鑑賞日:2004.02.20/公開日:2003.05.15
「ビッグ・フィッシュ(Big Fish)」特別試写会参加!
(演)ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ビリー・クラダップ、ジェシカ・ラング、 ヘレナ・ボナム=カーター、スティーブ・ブシェミ、ダニー・デビート、アリソン・ローマン

ビッグ・フィッシュ
ソニーピクチャーズ
エンタテイメント 提供
皆さん、こんにちはー。
 今日ご紹介するのは、ティム・バートン監督作品でユアン・マクレガー主演の「ビッグ・フィッシュ」です。
 私は、ティム・バートンのオリジナル作品がツボにハマることが多いので(美術が独特なところやファンタジックな雰囲気が特に)、 試写で一足先に観てきました。←一番最初に行われた一般試写でした!
では、まず簡単なストーリーをご紹介しましょう。

 父親エドワード(アルバート・フィニー)の危篤の知らせを受け、久しぶりに帰郷したウィル(ビリー・クラダップ)。
子供の頃は父を慕っていたものの、彼が成長した後も魔女や巨人との冒険など、 作り話としか思えない体験談を語る父に反発を感じていたため、 再会後も父に対して打ち解けられない。
 一体本当の父はどんな人だったのか……。 床に就いている父を前にして、ウィルは「善人でも悪人でもいい。本当の父さんを見せて」と想いを打ち明けるが、 エドワードは以前の話を繰り返すだけだった。
やがてエドワードの容態が急変してしまい……

 どんな経験も楽しい思い出にしたい父のファンタジックな世界観と、事実を見極めることに価値を置く息子の世界観が、 見事に映像で対比されています。特にファンタジックな世界はティム・バートンのおハコだけあって、 映像が本当にきれい!チラシにもある、スイセンのお花畑のシーンは圧巻です。
 もちろん、ラストだって“息子と父が肩を抱き合って和解する”なんてフツーのオチではありません。 “ああ、ウィルはエドワードを理解したんだな”とはっきり分かるようになっているのに、 わざとらしくないんです。 “泣ける作品”なんて前評判の作品だと、逆に冷めてしまう私でも、 さすがに泣けてしまいました。←映画観て涙が出たのは何年ぶりだろー。
 それにしても、この作品を観ると、ウィルの視点で物事を見ている人は随分自分で自分の人生をつまらなくしているなぁと思います。 私なんかかなり理屈っぽい性格で現実主義なので、思いっきりウィルの視点で世の中を見ている一人ですが。(^-^;
 でも、こういうのって性格だから、エドワードの視点で世の中を見たいと思っても、 なかなかそうはいかないんですよね。エドワードの価値観は理解できても、理解するのと実践するのは別だから。
 ちなみに、ティム・バートンも実父と確執があったらしいです。←で、その父親を理解し合えぬままに亡くしています。 この作品を撮ることで、理解し合えなかった父との関係を整理したかったのでしょうね。 実際、バートンがこの作品を撮るきっかけになったのは父の死だったそうですよ。
 話がちょっとずれましたが、ストーリー以外でも個性派俳優が目白押しなので、この辺りも見どころです。
 エドワード役のアルバート・フィニー(「エリン・ブロコビッチ」)、ウィル役のビリー・クラダップ(「スリーパーズ」)は、 なかなか良いキャスティングだと思いました。相容れない親子という雰囲気たっぷりで。(^-^;
 ユアン(この作品では若い頃のエドワード役)もファンタジックな世界を楽しむという役どころが、ハマリ役。 アルバート・フィニーと同一人物を演じているというのが笑えますが、 エドワードは“脚色魔”なんで、自分の若い頃の姿も脚色したのかな?と解釈できたので、許せました。(^^;
 あと、驚いたのが若い頃のサンドラ役(ウィルの母親)を演じたアリソン・ローマン。 彼女は 「マッチスティック・メン」で演技を絶賛されていましたが、本作でも印象深かったです。 現在のサンドラ役がジェシカ・ラングなんですが、 二人が同一人物の過去と現在を演じることに全く違和感がなかったんですよねー。顔似てないのに。(^-^;
 他にも超個性派俳優のスティーブ・ブシェミやダニー・デビートも“エドワードの世界”の方で出てきます。 彼らは、こーいう非現実的な世界がなぜだか似合うんですよね。
 あと、リサ・マリー(プレスリーの娘じゃないよ)からバートンを“略奪”したヘレナ・ボナム=カーター (←ちなみに、二人の間に2003年10月に子供が生まれました)も、 「猿の惑星」に引き続き彼の作品に出演しています。
 そんなこんなで(?)、見どころ満載の作品です。
 ファンタジーが好きな人、“感動作”というふれこみに弱い人、ユアンのファンには文句なしにオススメします。
 逆に、“ファンタジーは嫌いだし、夢の世界に生きる人を理解したくもなければ、同じ空間にいるのもイヤ” というコテコテの現実主義の人にはオススメしません。 ただ、日常生活で現実主義でも、“映画は楽しめればよい”という人は楽しめると思いますよ。;-)

