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宇宙機プラモデル

spacecraft models

プラモデルは男子のたしなみである。

トラック野郎がデコトラのキットを作るように、軍人さんが愛機のキットを作るように、根性の曲がった変人技術者がロシア兵器のキットをつくるように、己の生き方とプラモデルとは不可分なものである。

従って私は宇宙機プラモを捜し求めた。そう、それは存在するのである。だが、濃いスケールモデル屋では特撮等のキャラクター系や色物と一緒の扱いを受け、濃いキャラクター系の店では、私の捜し求めるようなハードなキットはなかなか置かない。

私は主張したい。宇宙機は立派なスケールモデルである。如何な航空機より強力なメカニズムには、それなりの敬意が示されてしかるべきである。だから模型屋よ、売るのだ!モデラーよ、買うのだ!!

ここに、我らが同士、宇宙機モデラーの為に、私が購入した宇宙機キットを紹介していこうと思う。この他にも、宇宙機キットの情報を募集したい。情報提供を是非ともお願いしたい。

なお、何かロシア宇宙機に偏っているような気がするのは、気のせいではない。私の趣味である。



Vostok

ヴォストーク宇宙船

PLASTICART社製 1/25

福岡の模型店にて購入。価格不明。

旧東独製のキットである。まだ東独が存在していた頃に購入した。

パーツが全然合わない。要根性。最近は資料があるから、見ているとディティール全部手を入れたくなるのが難点。キットには最上段も一緒に付属する。機械船もついてくるが、これはおおまかな形状だけで、後ろ半分のディティールが全く無いという、困った代物である。

従って、最上段と結合して隠してしまうより他無い。

製作には、モデルアート誌1989年3月号を参考にした。記事では、酸素/窒素タンクをひとまわり大きくすることを薦めている。私も大きくしようとしたが、細部のディティールアップが面倒になって、つくりかけである。

アンテナ類も針金に置き換えると、随分と印象が良くなるだろうと思う。


当時のモデルアート誌の連載”宇宙船年代記”及び1978年8月号(宇宙もの特集)、探索中です。

Vostok


Vostok

ヴォストーク宇宙船

Revell社製 1/24

秋葉原のスケールモデル専門店レオナルドにて購入。5000円位と記憶。

流石は歴史上の名機である。キット内容はプラスティカルト社製品とほぼ同様である。パーツ分割はこちらが上。しかし、モールドやディティールがとにかく甘く、大雑把です。気合入れてディティールアップする必要があるでしょう。

こちらがその内容です。

Vostok


A-1

A-1 ヴォストーク

APEX社製 1/144

レオナルドにて購入。

ロシア製キットです。1,2段部はヴォストーク/スプートニク両キット共通パーツになっています。従って、ソユーズ用の上段を作ってやれば、ソユーズブースターにすることも可能でしょう。

キットの合いは良好、しかし、決定的な問題が判明。四本あるいわゆる一段目は凹モールドで、彫りなおせば良いのに対して、二段目は何故か凸モールド。ギャフン

A-1


A

A スプートニク

APEX社製 1/144

レオナルドにて購入。ヴォストークより多少安かった記憶があります。

上で述べたように、こいつはヴォストークのキットから、キット写真の右下にあるパーツ、ヴォストークの上段パーツを除いたものです。ちなみにヴォストークのキットでは、そのままスプートニクが作れます。どちらを買うべきか、答えは明白ですね。

