前作とは全く違う作品です。前作の、遠宇宙天体を巡る景観とニュートン力学の興奮を期待してはいけません。
しかし、面白い作品です。前作より個人的冒険が減ったくせに前作よりインディ・ジョーンズ風な主人公と、便利すぎる相棒のジュニアは無視しましょう。人間的過ぎる異星人も、おかしいと思ってはいけません。地球のどっかにある妙な国の話くらいに思うと丁度良いでしょう。メインアィディアは秀逸。こういう政治形態は良いかもしれない。
漫画「ジオブリーダーズ」巻中にて登場人物が読んでいた本、という理由で読む。表紙には要カバー。
序盤でサイコスリラー物のような展開をするホラー、ですが、工夫の無い物語展開とステロな人物造形が、読感に水を差します。
「ファイサム・エンジン」読みたいけどハードカバー。ということで、同じバンクスが書いたミステリを読もうと思う。以前、同じジョン・スラディックだからといって読んだミステリ「見えないグリーン」がハズレだったので、期待はしていませんでしたが……
凄い。斬新かつ衝撃的。バンクスの筆力を思い知りました。お勧めします。
主人公は新聞記者。ヤクは多少嗜むものの禁煙中。親友の妻との倒錯的セックスと同じ位、ハマるPCゲームが好き。謎のタレコミを追ううち、自分が昔紙面でこきおろした政財会の大物たちが次々と”法で裁けぬ悪を斬る”風の連続殺人の被害者となっている事を知る。自分の記事との一致によって疑われる主人公。取調室での執拗な尋問。やがて主人公は思い出す……
イギリスの政治に関する論議が、登場人物の会話の中に頻出しますが、この作品自体は政治色はゼロです。昔自分が常連だった、九州のBBSの議論を懐かしく思い出しました。日本では政治に関心が薄いと言われていますが、ここで登場人物が語るような政治に関する態度は、日本でも誰の心にもあるものだと思います。
ニュースに流れる不祥事に事件。それに”正義の鉄槌を下す”人間とは、どういう人間なのだろうか。それは正気のままで可能なのだろうか。正義の戦いは、どういう現実を生むのだろうか。狂った人間は正義を執行できるのだろうか。
クールな文体とエンタテイメント性を持ちながら、十分な重さを持った作品です。
最後に、あまり関係ないけど、作中に出てくるゲーム「デスポット」、自分もこんなゲームがしたい。ゲーム業界も、ギャルゲーやエロゲーばっか作っとらんで、こういうゲームを作って欲しい。
時は冷戦中、戦後の国際諜報戦の主流から次第に疎遠となり、じり貧となっていたとある政府機関。職員たちは、或る者は過去の栄光にしがみつき、或る者は新たに栄光を掴もうと画策する。そしてまた或る者は、その欲望と冷戦の現実が生んだ悲劇を目撃する……
昔の羽振りの良かった頃を懐かしむ人間たちで一杯の部署が、何か手柄を立てようと、激烈な戦場に割り込もうとします。だが、やがて彼らのあさはかさが明らかとなった時、一人の男を裏切ることとなってゆきます。
どんよりと曇った空の下を思わせるような、切なく悲しい文体で、登場人物たちの心のうちが吐露されますが、それが判るだけに、彼らの行為の愚かさが、どうにも切なく感じられます。
我々はこの愚かさとは無縁の存在ではありません。だから、読むべきです。
ある方に借りて、読みました。買わずに済んだことに、まず感謝。
帯でラディカル・ハードと謳われていますが、ハードSFではありませんし、サイバーパンクでもありません。多少の点に目をつぶれば、なかなか楽しく読めた作品でしたが、分類するなら「へんなの」(そんな分類アリか?)でしょう。
ストーリィは皆無。設定の説明で終わっています。設定を全部ひけらかさないと気が済まない、このテの作風は、サイバーパンクのアイディア過剰文体と良く混同されますが、後者は作品雰囲気のためにわざと説明を省いて、世界に遠近感を与えようとしているのであり、前者の、合体変形ロボットの誰も興味を持たない歴史年表付き素人設定を思わせる、寒い代物とは一線を画すべきでしょう。
