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April,6,1997

「ASAHIパソコン No,195」
出版社:
朝日新聞社
分類:
PC,雑誌

今年もエイプリルフール記事、やってくれました。

ただ、今年のはキレがいまいち。「セガ、マイクロソフトと合併」とか、「書き込み可能なDVDを開発(ただし読み込めない)」とか、「インターネット、使用費税を採用」とか、そんなのを期待してたのに。

「年刊AhSKI! 1987年号」
出版社:
アスキー
分類:
PC,雑誌

懐かしさついでに、本家を紹介。

かつてアスキーが、年に一度、4月1日に出していた、全部パロディーの小冊子です。私の所有しているのは、1987,1988年号の二冊ですが、そのうちの一冊の内容を紹介。

UN*Xの気分を味わう無意味なオプションがあの有名OSに!「MUS-DOSうらわざ手帳」EWS:東西南北(NEWS)から北を取り除いたもの、つまり、キタナイもの「人工知能問題を考える」連載第FF回めは、ジョイメット「ハードウェアショップ」他にも、「グレ工業、ラップトップ化デバイスを発売」「C+-発表」「プログラマ新党発足」「実録!関西プログラマー」帯には(<知>の桜前線)の文字が「暴走論」マイナーマシンユーザーの為の現実否定マガジンの特集は(賢いデータレコーダー選び)「Oh!その他」、その他もろもろという具合。

当時中学生だった私には、さっぱり分からない内容でしたが、一年経つ頃には笑えるようになっていました。うーん今考えると、恐ろしい進化(?)速度です。

しかし、惜しい雑誌です。

「俺の足には鰓がある」
著者:
富永浩史
出版社:
富士見書房
分類:
SF,文庫

ヤングアダルトですが、「ハードSFだ」との某所での薦めもあり、購入。

……・これが、ハードSF、ですかぁ?まあ、なかなか面白いですし、細部の描写はなかなか(しかし、怪人たち幻肢みたいな症状に苦しまないかなぁ)ですし、異様な技術レベルも、リアリティを考えると無茶な設定(……)も、読んでいるうちは問題にしない筆力がありますし、あの長さでは正解でしょうし、冷静に考えると変な主人公の性格(行動に主体性が在るのか無いのか)も、面白いから良しとしても……

とりあへず続編に期待。

「彗星の核へ」
著者:
ベンフォード&ブリン
出版社:
早川書房
分類:
SF,文庫

ヘール・ボップついでに読み返しです。

私はこの作品、非常に好きです。2061年、太陽系に再びやってきたハレー彗星にやってきた探検隊の主目的は、76年かけて彗星を地球近傍軌道へ”収穫”する事だった。しかし、地球の反科学技術の風潮を反映した、探検隊内部での反目、そして彗星で発見された生命が、疫病となって探検隊を襲う。生存の為に、反目のために戦う人々を乗せ、彗星は軌道を巡る……

ハードで、しかもサイバーパンクの空気を取り入れて新鮮です。ベンフォードとブリンの悪い点が打ち消しあって目立たず、完成度を高めていると思っています。アイディアも秀逸です。彗星に植民するというアイディア、植民した探検隊員の免疫能力を維持するために、人為的に病原体を放出する設定、当時としては大胆に導入された共生の概念、そしてラスト。

彗星に生命がいて、しかも人体に悪さするという設定は通俗的にも思えますが、その辺は謎として、彗星生命起源ものとしては最高の設定での謎解きが味わえるようになっています。

ベンフォードの描写とブリンの構成を一度に味わえる、傑作です。

「SFマガジン 5月号」
出版社:
早川書房
分類:
SF,雑誌

燃え上がる「ここんとこのSFはみんなクズ」論争ですが、私はクズ派の肩を持ちます。

市場が小さいから、といって供給を怠る気も分からんではありませんが、そこで開き直って欲しくはありません。何よりまず、現状を認めましょう。

私はSFに対する市場は、潜在的に大きなものがあると思います。ただ、SFに対するイメージが各自で食い違いを見せている事が問題でしょう。非SF者にとってSFとは、宇宙船や宇宙人、UFOや超能力で彩られた読み物の事です。SF者にとってのSFは、ここで定義しようとは思いません。が、皆さん各自胸の中にあると思います。そして、本当に非SF者、市場が求めているのは、夢の見る余地の在る異世界、ここでない場所、刺激的な謎、自分の時間線の前に実感を持って存在する未来、ではないでしょうか。

