小笠原の正月2000→2001


例によって片道25時間半の航海を経て、小笠原の父島で過ごしてきました。父島は、99年9月と昨年3月に訪れたのに続いて3度目ですが、多分まだ何度か通うことになりそうです。

今回は父島でシーカヤックツアー業を行っている「プランヴィレッジ」という自然派の宿で過ごしてきました。



21世紀の小笠原
 

21世紀のカウントダウン

父島での大晦日の2001年へのカウントダウンはものすごい風雨に見舞われ、フェリーの待合室の臨時会場で行われました。
二見港に泊まっているおがさわら丸も船体が大きくゆれていました。

晴れてれば盛大に花火が上がっていたらしいですが、それでも会場には大勢の人が訪れて地元音楽愛好家バンドの演奏で踊りあかしました。総勢200人以上は集まっていたと思います。年越しそばとシャンパンが振舞われ、自分たちで持参したお酒でだいぶいい具合に酔っ払いモードになっていました。


帰路は酔い覚ましと初泳ぎを兼ねて、「プランヴィレッジ」で住み込みバイトしてる“せきしん君”と共に扇浦という砂浜で夜中の0:30くらいに真っ裸で泳いでしまいました。






元旦のイベント

元旦の昼は天気が回復して、予定通り豪華賞品のあたるビンゴゲームや南洋踊りのステージ(写真上)、海がめの放流(写真中・下)などが行われました。

南洋踊りはサイパン、グアム、パラオなどと150年位前に交流していた頃に出来たもので、お祭りなどのときに伝統的に踊りつがれています。とてもエキゾチックです。

ウラーメ ウ ウルリヒ イ ウメ
エファン リーイトゴ オシマーアアアー   〜♪

の南洋踊りの歌は小笠原を何度か訪れている人は皆口ずさめることでしょう。

海がめの放流
海がめはベッコウや食用として乱獲され今も個体数が十分な数まで回復していません。父島の海洋センターでは200kgもある親亀をつれてきてある程度大きくなった小亀を放流している。7月から10月に孵化する海がめをこの正月のイベントのために一部とっといてくれているとのこと。

雌亀は5〜8月の夜に人影のない海岸でピンポン球そっくりな卵を110個ほど産み落とすが、親亀にまで生き残れるのは1000頭に1頭程度と考えられている。(小笠原自然観察指導員連絡会『南島ガイドブック』より抜粋) 






夜明山をチャリで上る

元旦の昼のイベントの帰り道は夜明道路を登って宿へ帰りました。

夜明道路は斜度10%前後の坂道が続く父島の背骨を通る道路ですべて舗装済。

写真上:
夜明道路入り口の標識。その向こうにそびえるのが夜明山に続くいただき。

写真中上:
兄島海峡が見渡せるポイント。この海峡は潜ると色とりどりのお魚が住んでいて海中公園に指定されています。

写真中下:
笠山からNASDAの観測センター方面を眺める。夜明道路の中央部付近に笠山があり上り口は何の表示もないので判りにくい。ガレ場をよじ登る個所があるので、滑りにくい靴で行く必要がる。360度の水平線の大パノラマで島のかなりの部分が見渡せてとても気持ちがいい場所です。

写真下:
途中の道の雰囲気は木製シダなどが生い茂り、亜熱帯のジャングルそのもので、タコノキ(幹の下のほうがタコの足ようなのでその名がついた)などが目に付く。海洋島小笠原らしく固有種がまだたくさん自生する。


軽装備だったので難なく峠道はクリアーできました。ダウンヒルは気持ち良すぎでした。

この後、宿に戻り持ちつきを楽しみました。宿に泊まっている人と手分けしてお節料理をつくり仲良く盛り上がりました。





翌日、正月2日は新春初カヤッキングで兄島瀬戸を宿のメンバーの方たちと軽くこぎました。
漕ぎ出してしばらくして、カヤックの上からすぐ近い場所にイルカを見ることができました。
シュノーケリングしながら魚釣りをするという、泳ぎ釣りをはじめて体験しました。水深5〜8mくらいのところに見えているおいしそうなお魚のところに仕掛けのついた糸をたらし、引っかかったら一緒に水中をお散歩しながら陸に帰ってくるという楽しい釣りです。


航空機が乗り入れる?

帰りの船は海が時化て竹芝の港に到着したのは7時間遅れの22:30で所要時間32時間半でした。年末の新聞に「硫黄島の自衛隊の滑走路を民間企業にも開放して、東京−硫黄島間を航空機で、硫黄島−父島間をヘリコプタで、合わせて片道4時間程度で結ぶ」という記事がありました。こういった話が実現したとして増えた観光客を受け止めるための島の観光開発やイルカ(ドルフィンスイムで過剰に追いまわしてしまっている)をはじめとする野生の動植物物たちとのかかわり方など、21世紀の小笠原はいったいどんな島になっていくのでしょうか。


まだ不完全な部分もありますが、さしあたり年初のご挨拶までに。
 



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