この秋最大のお薦め!!です。いや、今年最高のお薦めかも。
内容は文字どうり、火星探検。しかし、目的が、映画を撮るため、なのだ。
なにせ、NASAを始めとして、軍隊から郵政省から福祉局やら、政府機関が皆赤字で民間企業に身売りしてしまった時代。20世紀フォックスが海軍を買収しているし、ディズニーは国連を買収してしまう。宇宙開発は完全に停滞し、映画産業こそが時代の牽引車なのだ。なにせ、グリニッジ、ではなく、ビヴァリーヒルズ標準時である。
というわけで、挫折した火星探検と、完成しながら封印された火星船に、3流SFばかりを制作する映画会社が目を付け、ハリウッド俳優2人、密航者(懐かしい響き!)と猫1匹を含む撮影隊が出発するのだが…………
内容は、ロマン溢れる古典SFと、ビッスン流のジョークが入り交じり、例えば、火星に着陸したと、歴史的な言葉を地球に送るのに、電話を使うものの、うまくゆかずに、しまいには映画プロデューサーの留守番電話に吹き込む事になる部分など……・
知る人ぞ知るマイナーコミック「EVA・LADY」を知っている人なら、これとの落差におもわずにんまりしてしまうだろう。
(NASDAの人によれば、有り得ない話ではないそうである。有人の通話チャンネルはほとんど、普通の電話網への乗り入れなのだそうだ。この本、小型衛星開発を仕切るその方によれば、細かい点で良く出来ているそうだ)
妙な小説「世界の果てまで何マイル」や映画「JM」のノベライズやら、今脂の乗りまくっているビッスン、おいしいです。
経済危機の混乱の中、徹底的に略奪された船で始まるクルーズ。ガラパゴスにたどり着いた一行を除く人類は、長く続く戦争と疫病の果てに、やがて滅びへの道を辿り始める。
そして百万年後。大海の孤島で、人類は進化した。そう、皮膚はなめらかな毛で覆われ、手はひれに、そして、かつての人類の最大の欠点、巨大すぎる脳はちょうど良い大きさ、そう、数百グラムちょいに…………
この世の最大の問題点は、物事をややこしくし、混乱させる巨大な脳にあるとするヴォガネットの皮肉な主張は、確かに説得力があります。
これはフツーの本屋では手に入りません。でも、なぜか、宇宙センターの食堂の売店で購入。仕事がらの興味も有りますが。仕事がらみでなくとも、興味は大きいです。
内容はそりゃもう専門的ですが、こっちももういい加減専門家の仲間入りを果たしたので。オッケェ。しかし、SDIの末裔たる”ブリリアント・ペブルス”衛星だが、主さ6キログラム? すっげぇの世界です。
ロシアの軍用機の写真集です。
好きモンと呼んでくだせぇ。ああぁ、Tu-95の二重反転プロペラ、空母にたたずむSu-33、不幸なSTOL機「飛鳥」の生まれ変わりのようなAn-72、好きじゃああぁぁぁぁぁぁ……………………
(………………変態……)
戦車雑誌です。表紙のT−80で思わずGET。
「今月は大漁じゃあああああ、しあわせぇぇぇぇえええ」
(……………………………………………………超変態……)
今月は「21世紀のキーテクノロジー」とのこと。SFマニアとして、日々創作に取り組む(?)身としては、この程度の考察は当たり前。と、言い切ってしまいたいところ、ですが、まあ、結構読みではありました。
特に面白いと思ったのが、将来的には、CPUのキャッシュメモリは今後肥大し、CPUとの速度差を解消すべく、メインメモリすべて、CPUのパッケージにぶち込むようになるだろうとの予測。そうすれば、CPUの足も、たとえ64bit化しようが、少なくて済み、パッケージも小さくなり、マシン本体も小さくなるし、いいことづくめ。
来月はお待ちかねのカレンダーが付いてきます。