航天機構
履歴
what's new
水城
self introduction
読書
bookreview
宇宙
space development
化猫
"GEOBREEDERS"
雑記
text
他薦
link
Send mail to: mizuki@msd.biglobe.ne.jp

March,23,1998

「タイム・シップ 上下巻」
著者:
スティーブン・バクスター
出版社:
早川書房
分類:
SF,文庫

未来から帰還した時間旅行家は、再び未来へ行こうとする。未来の闇の中に置き去りにしたエロイの少女ウィーナのため。だが、彼の有名な”物語”は、既に時空を改変していた。辿り着いた未来では、勤勉なモーロック族がダイソン球殻を建設していたのだ。

タイムマシンが歴史破壊装置であることに気が付いた主人公は、過去に戻りタイムマシンの開発を阻止しようとする。だが、時間線はいまや止めど無く乱れていた。時空を改変していたのは彼一人ではなくなったのだ……


破天荒な設定で読者を魅了する、今一番活発なハードSF作家バクスターの新作は、H・G・ウェルズの名作「タイム・マシン」の続編です。今日における時間SFの代表作「時間的無限大」で、ハードな設定を見せてくれたバクスターですが、今回はずっと力を抜いて楽しんでいるようです。とはいえ、一応考証もしてあります。

しかし何より圧巻はダイスン球殻の描写でしょう。マヂにダイスン球殻を書いた、最初の作品かもしれません。また、19世紀の知識しかない主人公が、量子論や不確定性原理、多宇宙解釈などの今日的SFに欠かせない知識について学ぶ過程は、時間SF初心者にオススメできるでしょう。

ただ……破天荒にブッ飛んでいる訳では無いので、バクスター好きには物足りないかも知れません。

「時間的無限大」
著者:
スティーブン・バクスター
出版社:
早川書房
分類:
SF,文庫

先に述べた、今日における時間SFの代表作です。「タイム・シップ」読んだあとに再読してみました。

物語は遥かな未来、異星種族に占領された地球から物語は始まり、1500年前、太陽系を出てもいない頃の人類のプロジェクト”インターフェース”を巡って、文字どおり時間を横断してゆくのだ。

”インタフェース”とは、タイムトンネルだと考えると理解しやすい。プランク長さ以下の時空のレベルに普遍的に存在する、微視的な時空に開いたチューブ、ワームホールを拡大し、その出口の一方を相対論的速度で未来へと送り出す。この旅路には全く異常なところはない。だが、ワームホールの出口は、もう一方の兄弟と同じだけしか歳をとっていない。同じ時間に属しているのだ。従って、ここに過去と未来を結ぶワームホール・トンネルが誕生することとなる。

これが現在一番ありそうなタイムマシンである。詳しくは学術論文を読むべし。私は読んでいないけど、こいつを読めば、このくらいは知ったかぶりが出来るだろう。

しかし、やっぱ「時間的無限大」は良い。長過ぎない枚数、ふんだんにつぎ込まれたべらぼうなアイディア、そして崩壊寸前まで暴走するストーリィ。まるで物語的カオスの縁にあるような作品です。ステロな科学者像とか、ステロな親子関係とか、ステロな恋愛関係とか、それが驚異に満ちた設定の中で一種の安定装置になっています。そして「ウィグナーの友人」のパラドックス。ワイドスクリーン・バロックという言葉は嫌い(どーして「キャッチワールド」に判でも押すかのようにこの言葉を使うのだろうか)なのだが、感覚としてはまさにこれです。

