古本屋でこれを探しましょう。薄くて安いはずです。買いです。
生命と宇宙と万物についての究極の疑問への答えがここにはあります。 答えは……・、うっ、くくくっ、だめだ、おしえちゃいけない!!、ううー、言いたい!!!
イギリス的な、ひたすらおバカなこいつの続編、「宇宙の果てのレストラン」「宇宙クリケット大戦争」もひたすらグゥーーーーッ!!
しかしひっどい言語道断な邦題だなあ。でも笑える。粗筋はというと、イギリスから職を求めてやってきた純文学作家が、ひょんな間違いで軍用ロボットとそのAI開発に巻き込まれ、「とんまな子供のコンピュータ辞書」と「見栄ソフトウェア講座」の二冊を頼りにプログラマーのふりをしたり、スパイといつのまにか関り合いができてたり、パラドックスのやりすぎで少々狂ったロボットの相手をしたり…………
他のと比べるとお笑い度はかなり低めだが、ヘン。まじめにヘンな方向へ書いているから結構読みやすい。
しかし、この本で一番ヘンなのは本文ではなく、最後にある著者の著作リストだ。まさかすでにとっくの昔に、邦訳された作品があったとは……しかも早川や創元やフツーのとこじゃぁなく…………
ポストヒューマニズムと来るとスターリングです。まるでLHAで圧縮されたような「スキズマトリックス」は、「ニューロマンサー」並みに読みにくい作品ですが、「ネットの中の島々 上下」は洗練されて読みやすくなっています。本当に目の前に来ている時代と問題点、現実的で衝撃的な思想の数々があり、ドラッグやバイオテク、題名からも予想されるネットテク、そしてそれがもたらす社会政治的インパクトを予言する、思弁性のある作品です。
さて、DNA合成ですが、手持ちの「理科年表 1993年版」によると、天然痘ウイルスの遺伝子ヌクレオチド数は53×10^4で、これは約16メガビットのデータ量に相当します。DNAシンセはただ4種類の塩基をプログラム通りにくっつけてゆく機械ですから、時間さえかければ現在でも合成できないことはありません。
ただ、DNAのプログラム規則についての知識はまだ限られています。というわけで、現在DNAシンセは遺伝子改造した大腸菌の合成に主に使われています。 でもって、お好みの物質を生産するように改造するわけです。化粧品などで、バイオテクノロジー利用をうたうものは大抵これです。工業規模で複雑なホルモンや蛋白質が欲しいときはこれが一番なのです。大腸菌は増える工場ってわけです。しっかし、コカインあたりは結構簡単な分子構造をしてますから、簡単にプログラミングできたりして、そうしてできた大腸菌でもってヤクザあたりが腐ったバナナで麻薬の大量生産しそうだなあ。
ちなみに人間の遺伝子データ量はおよそ6ギガビット、結構少ないもんですね。