【Holyの評価・・・(^-^)/VeryGood ← その人の捉え方次第で、 こんなにも同じ人生が違って見えるなんて!と目からウロコ。 現代社会では圧倒的にウィルの視点で生きている人が多いでしょうが、 エドワード的な生き方ができたら、本当に人生が楽しめそう。シンプルですが、タイトルもストーリーと合っていてGood.


鑑賞日:2004.02.08/公開日:2003.02.07
「ラブ・アクチュアリー(love actually)」
(演)ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、エマ・トンプソン、コリン・ファース、キーラ・ナイトレイ、アラン・リックマン、ローワン・アトキンソン

ラブ・アクチュアリー
UIP映画
提供
皆さん、こんにちはー。
 今日ご紹介するのは、豪華キャストが話題のラブ・コメ「ラブ・アクチュアリー」です。
 この作品は、ちょっと作りが変わっています。というのも、9つの日常的な愛のカタチ (中には“非日常的”なものもアリ)をアンサンブル形式のドラマ仕立てにしているから。
 さて、いつもならここでストーリーを簡単にご紹介するところですが、 何しろ9つもストーリーがあるので、今回はストーリーではなくそれぞれの愛のカタチだけ押さえておきましょう。
 この作品で登場する愛の形は、『首相と秘書の恋』、『血縁のない親子の愛と理解』、『作家とメイドの恋』、 『夫の浮気心による熟年カップルの危機』、『同僚への片思い』、『歌手とマネージャーの愛と信頼』、『親友の花嫁への恋』、 『モテない青年の恋人探し』、『スタンド・イン(代役俳優)の恋』と、まぁ本当に盛りだくさん。 全てが身の回りにあるような“愛のカタチ”ではないけれど、 職業とか人物設定は別にすれば、いくつかは経験があったり身の回りにある“カタチ” なんじゃないでしょーか。
 しかも、一見バラバラに見える個々のストーリーも、 実はちゃんと全部が線でつながっていて(太い線もあれば細い線もあるけれど)、 自分の物語もこうやって別の誰かの小さな物語とつながってるんだなーと、ホンワカできる作品なんです。 なんて言うのかな、プティフールの詰め合わせを、 丸ごと独り占めできちゃったようなお得感があります。←余計分かりづらい??(^-^;
一つのお菓子は小さくても(一つのエピソードが2時間持たないようなささやかなものでも)、 全てがきちんとBOXに収まっているときの華やかさと、それを全て堪能できたときの満足感 (全てのお話がちゃんと線でつながったとき)は、普通サイズのお菓子を食べたとき(フツーのドラマを1本見たとき) のそれを上回るということなんですが。(^-^;
 年齢・性別・職業など様々な登場人物が様々な恋愛観を見せてくれるため、 誰でもどこかでホッとできたりクスリと笑えるシーンがあると思います。 そんな老若男女を問わずに楽しめる作品というのはとても少ないため、本当に良く出来た作品だと感心してしまいました。 ただ、強いて言えば女性に都合の良い話が多いように思うので、 どちらかと言えば女性の方が共感する割合が高いでしょう。 ロマンチストな女性なら“こんなふうになりたーい”なんて思うエピソードがあるかもしれません。 ちなみに、私が一番面白かったのはビル・ナイ演じる老いぼれロック歌手のエピソード。 ビル・ナイってメジャー俳優ではないんですけど(「スティル・クレイジー」や「シャンプー台の向こうに」に出てます)、 本当にこの役はハマリ役で笑えました。
 また、この作品は豪華なイギリス俳優が目白押しでスゴイんです。それだけでも一見の価値はあるでしょう。 本作と同じくワーキング・タイトル制作の「ブリジット・ジョーンズの日記」 主演のヒュー・グラント(首相役←こんな首相アリ?って感じですが)とコリン・ファース(作家役)に加え、 アラン・リックマン(部下に誘惑される夫)、エマ・トンプソン(夫の浮気に悩む主婦)、 リーアム・ニーソン(義理の息子との関係に悩むパパ)、 ローワン・アトキンソン(ヘンな宝石店員)、ローラ・リニー(片思い中のOL)、 キーラ・ナイトレイ(夫の友人から想いを寄せられる花嫁)などなど、 これでもかっ!というほどメジャーな俳優が出演しています。 ←「外国人俳優の顔が覚えられないよー」という人は、 「誰がどこでどう繋がってたっけ?」なんてことがあるかもしれませんが……。(^-^;
 この作品を観た後は、きっと身近な人たちのささやかな“愛のカタチ”がいとおしく感じられるでしょう。 特にクリスマスに観るのがオススメですよ!