おまけとして、15歳の頃に一週間で自作したスプートニク1,2段の写真を載せます。本当はソユーズにしたかったのですが、文化祭直前で時間が無かったのです。

A


Sapwood

R-7 サップウッド

MAQUETTE社製 1/144

蒲田のゆざわやにて購入。1300円。

R-7シリーズの祖である世界最初のICBM、サップウッドのキットです。

悪い予感はしてたんです。< /p>

中身は思ったとおり、APEX社のキットと同じ金型を使用したものでした。あの、1段と2段のモールドが逆という悲惨な金型です。一体どうなっているのでしょうか。

肝心のノーズコーンはただの円錐。エアブレーキもありません。悲惨です。

Sapwood


APSK

アポロ・ソユーズ

Revell社製 1/96

レオナルドで購入。1600円位だったと思います。

1975年のアポロ・ソユーズドッキングのキットです。

スケールが小さい分、細かいディティールはすっかり失われています。逆に、こういうミニスケールキットには、好きなだけ手を入れることができる、という利点があります。

という訳で、作りかけていたりします。アンテナ類を作り込んでいけば、結構良い感じになりそうです。

APSK


ENERGIA

エネルギヤ・ブラン

STC START社製 1/288

これもレオナルドで購入。2200円

ロシア製キットです。内容は、エネルギヤ・ブースター及びブラン、そして謎の台座。射場台座風なのですが、エネルギヤのそれとは違います。

キットは随分と西側風にきれいにまとまっています。ランナーも太くないし。

ENERGIA


Mir

ミール軌道科学ステーション

Ravell社製 1/144

これもレオナルドで購入。2000円

別メーカーのスナップフィットキットだったのを、Ravellが販売しているキットです。なので、Ravellの別パッケージのキットとは同じ中身です。もう細部が劇甘。ぶあついパドルにちょっと涙を流しそうになりますが、キットとして出ただけでも、ガレージキットを作らなくて済んだ訳で、有り難いキットです。

箱はちょっと特殊で、フタが下箱と一体になっています。最近のRavellの製品はこうなのでしょうか。アリアン5型のパッケージも、キャラメルの箱のような感じでした。

しかしレオナルド、塗料ナシのパッケージの方に高値を付けていました。アホか?

三色の塗料と筆付きのお手軽キットです。なにもかもがぶっといです。パドルなど、エッチングパーツでどっか作って売らないかなぁ。

塗料は別に買いましょう。必要な色は、純白、くすんだ白、シルバー、カーキ、そしてメタリックブルーの五色です。

Mir


Mir

ミール軌道科学ステーション

Heller社製 1/125

これもレオナルドで購入。3000円

ソユーズとプログレスの造形は許しがたいものがあるものの、各モジュールの出来は満足できました。モジュール細部の造形は細かく、エッチングパーツ無しでも見栄えの満足できるものが完成する筈です。しかも、パドルはなんと、太陽電池デカル付きです!

ただ、ボックスアート(かなり良い)を見て気づかれるやも知れませんが、プリローダとスペクトル、二つのモジュールが付いていません。ぐわっ。

パーツ数は多く、細かい部品が多いので、製作には慎重さが必要でしょう。でも、ソユーズとプログレスは要作りなおし、かなぁ。

Mir


EnergiaM

エネルギヤM

STC START社製 1/288

蒲田のゆざわやで購入。1440円

なんちうレアなキット、というか何でこんなものキット化するかなぁ、と、見たときは呆れました。ご存知の方も多いとは思いますが、コレ、ロシアのエネルギア打上げ機のローコスト小型打上げ機として開発され、射場リハーサルまでやりながら、お蔵になったという、曰く付きの打上げ機です。

で、帰宅後、わくわくしながら箱を開けたのですが…

中に入っていたのは、通常型エネルギヤ、つまりこいつも今だ一度も打ち上げられていない大型フェアリング搭載タイプのキットだったんです。

キットの内容は、上にあるエネルギヤ・ブランからブランをもぎとり、代わりに大型フェアリングのパーツを付けたものです。流石に金型にガタが来ているのか、一段目にやたらとバリが目立ちます。

そして、何故か、デカールだけがエネルギヤMでした。何故?

Energia

仕方ないので、もう一個買いました。今度こそアタリです。

ですが…部品点数が少ないので悲しい気分。まぁ、レアキットであることは間違い無いですし、構成の詳細を知ることが出来たのは収穫でした。

…デカール、手で切り取ったあとがあります。

EnergiaM


Buran

ブラン

STC START社製 1/288

蒲田のゆざわやで購入。720円

キャラメル箱なパッケージで、組みたて説明書は省略されています。とはいえ迷う奴はいまい内容なので問題は無いでしょう。

エネルギヤ・ブランの中のものより、心持ちゴージャスのような気がします。但し、合いは悪そうです。

Buran


MAKS

MAKS

STC START社製 1/288

蒲田のゆざわやで購入。1000円

空中発射式シャトル開発案の一つ、ロシアのMAKS機のキットです。キャラメル箱なパッケージで、組みたて説明書は省略されています。

……ちとタンクがちいさいような。

しかし乗っけるべき1/288のAn-225が存在しません。キットが存在しないのです。

MAKS


Proton-Zond

Proton-Zond

STC START社製 1/288

蒲田のゆざわやで購入。800円

ゾンド計画用のプロトンです。STC START社はプロトンのフェアリング違いで3種類のキットを出すというせこい商法を展開中なのですが、これはそのうちの一つ。ボックスアートは荒く、箱の側面にはZond宇宙機の良く知られたテクニカルイラストレーションが2種類描かれています。しかしZond宇宙機はキットの中には含まれません。

