1998年の出来事


高齢化と眩しさ
光害の原因と光の角度について
しし座流星と照明改善
第一回 SAFE Nights 10月21日(米国の活動)
塩尻市の子供達が星空眺め光害調査
日本道路公団との話し合い
無くさなければならない障害光
横浜市の照明改善
IDA十周年総会報告
室蘭市白鳥大橋ライトアップについて
日本道路公団フルカットオフ器具を採用
富士山に天文公園を作ろう(報告)
神奈川県からサーチライトを無くそう
光害防止委員会のホームページ完成
「高山村の美しい星空を守る光環境条例」
望遠鏡製作(ATM)のリンク
神奈川県知事よりの回答
屋外照明の実体調査−横浜市(その2)
米国司法省、街灯と犯罪の調査
照明改善について神奈川県知事への手紙
光害対策ガイドライン策定に関する質問
省エネが進む世界の照明
光害通信の配信について
環境アセスメント制度にあなたの意見を
ミシガン州光害条例が下院を通過
速報: イタリアの光害防止条例案
わか天「星空観察会」と イトーヨーカ堂 の協力
栃木市星野遺跡の夜間照明の改善依頼
照明改善のビデオ「星を見つめる」

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高齢化と眩しさ

光害を防止することは、ギラギラや眩しさのないやさしい照明を実現すること につながります。つまり光害対策をする事と「快適な照明環境を作る」事は、 同じ事です。
年齢を重ねるにつれて、人間の目は、眩しさに極端に弱くなると言われていま す。専門的にも、「グレア源となる光原によって、著しく視機能が低下する」、 「視野内に輝度の高い光源や照明器具があると、高齢者は、若年層に比べて減 能グレアや不快グレアを強く感じる」と言う報告が上がっています。(電気設 備学会誌1997年No.3)これは、加齢につれて、目の組織の色々な欠陥が増え てくるが一つの原因です。
アメリカの例では、65から70歳を越えると、特に眩しさに弱くなり、夜間 の外出や運転に支障を来す報告があがっています。これは、決してアメリカだ けの問題ではありません。白内障を病んだある人の例で、目を手術し、人工の レンズに取り換えたあと視力が回復しても、決して夜は運転しないそうです。 夜間の眩しい照明(勿論適切に傘がついていない照明が原因です)がどんどん 増え、眩しくて、夜間の運転を諦めたという話を聞きました。
私たちも、眩しさや、ギラギラについて、もっと調査してみる必要があると思 います。身近な方で、もし、私たちの先輩であるシニアがおられれば、是非話 を聞いてみて下さい。情報をお待ちします。
屋内照明でも、屋外照明でも高輝度の光源や照明器具を視野内から除去するこ とによって不快グレアを防止することが重要です。眩しさを抑えたフルカット オフ(水平以上に光を出さない)照明器具を使う事が如何に大切かという事が 分かってきました。光害通信No.48で、水平以上に光を出さない照明器具は、 光害を防止するためにも必要な事を紹介しました。照明の改善は、高齢者の為 にも求められることです。

12月19日


光害の原因と光の角度について

Copy Right (c) 1998, Shigemi Uchida

人工照明から水平以上に出る光が、大気による散乱や吸収を受け、光害が起こ る事は、良く知られています。ただ、照明から全方向に出る光が同じように影 響しているわけではありません。その影響の程度には、光の出る角度が大きく 関係しています。
直感的には、照明から真っ直ぐ上(鉛直角180度−注参照)に向かう光が最も 影響すると理解され、その近辺の光を防ぐ事によって、光害の原因を無くせる と考えられるかもしれません。しかし、この考え方には、(1)光が通過する大 気の量に応じて光の減光(散乱と吸収)が起こる事及び、(2)光源から出る光 の量と角度の関係、さらには(3)実際に使われているランプから全方向に均一 な光束が出る訳では無いことが考慮されていません。
注:おもりをつけた糸が垂れ下がる方向を鉛直角ゼロ度とします。

まず、大気による光の減光は、恒星の光度がその星の位置(高度)によって影 響を受ける事で良く知られています。星が天頂にある時、最も明るく見え、高 度が下がるにつれて、減光し、地平付近では明るい星を除いてほとんど見えな くなります。大気による減光については、理科年表や天文年鑑に出ている、減 光量の表で求められます。実際には、天頂方向で起こる0.2等級に相当する減 光を考慮し、次の様になります。


