てなわけで、自分のSF事始めこそクラークだったものの、あとはギブスンとベンフォードを平行に読むという具合なんで、昔のことはよくわからないというのが実情です。
しかしま、「クローム襲撃」は絶対お薦めです。「ニュー・ローズ・ホテル」なんか絶品ですし(映画化のうわさは聞くけれども、いつまでたっても実現しない)、スターリングが書いた序文は、チャンドラーのハードボイルド宣言「簡単な殺人法」に比する名文だとされています。
読書家を自認される方は、ぜひ読んでみて下さい。目からウロコが滝のように落ちる文体です。とにかくルビがすごいです。
ミステリ、それもハードボイルドの最高峰「長いお別れ」とおなじ、ミステリ界で最も権威のある賞を受賞していたりします。が、とにかく笑えます。死ぬほど笑えます。SFファンの方、ファンタジーファンの方、テーブルトークな方、今や死に絶えたボードシミュレーション派の方、へそでお茶を沸かす準備をして下さい。
饒舌な探偵スペンサーの活躍するシリーズの中で、スペンサーが作中で作った料理について、作り方付きで解説しています。これもなんで買ったんだろ?