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December,23,2003

「あなたの人生の物語」
著者:
テッド・チャン
出版社:
早川書房
分類:
SF,文庫

なんか妙に評価の高い作家、テッド・チャンの短編集です。

私自身は、あんまし。だって、ヘブル文字72文字で作品に描かれたような効果を持たせるのはどう考えても無理だし。「理解」に見る知性優越への無邪気な確信は、スターリング後の作品であることを考えると信じられない気がします。同時に、人工知能研究が進まない理由も垣間見た気も。

「ゼロで割る」はひねり無し。もちっとちゃんと数論を説明したほうが読者に親切だと思いました。まぁ、数論に対する無邪気な信頼が著者の中で揺らぐ様子を描く、面白い作品であるかもしれません。私は四元数を勉強した時にその辺り随分と揺らいだので、他人事というか共感というか、そんなにショックだったのかと。

「あなたの人生の物語」も、自分は、主人公が娘の死に立ち会った瞬間に、娘の人生を俯瞰した作品だと解釈しているので、特に変な点は無いし。変なのは異星人の言語です。あんな風に発達する可能性ってあるのでしょうか。というか、言語とはコードであり、コードは言語である、という認識の欠如がなんとも。

「地獄とは神の不在なり」「顔の美醜について」は割と面白く読めました。途中ダレましたが。もちっとピシッと刺激的な結論が欲しかった気がしますが、まぁこれがテッド・チャンなのでしょう。

「ロシア・ソビエトSF傑作集 上下巻」
出版社:
東京創元社
分類:
SF,文庫

かなり駄目。「宇宙空間の旅」「五人同盟」「運命の卵」はある程度読め、ソヴィエト的なものを求めるなら「五人同盟」が恐らくベスト。

しかし、SFと政治の奇妙きわまる結合を嫌というほど見せ付けられる内容です。やっぱ、政治とはなんなのか、理解していないよなぁこいつら。

「東欧SF傑作集」
出版社:
東京創元社
分類:
SF,文庫

普通の古い小品ばかりで、普通に読めます。結構面白いものもあります。政治系は読み飛ばすのが秘訣でしょう。

「ユリシ−ズ I」
著者:
ジェイムズ・ジョイス
出版社:
集英社
分類:
一般,文庫

一時、えらく読みたかった時期もあったんです。古本屋でもハードカバー見なかったし、本屋のそれは箱入りだし。ほら、物理学なんかでジョイスがらみの命名とかあるし、もしかしてユリシーズ必須?等と思っていた時期もあったのです。ちなみに「フィネガンズ・ウェイク」柳瀬訳のアレ、立ち読みですが半ページで挫折。いいですあんなのもう読まなくて。


本書、けっこうスルスルと読めます。分厚い四分冊ですが、活字が嫌がらせのようにデカいし、注釈が半分近く占めてるし。注釈削って注釈は別冊にして欲しかったです。

さらっと通読する分には、そうそう難しいものではありません。なんてことのない生活の描写が主で、イベント的には退屈すべきなのかも知れませんが、意識の流れの描写、巧過ぎます。描写の中のぶつ切りの単語の並びが、ぱっぱっと数十ページ前のシーンと結び付いて描写を補強してゆきます。描写はわき道にさ迷いがちですが、大抵飽きる前に次のシーンへと移行し、そもそもそのわき道のシーンが前後のシーンに対してヒントを与える内容なのです。

文章技巧という点で、一読を高くお薦めできる作品だと思います。

「撲殺天使ドクロちゃん #2」
著者:
おかゆまさき
出版社:
メディアワークス
分類:
FT,文庫

そして、読んだ。

「ユリシ−ズ II」
著者:
ジェイムズ・ジョイス
出版社:
集英社
分類:
一般,文庫

しっかし何でユリシーズなのやら。「イーリアス」「オデュセイア」も読みましたが、今やなんと言うか、始終牛を丸焼きにしていた印象しか残っていません。


本書はするすると読めるのですが、気を張っていないと、いろいろ見落としてしまいます。大体、一度に読めるのは100ページが限度ですね。それ以上は集中力が続きません。

そういう時は目を瞑って、主人公の萌え妹ことディリー・ディーダラスが重さ3ポンドの火掻き棒を振りかざし「おにいちゃんどいて!そいつら殺せない!!」と叫びながら(挿絵:駒都えーじ)国立図書館に乱入、そこに居合せたイェイツやら兄をいじめる文学者どもをまとめてぶち殺し、阿鼻叫喚の地獄絵図、そしてぴぴるぴ(以下略)……というようなシーンを想像します。

そして再び読書再開。

文章書きなら絶対読むべきです。文章技法だけでも凄い凄い。まだ"III"も"IV"もある訳ですが、待ち遠しいと言うか恐ろしいというか。

「めがねノこころ」
著者:
ゆうきりん
出版社:
メディアワークス
分類:
SF,文庫

諸君、私は眼鏡っコが大好きだ。

(以下省略)