高度    鉛直角  減光量(等級)  減光量(%)
90度 180度 0.0 + 0.2 17
45 135 0.09 + 0.2 24
30 120 0.23 + 0.2 33 |
20 110 0.45 + 0.2 45 |この30度の間
10 100 0.98 + 0.2 66 |に上方向光束の
5 95 1.67 + 0.2 82 |50%がでます。
2 92 3.1 + 0.2 95 |

上の表を地上に設置された照明器具から出る光にも適用することで、照明器具 から、真っ直ぐ上に出る光よりも低い角度で出る光の方が、より大きく大気の 散乱や吸収を受ける事が分かります。水平より20度で約50%、10度では 70%、5度では、約80%の光が大気による散乱と吸収を受けています。 30度以上の角度で出る光の2〜5倍も大きく光害に貢献している訳です。

次に、光源自体から出る光の量は、光源を点光源とすれば、鉛直角90〜120度 (高度では0〜30度)の30度の間に上方光束の50%、鉛直角120〜180度(同 30度〜90度)の60度の間に残りの50%の光束が出ます。このことからも、低 い角度で出る光が、さらに大きく光害の原因として影響することが理解できま す。

次に実際に照明に使われているHID光源は、理想的な点光源では無く、紡錘状 の細長い形しています。この紡錘状の光源が垂直に設置される照明器具では、 漏れ領域と呼ばれる鉛直角60〜120度の間に多くの光束が出ることを更に考慮 しなければなりません。

以上3点の事から、照明器具から水平より上に0〜20度(鉛直角90〜110度) 或いは、水平から上に30度(鉛直角120度)の近辺までに出る光束がそれよ り大きな角度で出る光束よりも、光害に大きな影響を出すことが理解できます。 勿論この角度で出る光束は、建物や樹木で遮蔽される事も考慮する必要があり ますが、それだけでは決して無視できない、理由がここにあるわけです。

そして、照明器具から低い角度で出る光は、遠くまで影響を及ぼします。角度 20度で出た光は、10km先で高度3.6kmに達し、10度の角度では20km 先で高度3.5kmと、ほぼ富士山の高さになります。都市にある膨大な数の屋 外照明から、低い角度で出る光の影響が遠くまで届く事が分かります。事実、 東京から遠く離れた富士山では、都心やその近郊の街の光芒が、地平から目で 確認出来るだけでも、30度以上まで観測できます。我が国で初めて照明条例 が施行された岡山県美星町でさえ、南東の空は、約20km離れている臨海工 業地帯の光害の影響を受けている事は否めません。つまり、「都市部の屋外照 明改善」、しかも低い角度で出る光の改善が必要であることも大変重要な点で す。
今、私たちの周りでは、頻繁に開発が行われ、屋外照明はまだまだ増えて行く 傾向にあると思います。これら新設の設備で適切に上方向を制御しない限り、 増えつづける屋外照明の中で、光害は、減少するどころか確実に増えて行きま す。
道路照明、街灯、安全灯、防犯灯、夜間灯などは、上方向に光を向ける必要は、 全くないこと、同時に上方向の光束を制限することによる、漏れ光や障害光の 低減に寄与するメリットが生まる事、適切に設計した効率の良い反射板の取り 付けにより、ランプ出力を小さくできるメリットも生まれてきます。この様に、 光害をその根本原因から良く理解し、対策を実施することは、同時に二重、三 重のメリットを生む事が分かるのでは無いでしょうか。まさに国際ダークスカ イ協会のDavid Crawford会長が述べるとおり、誰もが利を得るWin-Winを実 現するのです。そして誰もが実施しなければいけない事では無いでしょうか。

参考文献:
光害対策ガイドライン(環境庁)
電気設備学会誌1997年1月号
天文年鑑(誠文堂新光社)
Light and Color in the Outdoors (M.G.J. Minnaert, Springer)
Sky & Telescope 1996 November
ライティングハンドブック、オーム社

