木場20番ホール
(03/9)

 一口に19ホールと言えば多分に隠微な響きが漂うが
  このお話はその限りではない。9/13、東京湾埋立地、
  旧「夢の島」に蓋を被せた若洲GLにおいて、18Hの
  戦いの火蓋は切って落とされた。当初は秋田明子氏
  主催2組8名ラウンドが予定されていたが、直前に
  なって参加者が半減する事態となり、
前週伊豆長岡
  に集った4名のみが再び相見えることに落ち着いた。

 当日は9月半ばとは到底思えぬ、夏が帰って来たか
  の如き猛暑かつ強風。海に並行するコースにてイン・
 アウトとも前半猛烈なアゲインスト、後半猛烈な追い風で
 成績が乱高下する難ラウンドに。前半ラストのオーラス18番
 ミドルでは何と全員パーと「丸でゴルフみたい」な好成績にて
 意気揚々昼食を迎えるも、睡眠不足か暑さが祟ったか、待ち
 の長さが堪えたか、アウトは停滞、凡庸な成績に留まった。

何しろ飛ばない粥川なぞ全長350、綺麗なティーショットでも
 残り200y超の烈風で、常に第二打FWではスコアのまとまる
 筈もなし。最後の折り返しでいざ風神を背に受けと勢い勇む
 頃には精も魂も果て、折り悪くその折りには頼みの風が弛み始める始末で、河田浩氏の
 ロングでツーオン、イーグル逃しのバーディー含む98は立派なものだろう。後は持論の
 ゴルフ=ピクニック説で余裕の大西基量氏、クラブ更新後飛過ぎに御注意で「スイング
 が小さくなった」前川賢司氏が続いた。
さて少々高価だが地下鉄で臨むゴルフ場の利点は終了後渋滞も
 なく、早々に事後の行程に移行出来るところで、いざ一日が
 終わってみると本題はこちらの感さえある。

前川氏自慢の新車レガシィが東陽町を抜け一路。土足のまま
 お邪魔する家にはわが邦人家屋で初めてお目にかかったが、
 そこは運河流れる水辺の街、木場は河田邸である。
御挨拶もそこそこに丸々と
 した愛猫氏と戯れる面々。
 幸子夫人がわざわざ実家・
 山形から取り寄せて戴いた
 米沢牛の豪華焼き肉を鱈腹
 賞味する大歓待を頂戴し、
 有り難さ満載の腹も満腹で
 迎えた真打ち19番ホールは
 前週の雪辱戦(?)。
2半荘を「こんなに麦酒ばかり飲む人は初めて」と幸子夫人を唸らせた
 粥川がゴルフの負けを取り返す帳尻合わせで0時前20番H見事終了
 の巻と相成った。

この日粥川邸ではYMOcopyバンドに新展開の端緒が生まれようと
 していたのだが、それはまた別の物語。
大躍進
(03/9)
囲卓の会・秋の陣は9/6-7、伊豆長岡温泉にて開催。当初参加の伝え
 られた林義隆氏に続き、同会認定初心者から正規協議者への昇格が
 見込まれていた花岡道世氏が不参加となり、河田浩氏夫人・幸子氏
 も来場を見合わせたため、河田・前川賢司両氏が初出馬した02/2
 以来、温泉麻雀シリーズでは初の男性のみ、かつ2卓成立に最低限
 必要な8名きっちりの剛毅な会と相成った。

会場は今回も本会理事長・高橋洋氏が選定した旅館・伽羅園。その
 最大の要因は名人戦か本因坊かと見紛う瀟洒な佇まいかと
 思いきやさにあらず、12時チェックイン・翌12時チェック
 アウトの長時間滞在を可能にする時間設定で、これにより
 史上初の24時間耐久レースが実現。

