インターナショナル・ダークスカイ協会

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不良な街灯を取り付けている近所の人への話の仕方


典型的な筋書きを想定してみよう:近所の人が安全を配慮して夕方から明け方まで点灯する175ワットの水銀灯をまさに取り付けたとしよう。

何があったかは、想像が付く;彼らは、ディスカウント店へ行き、「一番明るくて、安い屋外用照明が欲しい。」と言ったはずだ。
そして望んだ物を手に入れた、わずかに29.95ドルを払って(多分もっと安い)。家に持ち帰り、取り付けた訳だ。そしていたる所に光をまき散らしている。あなたの庭、そして窓の中までも。本人達はブラインドを下ろしている、そうとも、彼らも眩しさが我慢できないからだ。

彼らは何を得ただろうか?大変明るい照明、ひどい眩しさで光をうまくコントロールしていない。迷光(望みもしないところに光が入ること)や光による公害を作りだし、そしてエネルギーの浪費も大きい。彼らはこれで多分、「安全という感じ」を手に入れたことだろう。本当の安全は、前と比べて改善してはいないようだ。

あなたが出来ることで幾つかのアイデアがある:最初から、そしていつでも戦略的でかつ理解のあることだ。議論しないこと。まずホームワークを行おう。充分な準備をすること。下に書いてあるエネルギーの実体の、要点と、何が質の良い防犯灯かを理解しよう。その地域のKWH当たりの電力コストを把握しておくこと。その地域で照明規制法がないか確かめて、もしあるなら何が含まれているかの詳細、どのような規制が現在なされているか、そして関連する人は誰か、などを把握しよう。
質の良い防犯灯の入手先を捜し、値段も調べておこう。だが事実だけでは不十分。感情と感性が何時も出てくる。個人的な関係が最も大切で、何時でも鍵となって働いている。

友好的に始めよう。彼らは、防犯と安全を心配して、何かしてみようと試みた訳だ。彼らは、この特定の照明を宣伝する会社の広告か何かを、何処かで見たのかも知れない。電力会社から良い条件を受けたのかも知れない。彼らはただ何をすれば良いか分からず、多く照明すれば解決すると思ったのかもしれない。照明があなたの邪魔になるから消せとは、ぞんざいに言わないことだ。彼らは消すことはないし、態度を硬化させるのが落ちであろう。

前向きに始めよう。彼らの問題を解決する手助けをし、代案を提案して、ローカルな必要に対し柔軟になることだ。あなたの問題を解決するアドバイスを彼らに求めてみよう。たいていの人は、出来るなら本当に手を貸したいと思っている。どうすれば良いかを知ってもらおう。妥協する用意をし、ただ何時も最終的なゴールを頭に描いておくことだ。あなたは、暗い空が必要でありそれを求めている、そして迷光は必要ない。彼らと同じように、あなたも犯罪のない安全な夜の環境を求めている。あなたは、国のエネルギーと、お金を節約する力になろうとしている。そう行った全てのこと、あなたの空、そして彼らの事も、あなたが大切に思っていることを示す事だ。

協力を得るために、彼らと議論できる二つの議題がここにある:

  1. エネルギーの問題とコストの節約:まだ新品のとき、175ワットの水銀灯は8000ルーメンの光を出し(ルーメンとはランプが出す光量を測る単位)、時間とともに光は減少して行く。平均ルーメン(何年か使用後)は、だいたい7000ルーメンだ。光量はだいたい400ワットの白熱電球か、100ワットの高圧ナトリウム灯、又は55ワットの低圧ナトリウム灯と同じ光量だ。(IDA インフォーメーションシート #4を参照)これらのランプは、同じ光量を出すのにかなり違う量のエネルギーを使っている。