”ちょー”なものが流行るのは、この辺りに理由があるのではないでしょうか。”ちょー”は外観上は、フィクションではないと主張している以外は三流SFそのものです。そう、彼らが、満たされない需要を満たしているのです。考えてみれば、フィクションではないと主張するのは「X-FILES」でお馴染みのテクです。「エヴァ」がちょーネタを小道具に使ったのも、市場のツボを突いたと見做せないこともありません。

しかし、肝心な「SFが売れない原因」ですが、それはただ単に、以前の売り物がアピールしなくなったから、でしょう。古いイメージ切り売りして食いつなぐのはこの辺りが限界でしょう。

何か、全く新しいイメージを提示する時だと思います。


個人的に思っているネタを幾つかあげると

  1. 宇宙開発:SFを長い事支えてきたこの分野に変革が訪れようとしている。単段SSTOを始めとする輸送手段、小型衛星に代表される、新しい開発手法、そして商業主義と劇的なコストダウン。
  2. 人工現実感:偽物の現実と本物を同列に扱ってみよう。”これは本物か?”なんていちいち気にする時代は終りだ。そんなの、”このプログラムは実メモリにマップされているのか?”という疑問並みに見当外れになる時代が来るだろう。
  3. 自己増殖機械:そろそろ真面目な考察があってもいいと思う。
  4. 毒電波:これは”ちょー”ですが、そう言うなら超能力だって”ちょー”ですし。こんなおいしいネタ、なんで今まで見過ごされてきたんでしょうか?
  5. 時空改変:量子力学の最新の展開を背景にすれば、かなりおいしい話が創れるのでは?
  6. 政治:大胆にこの分野、システムに踏み込んだ作品が欲しいところ。
  7. 生活まわりの描写:包丁をコンピュータ付き包丁に変えるだけのような描写は止めて欲しい。見たいのは、大胆に改変され、快適で馴染むような生活描写だ。”フードパックをチン”みたいな、馴染みそうに無い描写はすべきではない。

他にもセルオートマトン、軌道上植民、高速ネット、その他いろいろあると思うのですが……

「ソフトウェア博物誌」
著者:
マイケル・ジャクソン
出版社:
トッパン
分類:
PC,専門

プログラム書きの方法論を論じた、エッセイと呼ぶには専門的な文章集です。

「問題は仕様、そしてプログラムが対象とする問題である」という指摘はズバッと来ます。問題を解決可能な部分に解体する、それが基本なのだが、どう分解するか。銀の弾丸はないと著者は警告する。問題の性質に密着するほど、方法は一般性を失うからだ。そこで著者は様々な問題例への考察を展開している。

しかし、広義に解釈すれば、実社会にも適用できそうな内容です。もっと広義に解釈すれば、人生にも……

「サーボ制御の理論と実践」
著者:
本田昭&城谷聡美
出版社:
日刊工業新聞社
分類:
工業,専門

理論と数式中心の専門書と違い、現場のイメージを重視したこの本は、私のような頭の弱い半端技術者には有り難いものがあります。

古典制御から現代制御まで、応答特性もオシロで確認できるようなグラフで示してあり、分かり易さは類書の中では群を抜いています。

重宝していきそうな本です。

「ヤングキングアワーズ No,26」
出版社:
少年画報社
分類:
漫画,雑誌

先月略奪したコンビニの食料で飢えをしのいでいた主人公も、さすがにひと月経つと賞味期限が凄い事になっており、ってえと肝心の市街征服は?というおちゃめな「エクセル・サーガ」、私も以前、少し類似の体験をしました。

「ジオブリーダーズ」今月も素晴らしいです。息もつかせぬ展開、構成、そして演出。おおっ、ジャンボの尾翼に見覚えのあるマーキングが。今月は異様にパース構成のコマと流線が多いような気もしますが、考えてみれば、以前の、休暇編前のいつもの絵柄ですね。

そして御米椎の最新短編は約束通りSF!(感涙)

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