そりゃ買うでしょう、当然。

しかし……、内容は雑というかちぐはぐと言うか、物語に駆動力が一切無く、ネタにしても捻りも思い切りも足らず、正直言ってイタい内容でした。

眼鏡っコでガンアクション、というのが眼目なのでしょうが、ゴム弾が撃てる変なキャリコはいただけません。改造少女ネタって今流行りなのでしょうか。だとしたら最悪の流行です。補綴に関する知識の無さがイタさを倍増しています。まぁ全般に知識の無さは酷いのでそう目立つ訳ではありませんが。

自衛隊の特殊部隊設定がまたイタいし、そもそも冒頭の描写からしてイタいし、肝心のアクション描写は内容が無きに等しい、という塩梅。

ラブコメの構造としては、出てこない幼馴染(A)と変な眼鏡っコ(B)と負け組普通人(C)という激しく間違った形式なので、正直ラブコメとしての広がりは期待できません。それに、ヤングアダルトでウザい主人公出して一体どうするのかと。

そもそも、眼鏡っコへの愛が足りません。

同士に警告します。読むな、と。

「ユリシ−ズ III」
著者:
ジェイムズ・ジョイス
出版社:
集英社
分類:
一般,文庫

でちまいました。ああもう。

早速読んでいます。100ページを一気に。翻訳者万歳。

「サルでもできる料理教室」
著者:
清水ちなみandOL委員会
出版社:
幻冬舎
分類:
趣味,文庫

私は10年来、自炊を続けています。

しかし、所詮オタクの自炊です。味は二の次。人に食わせる代物じゃない、餌とでも言うべき代物で腹を満たして満足する、そんな自炊生活です。

得意技はパスタ。専用のパスタパンを持っています。安いニンニクでガーリックオイル作ったりします。でも工夫はそこまで。オリーブオイルでナスとピーマンとベーコンを炒め、缶詰のトマトを使う、そんな程度の料理を毎日毎日。もっと食費を切り詰めたければお好み焼きです。キャベツ安いし。

そもそも味にうるさければ、毎日食堂でかけそば(去年天ぷらうどんオンリーから切り替え、お陰で体重が少し減ったような気が)しか食べない、なんてアホな真似しません。


でもまぁ、食事のバリエーションは増やしたいな、と。

本書は、簡単な、いや、簡単すぎる、と形容したほうが良いようなレシピが馬鹿みたいに大量に収録されています。ちょいと小腹が空いたときなどに作ると良さそうな簡単料理が並んでいます。あと内容は適当と言うかかなり無責任です。「……って書いてあった」「……って聞いた」って何だよ!

……レシピ多過ぎます。自分の自炊の本当の問題点がわかった気がしました。

選択肢は要らないのです。求めていたのは、しばらくパスタづくめから切り替えることが出来る何か、だったんです。こんなにレシピがあると、どれにしようか考えるだけで面倒なのです。

なんてこった。

「DesignWaveMagazine 2003年10月号」
出版社:
CQ出版
分類:
技術,雑誌

今号はFPGAが付録です。

コンフィギュレーション用のシリアルROMが要る石って苦手なのですが、本屋で買える5万ゲートは魅力です。

RAMタイプは仕事では使えないけど、個人的には興味あります。でもxilinx系のほうが個人的には嬉しかったです。秋葉の千石ではXCR3128とか売ってるし。通販でも買えるし

「4.4BSDの設計と実装」
出版社:
アスキー
分類:
科学,単行本

本当は「386BSDカーネルソースコードの秘密」が欲しかったのですが、もう絶版でどこをどう探しても入手できません。野田さんは持ってるんだよなぁ。自分も買っておけば良かった。本はとりあえず買っておけ、というのは長年の経験に裏打ちされた教訓です。という訳で購入。

始めの方は、BSDがどのようなOSかという説明みたいな内容で、現実的な記述は第2章からです。特に濃いという訳でないのですが、系統立てて網羅的な記述はシステムの理解を促します。自分はメモリ管理、pmap辺りの説明を目当てに買ったのですが、うーん、良い内容なのではないでしょうか。実物がこう判り易ければ良いのですが……

「mips RISCアーキテクチャ」
著者:
Gerry Kane
出版社:
共立出版株式会社
分類:
技術,単行本

本書はR3000シリーズプロセッサについて、その構造と動作、機能と命令を解説したものです。

mipsの本は少なく、この本があって正直助かりました。SH-4が放射線に対してアレだったもんで、他のデバイスを試しているのですが、レジスタやキャッシュの耐放射線性を評価しようと考えると、どうしてもアセンブラによるブートと初期設定とチェック、これらをプログラミングせねばなりません。

実際に書いて思ったのですが、mipsのアーキテクチャは比較的よく練られており、0番レジスタなど感心する部分も多かったです。ただしニモニックは少ない命令によくわからない命名の仕方をしており、読み書きしていて混乱しました。

SHと比較して、ポインタのスコープの広さ、レジスタの多さはちょっと感激モノでした。制約も少なく、3オペランド記述は非常に便利だと感じました。命令長が長いというのは良いことです。その一方で、短縮命令も用意されており、これらは簡単に混在させることができます。C言語に対してもSHよりも提供する機能が多く、割と素直かつ高機能なアーキテクチャだと思いました。

プログラミング環境はWindows上のCygwinでGCC3.3をクロスコンパイルしてさくっと生成。初期化コードとシリアル出力、そしてレジスタチェックプログラムもさくっと作成。さーて、結果はどうでしょうか。