12月18日


しし座流星と照明改善

11月17日の深夜から18日朝にかけ、沢山の方が富士山2合目付 近にある水ヶ塚公園を訪れ、しし座流星を楽しんでいました。
富士山の空も光害の影響でかなり明るくなったとは言え、水ヶ塚で見 える天頂付近から西にかけては、天の川も見え、6等級に近い星が確 認出来ていました。そして特筆すべきは、公園の夜間照明がほとんど 消灯されていた事です。公園の入り口とトイレ付近の3本くらいのナ トリウム灯が点灯されているだけで、残りの照明が全て、駐車場だけ では無く、周囲の公園でも消灯されていました。
駐車場の周りにある広場では、沢山の人が寝転がって空を見上げてい るのが印象的でした。もしも照明が点灯されたままだったら、見上げ た視界に眩しい照明がありますから、とても流星を楽しむことは出来 なかったはずです。
また、富士山の近くで一番明るく光害の原因になっていた東名高速足 柄パーキングの照明が少し改善されている様でした。以前は、足柄か ら強く眩しい光が直接二合目付近まで届き、邪魔になっていたもので す。
さて、これらの照明の消灯や、眩しい光の改善に1人の天文家の力が あった事を知って下さい。粘り強く、公園を管理する静岡県と交渉し、 少なくとも登山シーズンが終わる11月からシーズンが再会する3月 まで、公園の照明を消灯することを訴えたからです。東名の照明につ いても、日本道路公団との数回にわたる交渉の結果、改善があったも のです。
この成果の鍵は、照明の改善を「エネルギーの無駄=税金の無駄使い」 と「眩しさの改善」、「ギラギラの無い快適な環境」と言う、誰もが 理解し、そして誰にも共通の問題として訴えた事にあります。登山の シーズンオフに誰も訪れない公園の夜間照明を消すことを提案したも のです。
星空の問題だけでは無く、照明の持つ多くの課題を正確に伝える事で 最後には、積極的な理解を得ることが出来たものです。
本人も、自分の力で改善した空の下で眺める星空、そして、しし座流 星を眺める事が出来たのは、本当に満足の行くものだったはずです。 同時に何千人もの人が同じように楽しんでもらえたことは、よりうれ しいことだったはずです。
誰もが理解し、誰もが得をする、的確な照明改善を通して光害を少な くする活動が沢山の場所で実る事に早くなるよう、彼は、流れ星にも 祈っていたようです。

11月18日


第一回SAFE Nights 10月21日(米国の活動)

アメリカで計画されているSAFE Nightsを紹介します。
我が国でも、光害と照明の改善に関心のある人が実行出来る内容です。 コミュニティの中で出来る小さな改善目標を定め、実践してみましょう。

第一回SAFE Nights 10月21日(米国の活動)

「責任ある照明をコミュニティにもたらす」
第一回の「星は誰の為にも:Stars Are For Everyone (SAFE)」の挑戦を10月 21日水曜日、ちょうどトーマス・エディソンが電球を発明した日に、祝う事 になります。
SAFE Nights の焦点は、私たち一人一人ががコミュニティの中で屋外照明を改 善するために、一つ簡単な目標を決め、それを年末までに達成することです。 SAFE Nightsは、Stephen James O'Mearaにより、発案され、Sky & Telescope誌 とIDAがスポンサーです。
例えば目標としては;

あなたの住まいの屋外照明を改善し、近所での良い実例を作る
会社の屋外照明がどの様に改善できるか、あなたの雇用主に提案する あなたの子供の学校で光害のプレゼンテーションを行う

ポイントは、あなたが立ち上がって一つの小さな目標を達成する事を通じ、意 識を広げると同時に変化を作り出せる事を示すことです。さあ、やってみまし ょう!成功の知らせをどうぞ連絡して下さい。

10月16日


塩尻市の子供達が星空眺め光害調査

塩尻の子供達の活動を紹介します。8月29日のNHK BSには、星空を守る会 会員が二人(塩尻市−百瀬氏、横浜市−内田)指導員として参加します。是非 ご覧下さい。

星空眺め光害調査(塩尻市民タイムス誌,8月13日)