予備役なしの8名フル操業が懸念されたが、逆に先に終了
 した卓が僅かな時間差を利用し風呂へ急行急帰、休卓者との
 交替タイムラグも生じず、男所帯は早飯、早着替と好条件が
 重なり、2日目9時倒牌の遅いスタートにも拘わらず、史上
 最高計17半荘を記録したのは予想外の成果だった。
@開始前の昼食、前回優勝の芝村氏到着前に芝村対策(?)を練る面々  A第一打牌直前。麻雀にぴったりの部屋構え。
Bお馴染みの浴衣装束に。ここからが長い。なお今回は予備役なしのため競技中の写真が少ないという余波が生まれた。
さて本会の特記事項は前川氏の毛沢民も吃驚の"大躍進"振りに
 尽きる。前回の進境に期待感こそあれ、その「振らない麻雀」を
 昇華させ、一躍優勝争いを展開するとは誰が予想し得ただろう。
 初日3時を迎え総合首位。ここで睡眠に入る4氏を後目に
 「トップに睡眠は許されない」と大人の風格で疲労の中ラスを
 食い3位に陥落しながら、2日目最終卓、残り5800点から立直
 嵌張自模ドラ3の親ッパネで盛り返し、最後は宿敵・芝村茂樹
 氏直撃の七対ドラドラで見事悲願の初優勝とは立派の一言。

同氏は表彰式の優勝挨拶にて「敢えてベタオリしても振らない
 麻雀に徹してツキを待つ」と語ったが、前週の万馬券炸裂と
 ともに一過性のギャンブル運でないことは本会参加から1年半、
 総計716点に及ぶ負の遺産から体で学び取ってきた苦難の歴史
 が物語っていよう。

今回は唯一西方からの渡来となった芝村氏は、リーチ者の視線
 を逸らして危険牌を打つ、同卓者を「発の暗刻臭い」と触れ
 回った挙げ句、上がって見ると自分が発を抱えている、など
 お得意の口撃を駆使し連続トップで飛び出したが、連発される
 リーチ一発に怨嗟の声に上がり、またエスカレートする毒舌にも
 一同慣れたか負けず劣らずやり返し舌戦が木霊する展開に徐々に
 その勢いを抑えられ、総合4位とはご不満の様子。

「トップ3の優勝争いに囲まれる鴨」
の図。最終卓では再びこの3人が
何故か二軍卓で顔を揃え、逆転で
前川氏優勝の名勝負となった。

優勝の弁を語る前川氏の堂々たる姿。
その芝村戦法を"口の迷彩"と名付けた芝村包囲網の大将格・矢野酉太郎氏は実力通りで余裕
 の2位に入り、前半浮沈を繰り返しながら2日目のトップで高橋理事長が芝村氏をかわし
 3位に滑り込んだ。

露天風呂に浸かる粥川

四暗刻自模に喜びの大西氏
一方、一時は三桁マイナス目前で「振り向けばテレビ
 東京」状態だった粥川はジンクス通りの深夜王振りで
 1〜5時枠のみ連続トップで微沈に留めたが、前回
 2位の戸矢博明氏はいいところなく7位に終わった。

また初参加の大西基量氏は風呂でプリン体を落し(?)
 パワー全開、立直四暗刻は史上5度目の役満を上る
 見せ場も設けたかと思うと、麦酒に日本酒、ワイン
 と迎え酒で牌を乱してラスも最多の5回と出入りの
 激しい麻雀を展開、総合成績こそ6位だったが、
 終始アルコールを口に運び「酔っ払い麻雀」という新たな文化を本会に導入するとともに、
 一大会最多風呂浸回数4回の新記録も樹立、本会「名誉顧問」の称号を賜ることとなった。
残るは今回も最下位の汚名を戴いた河田氏だが、前川氏同様
 「振らない麻雀」への進捗が見られたのは、総員が1回以上の
 トップ賞を取り、事前の常任理事会における規約改正により
 -300の得点下限制が設けられながら、優勝・最下位とも150点
 内外で収まった事実に如実に現れている。

このため次回以降は実力拮抗を既定の事実として、回転率向上
 のため赤五の再投入、割れ目制採用等も検討されているが、
 その採否もまた河田氏の進境如何に他ならない。なお、常任
 理事会においては河田氏の提起により2卓制における上納金
 を廃止し、新たに場代制度が設けられたことを付記しておく。

明暗分かれた前回迄の鴨仲間。
黄昏れる河田氏は何を想う。
終卓後は時間帯が遅く、かつ曇天のため散策は旅館庭園に
 留め、寂れかけた長岡温泉・中心市街地を視察の後、帰路
 に着いた。次回は明年初の開催が見込まれているが、愈々
 愈々温泉麻雀シリーズのみならず95/5〜02/2に行われた
 会員宅昼間麻雀の再開も視野に入っており、新展開は近日
 発表されよう。
 (右写真は、温泉街の閉店したと思われる射的店。温泉そのものはまだしも
  商店街を訪れる人は殆どなく、活性化は苦難の道か。)