ステレオ修理屋のレイは、父親が死んで二週間後、ステレオから、ビートルズの存在しないテイクが流れるのを耳にし、結婚生活がうまくいっていない事を悟り、自分と父親との間にあったものを消化しようと試みる。
彼がやった事は結局、録音した<ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード>を持ってLAに飛ぶ事だった。レイは存在しない、日の目を見なかったアルバムたちを形にしようと試みる。ジム・モリソン、ブライアン・ウィルスン、そしてジミ。
そして彼は、60年代に、音楽に世界を変える力があると信じていた時代、自分の失われた夢の時代に跳躍する。だがそれは、苦い旅路となるのだった……
現在「グリンプス」三度目の読み返しに突入しています。後半の殆どを占める、アダルトチルドレンなネタを除けば、素晴らしくロックな、最高級の90年代ファンタジーです。
リアリティと陰影溢れるミュージシャン描写は一読の価値あり。何故「グリンプセズ」では無いのだろうか。巻末の注釈が圧巻です。
個人的な趣味の話ですが、誰か、テクノな音楽SF、書かないものでしょうか。
音楽に世界を変える力があると、そう信じること、それを青臭い妄想と一言で片づけるのは間違っている。確かに、叶わない夢はある。だがこの、理想無き本音のみが幅を利かす社会で、無くしてはいけない夢、そして、再び取り戻さなくてはいけない夢というものがあると、そう言いたい。
個人的にはもう「巨匠」(=じじい)とみなしているウィリアム・ギブスン、そのギブスン評の本です。
エッセイ傑作選という五本のギブスンによるエッセイは読み甲斐有り。特に「わが友、ブルース・スターリング」は良。最後に収録された短編「段ボール都市13景」は、ギブスンに飢えたジャンキーへのカンフルだ。ただ、客観的に言うなら、パワー無し。
その他は、情報価値極めて小。
本を閉じて、少々悲しくなる、そんな本でした。
今月も懲りずに買ったのは、表紙の「日本の宇宙開発はここまで進んでいた!」の文字につられての事。字面に脱力感を感じてしまいました。内容は、全く日本の宇宙開発について知らない人向けの物。ただ、中程から数字や略号が頻発し始め、筆者が全然情報を消化していない事を窺わせます。宇宙センターの見慣れた写真が多く、一枚など、自分ん所の会社の人が写っていました。人物像がブレてて、誰だか特定できず。今や対外広告機と化した、古い六輪月面ローバー試験機の写真が、個人的にちょっと哀愁。
特集は「大人のためのアニメ・ガイド」おっきぃおともだちには常識の内容。特に読ませる点無し。劇場版スプリガンの話も無いし。しかし、山賀監督の「ジェット戦闘機の飛行をテーマにした物語を構想中」とは何だろう。「蒼きウル」は?「ウル」は?
正月早々の機器試験の為に、帰省ができなくなり、晴れてめでたく(?)冬コミに行ける事となりました。
ということでGET。表紙はやはりビビりました。
トライガンサークル3、平野耕太作品サークル1、エクセルサーガサークル1、そして……ジオブリサークルはただ一つしか確認できず(泣)
どこもまぁ、こんな小さなサークルカットから、よくぞまぁこれほどの妖気を発することができるものである。
しかし……ビッグサイトって、確かにツァイ○ル本社に見える……(笑)
私は五年おきに、新しい理科年表を買うことにしています。
これで三冊め。去年からとはともかく、五年前ともほとんど変わりないのですが、新品というのは参照する際にも気持ちがいいものです。
五年前と変わった点として、生体物質と地学関連が目立ちました。ヒト遺伝子座表は、もうあれ以上増えないのでしょうか。今年はトピックスとして、クローン羊ドリーの話題が取り上げられています。
「コンピューターウイルスVS.デジタル免疫系」コンピュータウィルスが、人の造りしモノである癖に、分子進化論的な分析手法が使える、という点が興味深い。バイナリコードの解析から進化系統樹が造れるのだ。そして多分、我々はコンピュータウィルス込みの環境、生態系としてコンピュータと付き合ってゆくこととなるのだろう。
そしてウィルスは、ソフトウェアと共に、共生的進化を遂げてゆくに違いない。「寄生バチが放つ生物兵器」寄生バチがイモムシに卵を産み付ける際、ウィルスを同時に注入して、相手の免疫系を弱らせるというのだが、このウィルスは寄生バチの遺伝子コードが生産するのだ。この記事では、ウィルスの起源について、衝撃的な推論を行なっている。
この記事全体が、コンピュータウィルスに対しても、重要な示唆を与えてくれる。
「冬眠物質を探す」SF者なら、是非チェックすべし。
さて、今年のカレンダーですが、暦上のトピックスが少々軟弱にも感じますが、絵柄は今年もGood。カレンダーなんて、こいつしか要らないやぃ。
購入後、まず確認したのは付録”トライガソドデカポスター”
Painterバリバリの絵柄を想像していたのですが、何となくアメージングな、ポップでキッチュな、いい味の絵で、早速壁に張っちゃいました。メリルのペケな口がGood。
集中連載「スタンダード・ブルー」近未来海洋冒険モノで、効果音の書き文字が山下いくと風で、少々笑っちゃったけど、いい感じ。舞台となる島の名前はヴェルヌの「動く人工島」のスタンダート島から採られている模様。押さえ気味の、だが細かい部分まできちんと描かれたメカ描写が好感。期待大。
「エクセル・サーガ」ヤロー三人酒飲んでコタツで横になって見る初夢は……爆笑。
やっぱ基本は、福○タワーより大きな巨大な像!ハイル、イルパラッツォ!
そして「ジオブリーダーズ」息詰まるアクション!カッコ良すぎる矢島隊長!カッコ良いぜ分隊長!銃撃音の書き文字で埋め尽くされたページがまず圧巻!
そして、バモス上でのアクション!凝ったアングル、ハイテンションな進行!カッコ良いぜタキ!化け猫達の服に見える血は何だろうか?
素晴らしいとしか言いようがないです。はい。