最近の出来事(12月31日更新)


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わか天「星空観察会」と イトーヨーカ堂 の協力
栃木市星野遺跡の夜間照明の改善依頼
照明改善のビデオ「星を見つめる」
IDAの最新情報
オハイオ州デラウエア郡での光害対策活動
インディアナ天文同好会からの情報
国際ダークスカイ協会ニュースレター31
CIEのガイドラインは本当に光害を少なくすることが出来るだろうか?
屋外照明ガイドラインへの提案
星空を守る会からのお願い
国際ダークスカイ協会(IDA)よりのお知らせ(転載)
照明学会セミナーの案内より
照明改善は、新しい文化の創造

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わか天「星空観察会」とイトーヨーカ堂の協力

横浜市旭区で活動するわかばだい天文同好会(わか天)からのニュースです。 わか天が定期的に開催する「星空観察会」を新春の1月2日と3日に地元の若 葉台団地で開催する計画です。この開催に当たって、近くにある イトーヨーカ 堂の広告塔照明を消す 協力を得ることが出来るようになりました。

広告塔の消灯については、イトーヨーカ堂東京本部とは、約一年前に内諾を得 ていたものですが実行面でわか天からの連絡が遅れたり、ヨーカ堂側で電気設 備の調整が急には出来ない等の理由で実現出来ていなかったものです。また最 初のヨーカ堂との交渉でも、消灯の主旨が理解されず交渉は難航したのですが 東京本部との数回の話し合いで最終的に了解をいただいていました。12月30日 の電話連絡で最終的に午後8時から10時の間消灯していただけることになりまし た。

1998年1月2日と3日「初めて」星空観察会の為に広告塔の照明が消えることにな ります。わか天にとっては、大きな事件の一つです。何時も観察会を開く場所 から見て東南東方向の空がこの照明によって邪魔されていたからです。

イトーヨーカ堂 の協力に心より感謝すると同時に、折角の機会ですからわか天 も若葉台の住民の為に張り切って観察会を提供するつもりです。

12月31日


栃木市星野遺跡の夜間照明改善依頼

栃木市星野にある遺跡の屋外照明について、アマチュア天文家から改善の嘆願書が提出されている。星野遺跡で使われている照明具が上方にも光りを出し、光害の原因となって天体観測の邪魔になること、同時に電気エネルギーの無駄になっていることを指摘し、改善を求めている。星野では、栃木県内に限らず東京都からもアマチュア天文家が観測に訪れる場所であり、適切に設計された照明具の使用と同時に深夜人通りが少ない時間帯の消灯も望まれている。

星空を守る会−横浜からも栃木市と栃木市教育委員会に対し、改善の依頼を12月29日付で提出した。
このホームページの中でも述べているが市町村が照明環境にも目を向け、 適切な照明計画と設置を可能にする管理者 が必要では無いだろうか。

12月29日


照明改善のビデオ「星を見つめる」の販売

ロスアンジェルス(LA)市の道路照明局(Bereau of Street Lightin; BSL)が作成したビデオ "LOOKING TO THE STARS"(星を見つめる)が国際ダークスカイ協会より発売されています。

LA市は、光害、グレア(眩しさ)そして漏れ光を少なくする道路照明としてフルカットオフ型の照明を選択し、既に市が管理する道路灯230,000基の60%をこのタイプの照明に変更した事を紹介しています。この改善された道路や高速道路の夜景では、直接ランプから出ている光や眩しさは全くなく、道路面で反射された光だけが見えています。その他にも、グローブ型(球形の傘の無い照明具)の光は10%、セミカットオフタイプでも45%の光しか役に立っていないことを紹介しています。


ご存じのようにLAには、歴史的なウイルソン天文台の100インチ望遠鏡があります。1985年に一度は閉鎖された施設ですが1991年から設備を更新して再び運用されています。天文家達もこのLAの照明改善を喜び、特に大気の安定度では大変優秀な同天文台
の観測を助けることを期待している様です。

