航天機構
履歴
what's new
水城
self introduction
読書
bookreview
宇宙
space development
化猫
"GEOBREEDERS"
雑記
text
他薦
link
Send mail to: mizuki@msd.biglobe.ne.jp

April,28,1998

「スロー・リバー」
著者:
ニコラ・グリフィス
出版社:
早川書房
分類:
SF,文庫

誘拐犯の元から逃げ出した主人公ローア。大富豪である家族は身代金を払わず、そしてそこに帰るつもりは無かった。彼女は偽の身分証明を手に入れ、専門知識が少しでも生かせる浄水施設で働き始める。だが、そこは腐敗と非能率が支配していた……


主要な登場人物は全員女性、レズ有り、ネタバレしちまえば物事の遠因には親の幼児虐待があったり、話の筋はありがちな海外TVドラマ風で、ノレませんでした。浄水場描写は気合い入っていますが、社会、生活描写にリアルな未来感無し。メインアイディア無し。

私の評価は、駄目とは言わないけど、特に薦めないというものです。

「彗星狩り 上巻」
著者:
笹本祐一
出版社:
朝日ソノラマ
分類:
SF,文庫

21世紀初頭、宇宙開発はようやく商業的に豊かなものとなる。だが、未だにハイリスクな商売であることには変わり無かった。失敗した彗星捕獲計画の残骸から、スペース・プランニング社はそのかけらを掴もうとする。彗星のかけらを……


細部で出鱈目な設定が散見します。が、雰囲気は非常に良いものがありました。注意して読むならば、大きな収穫となるでしょう。冒頭の空中再回収、推力が100kNあるプラズマエンジン、軌道上で買ったブツを(そいえば軌道変更の手間は……)かき集めて即席で作る深宇宙有人宇宙船(何故か宇宙往還機をコアにしてる)も、そーいう話なんだと割り切りましょう。

雰囲気と指向は最高です。私はガンダム世代なんで、フィクション的には庭のような月軌道より向こうに行くという話には、ぞくぞくするものを覚えます。新しい世代の宇宙SFの到来を本格的に告げる作品になるかも知れません。

ただ、新しい世代の宇宙SFには、新しい常識と基準を要求したいのです。PCのこれだけ普及した現在、軌道計算はそれほど難しいものでは無いはずです。宇宙開発関係の資料も、インターネットにより収集は遥かに容易となりました。そして、雰囲気だけの知識でなく、物理法則に裏打ちされたものを描いて欲しいのです。

期待しましょう。

「ブギーポップは笑わない」
著者:
上遠野浩平
出版社:
メディアワークス
分類:
SF,文庫

−ある新人が注目を集めているとすれば、それは熾天使のような文章を書いているからかもしれない。思いもよらない慄然たる結末へと巧みに読者を導いているからかもしれない。あるいは(この三つの筋書きの中ではいちばん可能性が低いが)文章力や作品の魅力の欠陥をきわどいところで埋めあわせるなみなみならぬ良心や、世間の裏までつうじた博識ぶりを示しているからかもしれない。−

マイクル・ビショップ

上の文章はルーシャス・シェパードの短編に寄せられた序文の一部である。この作品は上の三つの筋書きのうち、一番と三番に該当するように思われた。巧い文章書きの新人は、少ないとはいえ、決して居ないわけではない。だが、リアリティのある人物、心理描写、そして何より、現実と向かい合った姿勢は、遥かに得難い。

物語のメインにあるストーリィは、言ってしまえば、ヤングアダルトに相応の、他愛の無いものだ。だが、その周辺で描かれていく登場人物達の物語は、別々の意味と重さを持ち、そして何らかの読後感を、心の中に残してゆく。

お勧めします。

「Coding Style」
出版社:
ニューズベース
分類:
PC、ムック

ヨーロッパPCデモシーンの雰囲気を伝える、生きの良い本です。

ただ、「わかってない」感、やはりあります。例えば或る程度経験の有るホビーPCユーザーなら常識的な知識でも、正しく伝えていない場合が往々にあり、筆者たちの持つサブカルチャー認識も、うすっぺらでやはりズレています。

また、評価軸がハッカー基準からやはりずれているよなと感じます。コアなオタからもかなりズレており、読んでいて歯がゆくなったり、いらついたりします。

私がデモに初めて触れたのは、1992年のこと、後輩から貰ったオランダ製MSX用デモでした。ノリの良さと悪趣味を併せ持ち、力技なそのデモは強い印象を残しましたが、当時(MSX衰退期)は国内でも凶悪なプログラムが出回っており、それほど目立つものではありませんでした。大体、MSXユーザーは誰もがプログラムハックに夢中であり、マザーボード上の未使用スルーホールに結線してフロッピードライブを増設するなど常識だったのです。

その後私は、こともあろう98ユーザーに落ちぶれてゆくのですが……


しかし何故、CD-ROM付けて、実物を収録しなかったのでしょうか。筆者の環境ではデモ実行ができなかったのでしょうか。それならそれで、MODデータと各機種用のMODプレーヤーでも収録すれば良かったのに。

こんな本買うより、プログラム書きましょう。

「C Magazine 1998年5月号」
出版社:
ソフトバンク
分類:
PC,雑誌

今月の特集はOpenGLとDirect3D(の新しいAPI,DrawPrimitive)です。

さぁ、今こそポリゴォーン!!テクスチャマッピーン!!

