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June,3,1995

「戦時生活」

著者:
ルーシャス・シェパード
出版社:
新潮社
分類:
文庫,主流

最近、また「戦時生活」を読み返しました。

以前よりも細部に気が付くようになり、その筆力の具体的な部分を、冷静に分析しようとしています。

しかし、作品のメッセージ性は強力であり、何度も不意に泣きそうになりました。お涙頂戴な部分はかけらも無いのに。

相手の心の芯まで染み透るような、そんな作品が書きたい、そう思いました。

「野村昭嘉作品集」

著者:
野村昭嘉
出版社:
リブロポート
分類:
画集

衝動買いです。直後少し後悔しましたが、だんだん「買って良かったあ」と思えてきました。毎日ためすがめつ眺めています。

画集です。不思議な画風です。この作者は、26歳で、アパートごとクレーン車の下敷きになるという、日本で二番目にアレな死に方をしたアーティストですが、そんな事はどうでも良く、ただ作品の、不思議な質感がとにかく魅力的なのです。

機械部品を思わせるパーツを様式的に配し、巨大な質感を持つ、どこか生物的な物体。フレスコ画の壁画を思わせる雰囲気。わざと古びて制作された、荘重でありながら軽やかな作品たち。

以前小倉でも、この画集を見掛けており、その時は自分のイラストに、かなりの影響を受けてしまいました。その後本屋で見掛けなくなっていたため、手に入れる事ができて幸いでした。

ただ、印刷物であり、現物の質感には遠く及ばないだろうと思われます。

現物が見てみたいです。

「WIRED日本版 7月号」

著者:
WIRED編集部
出版社:
 同朋舎出版
分類:
雑誌,パソコン

扉にはデデデーンと「POST SYBER PUNK」の文字が。

やめてくれい。大抵この手の雑誌は壮大なカンチガイをかましてくれる。

WIREDは、ちょくちょくスターリングの文章なんか翻訳しているので、もう少し理解が有るかと思っていたのだが……

「SPEW」なる短編が掲載されていた。ニール・スティーヴンソン?聞いた事無いぞ。まあそれは大抵良いことなのだが、内容は……カス。

ギブスンの雰囲気と文体を不器用に真似ているが、自分の描写しているものを、正確には把握していない様子。世界構築をサイバーパンク・ステロタイプから借りて済ませており、メッセージ性も希薄。クズの中のクズといった感じ。

しかし、ただ、コイツによって、自分はムクムクと創作意欲が沸いてきました。クズは自分のハートを熱くしてくれます。

てめえら、ポストサイバーパンクとはなあ、こうっこうっ、こーだそう、こうっこうっ…………

「CAPE X 創刊号」

著者:
CAPE-X編集部
出版社:
アスキー
分類:
雑誌,パソコン

買って損しました。アスキーがこんなカンチガイ本作るなんて。

今時VR。記事は90年代以前からでもむりやりかき集めた代物で、91年のサイバーソンの記事なんて、今時掲載すんなよな……てな具合。

極めてコノ手雑誌風の作りであり、がっくりきました。

「惑星CB−8越冬隊」

著者:
谷甲州
出版社:
早川書房
分類:
文庫,SF

ファンの間で幻の作品と呼ばれていた作品が、とうとう再版。

谷甲州最初の長編であり、航空宇宙軍史の最初の作品でもあるのですが、なぜか年代的には最後の作品なのです。

えらく数字やスペック描写が多い作品で、まだ若いなァ、そう読んでて思えてきました。

しかし、甲州作品は寒い。昔からこんなに寒かったのか?

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