設定も大嘘だらけだけど、二、三点を除いて(人工生命と人工知性を混同するってのは、ミジンコと人間を混同するよりひどい)まぁ目をつぶりましょう。アレを信用する人が出ないことを祈りながら。
出てくるガジェットが強烈に兵器ばっかなのはご愛敬。主人公の設定も笑って見逃してやりましょう。どっかで見たイメージに出くわしても、ぷぷっと吹き出すくらいで済ましましょう。作者があの若さ(昭和48年生まれ!)であんなジジ臭い思想に漬かっている点には、心から謹んで哀悼の意を表したいと思います。
最近流行の固有名詞がジャンルを問わず詰め込んでありますが、しかしとにかく、リアリティの無さは致命的。かけらもありません。もう一つの致命傷はイラスト。表紙といい挿絵といい、まともなセンスの持ち主なら耐えられないレベルです。
内容はヘロヘロなんですが、インパクトあるので、読んでおいても損は無いでしょう。ただし、読み終えたあとは、焚書に付す事を強くお勧めします。
ネット上では早くから噂になっていた本であり、期待に胸膨らませGET。
………………どこが大全なの?(泣)
本誌の最大のウリであるべき、「ヤマログ」の収録ぶりは欠落が酷く、完璧という言葉から遥かに遠く、スキャナで乱暴に取り込まれた紙面が涙を誘います(私の宝物、ヤマログ手拭いでそっと涙を拭く)。それに、当時のキれまくっていた馬鹿記事の収録は全く無し。「死者は便意を催さない」も「What is 伊豆?」も「M通」も有りません。言語道断です。で、つまらん「TechWin」「EYE COM」系記事にスペースを取っています。
今からでも良いです。作り直して下さい(哀願)。その時には、表紙にはデーンとぽげムたをあしらい、ヤマログ手帳を付けてあとラーメン。
何となく、しばらく読まないと寂しい雑誌、という位置にいるらしい。読めば裏切られること必至なのに。
メタルでクロームなカッコイイ表紙に惹かれてGET。表紙のヘンな顔は無視。
「技術立国−その悲しき幻影」日本の航空宇宙技術政策についてのその記事は大筋において正しいし、自分もその内容は支持します。但し、細部で間違い多し。ちなみにSPACE SERVERで指摘された間違いのうち、幾つかを見落としていました。私も勉強不足。
「ジャーマン・テクノの最前線」クールで良いです。文章良し、内容有り。こういうカッコ良さって、きっと、その筋の人から言わせれば嘘ばっかのダサダサなんだろうけど、でも、今号で一番優れた記事だと思う。
「山形道場」なるほど、別人だったんですね。
編集後記ですが、わーん、服部さんって、私今でもファンなんですよー(泣)
この本を読んで、全てが死ぬほどに笑えたなら、貴方は艱難辛苦をたっぷりと味わった古強者か、もしくは、もっとありそうな事だが、いまこの瞬間、辞表と履歴書の準備をしていることだろう。
自分は結構笑えた。ほとんど全部。まずい。今の仕事、結構気に入っているのに。
誰でも多分、面白く読めると思いますが、技術者以外に薦めるのはいまいち気が引けます。特に学生。もっとも、こんな未来が待っているという予言の書として、価値があるのかもしれません。
追記:ここで、これまでに連載された本家「Dilbert」が毎日分読めます。
実はこの姉妹編の「ヨーロッパ城郭編」も持っています。やっぱヴォーバン式っスね。防御戦闘のための幾何学。でも、どっちかというと、日本の城、それも戦国期山城が好みです。
それは、自然の地形を生かしながら、地形を改変し、弱きを補い、幾何図形を描いてゆくそのやり方が、日本の庭園の作りと一致する点が多い事……というのはタテマエ。本当のところは、名も知れぬ地方史に隠れた、そこらの山の掘割や曲輪の削平地、遺構も消えかけた横矢などに、つわものどもの夢のあとを感じてしまうからでしょう。