このビデオは、光害の問題、そしてまた照明が持つ「エネルギーの無駄」、「眩しさ」、「漏れ光」を理解するには大変良い材料です。光害の問題だけでは無く、市町村の照明関係者、照明メーカ、環境に関心のある人には是非見てもらいたい内容です。入手方法その他については、「星空を守る会−横浜」まで御問い合わせください。。日本語訳についてもご希望が多い場合は、星空を守る会で作業を行いたいと考えています。あわせてお問い合わせください。

12月26日


IDAの最新情報

世界中で、今ある質の悪い照明を改善し、エネルギーを節約し、より良い夜間照 明を実現し、夜空の美しさを守る誰もが利益を得る活動が始まっています。

IDAの最新情報です;

カリフォルニアのユッカバレー、バージニアのアーリントン、マサチューセッ ツのケンブリッジで開かれたIDAの会議は大変うまく行きました。カリフォルニ アとバージニアで好評だったのは、ロスアンジェルス市で作られた新しいビデ オです。IDAの役員の George Eslinger氏 のおかげでロスア ンジェルス市で、フルカットオフの道路灯だけを使うプロジェクトの新しい優 れたビデオが手に入りました。興味のある人には、郵送料込みで20ドル(米 国内、日本への送付は今問い合わせ中)で配布します。このビデオは、24分 の長さで天文への光害の影響とロスアンジェル市がこの問題を解決する努力を 紹介しています。

屋外照明条例で幾つか大きな成果を出しています。ニューメキシコ州のラスク ルーセス、バージニアのフロントロイヤルとウオレンタウンそしてオレゴンの シスター市は新しく照明規制条例が成立しました。またアーカンサスのリトル ロックでは熱心な市民が都心部で新しい条例を成立しようとがんばっています。 私たちは、モンタナのビリングスとヘレナ市計画部門と新しい条例の作業を行 っています。

IDAの事務所は世界中の街にインフォメーションシートを継続して配布してい ます。

IDAの会員John Batinseyがニュージャージーのイートンタウンの新しい条例の 写しを送って来ています。これでインフォメーションシートの#92が新しく 1997年版になりました。

報道機関が大きな支持を与えてくれていますし、この点では皆さんの多くが活 動しています。11月10日に予定されているカナダ放送(CBC)のラジオプロ グラムについては別に報告します。このほかにもUS NewsとWorld Reportのレポ ータとも連絡を取っています。
ボトムラインは、この話題が広められていることです。このように誰もが利益 を得る活動をする事は素晴らしいことではありませんか?!エネルギーを節約し、 視認性を良くし、夜空の美しさを守る訳です。

その他の新しいニュースでは、新しいIDAの地域事務所でめざましい進展がある ことです。アマンダ・ベーカー博士はフランスの天文家で、私が知る限り誰よ りも暗い空に情熱を持っています。彼女は、フランスでこの話題を広めること に活動しています。
11月7日にアリゾナ南部地域の第一回IDAミーティングが開催されました。天 文リーグの50周年会議の議長Jerry Sherlin氏がIDAのコロラド地域の代表に なることを申し出ました。カナダのアルベルタでは数週間の内に新しいIDAの支 部が設立されると期待しています。

皆さんすべての素晴らしい仕事に感謝します。多くの人が地域の光害問題で私 たちを助けてくれ、大変ありがたい事です。

ボブ・ゲント
IDA報道官
11月8日


オハイオ州デラウエア郡での光害対策活動

オハイオ州で光害活動に関するメーリングリストを開設している Bryan Greer 氏が同州内で照明条令の提案を始めました。11月3日に同州のデラウエア郡一般公聴会で光害に関するプレゼンテーションを行ったものです。

米国では同氏と同様にアマチュア天文家が照明条令を作る活動を積極的に行っています。

このプレゼンテーションの結果、議長より同氏の(照明条令)提案を郡議会へ上げる表明があり、またコミッショナー達も提案を支持しました。 氏が作成した22ページの情報がプレゼンテーションの鍵となり、次の様な内容が含まれています;

  1. コミッショナーへの手紙
  2. 報道発表のコピー
  3. 地域条令3例(Leverty 町、メイン州、マサチューセッツ州)
  4. 175ワットの水銀灯が何故悪いか(IDA資料)
  5. 照明器具消費電力の比較表(IDA資料)
  6. プレゼンテーションのOHPのコピー

