2003年10月4日(土)、つなぐNPO「観客の学校」主催第3回「ミュージアムの通信簿/エヴァリュエーション・ツアー」を開催しました。会場は茨城県水戸市の水戸芸術館。この館は、ギャラリー、コンサートホール、劇場などをもつ複合施設で、ギャラリーには常設展会場をもたず、企画展は現代美術に特化しているという、特徴ある館です。
初めて東京を離れるにあたり、万全のお出かけ情報をと、スタッフ一同はりきって「水戸便利帳」なるものをサイトにアップし、水戸行きに備えました。今後水戸にお出かけになる際にも、ご活用いただければ、と思います。(水戸便利帳へはこちらからどうぞ。)
今回のツアー参加人数は、スタッフも入れて24名でした。また今回は「日程が合わない方には、通信簿をお送りします。」と呼びかけたところ、10名の方からお申し込みがあり、ツアーの日よりも早く、記入した通信簿を返送してくださった方もありました。
当日は、次回展「YESオノ・ヨーコ」展のプレス会見の日と重なったにも関わらず、水戸芸術館の皆さまには、本当に細やかに対応していただきました。また偶然、中庭でヨーコさんをお見かけする場面もあり、ツアーのメンバーは大喜びでした。
結婚式披露宴で貸切になったいたため、レストランのランチ通信簿が書けなかったのは少々残念でしたが、水戸芸術館近くの中華レストランで、14名がいっしょにランチを楽しみました。
「こもれび展」では、ギャラリートーカーさんのトークを堪能しました。今回のツアーに備えて5人のトーカーさんが待機してくださっており、参加者は4、5人ずづの少人数グループに分かれて、個性の光るギャラリートークを体験することができました。通信簿には、ほとんどの参加者が、ギャラリートークについて何らかのコメントを記入されています。専門家ではなく、観客のひとりというスタンスでのギャラリートークに、親しみやすさを感じた方が多かったようで、好意的な評価が集まっています。また、「欲張りな要望かもしれないが」としながらも、「もっと突っ込んで(観客に)質問してみてもいいのでは?」と、さらなる充実を求める声もありました。
ギャラリートークのあと、「こもれび展」担当学芸員浅井さんのお話を伺うことができました。浅井さんはお忙しいにもかかわらず、参加者からの質問にも丁寧にお答えくださいました。最後に山本理事長から出された、「あなたにとっての観客像は?」という質問には、「正直に言って、水戸芸術館開館当時は『東京の専門家』を観客としてとらえていたが、今は違う。地元の一般的な人たちのことを観客だと思っている。しかし非常にゆれている部分もある。現代美術に興味がある人もいればそうでない人もいる中で、どんな人たちを『観客』ととらえるかは、とても難しい。」と、率直にお答え下さったのが、とても印象的でした。