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航空宇宙軍史

history of aerospaceforce

人類は真空と極寒のフロンティアへと進出した。

生命をかみ砕き、歴史の歯車はまわる・・・・−勝算無き戦争、無慈悲な宇宙を飛翔する戦闘艦。さまざまな人々が見つめる、彼らの生と死の織りなす、それぞれの”歴史”

星を見つめる瞳はまた、悲しみをも目撃する。


-航空宇宙軍史-

「航空宇宙軍史」シリーズ(谷甲州著:早川書房より複数出版)は、本職の宇宙技術者(つまり自分(おい・・・))のオススメする、リアルな宇宙での活動描写、技術描写、社会描写、そして戦闘描写を持つハードSFです。

また、それと同時に、人々への作者の優しい視線を感じられる小説でもあります

このページは主に、ビジュアル方面から「航空宇宙軍史」をサポートします。

「航空宇宙軍史」及び谷甲州作品に関する詳しいインデックスは、谷甲州FC-人外協-(青年人外協力隊)ホームページをご覧ください。

注意:このページのイラストはあくまでイメージであり、デザイン的に確定していたり、ファン間で同意に達したりしたものでは決してありません。

ですから、たとえば横山宏画伯の描く巡洋艦サラマンダーが、イラストごとにデザインが違っているのと同様、皆さんの想像の参考としてご鑑賞ください。コメントについても同様です。

(注:ただ、ゾディアック級フリゲートについては、その外形が紡錘形である事が知られている。外壁に突起物はなく、可視光波長では反射鏡面に処理されている。また、第一次外惑星動乱時の外惑星連合軍仮装巡洋艦は、”不完全な軸対称型の多段円筒長艦首タイプ”艦首のペイロードと艦尾の融合エンジンとを推進剤タンクで繋いだ形状であり、有事には黒色の電磁波反射防止塗装をしていたことが知られており、私のイラストもそれに準じたものとなっている。(タイトルのものと、その他1枚)ただし、「仮装巡洋艦バシリシク」中に描かれたバシリスクとは違い、放熱板が2枚である。)

第一次外惑星動乱(2099-2100)当時の外惑星連合軍仮装巡洋艦。艦名は不明。仮装巡洋艦はどれも、汎用貨物船の改造であり、経済性を主眼としたその設計は、加速性能の圧倒的な不足などどれひとつ取ってみても、決して戦闘向きではない。仮装巡洋艦は、航空宇宙軍の正規フリゲートにまともにぶつかれば確実に敗北するだろう。これら艦艇を主戦力として開戦に踏み切った外惑星側の苦悩のほども知れよう。

イラストの艦は、開戦後に改装された戦時艦であろうと思われる。根拠は、開戦当初優先的に改装された、高速輸送艦ベースの24隻の中の1隻であるバシリスクの描写と幾分食い違いを見せる点、細部の工事が粗雑である点等である。放熱板は二枚であり、折りたためない。レーザー反射鏡をマウントした櫓が、アンテナと同じ側線上にオフセットされているのは、設計のミスだろうか。それとも元の船体の仕様に起因するのだろうか。艦自体は大型艦であり、機動爆雷を3発も搭載している。



外惑星連合軍唯一の正規巡洋艦サラマンダー。公試もろくに行わず、いきなり実戦に投入され、そして遂に母港に帰投することのなかった同艦の、外惑星連合軍側の記録した数少ないものである。

外惑星連合軍の動向を完全に掌握していた航空宇宙軍も、サラマンダーについては事前に情報を入手できなかったほどの機密度の高さだったため、記録は少なく、我々がアクセスできるのはほとんどがジュノー入港時のものである。

ただ、この写真には外惑星の当局によって操作の手が加えられている。サラマンダーのエンジンは四発のクラスタ式なのだ。

超長距離射撃管制及び高度戦術管制システムを搭載した、無人レーザー砲艦ヴァルキリー。

同艦の資料は極めて少なく、建造艦数すら定かではない。画期的な管制システムを搭載し、一万五千キロという、レーザー砲撃では常識外れの距離から攻撃を行い、小型の輸送船団を壊滅させるほどの攻撃力を持つヴァルキリーは、第一次外惑星動乱末期の混乱の中で実戦に投入され、その能力を活かす場をほとんど与えられず終戦を迎えた。終戦時にほとんどの資料及び実機は始末されており、ここにあげた図も、信頼性は低い。正面を指向できないレーザー反射鏡や、他のどの資料にも見えない三本のリアクションブームなどからすると、終戦直後に出回った、偽デ−タである可能性が高い。

ただ、2230年のプロクシマで、航空宇宙軍輸送船団に対してゲリラが投入した無人戦闘艦は、130年前のものとは大きく構成を違えているだろうにも関わらず、ヴァルキリーを名乗った。ヴァルキリーというシステムは、多数のヴァリエーションを許容するのだろう。もしかすると、この図のヴァルキリーも実際に建造され、実戦に投入されたのかもしれない

実際に建造されたヴァルキリーを模したものと、一般に信じられている図。しかしこれも例によって、様々な点で怪しい。ヴァルキリーのエンジンは機動爆雷のものの流用とされているが、外惑星連合軍開発の機動爆雷の中には、この図のような特徴を持つエンジンを搭載したものは存在しない。

ただ、ヴァルキリー実機の特徴の幾つかはこの図からも読み取れる。恐らく、熱絶縁のために機体からブームで離された、過冷却した照準反射鏡と大型センサの複合体。切り離して回収可能な管制部。艦形と比べると明らかにオーバースケールなエンジン等。

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