見てのとおり、バリ、ヒケが山盛りです。別パーツになったフェアリングを交換するだけで他のシリーズになりますね。

Proton-Zond


Proton-Zarya

Proton-Zarya

STC START社製 1/288

蒲田のゆざわやで購入。1400円

ISSのZaryaモジュール打ち上げ用プロトン、だそうで。ボックスアートは恐らく3DCGですが、どういうレンダリングをしたのだか。箱の側面のイラストはZarya、これも3DCGです。なんで同じ商品シリーズなのに箱絵がこうもちぐはぐなのだか。

 ほとんどZond版と同じなのに、値段が倍になっているのは全くの謎です。

Proton-Zarya


パチモンなエネルギヤ箱絵

Energia-"URAN"

STC START社製 1/288

蒲田のゆざわやで購入。1400円

遂に、とんでもないパチモノが出てきました。こんな代物は計画すら存在しません。一部で計画の存在を噂されていた”増強型”ですらありません。箱絵は単純に、GTO試験中のエネルギヤの写真に手を加えたものです。

キットの中身を一瞥すればわかりますが、まだマトモなキットだった頃の最初のキット、エネルギヤ・ブランの金型を使い、ブランをもぎ取って、エネルギヤの2段目円筒をもひとつ追加しただけの代物です。円筒を接いで2倍に伸ばせと。

うがー!そんな打ち上げ機があるかーっ!!

パチモンなエネルギヤ内容


ISS箱絵

国際宇宙ステーション

STC START社製 1/288

蒲田のゆざわやで購入。2200円

しかしよくやりましたSTC START社。これまでの悪行三昧も、これで許される事でしょう。パーツたっぷりの完全新作です。

ただ内容は、エッジがユルユルで、どうにも締まらない内容です。ディティールに欠け、下手をするとペーパーモデルにも負けかねません。

しかし、プラモデルならではの作りやすさはあると思います。複雑な国際宇宙ステーションの構成を手にとって楽しめるキットです。

ISS内容


Soyuz箱絵

ソユーズ宇宙船/プログレス補給宇宙船

Heller社製 1/125

蒲田のゆざわやでつい買ってしまいました。500円

ソユーズとプログレス、お得な内容に見えますが、内容は実にチープで、期待していると泣きを見ます。モールドは絶望的にヘボで、ディティールは犯罪的に省略されています。

構体形状も歪んでいて、これを基にディティールアップする位なら、フルスクラッチをお薦めします。

実はこの内容、Heller社のMirのキットに付いてくるものと同じです。1/125ではどうしようも無いのですが、なんとも。

Soyuz内容


神舟箱絵

中国載人宇宙飛船

Trumpeter社製 1/72

要するに神舟。秋葉原のレオナルドでなぜか特価1050円。

やたら横長のパッケージですが、頑丈で良い段ポール紙使っています。

中身見て思ったのですがコレ、以前各国の宇宙開発機関などに配られた模型の金型 流用したのか、そっくりコピーしただけだと思います。

手元に、浜松町にある模型の写真があるのですが、アンテナの長さが違うだけです。よく見るとそっくりです。

軌道モジュールのサーマルルーバーが無く、再突入モジュールのVzorが無く、機械モジュールの熱交換配管がうね作っています。地球センサの形状も、再突入モジュール側面のよく判らない出っ張りもそのまま。

確か、種子島の宇宙センター管理棟玄関にも同じ物があったと思います。ちなみに、どちらの塗装も、”金メッキ”でした。浜松町のヤツは、真っ赤な化粧箱(上蓋に”神舟”と金文字)に収められていました。

という訳で、金ピカ塗装推奨。


このキットで一番評価したいのは、72分の1というスケールを採用したことでしょう。このスケールでマーキュリーやソユーズもキット化してくれると嬉しいのですが……

中身は値段と比べてずっと良質で、モールドもパーツのエッジもしっかりしています。プラモとしては良質です。(STC STARTと比べて……)