細かな設定に注ぎ込まれたアイディアを、今回はゆっくりと味わいました。

文句無しに、バクスター作品中のベストです。

「サイバーパンクハンドブック日本版」
著者:
R.U.シリウス&バート・ナゲル
出版社:
株式会社ビー・エヌ・エヌ
分類:
SF,ムック

表紙カヴァー下にピンクの毛皮。さんぜんごひゃくえん。これで判ると思いますが、ふざけています。

ハンドブックって一体何を扱うんだ?そんなの「ミラーシェード」読むだけでオッケェじゃないか。大体、何故今頃”サイバーパンク”なんだ?この疑問の答えは……

スターリングの序文は、いつもの事ながらクールです。ここでスターリングが警告している事は本当です。この本の随分終わりの方で著者たちは白状していますが、この本は、バカな外国の出版社を騙して楽しむ、ハッカー流のジョークです。騙された方の連中は、2Pに一人の割でバカ面晒していますので、買ってしまった愚者(……私も)は、こいつらをみて「まぁこいつらよりマシだわな」と慰めを得ましょう。

しかし、それでも足りないらしく、日本版では特別にバカが割り増しになっています。巻末の日本版ガイド、眺めていると目が腐ります。良いものも、ヘンな選び方をするとどうしようもなくダサくなる、という好例です。

これまでに書き込んだネットのレスが1M超えている人、逆A可(逆アセンブル可能)な人、この手のハッカー流ジョークがわかる人向けです。あとマヌケ向け。マヌケに買わせて冷笑するのに最適かも。

あームカツク。

「AX 創刊号」
出版社:
ソニー・マガジンズ
分類:
アニメ,雑誌

先ごろ創刊されたアニメ誌です。アニメ誌ってよく読まないから分からないのですが、買って後悔するようなこの雰囲気って、どうにかならないものでしょうか。

まず、表紙のルリルリがまるで妖怪。トップバッターが「バージンフリート」ホントにソニーマガジンズの雑誌なのでしょうか。私はまぁ、「ジオブリ」「トライガン」情報目当てなんで、そっちの記述さえちゃんとしていればオッケェなのですが。その点はオッケェ。しかし、内容の方、特にトライガン!ボクのミリィを、メリルを返せぇ!違うっ、これは違うッ!特に口許ッ!ヴァッシュも同じ!

ヴァッシュの銃は、撃針が変。まぁ、元がヘンだからなのでしょう。問題はミリィのスタンガンのスリングの位置。あれでは肩から吊れないのでは。

「AXIS Vol.72」
出版社:
アクシスパブリッシング
分類:
趣味,雑誌

隔月刊インダストリアルデザイン誌の今号は、ゲームデザイン特集。見所無し。まぁ、本来の読者層にとっては目新しいのかも知れないが……

特に、シグノシスの扱いが小さい点が問題。「クレイジーイワン」は!「G-Police」は!まぁ、「The Shadow of the Beast」は?とは聞かないが。

今号の真の見所は、ウェアラブルコンピュータに関する記事。これこそ、次のムーブメントだ。なぜなら、これは、正しいからだ。五年以内に日本企業によって商業化されると予想します。韓国企業の方が早いかもしれませんが。て訳で、これからどんどん注目すべし。技術のある人は自作しよう。今ならまだ先駆者になれる。

「WIRED日本版 4.04」
出版社:
DDPディジタルパブリッシング
分類:
PC,雑誌

特集は「未来を探せ」……駄目。横順じゃあ、どう振っても未来なんか出てくる訳無いのに。未来予測で、NASDAの岩田さんがちょっと書いているのには驚き。

UO関連の記事がありました。日本にサーバ置いても、やはりコストはペイしないようです。

しかし、最大の読ませ所は、読者投稿欄での、山形浩生さんの文章。ファンです。がんがんいって欲しいです。裁判にも勝って欲しいです。無敵化して欲しいです。って……

「TEXTURE HEROINE」
著者:
御米椎
出版社:
大都社
分類:
漫画,単行本

御米椎のアワーズ掲載作(一編を除く)をまとめた、表題の連載「TEXTURE HEROINE」プラス短編集です。

表題作は特撮メイキング物。特撮に思い入れの無い私には評価できないのかもしれません。そういう意味で、間口が狭いというのは核心をついています。大体、作品として今や一定水準以上のものとなったアニメーションに対して、未だに子供騙しの域を出ないトクサツは……ぶつぶつ……おっと脱線。