街灯で星が見えなくなる「光害」について実態調査をした、塩尻市の塩尻児童 館の児童は、十一日夜、市内でライトダウン活動をし、市役所屋上で消灯前後 の星空の違いを観測した。世界の子どもたちが地球環境問題に取り組む姿を紹 介するテレビ番組「エコキッズ・第一回ぼくらにまかせて」(仮題)の撮影の 一環。この日で撮影を終えた。児童は、事前に、光害が星や動植物に与える影 響を勉強し、市街地の現状を調査。市内の事業所に観察日のライトダウンを呼 びかけてきた。
この日、市役所周辺の街灯のスイッチを自分たちで消し、屋上では児童代表が 大型店に「これから星を見るので、電気を消してください」と携帯電話で要請。 ライトが消えると「さっきより、星が増えた」と違いを確認する一方で「まだ 明るくて、少し物足りない」といった声も。
子どもたちは天の川や織り姫、ひこ星を観察した後、願い事の短冊をササに飾 った。「塩尻の町が今よりたくさん星が見えるようになりますように」「必要の ない光をなくし、光害のない塩尻市にしたい」など環境問題への思いを書いて いた。
同番組は二十九日午後九時−十時半、再放送は三十日午前九時−十時半、NH K衛星第一放送で放映される。

8月26日


日本道路公団との話し合い

東名高速道路の施設を管理する日本道路公団第一管理局を訪問し、足柄パーキ ング、横浜料金所などの照明について相談しました。照明施設を実際に設置し たり、保守する直接の部門であり、ここで貴重な意見交換が出来ました。

注:尚、今回の話し合いは東名高速道について、星空を守る会−横浜が参加し ました。中央道については、JHの第三管理局(八王子)が担当されています。 中央道の問題について話し合いを希望される場合、協力が出来ますのでご連絡 下さい。

簡単に報告します。

星空を守る会から意見提出;
(1)照明環境問題のプレゼンテーション実施:会員の作成したスライド、IDAの スライドを使い環境問題としての照明を説明
(2)照明調査報告:スライドにより会員が調査した東名高速道の照明の実態、改 良案を報告

意見交換;
良質な照明は次の三点を実現するものとして話し合いました;
「視認性の向上」−明るさは一つの選択肢でしかないこと、眩しさの低減、明 暗順応を考慮する必要があること、
「障害光の低減」−照明環境設計の必要性、域外への漏れ光の削減、光源が直 接見えない工夫
「省エネルギー」−効率化、交通量に応じた消灯・調光

特に、照明環境設計の必要性については、両者とも充分理解し合う事が出来ま した。明暗順応については、明るく照明されたPAや料金所を出る時点でドラ イバーが一時的に視力の低下が起こる(暗順応の遅れ)ことを主張し、JH側に 資料を渡しています。

日本道路公団の回答
東名「足柄パーキング」及び「横浜料金所」の照明については、漏れ光を少な くする検討を実施する。具体的には;
(1)投光器の方向を下げる
(2)ルーバーの取り付け
(3)器具の交換
などに付いて調査していただく事になりました。

その他
JHでも省エネ、障害光については、解決を模索しており、外部からの意見も貴 重であること。(色々な意見があるとの事です)器具、ランプ等の経済性、外 国メーカ(仕様、寿命、価格)との比較などについては、IDA日本セクションと して情報の提供が出来ること。
低圧ナトリウムに代わって、高圧ナトリウムの使用が検討されていること。こ れは、低照度の環境下では演色性の良い光源の方が視認性が向上することが分 かって来ているからです。これについては、IECの研究でもある照度以下では、 メタルハライドの方が演色性が良く、高圧ナトリウム等に比べ視認性が向上す る報告もあります。ただ天文家にとっては、高圧ナトリウムの使用は、写真撮 影に影響があり、問題は残ります。

8月16日


無くさなければならない障害光

横浜市で活動するわかばだい天文同好会のホームページに新しい光害対策の資 料を追加しました。題名は、「無くさなければならない障害光」としています。 この資料は、先に紹介した資料「正しい照明について考えましょう!」と同じ ように配付資料として利用出来るように作成しています。ご利用ください。 URLは;

http://www2a.biglobe.ne.jp/~wakaba/local30.htm

「正しい照明について考えましょう!」は次のURLにあります;
http://www.darksky.org/ida/index.html

「屋外照明が障害になっている?」、「本当にそんな事があるのでしょうか?」
誰もがこのような疑問をもたれるかもしれません。

私たちが毎日目にし、利用している多くの屋外照明が障害になっているとした ら大きな問題です。私たちは、もう一度しっかりした目で屋外照明を考え、見 直してみる必要があるようです。

7月17日


横浜市の照明改善

横浜市民が市に提案を続けている照明の改善について、高秀秀信市長より回答 がありましたので紹介します。この中では横浜市も環境庁の光害対策ガイドラ インを踏まえて、全市的な検討を進めること、及び「快適な視環境の確保」に 取り組むとされています。
21世紀に向けて発展する国際都市横浜の照明改善を市と市民が力を合わせて 実現する第一歩が踏み出されました。

