さて本会の特記事項は前川氏の毛沢民も吃驚の"大躍進"振りに
尽きる。前回の進境に期待感こそあれ、その「振らない麻雀」を
昇華させ、一躍優勝争いを展開するとは誰が予想し得ただろう。
初日3時を迎え総合首位。ここで睡眠に入る4氏を後目に
「トップに睡眠は許されない」と大人の風格で疲労の中ラスを
食い3位に陥落しながら、2日目最終卓、残り5800点から立直
嵌張自模ドラ3の親ッパネで盛り返し、最後は宿敵・芝村茂樹
氏直撃の七対ドラドラで見事悲願の初優勝とは立派の一言。
同氏は表彰式の優勝挨拶にて「敢えてベタオリしても振らない
麻雀に徹してツキを待つ」と語ったが、前週の万馬券炸裂と
ともに一過性のギャンブル運でないことは本会参加から1年半、
総計716点に及ぶ負の遺産から体で学び取ってきた苦難の歴史
が物語っていよう。
今回は唯一西方からの渡来となった芝村氏は、リーチ者の視線
を逸らして危険牌を打つ、同卓者を「発の暗刻臭い」と触れ
回った挙げ句、上がって見ると自分が発を抱えている、など
お得意の口撃を駆使し連続トップで飛び出したが、連発される
リーチ一発に怨嗟の声に上がり、またエスカレートする毒舌にも
一同慣れたか負けず劣らずやり返し舌戦が木霊する展開に徐々に
その勢いを抑えられ、総合4位とはご不満の様子。
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「トップ3の優勝争いに囲まれる鴨」
の図。最終卓では再びこの3人が
何故か二軍卓で顔を揃え、逆転で
前川氏優勝の名勝負となった。
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