待っていた”ハッカーとアリンコ”が出ました。
最新のネタでブチ切れた話を毎度かましてくれるラッカーですが、今回のブチ切れ度はおとなしめ。マニアには少々物足りない出来ですが、却って”SFは初めて”という人にも安心して薦められる内容になっています。
ラッカーが現在、大学の数学助教授職をクビになり、西海岸でAutodesk社から給料を貰って人工生命で遊んだのち、どっかの大学でC++を教えている、というのはマニア筋では良く知られた話なのですが、その影響がバッチリ出てます。
主人公はまさにラッカーの分身。プログラマーなら思わずニヤリとしてしまうヲタな描写あり、以前の専門である高次空間の知識を垣間見せるシュールな光景あり、サイバーパンク作家らしい楽しげなリアリズム有り、「ルーディ・ラッカーの人工生命研究室」でお馴染みのアルゴリズム有りという具合。
ちなみに、この作品のメインアイディアである遺伝的アルゴリズムは、この作品に描かれているのとかなり似た感じで既に使われています。
短編幻想小説の大家ボルヘスの短編集です。素晴らしかった「伝奇集」(岩波書店)を思い出し、GET。しかしこう、まとめて読むと少々くどいです。どれもちょっとした博識がひけらかしのように気になるし、文体がそれほど効果を出していない(翻訳のせいか?)し。
1篇づつ、暇ひまに読み返そうと思います。
特集は反物質。私の属する”恒星間飛行研究会”では、他の手段は他の人がやっているから、という理由で恒星間宇宙船の推進方法を反物質推進に決定しました。
その関係で興味があり、今月は買いました。うーん、やっぱ、反水素300トンは無茶だ。どんなに技術が進歩しても、来世紀中には絶対無理。反物質さえ手に入れば、エンジンなんてラクショーなのに。
ところで、”正物質と反物質とでは、重力場を落っこちる速度が違う”という予測は、確か5年くらい前の日経サイエンスに載っていて、その当時半信半疑だったのですが、どうも本当のようです。
特集が「宇宙産業の離陸に向けて」現状、宇宙産業は細いです。超ショボいです。
当分離陸はムリ。少なくともH-IIAが打ちあがるまでは。ちょっと興味深いのが、リモートセンシング産業が立ち上がりかけていること。最近、小説ネタのために、”民間報道偵察衛星”のコスト計算をしています。最近衛星コストが大幅に変動してるので面倒ですが。
ヘール・ボップも順調に近づき、十月には肉眼で見られるほど光度が増すという予報を読み、新しい天体望遠鏡でも造ろうかと思案しています。
春先の百武彗星の感動もさめやらぬ先の巨大彗星ですから、気合いも入ります。今使っているのが、中学のときに塩ビパイプとラップの芯で作った6cm短焦点屈折。見え味、使い勝手共に満足のいく出来なのですが、やっぱもっと口径が欲しい。
とするとやっぱドブソニアンかなぁ……・と思っているのですが、広告の内容が中学の頃とは様変わりしており、冷却CCDだの、20cmシュミカセだのとやたらゼータク(私がビンボー性なだけか?)になっており、反射鏡の値段調べも一筋縄ではいきません。そうこうする内に、ウチの会社の広告発見。
「……コレって、売れてるのか?」
どうも、DVD-RAMが市場に出回るようになるのは相当に当分先のようですね。
規格どころか、それを支える技術すら未確定という現状では、出てくる頃には100Mビット毎秒の読み出しで10ギガのメディアが一枚780円、なんて時代になっているかも知れません。どっちにしろ、大企業のエゴと妥協の産物であるDVD、今のままでは容量、速度共に不足という気がします。
「ホーキングとペンローズ:論争「時空」の本質」「皇帝の新しい心」読んでペンローズが嫌いになったという、希薄な理由だけでこの勝負、私はホーキングの肩を持ちます。
「世界最強の永久磁石」私、この磁石、ネオジム磁石持ってます。5年ほど前に親父から貰い、以来コンピュータより遠く離れた玄関ドアに張り付いています。
確かに強力です。およそ1センチ立方の小さな磁石で、手のひらを挟んで数倍の大きさのフェライト磁石を吊るせるのですから。「ペルム期末の大絶滅の原因」脊椎動物の実に95パーセントを滅ぼした史上最悪の大絶滅、こいつの原因は小惑星衝突では無いことだけは分かっている模様。