「改訂 ARMプロセッサ」
著者:
Steve Furber
出版社:
CQ出版社
分類:
技術,ムック

こっちはARMアーキテクチャの本です。これを読む理由も以上に同じ。

ターゲットはXScaleなのですが、ブートできなきゃ話になりません。要するにアセンブラと初期化の知識が必要なのです。ARMの本はInterface誌の別冊がもう一冊出ており、そっちの方はXScaleについての記事もあります。しかし、アーキテクチャについて理解を深めるにはこちらの方が適しています。

ARMは基本的な少数の命令に修飾ビットを付けることで、実質的には非常に多くの命令数を持っているプロセッサアーキテクチャです。命令体系は非常に強力なのですが、アセンブラコードの解釈が(人間にとって)面倒です。mipsと同じ3オペランドと短縮命令をサポートし、その上、命令一発でのレジスタの複数待避やソフトウェア割り込み命令も持っています。レジスタ数はmipsの半分ですが充分でしょう。割り込みにも強いです。

その一方で、遅延分岐はサポートせず、サブルーチンからのリターンをプログラムカウンタの直接操作で実現するといった、アーキテクチャのシンプルさという特徴も持っています。遅延分岐をサポートしなかったことはパイプラインの高速化に不向きかと思われましたが、スーパスカラのような同時実行アーキテクチャには、遅延分岐が無い方が有利だったのです。

アーキテクチャ的には、ARMはベストの選択であるように思えます。SHのような窮屈さもなく、32bitコードでもmipsに比べて非常に高い密度の命令が書け、小規模システムにも高速実行にも適しています。但し、SH以上に毛深いアーキテクチャです。もう、ボーボー。

チップが手に入り、実装が簡単に出来るのであれば、ARMは個人的にも使ってみたいと思わせる魅力があります。あと、XScaleはIntelがJTAGによるROM焼きツールをソースコード込みで提供しており、Linuxにもこれは移植されています。書き込み用ハードウェアの回路図も同じところにあります。XScaleのボードは大抵Intelのリファレンスデザイン準拠のようで面白味に欠けますが、XScaleが強力なので問題は全く無いでしょう。

次にボードを自作するときは、JTAGによるROMライティングをサポートしたいなぁ。

こちらもGCCのクロスコンパイラをさくっと生成(-mcpu=xscaleオプションは有効な模様)、さてあとはプログラム作成です。

……これでPowerPCにも手を出したら、代表的なRISCは全制覇だな……

「CPUの創りかた」
著者:
渡波郁
出版社:
毎日コミュニケーションズ
分類:
技術,単行本

高専にいたころ、74のTTLで4bitCPU作っている友達がいました。もう15年近い昔の話ですから、そのころから4bitCPU自作って人気のあるホビーだったのでしょうか。久留米ですから、電子パーツは嘉穂無線だけが頼りです。

当時私は制御には全く関心のない機械屋で、へぇ、位にしか思っていなかったのですが、何の因果か、今では立派な電子屋です。アセンブラからC++,Pascal,VB,LISPに自作簡易言語、Z80,PIC,H8,386,SH,MIPSにARM、我ながらよくやるもんだと思います。

自分は機械屋上がりなので、制御はリレーから入りました。カムと歯車も使いました。ラダーチャートとシーケンサも。論理演算はリレーで勉強したんです。

私がコンピュータの原理に目覚めたのは日経サイエンスの連載コラム「コンピュータレクリエーション」のエイプリルフール記事、ロープと滑車で出来たコンピュータの話題で、でした。そのとき、演算とは、情報とは何か、ハッと気が付いたのです。多分、それが私の道を誤るきっかけだったのでしょう。


本書は丁寧でよく書かれており、好感の持てる内容でしたが、この内容を作った人間が例えばコンピュータの原理について深い理解に辿り着けるかというと、難しいのではないかと思いました。所詮、74もブラックボックスです。黒いプラスチックに金属の足が生えたゲジゲジです。パッケージのマーキングを消してしまえば74LS04と74HC125の区別も付かなくなる程のICの抽象度の高さは、理解への障壁でしかありません。

本書は年寄りの趣味として適当ではないかと思いますが、新人の教育には、ちと危険ではないかと考えます。どうせならCPLDを使って、HDLでCPUを書かせた方がマシです。加算、減算、カウンタ、バスとひととおり作らせ、自分の頭で考えさせることが有効であると思います。副読本は必須だとは思いますが。半田づけがさせたかったら、CPLDでさせてやりましょう。年寄りはフラットパッケージに尻込みする傾向がありますが、新人にそんな先入観を植え付けないように初めからQFP、というのもオツでしょう。

そして、できれば、電力を使わないCPU、演算も考えさせると良いでしょう。データの保持に先入観が無くなると、視野が広がります。


最近考えているのは、簡単に手に入る材料で歯車コンピュータが作れないか、ということ。入力は歯車で行います。データとコードの二つの軸を用意し、ここに順に歯車を挿入してプログラムとします。この軸はプログラムカウンタ歯車の動きによって前後に移動します。

