> 「銃夢」GUNNM 1〜8巻をイッキ読みした感想。
どーです、いーでしょ?
ベスターの「虎よ!虎よ!」の影響モロ受けですね。あれは。
主人公の名前、2巻最後に出てくるサイボーグ、ザーリキの額の文字、そして7,8巻の超能力者ケイオスの視覚障害……
また、舞台がカンザスということで、「オズの魔法使い」の影響をも考慮せべきでしょう。(……・ドロシー……・どろしーちゃん……・うっ!そっちに走ってはいけない!)
オズの魔法使いといえば、樹なつみの傑作「OZ」にも言及すべきでしょう。白泉社系SF少女漫画の一つの頂点です。
さあ、こいつも読みましょう。 (そして、深みにはまりましょう)
> スカラー電磁場兵器なんて本当に可能なんだろうか?不可能です。(キッパリ断言)
縦波なんて、どこにでもありますし、「電気重力波」など笑止!です。
それと、旧ソ連時代サリシャガンで行われていたのは、超伝導送電実験です。
まあ、「銃夢」にはこの手のデタラメが散在しています。例えば、
「拳に100Hz以上の振動を込めて打つ」 <効果器の最高制御速度は、筋電パルス間隔によって規定される。脳からの神経信号であるかぎり、100Hzなど絶対無理。
「機の引き込み」 <共振あたりを勘違いしている。
「高純度の鋼は意外と脆い」 <超高純度の鋼は一変して恐ろしく粘り強い
「ナノマシンは15分ほどで自分の完全な複製を……」 <ドレクスラー辺りの本を鵜呑みにしているようだが、そんな速度は事実上不可能。エネルギー源がない。
「イオンクラフト」 <無理無理。そんなものより飛行船のほうがはるかに合理的。
「電波人間」 <電波を聞く……おい。
「EPR通信機」 <光速を越えて離れたものが影響しあうEPR相関は、たしかに実在する。しかし、情報を伝えることは不可能。
もし、情報を伝えることができるなら、今頃私は、数万円かけて時間通信機を作って、小倉競馬場で大金持ちになっている。この1点からも、EPR通信機は不可能だと言えよう。
ほかにもでたらめは一杯ありますが、「虎よ!虎よ!」と同じで、それが魅力の一部になっているんですよね。
二次元の世界というのは、有名なもので、アボットのそのものずばり古典的作品「二次元の世界」がありました。
しかし真打ちは、A・K・デュードニーの「プラニパーズ」でしょう。
この本は、大きな本屋なら見つかるでしょう。かなり厚いハードカバーです。二次元世界の惑星、二次元人の体構造、住居、飛行機、蒸気機関、コンピュータ、芸術、戦争(戦争は、敵味方先頭同士が屍を乗り越えて一騎打ちを繰り返す)そして宗教。非常に面白い本なのでお薦めです。
すごい!すごすぎる!!
暴走する仮想空間、遺伝子痕跡を追っての時空移動、進化の空白、知的異種属との種間闘争、人工的に大絶滅を誘発する謎の存在、遺伝情報を操作するスマートウイルス、三畳紀の軌道上の巨大な太陽レンズ、ペルム紀の、軌道リングで釣られた超伝導物質でできた極地ヒートシンク、磁場で会話するエウロパ人……・さまざまな謎が謎を呼び、壮大な生命史が今、明らかになってゆく……
最新の知識(本当に最新、最先端)と考証され尽くした設定、そしてバリバリのハードコアSF的展開!!
クラクラするほど、鼻血が出そうなほどすごいです。
「SFだ……これこそSFだ……・しあわせだぁ」
……・しまった。全話ビデオに録っておくんだった。
この先の展開も期待大。さて、シルル紀では、あの全脊椎動物の95パーセントが死滅したという、あの大絶滅は……・わくわく。