【Holyの評価・・・(^-^)/VeryGood ← この作品のように、 身近な幸せを幸せと感じられる人が増えると、世の中もっと平和になるのかもしれません。 ぎすぎすした人間関係に疲れ果ててしまっている人は、ぜひどうぞ。観終わった後には ビートルズの「All You Need Is Love(愛こそはすべて)」やWet Wet Wet(←オリジナルはザ・トロッグス)の 「Love is All Around(愛にすべてを)」を思わず口ずさんでしまうかも!?


鑑賞日:2004.02.07/公開日:2003.03.20
「N.Y.式ハッピー・セラピー(Anger Management)」特別試写会参加!
(演)ジャック・ニコルソン、アダム・サンドラー、マリサ・トメイ

N.Y.式ハッピー・セラピー
UIP映画
提供
皆さん、こんにちはー。
 今日ご紹介するのは、ジャック・ニコルソンがセラピスト(!)を熱演(?)する「N.Y.式ハッピー・セラピー」です。
 アメリカでは超人気のアダム・サンドラーですが、個人的にはあの髪型と顔がどう〜しても生理的に受け付けないので、 あまり観たい俳優ではありません(その割に、彼の作品をかなり観ているのですが)。 ジャック・ニコルソンも善人には見えないし、笑い顔がジョーカーに見えるので(ジョーカーでしたが)、 あまり観たい俳優ではありません(その割に、彼の作品も結構観てます)。 ですが、タイトルが気になったので(心理面をえぐるよーな作品好きです)、試写で観てきました。
 では、まず簡単なストーリーをご紹介しましょう。

 舞台はN.Y.の現代。デイブ(アダム・サンドラー)はペット用品メーカーに勤める超優柔不断で弱気な男。 リンダ(マリサ・トメイ)という恋人はいるものの、彼女にも何一つ強気にアプローチできない。
そんなデイブが、出張の際に利用した飛行機内で、暴行罪で訴えられてしまう。
「そんな!スチュワーデスを呼び止めるために腕に触れただけなのに!」
デイブの悲痛な訴えもむなしく、裁判所では判事から“アンガー・マネージメント(怒り抑制セラピー)” を受けるよう言い渡されてしまう。しかも、その担当とは飛行機で隣の席に座った、 怪しげな男バディ・ライデル医師(ジャック・ニコルソン)だった。
かくして、何とも怪しげなセラピーが開始されるのだが……。

 舞台がN.Y.なので“N.Y.式”なのはまだ分かるんですが、はっきりいって全然 “ハッピー・セラピー”って感じじゃないです。(^-^;
 ジャック・ニコルソンがセラピストだけあって(?)、怪しげな雰囲気満載なんですよね。 そもそも、あーんなことやこーんなこと(本編でご確認を)するセラピストなんて、 セラピーに馴染みのない日本人は困惑しそうです。←ギャグですから、あまり本気にしないよーに。(^-^;
しかも、かなりブラックな笑いが多いため、良識人を自認しているような人は眉をひそめそう。
 それに、あっちの笑いと日本の笑いって差がありますよね。 そういう意味で、あっちの笑いに慣れていない人は、そもそも笑えないシーンが多いかもしれません。 私は、……大体笑えましたが、一部笑えないというかウヘェー!となるところがありました。 オチも、笑えなかったなぁ。←ロマンチストと恋愛至上主義の人は納得しそー。
 ちなみに、この作品は豪華な出演者も見ものです。 バディ医師の患者役で、ジョン・タトゥーロ、ウディ・ハレルソン、ヘザー・グラハム、ジョン・C・ライリーなんかが出演しています。 さらに、本人役でテニス選手のジョン・マッケンロー、ジュリアーニ元ニューヨーク市長、 ヤンキースのジーター選手やクレメンス選手まで出演しています。 暴れん坊時代のマッケンローを知っている世代は、笑えますよ。 他にも、日本で有名ではないものの、本人役でオペラ歌手とかヤンキースの専属アナウンサーなんかも登場します。 ←アメリカ映画は、本人が本人役で出るって結構多い。
 怪しげに笑うバディ医師のセラピーや、優柔不断男のデイブが恋人っていうのは勘弁してほしいけど、 彼らの笑いのパワーでちょっとは元気をもらえるかも!?