入力に使う歯車は、例えば田宮のラジコン用72枚のものを使い、入力する数以上の歯を削って丸坊主にしてしまいます。歯車一枚で72進数になります。入力歯車を一回転させると、噛み合った歯車はその残った歯の数だけ動きます。コードは歯車よりもカムの方が現実的でしょう。カムの回転に従って軸や歯車が位置を変え、回転します。

例えば簡単な足し算ならこうなります。

  1. 最初の入力歯車とレジスタ歯車を噛み合わせる。
  2. 入力歯車の軸を一回転させる。
  3. レジスタ歯車の軸を離し、入力歯車を一つ送る。
  4. 次の入力歯車とレジスタ歯車を噛み合わせる。
  5. 入力歯車の軸を一回転させる。

これで、レジスタ歯車の歯の位置は加算合計値を反映したものになった筈です。減算は、最後のプロセスでの軸の回転方向を逆にしてやるだけで実現します。

繰り上がりは、1対72のギヤ比のギヤチェーンを用意すれば実現します。論理演算をどうするかは、読者の練習問題ということで。

「Linuxから目覚めるぼくらのゲームボーイ!」
著者:
西田亙
出版社:
ソフトバンク
分類:
技術,ムック

UNIX USER誌のあの「GCCプログラミング工房」の筆者による、携帯ゲーム機ゲームボーイアドバンス(GBA)を用いたプログラミング本です。本としての体裁は薄手なのですが、GBAに作成したプログラムを転送するためのUSB接続ケーブルがついてきます。

本の内容も、実に濃いものとなっています。こういう組み込みプログラミング的な、RISCアセンブラのノウハウが書かれた本というのは実に貴重で、実際読んで目から鱗が落ちる内容です。

私は、ARMマイコンでのgcc/gasプログラミングの実際が知りたくて買いましたが、読むともうムズムズとGBAが欲しくなってきます。本書と、あとGBAがあれば。

開発環境としてはCygwin上のクロスコンパイラが実用になると知っていますので、そっちの方での構築になるでしょう。configure時の条件に気をつけて、あと出来上がりのMakefileに修正することで、cygwinでのgcc3.3クロスコンパイラ構築が可能になり、Windowsから遊べるようになります。

具体的には(作業ディレクトリ)/Makefile と (作業ディレクトリ)/gcc/Makefile の

program_transform_name = -e s,^,arm-netbsd-elf-,

を、

program_transform_name = -e s,^,/usr/cross/bin/arm-netbsd-elf-,

に書き換えるとか。

Linuxから、ではなくなりますが、お手軽なのでお薦めです。クロスコンパイルにはひと晩くらいかかりますが。

「MSX Magazine 永久保存版2」
出版社:
アスキー
分類:
技術,雑誌

流石に今となってはMSXには哀愁以外の魅力を感じません。で、何故買ったのかと言うと、そりゃ哀愁成分が強力だったから。表紙が大野一興氏の鮮やかなドット絵!

内容読んで思いました。結局この表紙とウーくんとべーしっ君の為だけに買ったのではないかと。でも悔い無し。


コンピュータのことが判って来ると、自分でちっちゃなコンピュータ作ろうか、等と考えるものです。でも、出来上がるのはMSXとは似ても似つかぬものとなるのは仕方の無いことでしょう。昔の8ビットマイコン風のものがほしけりゃ、秋月で買えるSH-2ワンチップで作れば良いのです。ビデオ信号も音源もソフトウェアで作り、テープを繋ぐのにソフトウェアモデム、内蔵の4kRAMで我慢して、BASICインタプリタを走らせれば立派な8bitマイコンもどきです。

自分はそんなものは欲しくないのです。自分はCPUよりも割り込みコントローラやソフトウェア、そして外観と用途に興味があります。

そして何より興味があるのは、自分が魅力的なコンピュータを作れるか、という事。この雑誌の鮮やかなドットを眺めながら思います。MSXには、確かに魅力がありました。

「人工知能の基礎理論」
著者:
赤間世紀
出版社:
電気書院
分類:
技術,ハードカバー

人工知能が欲しいです。

別に人間みたいな口を利いたり、感情が芽生えたり、そんな余計な機能は要らないのです。「午後ティー買って来いや」と命令したら、ささっとパシってくれるような奴が、「俺を合法的に金持ちにしてくれ」と命令したら、後は勝手に良きに計らってくれるような奴が欲しいのです。人間みたいな奴は別の話として、こーいうのも欲しくありませんか?

別に人間のやるように、人間の機能を模倣したりしなくて良いんです。問題が解決するなら、たとえ二足歩行だろうがキャタピラだろうが近所の子供を騙して買いに行かせようが、手段はどうでも良いのです。自分で考えても2chにスレ立てて聞いても良いのです。

という訳で人工知能(意訳:ある程度以上の複雑な問題を解決するための人工システム)が欲しくなったのですが、大体今何でこんなに人工知能研究が寂れているのか、大体人工知能研究ってどうなのか、気になります。人工知能というと二言目にはフレーム問題が……という話になるのも気になります。これまではぼんやりとわかった気になっていましたが、きっちり理解するためには適当な入門書が必要だと感じました。

でも、今時、人工知能の本って売っていないんですねぇ。結局、筑波の古本屋で、この本ともう一冊を一緒に購入しました。いや、この本ちょっと表紙が怪しかったし、二冊を比較することによってより客観的に理解ができる筈ですし。


