帰ってきたのだ!スターリングが!!
ブルース・スターリングの、ハヤカワSFマガジンへの書き下ろし最新作「招き猫」はナイスだ。ネットによる好意の贈答のネットワークが、”合法的な、政府の認める規制経済を弱体化させている”近未来。スターリングの視点は刺激的だ。そしてディープ。
そう、スターリングはSFへ帰ってくるのだ。当然といえば当然の話なのだが、ギブスンがもはや”巨匠”(もしくは”じじい”)の仲間入りをしたことが明らかになった今、頼りになるのは彼だけなのだ。
そんなギブスンの、悲しくなるくらいにヘロヘロな新作の抄訳が載っています。
もうWIRED買うまいと思っていたけど、やはり私は骨の髄からのギブスン信者だったのだ……
ギブスンも昔は違ったんです。そう、長編「カウント・ゼロ」の初め100ページくらいまでは。かつて電撃的と称されたその文体も、今や3.45ボルト位にまで落ち、将来の技術革新のいかんによっては、最終的には1.3ボルト辺りにまで落ちるんじゃないでしょうか。
雑誌の残りの記事は……ふぅ。
最近になって、急にNASDA内でイントラネットの気運が高まってきているようです。仕事場の監督官氏やNASDAトップといった一番パワフルな層が自力でボードを立ち上げ、運用を始めています。
それにしても、WindowsNTでのサーバ運用って、かなり理想的かもしれません。
NTの頑強さは、まるでザクマシンガンを弾くガンダリウム合金のようです。そして、何といっても、Perlやcshなんて使わなくても、Delphiでも使ってEXE形式でCGI処理コードを書いてやればいいという点。これは感動です。特に信じられなかったのが、アクセスカウンタの一例。イメージ読み込みのタグで、COUNT.EXEなる自作プログラムを読ませるのです。でもってプログラムはHTTP形式で、配列のカタチで持っている画像データを標準出力に出すんです。それで動くんです。
しかし、当然のことながら、自分の契約しているダイヤルアップ業者ののサーバーはUNIX。自分のホームページにもアクセスカウンタやメール欄が欲しいのですが、となるとPerlかcshに手を出さない訳にはいかなくなります。
Perlって、cそっくりなのですが、うーん毛深いです。COUNT.EXEをPerlに移植してみましたが、動かず。まあ、当然か。大体、高価なCGI本を買わずに済ませようとするあたりがセコい。
毎年恒例のカレンダーはもちろんお勧め。今回のカレンダーの絵柄は、近年に無い高水準で、ちょっと嬉しいです。ただ、”今日の出来事”の内容が、今回は”慶長地震(1605)"(これは2/2)とか、”南極ボストーク基地で世界最低気温-89.2℃(1983)”(7/21)とか、地学系で地味ですが。
本誌記事の方ですが、「稲の起源と長江文明」ジャポニカ種の起源は長江文明だと主張しています。但し長江文明関連の記事は無し。
「地底微生物」地下数キロの深さの岩石中にも、生命は豊富に生存していたという話。もしかすると、地下には我々のまだ知らない生命圏が広がっているのかもしれません。火星の生命の可能性の話にも関わってくる話でもあり、期待。
「エクソン・バルディーズ号始末記」我々は、もしかすると、エコロジーというものについて、とんでもない誤解をしているのかもしれません。それは地球を相手にした、空前絶後の巨大科学であり、生態学者や行政やエコロジストの無知によって、いつでも悪夢へと変わりうるのです。