最初はプリント基板自作だった。成功すると”これで模型のエッチングパーツも作れるじゃないか”と思いついた。検索で真鍮板の入手法を探して、科学教材社のサイトに辿り着いた。
そこには気になる記述があった。
で、次の週末に買ってきたのがコレ。
税抜き3800円のキットにジェル燃料のチューブ一本150円を足して、税込み4147円。
内容は以下の通り。自分の場合、ワッシャが一つ足りなかったけど、特に問題なく組み立てられました。
このキットは学校教材用に作られていて、幾つかの板金工作の工程がわざと残されています。
ここの位置を大きく切り欠きます。柔らかい真鍮板なので、金切りばさみなどでワシワシと切って、反り返った分はあとで戻せば良し。自分は基板カッターでやっつけました。
タップ切りの工程が必要です。良いきっかけですから、DIYショップでタップ切りの工具一式を買ってきても良いでしょう。タップを切らず、2.6mmくらいのネジとナットで結合するという方法もあります。
あと、この部品と組み合わせてボイラー台になる、もう二枚の板材にもタップ切りの工程があります。
ハンダ付けによってボイラーに銅パイプを固定します。半田ごてでも出来ない事は有りませんが、1000円から2000円くらいでDIYショップに売っている、100円ライターのガスを使うガストーチなどを使う事をお勧めします。
ここもハンダ付けです。
多分ここが最大の問題でしょう。この部品には予め二つの穴が空いていますが、一方の穴を更に深く掘り、シリンダーの空洞まで貫通させないといけません。穴の径は2mmちょい、ハンドドリルでは少しきついかもしれません。ボール盤での作業をお勧めします。でなければ頑丈な万力は必須でしょう。
ここはペンチでちょいと曲げるだけ。
細長い板の両端に穴をあけます。この板は必要より少し長いので、穴と穴の間の距離はちゃんと計りましょう。作業にはボール盤を”使わない”ことをお勧めします。
ここまで全部終わったら、全ての部品を綺麗に磨く事をお勧めします。紙やすりやクレンザーで磨いてピカピカにしましょう。
組み立ては説明書の通りに行なえば特に問題は無いと思います。ついでにボイラーの両端を留めるM4袋ナットを蝶ナットに交換すると便利だと思います。
あとは動かしながらの調整です。
ボイラー端面を外して、お湯を適量注ぎます。安全弁から注いでも良いのですが、その場合はシリコンチューブを外して、細い注ぎ口を持った容器を使います。
燃料受けにチューブのジェル燃料をもりもりっと盛って火を付けます。炎はほぼ透明で火力は意外に強く、しかしあっという間に燃え尽きます。
コストパフォーマンスと補給の確保の必要性から他の燃料を物色します。
100円ショップで売っていたパック燃料がぴったりでした。3袋入っていて、チューブの燃料と同じように使えました。
ちなみに、最初にアロマキャンドルを試したのですが、全然駄目でした。蝋燭というのは長時間ゆっくりと燃えるように出来ているのですね。車体が蝋まみれになりました。
最初はうまく動かないと思います。首振りシリンダーを固定しているネジの軸に付けたナットの位置で調節します。緩める方向で。
ちょっとピストンを突付いてやると、勢いよく動き出しました。ただ、舗装の荒いアスファルトで、動き出してもすぐに停止してしまうのですが……
運転後は、車体が冷えた後でボイラーを開けて中の水を捨てて、燃料の燃えカスを削り落とし、必要に応じて磨いたりしましょう。
よくできたキットだと思います。特に首振りエンジン、あんなもので動くとは。
安全弁の簡素な作りも、特別な軸受けの無い車体も感心しました。電気を全く使わないのに動くというのは、ちょっと新鮮でした。
お勧めできるキットです。