本書は人工知能の入門書として十分な内容を持ち、わりと網羅的で、読みやすい文体の良書だと思われます。

人工知能研究は、様々な問題に対して万能の解法を得ようという研究だったのだと思われます。そして解決とは可能性の探索で、できるだけ効率的な探索手法などが模索されてきた訳です。

個人的には、フレーム問題は単なる計算資源割り当ての失敗にしか思えませんでした。世の中、どんなに考えても仕方のない問題というのもある訳で、そういう場合、さっさと頭を切り替えてもっと優先度の高い問題に取りかかるべきなのです。フレーム問題の一部は、リアルタイム性の無いバッチジョブ時代の産物です。

フレーム問題の別の一部は、問題が人工知能にそのまま与えられる形では現実世界には落ちていないという当然の指摘に対して、全く何の方策も講じていない点です。

歴史的に見て、ニューロは見当違い、包含アーキテクチャはアクロバチックに過ぎたと思います。自然言語処理とかにかまけて、この問題に正面から取り組むことを避けているのが現状でしょう。

あと、おもしろかったのが、ミンスキーのフレーム概念が、オブジェクト言語のオブジェクト構造サポートとほぼ同一であるという点です。用語まで同じなので両者には密接な関連があるのだと思いますが、Rubyとか弄っていても人工知能研究史の影響など微塵も感じられないので意外でした。

おかげでミンスキーの到達点まではオブジェクト指向に慣れた人なら即座に到達可能です。本書の文中にでてくる論理記号類も、自分のよく知っている奴で読み替えて全く問題有りません。我々の日々の糧は、実は人工知能プログラミングで得られていたのです!!

……その割には、プログラム、ちっとも賢くありませんが。

「人工知能の基礎」
著者:
馬場口登&山田誠二
出版社:
昭晃堂
分類:
技術,ハードカバー

上書と同時に買った古本です。書かれたのは最新とまでは言いませんが90年代、人工知能バブル後の本です。

本書では人工知能史も丁寧に扱っており、自分は”今が全て”という人間なので余計とも思えたのですが、歴史とか好きな人にはこっちの方がお勧めかもしれません。

本書の方が多少文体が硬いものの、まぁ当然なのですが記述された理屈は同じです。


日本の第五世代コンピュータが成果を出しながらコケたのは、高価な並列計算機と専用のProlog方言では商売のやりようが無かった、という点に尽きます。

知的な問題を解決するのに、並列計算機は必須でしょうか。述語論理言語は必須でしょうか。

違います。

私は、ルールを正しく解釈する能力があれば、それだけで強力な問題解決システムが完成すると思っています。考えてみてください。大抵の人間はまともに思考することなく、ただ与えられたルールに従うだけで高度な社会活動を営んでいるのです。

とりあえず、学んだり発見したりする能力は放っておきましょう。現実を、ルールに従う”モデル”の群れに翻訳するのを優先すべきです。

ルールを与えるのが難しいと言うなら、人工知能のフレーム記述に適した言語を習得した技術者が既に大勢いることを思い出しましょう。コンパイルが面倒ならスクリプト言語を使いましょう。

やらせたい仕事に必要なモデルだけを与えて、シミュレートさせ、現実と比較させ、修正させ、シミュレートさせ、自己の計算能力の中で最適解を常に選び続ける。こういうシステムは十分に実現可能であると信じます。

こういうシステムを実現するには、リアルタイムタスクスケジューラを持つオブジェクト指向スクリプト言語が最適だと思っています。スケジューラにハードリアルタイム性は要求しません。言語は大規模なリソースを扱うことが可能なサービスを提供できなければなりません。

……作りたいっス。


こうして誕生する新しい知的システムは、例えば現在の品質管理の状況を一変させることも可能です。あらゆる状況で最善手を提供するシステムは、マニュアルに無い状況に対応することができます。

マニュアルによる品質管理の次、新しい品質、状況管理の時代が訪れるでしょう。

このシステムは、ヒトの生き方すら変えるかもしれません。例えばマニュアル人間の代わりに、”コンピュータに支援された人間”が現れるでしょう。


さて、人工知能研究の最大の問題は、問題に気づく能力だと思います。いや、研究批判とかそういうヤツじゃなくて、世界の様々な事象から問題を抽出する能力こそが、もっとも必要なのではないかと。

問題解決の研究は随分とされていますが、問題を切り出し、識別する研究は全然です。

世の中、”アレはまずいんじゃないか?”という指摘だけでも、ずいぶん良くなると思うのです。

「シェルの振動と座屈ハンドブック」
出版社:
技報堂出版
分類:
技術,ハードカバー

ロケットは下からでなく、重心付近で支えた方が構造を軽くできます。

東京タワーを思い浮かべてみてください。下の方の大きな構造は全て、上の方の構造を支えるために存在します。ロケットも高さ50メートルの構造物です。上を支えるには下が頑丈でないといけません。飛んでいる最中は3Gとか4Gとか、地球よりも重力の大きな惑星の上に立っているのと同じ理屈になります。しかも打ち上げ時の振動は常に直下型の大地震に晒されているのと同じです。構造は頑丈で、重いのです。

東京タワーを真ん中から別の構造物で支えると、下の構造は吊り下げられた自重を支えるだけで良くなります。要するに上下対称になる訳です。随分と軽くなる気がしませんか?

