か」という箇所,そして当時の二人の職業が分かれば,「明治45年」時点での二人の年齢はすぐに出せるのではないでしょうか。
 ただ,当時の三人の職業は,現在の私たちの職業とは年齢が少し異なってますのでご注意を。「こころ」の文庫や『漱石全集』の「こころ」の巻での「注解」などに,いくらか書いてあったかも知れません。

 次に〈見取り図〉ですが,まずは「先生」の部屋を書いてみましょう。そしてその部屋に,「下」の本文に沿って,「K」の部屋,縁側,「お嬢さん」の部屋や茶の間,玄関などを付け足してみて下さい。「下」の「四十」辺りまでで,ほぼ書けるのではないかと思います。範囲は広いのですが,手がかりを根気よく探してみて下さい。手がかりに矛盾が出てくることも予想されますが,その時はどちらの手がかりを優先したかを明記すればいいと思います。
 なお,作品の本文から見取り図を書く方法は,次の本でもされています。近くの図書館にあるかも知れません。先ほどの『漱石全集』とあわせて,参考にどうぞ。
●『名作文学に見る「家」』
 小幡陽次郎・文/横島誠司・図
 単行本:1992/12,文庫版(2冊):1997/8
 朝日新聞社

回答者:山下航正さん

01/09/07



こゝろ に戻る