【Holyの評価・・・(^_^)Good ← ブラックユーモア炸裂だけに、 笑える人と眉をひそめる人とで評価がはっきり別れそう。また、チョイ役で出演している俳優や本人のことを知らないと、 楽しさ半減。個人的に「アイ・フィール・プリティ(ウエストサイド物語の曲ね)」 のシーンとマッケンローのシーンはかなり笑えました。 誰か(何か)に対して怒りを感じたときは、♪アイ・フィール・プリティ〜!と歌ってみましょう。


鑑賞日:2004.02.01/公開日:2003.01.10
「ミスティック・リバー(Mystic River)」
(演)ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコン、ローレンス・フィッシュバーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ローラ・リニー

ミスティック・リバー チラシ
ワーナー・ブラザーズ映画
提供
 皆さん、こんにちはー。
 今日ご紹介するのは、クリント・イーストウッドがベストセラー小説をオールスター・キャストで映画化し、 アカデミー賞では主演男優賞(ショーン・ペン)と助演男優賞(ティム・ロビンス)を獲得した 「ミスティック・リバー」です。
 まずは、とりあえず簡単なストーリーをご紹介しましょう。

 ボストンの貧困地区。路上ではジミー(ショーン・ペン)、デイブ(ティム・ロビンス)、 ショーン(ケビン・ベーコン)の3人組がボール遊びに興じていた。そのとき、不審な車が少年たちの傍に停まる。 警官を名乗る2人連れは、デイブだけを車に乗せ静かに走り去った。 しかし、デイブを連れ去った男たちは警官ではなかった……。
それから25年、同地区で殺人事件が発生。被害者はジミーの娘だった。 捜査を担当するのは、今は刑事となったショーン。 やがて捜査線上にデイブの名が浮かぶ。25年前の事件以来疎遠になっていた3人だったが、 過去を弄ぶかのように、3人の運命はまたしても同じ線上に縒り合わされていった……。

 幼なじみだった3人の男の皮肉な運命を描くミステリーですが、 本作は謎解きよりも3人の内面にスポットを当てた作品になっています。 忘れることができない忌まわしい過去、友情、夫婦の絆、子供への愛といったことに対する人間の弱さとかもろさを、 リアルにそしてシビアに描いています。
 きれいごとで終わる作品が多い中、本作は見終わった後に自分の姿勢を顧みずにはいられない、 そんな作品になっています。
 シビアな視線だけにヘヴィなので、単純に泣いて笑ってすっきりしたい人には、正直オススメできません。 また、自分一人で解決できないような大きな悩みを現在進行形で抱えているような人にも、 向いていないように思います。←余計に気分が沈みそう
 というわけで、自分に都合よくいかない厳しい現実を、しっかり受けとめられる人におすすめです。 あ、あと結婚している人は夫婦で観るのもオススメ。 2人の信頼関係がどの程度か、劇中人物に当てはめて色々考えることができると思います。 ただし、夫婦でもお互いに言えない秘密を持っている人は、心理的にドキッとさせられるでしょう。
 夫婦関係に限らず、誰も信用しない人や、誰でも簡単に信用してしまう人は、見終わって落ち着かない気分になりそうです。 さらに、曲がったことが大嫌いで真面目で正義感あふれる人は、悲しくなってしまうかもしれません。 真面目な人間が損する現実が、映画の中にも反映されているので。
 それでも、人間の内面を鋭い視点で丁寧に描いた意欲作だけに、 アカデミー賞受賞は当然の結果だったように思います。
 それにしても、世の中皆正直で、真面目で、思いやりを持っていたら、 この作品が“リアル”だなんて言うこともないのになぁ。 現在の荒廃しきった世の中を反映しているようで淋しい限りです。映画としては、本当によく出来ているんですけどね。

【Holyの評価・・・(^-^)/VeryGood ← 完成度的には最高評価にしてもいいくらい。ストーリーは暗いけれど、 人間の内面に潜む闇をうまく描いた作品です。ただ、自己中心的な人間ばかりが幅をきかすのが、 現実だけでなく映画の中もってのが、かなり淋しい。それだけリアルなんですが、 Excellentをつけるとその世界を認めている気がしてしまうので、敢えて1つ評価下げました。



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