ただ、話の筋としてきちっとまとまってます、あと、ラスト2コマ書き直されてます。って、こんな所気が付くのも……

さて、見所はなんといっても短編「CANVAS」、登場人物全員ロシア人の近未来宇宙開発ラブロマンスという、その筋(どの筋?)必読作です。

ついで見所「黄金色の種」アタマに1P追加あり。イメージ良し。

そして「視えざる世界で」ただ知識の収集と研究の為に飛び続けるバサードラム航宙船。太陽系は距離にしても時間にしてももはや遥か彼方、人類などとうの昔に滅び去ったであろう。だが、代わり映えしない醜い人間たちを乗せ、船は飛び続けるのだ。海外SF的な質感溢れる佳作です。

「その頭上には箒星」今流行り(?)の彗星捕獲、というか、彗星サンプルリターン物というか、ラブ系ですな。説明しづらいので説明終わり。

「Another World Men」今は亡きコミックガンマ掲載作のこいつは、次の、”ドラゴンマガジン収録作をまとめた短編集”に入れた方が良かったのでは?というところで、次の短編集も出ることを期待しましょう。あと、連載作も。

「電波オデッセイ #2」
著者:
永野のりこ
出版社:
アスキー
分類:
漫画,単行本

詰め襟をきっちりホックかけて、雑嚢を肩からタスキでかけている学級委員のメガネ君にも、十四の夏は巡ってくる。彼はうじうじと片思いをしていた。情けないほど馬鹿だ、自分をそう思っていた。

だが、誰もがそう思うのだ。絶望し、心の弱さや脆さを知ってゆくのだ。そういう季節が、誰にも巡ってくるのだ……


「異様な中学生日記」待望の第二巻です。いい。すごく良いです。「デイジー」と並ぶ、ナガノの代表作となりました。それ買え是非買え。残酷な季節を思い出しながら、そして泣け。

「めぐりくるはる」
著者:
OKAMA
出版社:
ワニマガジン社
分類:
漫画,単行本

エロマンガです。が、お勧めしましょう。

OKAMA、つまりS.M.H誌に時々クールなのや変なコミックを描いている二人組、口白目白の別ペンネームです(川嘘修一郎さん、教えて頂いてありがとうございました)が、S.M.H掲載作のヴァリエーションから推し量るに、実は結構底知れないのではないか、等と思えてきます。

ガジェットのディティール、良いです。建物、家具、服装、出てくる様々な小物も良いです。特に、公衆電話のディティールとか、保健所のトラックとか。

こういう”美学追求、SF指向”作家こそ、実は日本のSFシーンのコアを形成しているのでは、と、最近考えています。

さて、肝心のエロですが、恐らく実用には耐えるでしょう。多分。

「みすてないでデイジー メモリアルブック」
出版社:
アスペクト
分類:
漫画,ムック

忘れかけていた悪夢、あの夏の夜のデンパを鮮烈に思い出させる、ヤな本です。

ファンは買うどころか、手にとってもいけません。だが、真のファンなら、手にとって苦行に耐えましょう。

「デイジー」単行本をアスキー版しか持っていないという不幸な人は買う価値があります。そう、「海底きちのひみつ」「続海底きちのひみつ」が、例によって多少みみっちい形式で収録されているのです。しかし依然として「パーコミ」は収録されませんねぇ。まだしばらく徳間版持っているファンは優越感に浸れる事でしょう。

「S.M.H Vol.10」
出版社:
ホビージャパン
分類:
趣味,ムック趣味,ムック

特集はレザー、主にファッション。皮は重いし臭くなるし、よく考えて買いましょう。

残念ながら、見所はあまり無し。ところで、スタッフプロフィールの頁に、沓沢龍一郎の名前があったが、一体どこに出没しているのだろうか。それに未だに”コミックバーズで執筆中”とは?「魔法使いがはじまる」は続くのか。やっほう!。

-戻る-