Bryan Greer 氏の好意でこの情報がインターネット上で提供され、誰でもダウンロードする事が出来ます。資料はAdobe PDFフォーマットで254Kbのサイズです。
このBryan Greer氏が開設しているメーリングリストに興味のある人は、次のWebで参加の方法が分かります。

http://www.fpi-protostar.com/drksky/

また、これまでメーリングリストの全内容を次のWebで見ることが出来ます。

Dark Sky Mailing List Archives at:
http://www.rahul.net/resource/TAC/

11月8日


インディアナ天文同好会からの情報

アメリカでは、文字どおりに多くの アマチュア プロの天文家(特に公共天文台) が光害の問題に取り組み、マスコミやコミュニティを通じて社会的な 活動に発展させることに成功しています。その良い結果が既に50以上の都市で 照明条令施行されていることでしょう。さてその一つ インディアナ天文同 好会 (Indiana Astronomical Society; IAS) からの情報を紹介します。大きな電力会社が屋外照明の持つ欠点を指摘し、正しい照明の使い方を紹介しているものです。

インディアナ州にある世界第16位の電力会社 PSI Energy 社が質の悪い屋外照 明の問題を提起するカタログを作り、60万世帯へ送付しました。その内容は 次の様なものです;

気付きましょう。
眩しさの問題を考えましょう。

屋外照明は、ある条件で、私達が気付かない特別な問題を作り出すことがあり ます。あなたの土地や仕事場にある照明が隣家の人の邪魔になり、不適切な設 計の照明は、車を夜間運転する人の視認性を落とす事もあります。眩しさは、 またアマチュアやプロの天文家が夜空の対象を観察する妨げにもなります。

私達は、屋外照明を無くしてしまう訳ではありません。照明は、私達の社会に 防犯、安全、心地よさという良い効果をもたらしてくれます。私達は、屋外照 明の適切な設計、計画、施工、使い方を提案しているのです。多くの照明が必 要な場所に光が届くように設計されています。この様な照明器具は、光が特に 必要な所に光のパターンを集めるようにする事で、不適切に設計されたり、不 適切に設置された照明と比較して良好な照明を提供します。

時には、小さなワット数のランプが使え、エネルギー消費を押さえる事にも役 立ちます。

CinergyグループのPSI Energy は多くのタイプの違う場所で使える照明システム を推薦出来ます。照明メーカもまた、不必要な照明の影響から周囲を守りなが ら、お客様のご要望を実現する事に大変役立ちます。

もし私達があなたの照明の必要性と計画をお手伝い出来るようであれば、ダイ アルフリーの電話番号;1-800-521-2232まで連絡をお願いします。24時間対 応しています。

気付いて下さい。
眩しさの問題を考えましょう。

11月5日


国際ダークスカイ協会ニュースレター31

国際ダークスカイ協会(IDA) は、エネルギーを節約し、グレア(眩しさ)の無い良質の照明を使うことで夜間の視認性を向上し、同時に美しい夜空を守る為に活動している非営利団体です。IDAの ニュースレター31 が発行されましたので幾つかの内容を紹介します。

(日本語訳は、IDA日本セクションの幹事が行いました)

(1). IDA報道官ボブ ゲント氏からのお知らせ

IDAの活動をもう少し紹介しましょう( 国際ダークスカイ協会(IDA)よりのお知らせ(転載) 参照);
グローブ市(Grove City、オハイオ州)、サンタバーバラ(カリフォルニア州)、ホノルル(ハワイ州)、ヘレナ(モンタナ州)そしてオーストラリアとニュージランドの複数の都市では、IDAが照明条令を作るお手伝いをしている幾つかの例に過ぎません。
なぜこの様な沢山の行動があるのでしょう?
エネルギーを節約し(税金も)、夜間の視認性を向上し、そして夜空の美しさを同時に守る事、この様な事が他に可能ですか?
誰もが利を得ることに他ならないからではないでしょうか?