もちろん、外側から支えるための余分な構造は増えます。でも、例えば一段目が二段目を下から支えるのも、中間から支えるのも、支えるべき重さは同じです。つまりちゃんと作れば増分はゼロです。

これは元々は野田さんの思いつきで、自分はふーんそうか、等とぼんやりと考えていたのですが、そこでR-7という実例(射点のランチャーと一段目は、二段目の真ん中あたりを支持する仕組みになっている)に思い至りました。

世界最初の宇宙ロケットが未だに世界のベストセラーである理由は、何も量産効果だけでは無いのではないか、と思ったのです。

で、実際に軽くなるのか、計算してみようかと考えました。


本書は内部に液体などを貯蔵することを目的とした建築物の設計に関して、その強度設計の基礎となる振動と座屈について理論と例を示す内容となっています。

2003年9月の苫小牧のナフサタンク火災を思い出しましょう。タンクは地震という振動によって破壊を生じ、火災で強度を失って、やがて座屈しました。もしロケットのタンクが打ち上げの振動と加速に耐えられなければ、それは破壊されてしまいます。タンクは自重に耐えると同時に、振動にも耐える必要があります。

上で述べた重心吊り下げ方式は、自重に耐える構造重量の軽減に効果があるでしょう。しかし、振動に耐える構造の重量が実は支配的かもしれません。大体そもそも、タンクの構造って、どうやって計算するのでしょうか。

本書は理論面でその答えを出す助けになると思われます。

しかし、甘く考えてました。

単なる板一枚で計算はえらいことになります。自分は同時に、板金の構造強度の勉強もしたかったのですが、もうそれどころではありません。これがハンドブックかよ。

勉強が必要です。あと多分根性も。

「世界 2003年11月号」
出版社:
岩波書房
分類:
技術,ハードカバー

私は右翼、民族主義者どもが大嫌いです。どの程度かというと、およそ左翼の1.5倍ほど。

右翼の嫌らしさは、”自分たち”とそれ以外、外部と内部の区別にあります。それ単体では罪のないプロセスに見えますが、左翼の見境いのない強要と同じように、社会においてはそれは残酷な装置となるのです。

右翼的価値観は外部を価値無しとみなします。システムが右翼化すると、外部と見なされたが最後であり、”これが自分たちだ”という規範をどこまでも遵守することが求められます。要するに、大統領と国旗に忠誠を誓え、国家を批判するな、君が代を歌え、と。

左翼的手法でもまぁ同じなのですが、弱者は従うしかないのです。


さて、無職引きこもりの童貞オタといった、明文化されざる社会的規範における弱者、下層民が、偉い顔をして大多数を気取ることができる場があります。匿名掲示板です。

もちろん、(社会的規範の価値観が勝手に規定する)どの階層民も平等に大多数を気取ることができます。匿名掲示板では最悪、二人の暇を持て余す粘着と時たま訪れる通りすがりによってスレッドを維持することが可能ですし、そういう場所に迷い込んだ漫画家や作家が、そういう暇人の気晴らしを大多数の意見だと勘違いして激しく落ち込むのもよくある話です。

こういう低コストで大多数を模倣できる場では、右翼的価値観というのは湿気の多い部屋の黴よりも激しく増殖します。


本号収録の「嗤う日本のナショナリズム」北田暁大 は、極めて良く書かれた、熟読に値する論文です。巨大匿名掲示板”2ちゃんねる”における独特の民族主義的傾向について、その原因と傾向について、これまで誰も指摘してこなかった視点から論じています。

これまで右翼を”まぁ不景気だし”位にしか思っていなかった自分の不明を恥じたい気分です。

他の内容も、結構読めるモノが多く、まぁ酷いものも多い(かつては説明抜きで共有できていたと-一部が-信じていた価値観のみで、今日の状況把握抜きで論じるのが特徴)のですが、読むに、論ずるに足る雑誌ではないかと思います。少なくとも「SAPIO」辺りよりかはマシかと。せいぜい1.5倍ほどなのでしょうが……

「グローバルアクセス 日本地図帳」
出版社:
昭文社
分類:
趣味,地図帖

ガキンチョの頃は、地図帳、物凄く好きでした。地図は読めたし、書けたし。地図を読めば大抵迷うことはありませんでした。

学生時代とプーしてた頃は都市地図帳を愛用していました。イエローページと併せると都市の探索は素晴らしく便利になります。

しかし、社会人になってから、奇妙な感じに行動範囲が狭くなったように感じられてなりません。車で走っていると、どんな土地も一瞬で通りすぎてしまい、都市地図帳の縮尺だとまたたくまに”消費”していくように感じられ、怖くなります。いつのまにか自分の方向感覚が歪んで、どちらを向いているのかもわからなくなるのも恐ろしいです。

特に関東は山がほとんど無いので、周囲を見渡して恐慌に陥りそうになったこともありました。ごく自然に山の稜線を探すのが身についてしまっていたのです。

こういう場合の解の一つはカーナビですが、自分には土地を”面”で制圧したいという欲求があるので却下です。そういう場合は、縮尺の大きな地図を買うのです。


本書は安価で、しかもフツーの地図帳です。道路マップのようなドライブのための利便性はありませんが、地図が読める人なら、その土地についてかなりの情報、つまり等高線とか果樹園とか、を得ることができます。

