ただ、これは本当に運良く百武彗星が地球に大接近したためで、現実にはこの若葉台でも、星空は、今消えて行こうとしています。なぜ星空が見えなくなったのでしょうか。
大気汚染の少ない若葉台では、大きな原因の一つは、「光害」にあります。光害とは、夜空に向けられた人工の明かりが、空気中の水分やチリに乱反射して空を明るくし、星の光を見えにくくしてしまう事、その他、光が目に直接入り、視界を邪魔すること等があります。
人工の光には、街路灯、防犯灯、駐車場の照明等があります。もちろんこれらの照明は、住民の生活に無くてはならない大切なものです。問題は、照明が出す空に向けられた光にあるのです。本来明るくすべき地上のみならず、それと同等か、時にはそれ以上の光を上空に向けているのです。エネルギーの消費量から見れば、少なくとも30%以上のエネルギーがこの上空へ向けられた光となり、無駄になっている(資料: なぜ175W水銀灯が良くないか 参照)ことになります。
詳しくは、同封いたしました資料にて、説明しておりますが、ここでは、この光害をこれ以上悪化させない為に、また改善するために次の提案のご検討をお願いいたします。
若葉台で今後、建設予定にある建物周辺の照明と、今後保守交換する照明器具を、光害を出さないタイプにする。尚、保守交換につては、管理センター殿のご指導を御願いします。 新しい建物の防犯灯等についても、適切な傘をとりつけるか、タイマー等を設置し、点灯後何分か後には、自動的に消灯するタイプとする(資料: 光害とその対策について )。商店街の照明、広告塔についても、出来るだけ上空へ光の出ない工夫をする。
これらの提案は、一見初期投資が大きく見えますが、資料にも説明させていただいた電力コストの低減を考えれば、住民も管理組合も恩恵を受ける事、また、住民の安全と生活を犠牲にする訳でもありません(夜間照明を犠牲にするわけではありません)。
若葉台は、豊かな自然に囲まれ、近隣にホタルの生息地、貴重な植物等も残る横浜でも他にはない環境にあります。この環境の一部としての星空、星空の見える街づくり、自然の恩恵をはぐくむ街、これを横浜市内で実現できるのは、素晴らしい事では無いでしょうか。またこのような対策が直接省エネルギー、環境の保全にもつながります。宜しくご検討を御願いします。
最後に、1997年の3月には、新たな彗星、ヘールボップ彗星が訪れます。この大彗星を管理組合の方々にも、是非この若葉台でご覧いただけるよう準備し、お待ちしております。
若葉台の照明の問題点
注:ここでは、あなたの住んでいるコミュニティーで問題となる照明の実例写真を添付します。例えば下記の様な写真です:
環境にやさしい照明器具及び正しい照明の手引き
注:ここでは、実際に応用できる照明具の実例写真、図面を添付します。インターネット上では、 NELPAG からの図面を入手出来ます。
この資料の著作権は、わかばだい天文同好会にあります。非営利の目的で、光害の対策に役立つなら著作権を明示した上で、自由にコピーし、配布して下さい。