既にお知らせしたABCの番組の件;レポーターは、IDAの活動を紹介する番組が何時ディスカバリーチャンネルで放映されるか決まり次第連絡してくれることになっています。

IDAの役員会のメンバーであり、ロスアンジェル市の照明計画部の一員でもある George Eslinger 氏からLAが行った市中心部での光害対策のビデオテープが届きました。このテープをIDAのメンバーに提供出来るようにしたいと思っています。

もう一つ報告する大切な情報があります。「 死の光 に気付くプロジェクト」と連絡を取りました。この組織はカナダのトロントにあり、夜間に飛行する渡り鳥の方向感覚の障害を問題としています。渡り鳥は、過度に照明された高層ビルに飛び込みそして死んでいるのです。これはあまり愉快な話ではありません。一般の方に訴えるもう一つの方法として、夜間に光を下に向けることは決して悪い事ではないことを知ってもらいたいと思います。

ボブ ゲント
IDA報道官(ボランティア)

(2) 新しいIDA会員資格

IDAは、会員資格の中に新しく市、郡、州等の行政府の枠を設けました。これらの行政機関が会員として、質の良い照明について定期的に情報を受ける恩恵を受けるはずです。多くの場合、良質のコミュニティ照明の最新情報を手に入れる最も有効な手段のはずです。もしあなたがこの様な組織で働いたり、連絡を取っているなら、今すぐ会員になるよう薦めて下さい。この会員枠での年会費はわずか200ドルです。これまでに幾つかのコミュニティがIDAの会員になったことはありますが、この枠で最初にロスアンジェル市が正式に会員になりました。LAに感謝します。

(3) 米国天文リーグの会長からIDAに届いた手紙を紹介します;

天文リーグの役員と13,000人の会員を代表して、屋外照明を改善するコミュニティーの努力を全面的に支持します。私達もIDAの会員でありIDAの指導力を支持します。障害の無い光源が照明に関わる全ての人に、実際に喜ばれる事をつけ加えたい。なぜなら、グレア(眩しさ)を取り去ることで改善する視認性で誰もが恩恵を受けるからです。私自身もここロックフォードでフルカットオフの道路照明が設置され始めたときこれを確認しています。車の流れと歩行者が良く見えるようになった事に気が付きました。雨の夜は特にそうです。(グレアは)恐い事では無いでしょうか!

幸運と良い視認性を!
Barry Beaman
President, Astronomical League
注;天文リーグは230以上のアマチュア天文同好会の非営利の教育連盟です。

(4) IDA10周年会議

もうすぐIDAの10周年を記念する会議が開催されます。ツーソンの市のPark Tucson Hotel(劇場)を1998年5月16日(土)午前8時から午後5時までと17日(日)の午前8時からお昼まで予約しています。
この時期にツーソンのホテルは予約が一杯になると予測されますので早めに予約して下さい。素晴らしい報告、そして表彰式を行う会食会も予定されます。

10月28日


CIEのガイドラインは本当に光害を少なくすることが出来るだろうか?

国際照明委員会CIE TC4-21 で検討されている屋外照明に関するガイドラインのドラフトが1997年2月付けで新しくなっている。 上方向配光率(UWLR; Upward Light Level Ratio) が都市部で 0-25% に規制されており、1996年のドラフトと比較すると大きな進歩が見られる。しかしそれでもまだ25%の上方への光を許すことは、 「障害光(眩しさ、ギラギラ)」、「エネルギーの無駄」、 その他の問題を残していることは事実だ。照明の問題は、主要な天文台を救うことのみを主として議論できないことは既にこのホームページで述べているが、CIEは屋外照明の持つ問題を早く一般的な問題として扱う必要がある。

わかばだい天文同好会 がこのガイドラインを入手し、検討した結果を CIEのガイドラインは本当に光害を少なくすることが出来るだろうか? としてホームページに掲載した。

10月24日


屋外照明ガイドラインへの提案

星空を守る会(IDA日本セクション)の会長 古在由秀氏(前国立天文台台長) 他 は、 「屋外照明ガイドラインへの提案」 を10月14日環境庁へ提出した。環 境庁が進められている「光害」対策のガイドライン作成作業の中で星空を守る 会の意見を取り入れてもらう事をお願いしたものだ。(実際は日本環境協会の 検討会で作業中)