面で制圧するというのは、つまり、その土地について知ったかぶりができるということ、裏道に迷い込んでも不安を感じる事無く好きな方向へ進めること、そういう感覚を得ることが目的なんです。

本書はそういう点で言うと、車での移動に関しての知ったかぶりには縮尺が大きすぎるのですが、自分の場合、関東に関する地理的知識が無いので、そういう知識のフレームとして使おうと思っています。日本の中の位置、世界の中の位置を定位してみたいし。

あと、旅行した気になれるというのも利点ですね。

……石川県羽咋、遠いなぁ。

「図解 業界地図が一目でわかる本」
出版社:
三笠書房
分類:
趣味,地図帖

いや、地図つながりで。

なんだか惹かれて買ってしまいました。要するにメーカー間の関係とかシェアとか、そういうものを並べて線で繋いだりした図が、業界別に延々と連なる本です。

しかし、知らない会社ばかり。見知らぬ企業たちの戦場を俯瞰する合戦地図です。

「萌える英単語帳 もえたん」
著者:
もえたん製作委員会
出版社:
三才ブックス
分類:
趣味,単行本

They say he is not satisfied with the number of sisters to this extent.

この程度の人数の妹では、彼は満足できないそうだ。

あ、ありえねぇ……

スゲェの一言です。いわゆる萌え系書籍の最前衛です。イラストも内容のイタさも、完璧なレベルに達しています。

アニメのセリフ無しでは日常会話も出来ないようなダメオタは、これで英語の勉強をすることを強く推奨します。身に付くとは思えませんが。

「季刊コミッカーズ 2003年秋号」
出版社:
美術出版社
分類:
趣味,雑誌

メガネ特集に惹かれて買いましたが、損した……

「星の瞳のシルエット #1-4」
著者:
柊あおい
出版社:
集英社
分類:
漫画,文庫

昔、とある眼鏡っ娘スキーなサイトで薦められて、ずううっと気になっていたのですが、古本屋で見掛けてチェックです。

……古っ。ありとあらゆる意味で古いですわ。これが80年代か、とか、二律背反的な状況に陥っている筈だけど、他にも取れそうな手段があるように思えるのでちっとも深刻に見えない、とか、そういう事も思いました。

漫画界の示準化石でした。あ、眼鏡っコはオッケェ。

「銭 #1」
著者:
鈴木みそ
出版社:
エンターブレイン
分類:
漫画,単行本

鈴木みそって、エンターブレイン系の取材漫画でしか知らなかった、いや本書も取材漫画と言って良いのですが、正直生真面目すぎて漫画として意識していませんでした。

単行本になって、ネットで勧める声を聞いて読んで見ました。

この連載、すばらしいです。認識を完全に改めました。


少年は死に瀕し、自分が生き霊となったことを知ったが、それを教えてくれたのは、いきなり少年の命の値段の計算をしてくれた奇妙な女性の霊だった。

少年は女性と共に世界を彷徨う。しかし、少年の夢や憧れのままにさまよう筈が、どうしたことか原価計算。


本書では、冒頭の生命保険にはじまって、漫画誌、アニメ、コンビニにおけるお金の動きを取り扱っています。しかし内容はわびさびの適度に効いたストーリの中で読者に強く意識させずに扱われ、非常に読みやすいです。内容そのものも非常に良く、一読をお勧めできる内容です。

「げんしけん #1,2」
著者:
木尾士目
出版社:
講談社
分類:
漫画,単行本

イタいと聞いて。

でも、イタくありませんでした。

拍子抜けです。いや、そういう場所は自分にもあったんです。オタの溜まり場。久留米高専模型同好会。模型なんて全然作らない連中の吹き溜まり。

麻雀もやったし、TRPGもやったし、メガドラも転がっていたし、漫画は常備されていたし。全巻揃いは「BE FREE!」しかしその後自分が「デュアルマガジン」と「So What?」揃えて置くように。でもちゃんといつのまにか模型は出来ていたし、バイクやクルマの話題もあったし、高専ロボコンにも出たし。要するに、何かしらやっていて、作っていたのです。

世代も大幅に違いました。私は5年生や留年生にただ独り紛れ込んだ1年生としてオタクデビューしたんです。先輩のバイクに2ケツしてツーリングに連れて行ってもらったり、泊まり込みで「トップをねらえ!」や「うろつき童子」の上映会をやったり、消える直前の電電公社系BBSのホストにお邪魔させてもらったり、……エロゲ貸してもらったり。

今のようにアニメもゲームも多くない時代で、オタライフと他の趣味嗜好と両立させていた気がします。今冷静に考えると悲惨だったのかも知れません。なんのかんの言っても野蛮の園の5年間。基本的に独りだったし。

実は当時、SFをオタ趣味だと思っていませんでした。何故なら、周りにSFファンが誰一人いなかったから。イタいフィールドを発生させようが無かったのです。だから、最初にSFファンという人種を目にした時は、「イタい連中だな……」としか思いませんでした。確か北九州。SFファンは皆年寄りだという拭いがたい偏見も一緒に植え付けられました。SF大会に行ってそれは確信になります。コクラノミコンの良い思い出は生オーケンだけでした。