    そんなに遠い昔ではないエネルギーコストがまだ非常に安い時は、大した違いはなかった。しかし今は、いったいどのくらいの数のランプが都市で、そして米国で使われているかを考えれば、違いは出てくる。このほかにも沢山の照明が効率の悪い器具を使いながら、同じように光を無駄にしている。(IDA インフォーメーションシート No.26参照)この無駄な照明全部のコストは米国で年間10億ドル以上掛かっている。(IDA インフォーメーションシート No.26参照)

    そしてこの無駄な光とエネルギーは、安全、防犯、快適な夜間の生活のどれにも貢献しない。ただ夜空を照らし、グレアの原因となり(グレアは視認性を上げる事はない)そして近所の人に迷惑をかけているに過ぎない。10億ドルの1ドルさえ地上を照らすのに使われていないし、安全と防犯にもなっていない。不良な照明によるグレア、混乱、ギラギラは交通事故とその事故が原因による損害のハッキリした要因だ。これは国に沢山のお金と、苦しみを負わせている。私たち個々には、このような浪費を防止する為に出来ることをしなければならない。

  2. 「真の安全」対「意識する安全」:175ワットの夜間灯は、安全という幻想をもたらしてくれるかもしれない、なぜならとても明るいのだが、良好な視認性には、実は逆効果になるからだ。犯罪者は、このような質の悪い照明の近くでは、グレアや暗い影のなかに隠れることが出来るからだ。(近くにある一つを見てみれば、過度に照明された地域の近隣の暗い影が見えるだろう?人間の目は、このような大きな差のある変化に対応するのが難しい。)防犯に使われる照明は、所有者が犯罪者よりも良く見えなければならない性質の物だ。そこでどうすれば良いか?二つの提案がある。他にもこの課題を意識して考えれば、良いアイデアが可能なはずだ。良質の照明は良い防犯の一面でしかなく、どんな照明システムでも、照明がどんなに良くても、安全を保障するものではないことを覚えておこう。しかし、良質の照明は、悪質な照明に比べて、後者が犯罪者を助ける場合もある事に比べれば、余程ましなチャンスがある。

質の良いLPSを使う照明具は確かに175ワットの水銀灯よりは、高くつく。特にあまり販売されていない地域ではそうだ。しかしたとえ120ドルのコストが掛かっても、これらはエネルギーもお金も節約できる。例えば、175から35ワットを引くと140ワット、年間4100hの時間をかけると574KWHを節約することが出る。KWH当たり8セントとすれば、年間46ドルが水銀灯に比べて節約出来る事になる。だから水銀灯を効率の良い照明具に取り替えるに必要なコストを取り戻すのは、120ドルを46ドルで割って、約2年半となる。

もし、水銀灯の器具のコストを考慮し、それを30ドルとすれば、120−30=90ドルの追加コストになり、90ドルを46ドルで割って、たったの2年間で元を取り戻せることになる。スポットライトを使う対策は、勿論そのコストをもっと早く取り戻せる。効率の悪い照明器具を取り替える方法より、短い期間でペイオフするエネルギーの節約案は、ほとんど無い。


インターナショナルダークスカイ協会は、税金を免除(注:米国で適用される)される非営利目的の会員で構成する団体であり、夜間の戸外の照明の質と効率を最大に維持しながら暗い空を守る手助けをするために設立された。メンバーはアマチュアとプロの天文家(そして天文台と大学)、照明のエンジニアと企業、政府のスタッフ、その他、多くの暗い空、夜間の環境、質の良い夜間照明そしてエネルギーの節約に関心のある人たちで構成される。暗い空と効率の良い夜間の屋外照明に関する情報についてなら、どんな事でも上記の住所に連絡して欲しい。個人のメンバー費は年間20ドルからだ。是非入会を!私たちはあなたの手助けを必要としている。
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本資料の著作権は、IDAにあります。例外の場合は、それぞれ明記されています。この資料をIDAに著作権 (©) があることを明示した上で、非営利目的で使用する場合は、複製する事に問題ありません。 日本語の翻訳は、IDAのメンバーである、わかばだい天文同好会が行いました。