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November,16,1994

「TEC WIN」
出版社:
アスキー
分類:
PC,雑誌

買っちまいました。「TEC WIN」

WinGはなかなか強力で、GDIに満足のいかなかった自分にも、何か凄いソフトウェアが書けそうな気が(気だけ)します。

ただ、VBでは使えないようです。

あと、3D描画API、RenderWareのデモが圧巻でした。

残りは、言っちゃ何ですが、フツーの人にはクズです。

フツーでない人には、なかなか楽しめる内容になっています。

気高い理想と、しょうもないソフトウェア。

「ツッコミ練習機」「ダジャレ道場」「あなたの厚い胸板で」「真夜中の自販機」「デジタル呪いのわら人形」「マソソン・モソロー」……

全体的に、ヤマログノリが好きな人には、こたえられない内容になっています。特に、金井哲夫氏のものなど、絶品です。

「ヴァーチャル・ガール」
著者:
エイミー・トムスン
出版社:
早川書房
分類:
SF,文庫

読みました。立ち読みです。第一印象 「ケッ!なんでぇ」

バーチャで、ガール。売れ筋一直線ですな。原題のチェックを忘れてましたが、何とも安易な題です。

内容はといえば、これが何とも古めかしき、ギブスンやラッカーによって繰り返されたモチーフ”AIの解放”そのもの。結論から言えば、駄作です。

この作品の問題点を3つのレヴェルに分けると、

第一:アイディアと思弁のレヴェル

目新しいアイディア無し。ラッカーの足元にも及んでいません。主人公AIは、サイボーグの体を与えられるのですが、AIが人間社会にとけ込む様子を描くばかりで、その逆など、作者は思いもつかない様子。

ホームレスの描写には感心させらせましたが、それがどんな主張にも結び付いておらず、幻滅しました。思弁性は極めて低いです。

第二:技術面のレヴェル

技術面の描写はよくできています。が、しかし、ここに描かれているのは、現在の技術レヴェル、言うなれば真空管で動く鉄腕アトムです。

サイボーグの描写に関しても、ヘボい、の一言で片付きます。あらゆるハードウェアを内蔵し、その上で実時間でチューリングテスト合格もののAIを走らせることができるサイボーグを、産業廃棄物から作り上げることができる割には、世の中がそれほど未来ではないのです。

どのような特徴をもって未来とするかには、各自異論があろうこととは思いますが、一つだけ確実なのは、未来は現在とは違うという事です。

第三:文章技法のレヴェル

特徴無し。平明だが、起伏無し。人物造形、描写ともに見え透いた感じを強く感じました。

という具合で、とてもお薦めできる代物ではありません。

上記の3つの条件は、サイバーパンク以降の作品が満たすべき必要最低条件です。まったく、どうしようのないクズです。

こういうものを読んでしまうと、傑作が相次いだ80年代半ばの頃が懐かしく感じられます。

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