「これで下げ止まりではな
いか」。合田隆太郎氏は呟い
た。
細君の欠席から本年度幹事
代行を務める合田氏の発言は
本会合の収支を忖度する中か
ら生まれたものであったが、
恵比寿倶楽部の現状にを表す
に、これ程正鵠を得た台詞は
ないだろう。
御成婚二次会をはじめ、忘
年会や送別会の類であれ、今
や会合に集う顔ぶれは、殆ど
大同小異と言っていい。
それは「保守本流が万博を
乗っ取った」(関係者元幹部
)とも言える現象ではあった
が、美麗を尽くせば、旧WT
| |
Cと旧NC系の融和、より正
確を期せば旧AIESEC関係者と
いう集団全体の縮小が、旧派
閥の色分けを無意味なものに
したということだ。
会合には旧和里田世代の顔
が目立った。いや殆ど彼等の
集会であったと言っても過言
ではない。
勿論、海外渡航や妻帯者の
増加が旧椙山世代の参加を不
可能にした面はあったが、同
時にそれは、旧和里田世代こ
そ「万博の世代」であること
を示していたのではないか。
かつて戸川五三六をして戦
慄を走らせた、WTCの宗教
| |
的熱情は、もはやここには見
られない。それ故彼等を「万
博の世代」と定義することも
単にひとつの時代を表す象徴
の意を超えるものではない。
ならば「恵比寿倶楽部」は
逆に非WTC系をも飲み込む
ことこそ、生き残る道ではな
か。
本年度幹事の合田夫妻、秋
田夫妻の奮戦や言うに及ばず
祭司である関氏の長年の尽力
に誰もが頭を垂れる。
それを承知で苦言を呈する
ならば、例えば10周年を機に
旧椙山、和里田、岩崎3世代
を中心に「拡大恵比寿倶」と
|
も言うべき会合を企図すると
いうのはどうか。
宴も半ばにして、矢野酉太
郎氏は「内野が来ていないな
ぁ」と述べ辺りを見渡した。
実際それは一寸した錯覚なの
だが、ほかにも太田康広氏な
ど、本会に名を連ねない大物
は少なくない。詰まり誰しも
容易に錯誤を犯すほど、保守
本流と万博系の交配、よく言
えば融和は進んでいる。
本会合後のカラオケにおけ
る、小倉京子氏の「若返り」
や、遙か小松市より現れた武
藤康の自ら述べた「成長」に
見られるが如く、固定した「
| |
場」を提ずる恵比寿倶楽部の
意義は小さくない。むしろ現
行の御成婚ラッシュ一服後は
高まる可能性を秘めていると
言っても過言ではない。

(熱唱する 武藤氏)
その趣旨を活かし「保守本
流をも飲み込む」ことが、7
年目を迎えた恵比寿倶楽部の
新たな課題であると思う。
環境をテーマにした万国博
| |
の日本誘致が決まった本年、
WTCの再評価こそ、行われ
て然るべきかも知れない。
だが、もういいのではない
か。何もかも懐かしくなる、
沖田館長の心根に我々はもう
近付きつつある。だからこそ
「風を恵比寿に」吹かせるこ
とが可能な内に再生の芽を与
えようではないか。社民党の
ように、相克のエネルギーを
失くした過去の集団になるに
は、まだ早過ぎる。
なお、次年度幹事には、山
口雄二氏、小谷真貴子氏が選
出された。
|