軌道モジュールが謎の分割、機械モジュールがディティール不足というか、資料不足というか足りない部分が多い他は、総じて良い出来のキットです。パドルも薄く、何よりフォルムが出ています。

下の丸いのは台座です。地球、というか中国上空を飛ぶようにレイアウトされています。

神舟内容


Soyuz

ソユーズ宇宙船

オゴネク社製 1/30

福岡のHOBBYBOX井尻店にて購入。価格不明。確か5500円程と記憶。

ロシア製です。ソユーズ初期型、それも4号のかなり忠実なモデルです。パーツの出来は秀逸。パーツが信じられないほどぴったり合った記憶があります。ランナーがやたらと太く、カップラーメンの箸に使えたほどでした。

作ってもう十年くらい経つもんで、学校の部室に置いていたり実家に置いていたり、そのうちにパーツはもげアンテナは曲がり、今のような無残な姿と相成りました。パドルの向こう側が無い様に見えるのは、太い針金で補強していた根元で折れてしまったせい。もし作る人がいましたら、パドル基部は特別な補強が必要であると忠告します。

こいつはもう一回作ってみたいキットです。



アリアン4型

Heller社製 1/125

どこで買ったか、忘れました。

見ての通り、長大なキットです。全高50cm近く。

エンジン周りがあっさりしているので、手を加えるとしたらその辺りでしょう。


しかし、完成したら、どこに置けばいいのだろう……



これらが私の保有するキットの一覧です。

宇宙機キットには、私の見た限りでも、上海ドラゴン製1/48長征CZ-2E(巨大だがあっさりしたキット内容)同じく上海ドラゴン製1/48アリアン5型(巨大。しかしこの製品番号、年一回はロケットモデル出してくれるという意味なのだろうか。それなら大万歳、できればプロトン!)、Heller社製1/48アリアン5型(これも巨大であっさりしていますが、バルカンエンジン周りのモールドが一応ある辺りがポイントか)、Revell社製アリアン5型、オゴネク社製1/30ヴォストーク宇宙船(上段部を含まない、純粋な宇宙船本体のキット)等があります。

…何、アメ機ですか…ちぇっ、忘れていたのに…

えーと、色々あるようです。



Atlas

マーキュリーアトラス

Revell社製 スケール記載無し

秋葉原レオナルドにて購入。4000円

ジョン・グレン宇宙帰還記念の復刻版だそうで、STS-95ミッションのワッペンがおまけに付いていました。

射場付きのキットとしては唯一の、価値有るキットなのですが…やっぱアメ機。同じ射場でも、ソユーズのランチャが作りたいっス…

部品点数多し。但しほとんどが射場用。

Atlas


Gemini

マーキュリー&ジェミニ

Monogram社製 1/48

秋葉原レオナルドにて購入。3000円

絶版キットですが、カプセルと呼ばれる所以の良く分かる、細部まで良く出来たキットです。

ロケガの雰囲気を感じるのには最高のキットですが、やっぱアメ機



ジュピターC

GLENCOE MODELS社製 1/48

福岡のHOBBYBOX井尻店にて購入。2500円

上のソユーズ宇宙船を買った店です。宇宙機キットの品揃え良し。絶版キットのアメ機ですが、まぁちょっと欲しくなったので。

JupiterC


Eagle

アポロ月着陸船

AIRFIX社製 1/72

国分寺の模型屋にて購入。1900円

レアかなぁ、という気がしたんで。



デルタE

MACH社製 1/48

秋葉原のイエローサブマリンにて購入。7500円

他にもアトラス、ソーといったマイナー打ち上げ機のキットが複数ありました。

秋葉での出会いは一期一会、というわけで思いきって買いました。この店では、オゴネク社製の砕氷船オーロラのキットとかもありました。オゴネク、まだあったんだ。

DeltaE
DeltaE

内容のサイズはちょっと大きく感じます。キット表面がやけに汚れていたのが印象的でした。




…以上。

3/4記

NEWWAREにて、Revellの1/144ミールの、ディティールアップパーツが売られています。流石です。やっぱ、「こりゃエッチングパーツ欲しいなァ」って、みんな思うものなのでしょうね。

ヘボく厚いパドルに我慢できない同志よ、エッチングパーツでグレードアップだ!

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