また読む。こないだ買ってからこれで3度め、トータルで5度目。
うーん、しぶい。
テラフォーミングの進むガニメデ。
あまりにも厳しい環境の中、生存と生活のために苦闘する開拓民。
極寒の薄い大気の中、岩を噛り、アンモニアの流れをすする人工生物の群れ。
少年と老人、そして人類のあらゆるものを無視して進む、謎の存在<アレフ>。
どこまでも渋く、フォークナーばりの泥臭い世界描写のなかで、アレフの存在がひときわ浮かび上がります。
ラストの、絶望的な状況になぜか訪れる感動が、
「おおおおおお、これだ、これだあ」的快感です。
久しぶりに良いSFを読んだなぁ。
ちょっと遅くなりましたが、今月の日経サイエンス、久々のヒットでした。
その中から、「自己複製する分子の合成」
アデニン・リボース・チミン(ART)、たった3分子のホムンクルス。
完全な生命とは言えないが、現実空間で生きる人工生命の可能性は、今や間違いのない所である。うっひょーつ、すっげえ。
「意識は科学で説明できるか」
自意識というプロセスを、科学的に説明しようという気運がいま、科学界に盛り上がっているそうだ。だた、出て来る学説がどれもこれも変なのばかり。
「”解読不能の暗号”が解読された」
以前より関心を持っていた公開鍵暗号システム、RSAの除数129桁のものが、インターネットで集めたボランティアと、ベルコア研の並列処理スパコンでもって解読に成功したそうです。RSAは、素数同士の掛け算と素因数分解では、素因数分解の方がはるかに難しいことを利用した暗号で、将来の高度情報通信社会の、文字どおりキーと目される技術です。
かつて、解読には4京年かかると言われていたのを思うと、演算能力の進歩が実感を通り越して、奇妙な気分です。