航天機構
履歴
what's new
水城
self introduction
読書
bookreview
宇宙
space development
化猫
"GEOBREEDERS"
雑記
text
他薦
link
Send mail to: mizuki@msd.biglobe.ne.jp

October,17,1994

「ゆず」
著者:
須藤真澄
出版社:
分類:
漫画

「おおおおおおおおおお、ぷりちー、ぷりちー、ういやつじゃー!!」

猫が飼いたくなる。

次の日は学校で、産業用ロボット取り扱い講習。

手元のリモコンで、6軸のロボットが動く。

「おおおおおおおおおお、ぷりちー、ぷりちー、ういやつじゃー!!」

ロボットが買いたくなる。

「加藤直之画集III」
著者:
加藤直之
出版社:
朝日ソノラマ
分類:
画集

福屋書店で、 「加藤直之画集 I、II、III」をみかけてしまう。

「おおおおおおおおおお、ういやつ、ういやつじゃー!!」

”III”を買ってしまう。

 内容は、少し古かったです。「デューン」とか「グインサーガ」とか。期待していた「大いなる天上の河」や「彗星の核へ」の文庫表紙イラストなどは収録されていませんでした。都市と星」の新しいカバーとか、あとなぜか「宇宙家族カールビンソン」のリアルなおとうさん、おかあさん……ひょえーっ。

「星虫」
著者:
岩本俊雄
出版社:
新潮社
分類:
ジュヴナイル,文庫

「星虫」は、以前にも後輩に薦められて読んだ事があったのですが、途中で「だぁ!!」と、読みかけでした。

どことなく、虫酸が走ってしまったのです。今回読みなおして見て、理由がわかりました。

甘いのです。

美少女と神秘的な異物の組み合わせ、実は裕福なコンピュータの天才、世間的価値から遠ざかった少年若しくは青年、知性の優越に対する盲目的な確信などといった、構造的なあまやかさが、作者の次作(読んだ)にも現れています。あまりにメルヘンです。

こうまで評価が厳しくなる理由は1つ。

サイバーパンクの洗礼。

「星虫」に出てくる、純真極まりない宇宙開発への期待に、ギブスンとスターリングの合作短編「赤い星、冬の軌道」の1節を思い出し、嘆きといらだちを感じる。宇宙開発は実のところ、ローテクで図体ばかり大きく、商業的見返りに乏しい、厳しい分野なのだ。

また、なんとも詩的な手段で地球の緑が守られるくだりに、スターリングの「ネットの中の島々」の厳しい、だが核心を突いた主張を思い出す。

地球を破壊する、人類最悪の技術とは、農耕と牧畜なのだ。かつては豊かだったティグリスの岸辺に、それはひと目で見て取れる。

”星虫”と、いとも簡単に意志の疎通がなされるくだりでは、ギブスンの短編「辺境」を思い出す。ギブスンのその描写の厳しさに、いやでも真実の、本当の接触とはこうなのだろうと思わされた。

これらと比較するのは酷だとは思いますが、正直な評価は、地面に足がついていない作品、というものです。

-戻る-