この提案の内容は国際照明委員会(CIE)が作成した 「空の明るさを少なくする ガイドライン(Guidelines for Minimizing Sky Glow - February 1997)」 を発展させて次の様な内容を含んだものだ;

  1. 一般照明と商業用照明を分離する提案
  2. 一般照明にはカットオフ照明(注1)を使用する提案
  3. 商業用照明にはCIEのガイドラインを適用する提案
  4. 照明の点灯時間規制、センサーとタイマーの利用提案
  5. サーチライト、レーザー光線使用制限の提案

注1:JISで規定されている眩しさの少ない、上方光への光を抑制した照明 器具のタイプ

環境庁のガイドライン作成作業は、今年度末を目標として進められている。私 たちの意見も取り入れ、光害対策と同時に 「障害光(眩しさギラギラ)」 「エネルギーの無駄」 を同時に解決する効果的な 内容としていただけるようお願いした。

同時に環境庁記者クラブで記者会見を行い、我々の活動の報告とともに新聞紙 上でも光害対策をCO2削減につながる環境対策として取り上げていただくよ う強くお願いした。

10月24日


星空を守る会からのお願い

照明学会 の研究委員会の中で, 「照明光の環境への影 響特別研究委員会」 が屋外照明の環境への影響、光害の研究を行って いる事は、既に新聞紙上等で報道され、ご存じの方も多いと思う。

「星空を守る会」(国際ダークスカイ協会日本セクション) としてもこの委員会の中で提案と発言をする機会を与えてもらえるよう現段階 で依頼を提出しているところです。

実際は照明学会の事務局から、民間(特にアマチュア天文家)からの 「意見が聞こえてこない」、「まだまだ意識が低いのでは」 と言うコ メントをいただいている状況です。

決して天文家達の光害問題に対する意識が低いわけでは無いが、なかなか声を 上げない、意見が出せない、その機会が無いのが事実だと思います。たとえ声 があるとしても、天文雑誌等の中だけで終わり、一般には届いて無いことも事 実と思われます。是非アマチュア天文家達の建設的な意見を一般に向けて、照 明関係者に向けて出すようお願いします。また意見のとりまとめ役として「星 空を守る会」とIDAが少しでも力になれる所があるはずです。

更に、夜空の明るさの定量的、定性的なデータ収集等についてもアマチュアの 協力が出来るところが多くあります。是非そのような協力を含めて光害という 私たちの深刻な問題に取り組んでいただける方(ボランティア)、また会員と して参加してくださる方を同時に募集しています。

「障害光(眩しさ、ギラギラなど)」、エネルギーの無駄、CO2排出 など照明の持つ問題が提起されるようになり、光害解決につながる対 策が活発に協議されるようになっています。私たちの意見も天文家の特別な問 題としてでは無く、一般に十分受け入れられる背景が出来上がりつつあるのの です。

10月24日


国際ダークスカイ協会(IDA)よりのお知らせ(転載)

多くの方が既にご存じの様に、IDAの クロフォード博士(Dave Crawford) は世界中を旅行して光害対策の為の講演やミーティングに参加してい ます。新しい会員の参加や光害と照明に関する一般への教育の面で大きな成果 も出ています。 現在70カ国に2,100人を越えるメンバーがいます。IDAよりいくつかのニ ュースがあるので報告しましょう。

イタリアで は、10月4日を国の 「光害を知る日」 としました。また、インドのバンガロールにある ネールプラ ネタリウム では、IDAのスライドを使い、光害問題の声を広げるため のプログラムを開始しました。

「フランス国暗い夜を守る委員会」 のメンバーから新しい報 告が来ています。この会は国際的な協力要請に対し大変活動的です。

米国では、最近の報道のおかげで大きな反響があります。8月8日のナショナ ルパブリックラジオで光害に関するプログラムが放送されました。2週間前に は、米国ニューズサービスがKnight-Ridder wire serviceを通じて何百もの新聞 に光害の記事を発表しました。

沢山の雑誌、新聞、その他の報道でこの問題を取り上げています。9月29日 にABCがツーソンにあるIDAの事務所を訪れており、数週間の内にディスカ バリーチャンネルで光害のプログラムの放映が期待されます。さてこれらの事 から何が起こっているでしょう?

