増殖基調
(05/2)
[文=粥川・高橋洋氏,写真=粥川,鈴木淑子氏]
 恒例の新春囲卓の会は1/30-31、伊豆熱川温泉
 にて開催。今回もレギュラー面子の欠席が相次い
 だが、本「囲卓の会」理事長・高橋洋氏の奔走に
 より、鈴木淑子(NI88)、宮川稚加(NZ88)両氏が
 初参加。更に郷治知道氏(TO87)の00/1以来の復帰
 ・温泉シリーズ初登場、挙行ギリギリに決まった
 田中祐美子氏(NZ88)の新参入により、2大会振り
 2卓連動が成立、03/4以来の参加者二桁(12名)
 を記録することとなった。

今回とくに勇名を馳せたのはまず新顔の田中氏。
 行きの踊り子号で矢野酉太郎氏に「平和(ピンフ)
 とは何か」の講義を戴く状況にも
 拘わらず果敢に正規卓に陣取り
 石塚正則氏(NA88)の深夜登場迄、
 手空きのメンバー総出の助言に
 頭を悩ませながら(?)、花岡道世
 氏共々貴重な二軍構成員を努め、
 結果は認定初心者制度の恩恵にも
 預かり8位となったが、待時間を
 風呂や仮眠に充てる特典のオマケ
 まで付いた一軍陣を余所に、単身
 深夜迄打ち続けた。その敢闘精神
(左)5年前の過激派スタイルから今般移動時の睡眠対策で完全防備
に変貌した郷治氏 (右)いざ出陣
 は初局では半荘3時間を超え正に消耗戦の様相を呈しながら
 競技に慣れるに連れ速度も向上、次回以降の本会拡大への
 大きな指針となる模範姿勢を見せた。(左;田中氏と石塚氏)

また既に本会参加が6度目となる花岡道世氏もほぼフル出場
 の7半荘参戦にて2着3度の健闘。立直一発ドラ7の今大会
 最多翻和了を記録するなど成長の跡を発揮し、石塚氏到来後
 は田中氏に替わり初心者競技者枠を守っての7位。閉会後の
 本会常任理事会では本競技者昇格が確実視されるに至った。
更には競技参加こそ至らなかったが新規参入の鈴木・宮川両
 氏、前回に次ぐ参加の梶原真紀氏(KG90)には、これも恒例と
 なった高橋理事長の麻雀講座が開講されたが(右写真)、花岡
 氏から遥か後輩の小鴨達には「師匠の選択が重要」との指摘。
 競技プロはだしの矢野・石塚両氏に対し、名「レッスンプロ」
 高橋理事長への賛辞に他ならなかろう。これを受け宮川氏は
 「チャック(花岡氏)が2年なら、自分は4年かけて鴨に」との
 殊勝な弁。一方で観戦中の鈴木氏は「この辺りに3つ真っ白
 な牌が並んでない?」との高橋理事長の誘導尋問に、「真っ白
 じゃない」といきなり告白すると(注:花岡氏所有牌は欧米仕様
 のため"白"に"WHITE"と赤く標記)直後に理事長側に歩み寄り、
 「見えるの?」との名言に一同爆笑。新たな潮流を予感させる
 に十分な2日間だったと言えよう。

競技は本会実力No.1の矢野氏が飛び出し、これを粥川が追う
 展開。粥川は前回の最下位から本会常任理事会議長職の辞職を
 余儀なくされ、今回"優勝またはそれに準ずる成績"なら復帰と
 丸で横綱審議会を前にした魁皇の如き条件下、背水の陣の戦い
 となったが、23時登場前から
 盛んにその破壊力を喧伝され
 郷治氏も恐れをなした(?)
 雀士・石塚氏も出場二荘目
 から3連続トップで三つ巴の
 争いに。この中で矢野・石塚
 両氏との直接対決にはともに
 敗れながら、両氏が粥川不在
 の卓で何故かハコを被った
 ことから、前半の貯金を辛く
 も守った粥川が他力本願にて
(左)熱川の海をバックに (右)バナナワニ園にて
 8大会振りの優勝を果たし、横審を待つまでもなく常任
 理事会議長職への復帰を確実とした。

ベテラン郷治氏は久々の卓に戸惑ったか、或いは女性陣の
 毒気に当てられたか、田中・花岡両氏と「二軍の主」と化し
 6位。石塚氏の猛攻を浴びハコを重ねた戸矢博明氏(TO89)
 が終盤転落、初心者二氏にも水を明けられ新潟に次ぐ
 最下位。第一半荘での飛びから根気よくポイントを重ね、
 時間短縮で最終局のみ採用された割れ目を活かして石塚氏
 を飛ばした林義隆氏(NA88)が二位に座った。
終了後はバナナワニ園を散策。熱帯をイメージしたのであろう、その秀逸なネーミングに
 気おされたか、入場料千円への郷治氏の呟き「そんなにするのぉ」に一同思わず頷くも、
 バナナとワニこそいざ知らず、レッサーパンダにオオオニバス(上写真)と存外の充実振り
 を満喫。早退の粥川に替わりカメラ片手に縦横無尽に駆け回る鈴木特派員の奮闘が光った。

今般は遂に総勢の丁度半数6名を旧名古屋勢が占めるに至り、東海道・或いは中央本線の
 東京・名古屋間を結ぶライン上という開催地域も定着してきた。次回は記念すべき温泉
 麻雀シリーズ第10回を数え、04/1以来2度目となる三卓制実現を期したい。