同人誌デビューは後輩の作ったサムスピのコピー本だったし、エロゲデビューはMSX版カオスエンジェルスだし、コミケデビューは実は晴海。コミケで本出して(と言うのは正確には違うのだが)、SF大会に行って、アニメ録画するためにPC1台仕立ててHDD録画でDVD-Rを猛烈に消費する、今や自分、オタヒエラルキーでも結構高いところに居る筈なのですが、私の部屋にはオタポスターもフィギュアもエロゲパッケもありません。私はどこかズレた古いオタなんです。


高坂は有り得ます。オサレに目覚めた後輩共が、そのうち高専生にモテイベントは有り得ないことを悟り激しくオタライフに耽溺、しかし容姿の水準は以前より向上、というのを目撃したことがあるし。勘違いオサレも倍は居るけど。でも大野は無い、というか、間違っています。オッサン趣味は良い、でもカップリングは駄目じゃあ!ハゲよりも、生え際が後退した様が良いのです。あと腹。漫画のキャラで言うとルーク・カーボ。実在の人物で言うとコロリョフ。自分の腹が出てきても、「ディルバート」の主人公にしかならないのが残念ですが。

でも一番有り得ないのは春日部。エルフと聞いてロードオブザリングと来る一般人なんて実在しません。

あとこれは主張しとかないと。副委員長萌へー。


あー、でも、共感できる部分あるかも。確か居ました。イタい人が。イタい人たちが。高専のオタライフはあまりに生活に溶け込んでいたからはっきりと認知できなかったけど、なんというか、もっとスッゲー痛い人達がいた気が。

そして私は、彼らの最後の直弟子だったのです。

「マリアナ伝説 #1」
著者:
ゆうきまさみ&田丸浩史
出版社:
角川書店
分類:
漫画,単行本

高校男子シンクロナイズトスイミング部……以前の話なのですが、ネタの上滑りっぷりが激しく、読んでいて楽しめない、正直イタい漫画です。アホネタをもちょっとナチュラルに繰り出せれば、と思うのですが。

キャラもねぇ。天野は良いです。寺澤も良いです。つうか全員メガネすれ! もっと眼鏡力を!

「なつめヴルダラーク!」
著者:
西川魯介
出版社:
角川書店
分類:
漫画,単行本

それに対して、かの人物の漫画における眼鏡の、なんと軽やかなことか!

ごく自然に、呼吸するが如く眼鏡。そしてアホネタ。幾分どこかずれた台詞たち。基本的に本筋のラヴコメよりも枝葉末節、例えば第10話「甘い汁の恐怖」が一番面白いというのはどうかとも思ったけど、面白いので問題なし。

「ナポレオン-獅子の時代- #1」
著者:
長谷川哲也
出版社:
少年画報社
分類:
漫画,単行本

凄い単行本表紙です。

しかし、「ピルグリム・イェーガー」と同じ時間軸線上にあるとはとても思えない絵柄の違いだよなぁ。250年でヨーロッパ人はこうも変わるのか、と脳内でモーフィングすると凄いことに。

絵柄は別として、確かにこの時代は魅力的です。私は技術史の観点からしか眺めたことが無いので、卑小な人間が死んだり殺したり、というのは基本的に関心の埒外です。それに対して技術は残り、受け継がれ、人類を変え、そして絶対に繰り返さない。

対して人間は生まれたり死んだり殺したり、そればっかり。

でも、こいつら、言葉を残しています。言葉は残ります。

だから、彼等は魅力的です。

「TRIGUN MAXIMUN #9」
著者:
内藤泰弘
出版社:
少年画報社
分類:
漫画,単行本

垣間見た希望、託した未来、全てに裏切られてなお、心は交錯する。

無常の情、非情の銃。託した思いを、今、鉛弾が清算する。

出鱈目度は幾分おとなしくなった気がしましたが、ラストに久々にお出ましです。ありえねぇシルエットの魔人、超人オリンピックな化け物が。

直前まで迫力溢れるシリアスな闘いが描かれた、その直後だったんで、ゾクゾクきました。うひゃぁ。

「HELLSING #6」
著者:
平野耕太
出版社:
少年画報社
分類:
漫画,単行本

今宵倫敦は、吸血鬼跋扈する魔都となり申した。

生者無き死都、死者蠢く呪都。彩りは火焔と血の真紅。

之、悪夢であって悪夢にあらず。

戦争ナリ。コレ戦争ナリ。

ハナっから死んでいる連中や、自分の命が勘定に入っていないヒーローヒロインと違って、フツーの人間は撃たれりゃ死にます。切られりゃ死にます。火に焼かれても、吹き飛ばされても死にます。平野耕太作品の魅力は、彼等をきちんと描いている点にあります。糞ったれ畜生、痛い痛いと言いながら死んでゆく人間を。

フツーの人間が、死にたくない死にたくないと哀れっぽく繰り言を吐き、怖いよいやだいやだと泣き言をぬかす、それが人間の戦争。勇ましい事を言うのは、自分がヒーローだと勘違いしている奴か、それとも……

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