私たちは、すごい数の支援要求の洪水をうけている状況です。私たちは、政府 と報道関係の資料要求を優先して対応している状況です。数十の都市が現段階 で照明規制条例を施行しようとしているか改版を行っています。過去7ヶ月間 に、55,000通を越えるIDAの資料をこの事務所から郵送しました。そう です私たちは変化を作り出しています。

皆さんのご支援を感謝します。もうすぐ、月曜から金曜日まで働いてもらえる 人を雇えるまでのIDAのメンバーを確保できると期待しています。これによっ て更に大きな進展が出来るようになります。皆さんのメンバー費による援助と 寄付がこの実現に役立っています。

再度皆さんのご支援に感謝します。深く光栄に思っております。   敬具。
                              9月29日
ボブ ゲント
IDA報道官(ボランティア)

10月24日


照明学会セミナーの案内より

10月3日に照明学会の主催でセミナーが開かれ、 「照明における環境対 策とCIE洩れ光対策の重要性と難しさ」 についての講演があった。そ の案内によると;

「天文観測障害,不快グレア、交通視認性障害、照明エネルギーの浪費、 CO2問題、睡眠障害、生態系への影響、農作物被害など,屋外照明における漏れ 光の問題が日本の照明業界でも真剣に検討されるようになった。しかし、屋外 照明本来の効果を損なわずに、どのように漏れ光を規制すべきか、となると意 見はまとまらない。漏れ光に関する国内外の委員会で委員長、委員などを歴任 されている成定先生をお迎えし、作成進行中の規制案の予想をお聞きします。」 とある。

照明学会の中でも照明を; 「光害」と「障害光」の 問題 として議論するように成りつつある。天文家にとっても必 要な情報が含まれているはずだ。詳しい内容は下記へ;

ホームページ: http://wwwsoc.nacsis.ac.jp/ieij/tokyo.html
問い合わせ先:(社)照明学会東京支部
郵便番号101東京都千代田区神田司町2-8-4吹田屋ビル3階
電話:03-5294-0101,FAX03-5294-0102
E-MAIL: ieitokyo@saturn.netspace.or.jp

10月24日


照明改善は、新しい文化の創造

平成9年上期総括

わか天は、今年前半に横浜市議木村一男氏氏と面会し、横浜市の 照明条例 を検討するようお願いした。色々な照明の問題を御説明した中で、 「エネルギーの無駄と障害光の問題」 は,照明の専門家でさえまだ気付いていない事自体が大きな問題であることを訴えた。
ここで貴重な意見をいただいたので是非記録しておきたい。それは、 「照明の改善は新しい文化の創造だ。」 と言う言葉だ。私たちのNPO活動も視点を変えて見れば、現代の大きな環境問題の中で先駆的な役割を果たしていることになると言う激励であった。これは心強い言葉であったし、まさに,人類学者マーガレット ミードがかって言ったように: 「思慮深くやる気のある人々からなる小さなグループが世界を変えられる事を常に信じることだ、、、実際に、そのようなグループだけが変革を実現している。」とも通じる。

照明文化は、常に変化しなければならない。なぜなら、光源の技術は常に進歩し新しいものに変わっているからだ。変わっていないのは、光源を本来は生かすべき灯具のデザインであろう。今でもガス灯時代のデザインを踏襲し、中にはロウソクやランプの時代までさかのぼったデザインを守っている。光源の変化は、ランプが発明された何百年も前のデザインを許すものではない。効率が高く、直視すれば視力障害さえ起こすような輝度の高い光源を適切に、安全に利用できる灯具が求められる。これは、照明器具業界の力を必要としている。

平成9年度上期も後少しで終わろうとしている。下期では、これら照明器具メーカのいっそうの協力をお願いしたいと思っている。

9月19日


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Last update: November 14, 1997