でも、結構、縄張り図なんか見るの、好きです。自然の地形を生かして、ちょっとした工夫で強固な要塞へと変える工夫なんかに見とれてしまいます。
てことで、好きなのは土塁と堀です。建物に興味無し。興味深かったのは、戊辰、西南戦争時の、会津若松、熊本の両城の戦闘について。近代戦について、日本はここで少しは学んだ筈なのに、後に旅順では、無謀な突撃などをやっている訳です。
今月は車づくめ。自分はあんまり興味の無い分野だが、ゆっくりゆっくりと絶え間無く続いて来た技術革新が、ようやく自動車の市場に形を取って現れてきたことを実感。
直噴エンジン、ハイブリッド化、エタノール燃料、フライホィール、そして自動運転。ただし、市場原理が、あらかじめこのうちの幾つかの選択肢を奪っているのは明らかである。恐らく自動運転は当分無理。だが、金をかけた知能化車は、すぐにでもメーカのウリになるだろう。
「コンピュータで渋滞予知」ようやく交通状態の計算機シミュレーションが現実のものとなった模様。現時点のシミュレーションでも、随分と役に立つだろう。
「移動手段の未来を予測する」人間の生活における移動時間の割合がほぼ一定の、一日当たり1.1時間、そして移動距離は所得に比例するという考察は恐るべきものがある。その他の考察の多くが北米基準で、少々納得のいかない部分もあるが、しかしこれは隠れた本能なのだろうか?
「メガネっ娘アリ」という事で、一部筋でチェック対象となっている本です。ということで私も(……何なんだか)。
やー、もう、細かいギャグが異様に笑えます。企画系のギャグはあんま面白くないのですが、ブラックメンネタとか、妙なペンション名とか、主人公とタッグでアホなヒロインとか、そんなのが、マジでラブでコメな(笑)展開の中に散りばめられており、ちょいお買い得感ありました。個人的には、二巻カバーのイラストがいろんな意味でツボ(笑)
さて、三巻がキャプテンコミックスで出ることはあるのでしょうか。
未だその偉大なる事業”市街征服”の成し遂げられていない某F岡市の書店にも、この単行本はならんだのでしょうか。噂ではOURSの供給さえままならぬ某都市ですが、それも市街征服の成し遂げられるまでの我慢です。
それまで、被征服民の皆さんは、この本を読んで、事業の進行を見守ってゆきましょう。……全然、進んでいるように見えないのですが。
単行本表紙は、隅の方で小さく情けない顔をしている主人公が画期的。カバーを剥いだ下にある”有り得ぬ絵ヅラ”は強力な違和感あり。
ストーリィ的には、宿敵、蒲腐博士の出現、市街防衛組織の結成と、風雲急を告げている筈なのですが、てっとり早いアルバイト探しに血道をあげてたりします。うーん、今時の青年層を活写した、問題作なのかも。
私は、お勧めする価値があり、それが不当な評価を受けていると感じている場合、とことんお薦めしまくろうと思っています。
アワーズは、個人的には「アフタヌーン」より評価高いです。連載陣が強力そのもの。あと御米椎氏さえ帰ってくれば……
今月の読みどころは帰って来た「HELLSING」平野耕太氏の三白眼の悪党キャラが黒バックで凶悪なバイオレンスです。氏の作品では馴染みの変な形状のナイフがいっぱい出てきて良。「エクセル・サーガ」エクセルが小金貯める壷がもうツボ。「TRIGUN」メリルはちょっとクールになってて、二年の間にいろいろあったのかなぁと思う。でも、ちゃんとボケてくんなきゃヤだ。来月はポスター!ポスター!!ポスター!!!
そして「ジオブリーダーズ」雨の景色の”冷たさ”が良。姫萩さんも良いかもしれない。決戦は神社?
……さて、”テスタメンツ”編は来月で終わるのでしょうか。
特集はミニチュアハウス。流行っているのだろうか?
今回特に見所無し。沓沢龍一郎氏の強力な作品を待望。さて、口白目白が、別ペンネームでエロ漫画誌に描いているとの事。誰だろうか。一、二人が思い当たるが。うーん
追記:口白目白の別ペンネームはOKAMAだそうです。なるほど。