大丈夫大丈夫、楽勝楽勝。ついでにおまけに、勉強になるサイトを幾つか。

デルファイでOpenGLここはDelphi/C++Builderに馴染んだ人向け。

OpenGL 目次ここはOpenGLの詳細なヘルプとして。

OpenGL新機能の使い方ここもヘルプとして。

「Windows NT World」
出版社:
アイ・ディ・ジーコミュニケーションズ
分類:
PC,雑誌

この雑誌、1997年5月号(ServicePack2収録)、1997年8月号(ServicePack3収録)を買っています。今回付録CD-ROMに収録されたのはOptionPackというもの。これまでのものがバグ対策パッチ(サービスとは良く言ったもの)だったのに対し、純粋に機能拡張ものです。ただ、個人ユーザーには関係の無い拡張ばかりです。

では何故買ったかというと、特集「修復するは我に有り NTを修復するノウハウ&テクニック満載」に惹かれての事。NTは、特にServicePackを適用した後だと、マニュアル通りの修復をすると、却って収拾がつかなくなるというトラップがあり、NTの強固さに惹かれて自宅のシステムをNTに移行し、サービスパックを適用した後、リモートアクセスサービスを試しにインストールしたりすると、この泥沼に一直線です。システムが不安定になり、アプリケーションのセーブ動作がおかしくなり、ファイルが軒並み壊れてゆくのを目撃し、事態を収拾しようとするたびに深みにはまってゆき、しまいにはシステムを初期化し、メインOSを95にきりかえる羽目になるのです。

畜生、俺が何か悪いことでもしたのか!許すまじMicrosoft!……ってな悲しい結末を迎える前に、この記事を読みましょう。あぁ、あの秋の日にこの記事があったなら……

「ぱふ 1998年5月号」
出版社:
雑草社
分類:
漫画,雑誌

伊藤明弘へのインタビューが目当て。おぉ、ジオブリがそんな話だったとは。漫画「ジオブリーダーズ」の構成と今後の展開の話は、ファンの多くが驚愕しました。

しかし、このページだけ、浮いてますなぁ。後のほとんどが、ホモ……えっ、最近はボーイズラブ系と称するのか(笑)という内容なんで。しっかし、すっげぇ絵ばかり。顎が砲弾型に尖ったヤローの顔の気持ち悪いコト。こういう少女漫画ヘッドの中にある頭蓋骨の形状を想像すると、相当笑えます。暇なときの娯楽にオススメ。

「日本漫画家大全 めるへんめーかー」
著者:
めるへんめーかー
出版社:
双葉社
分類:
漫画,単行本

何故、めるへんめーかー?

まぁ、かつてはファンでした。古くはMSXマガジンのモノクロページ扉イラストでファンになり、「もしやこやつ、三次元が描けないのでは?」と思い当たるまで、結構好きだったんです。私のファンタジー世界のヴィジュアルは、今でも基本的にめるへんめーかー風です。自画像代わりに使うことの有る、茶飲みドラゴンは、もろ影響です。

内容は、うーやっぱ、はづい。あと、人外協関係者は、115Pに注目。

「RiNGO #1〜#3」
著者:
恋緒みなと
出版社:
講談社
分類:
漫画,単行本

最近、声優とかギャルゲー等の知識を多少持つようになって(えーとハマっていたりする訳じゃ無いっス、只の知識っス)、んで思い付いたアィディアがありまして、その辺考えていた時に、「あっこれじゃ「RiNGO」だ」と思い出したのでした。

所謂ヴァーチャルアイドル物の話です。が、現在実現可能なテクノロジーの話で、好感が持てます。また、声優モノとギャルゲーモノ要素を巧みに取り入れたのも評価できます。話そのものは「ギャルゲーの王道」おとなりの活発な幼なじみとか、メガネな声優とか、主人公が大手メーカのゲームのキャラ設定するとか、欲求充足願望パターンばりばりです。絵はキャラのポーズががちがち。しかし、ディティール良いです。何より、アィディアを評価します。

私の評価ポイントはもう一つあるのですが、そいつは言えないっス。

-戻る-