高秀秀信横浜市長よりの回答(市長への手紙旭第5372号)

 日ごろから市政にご協力いただき、ありがとうございます。
 返事が遅くなり申し訳ありませんが、お手紙と電話でお申し出のうち、全市 的な照明の改善及び道路照明の改善について、別紙の通りお答えしますので、 ご理解をお願いします。
 なお、自転車の保管場所や地下鉄施設などでの改善については、後日お答え しますので、ご了承ください。

平成10年7月6日

(別紙) 1 横浜市の照明の改善について

 御提案のありました本市の照明の改善などの方向性については、光害、省エ ネルギー、都市のアメニティなど、さまざまな観点から考える必要があり、今 後、まず、環境庁の光害対策ガイドラインを踏まえ、将来的な方向性について、 市内部で検討を進めていきます。

2 道路照明灯の改善について

 道路照明灯は交通安全施設として、夜間の交通事故防止を図るために設置し ています。
 照明器具については、原則として水平以上に光を出さない「ハイウエイ灯」 を採用していますが、山手外国人墓地前通りや横浜駅東口広場などには、地域 の景観を考慮したデザイン灯を採用しています。
 道路照明灯の設置にあたっては、今後とも照明の目的や用途に応じて適切に 器具を使い分けていくとともに、壁面を照らすなど不適切なものや上方光束が 多いデザイン灯については、遮光板をつけるなどの当面の対策を検討していき ます。
 このほか、先にもあげた省エネルギーや障害光の低減など「快適な視環境の 確保」に向け取り組んでいきたいと考えています。

7月9日


IDA十周年総会報告

IDAの十周年総会が五月にツーソン市で開催され、その報告がIDAより発表され ています。ここにその一部大要をお伝えします。詳しくは、 IDAのホームページ: http://www.darksky.org/ida/index.html を参照願います。
この会議は十周年と言う節目を祝うものでもあり、会議の最後にDave Crawford 氏が行った「閉会の言葉」にその意義が集約されていると言えます。前後が逆 になってしまいますが、その「閉会の言葉」からまず、お読み下さい。

     閉会の言葉− Dr. David L. Crawford, Tucson, AZ, Vice Pres.
私たちは、今10周年を迎えています。この最初の10年は偉大な時でした。 それは苦労の時でした。私は、個人的な努力を25年前に始めまています。
1970年の事です。沢山の時間と努力そして個人的な出費が必要でした。最近ま では、本当に活発な仲間は僅かしかいませんでした。しかし、フラストレーシ ョンの代わりに、良いことが沢山起こった素晴らしい時間でもありました。

多くの事が実現できました。この朝の会議や、これまでのIDAのニュースレター でもそれについて知ることが出来ました。
私たちは、ちょうど角を曲がった所です。しかしながら、加速する為に持続す る必要があります。会員の増加、同胞や手伝ってくれる人、この問題とIDAを知 ってもらうこと、行動すること、そして無力症や無関心はもっと一般的でこれ を克復することです。しかしながら、曲がり角は、確かに越えています。そう ではありませんか?

問題を知ってもらうこと。解決方法があること。それらが有効であること。誰 もが利を得ること。
むき出しの電球を見せ、話してみることです。
これからは、偉大な10年間になるでしょう。そうではありませんか?
どうもありがとう。全てのIDAの会員へ。私たちは、あなた方全てを必要として います。沢山の増え続ける支援者、S&T誌の素晴らしい貢献そしてそれによって 啓発された支援者の皆さんへ。David Levy氏の昨夜の素晴らしい話へ、そして 彼のその他の努力へ。会議に参加してくれた全員へ、EPAの広がりつつある感心 へ、そして良質な照明の例を見せていただいた照明メーカの代表へ。
支援を続けて下さい。良い啓発になるはずです。声を上げて下さい。誰をも何 処でも教育してください。仲間を育て、会員を増やす支援もお願いします。 資金集めにも協力して下さい。
もう一度、本当にありがとう。

            IDA十周年総会の概要報告

IDAの十周年総会がIDA事務所とツーソン市のシェラトンホテルで5月15から17日 に開催されました。約50名の参加があり、内容は興味深く、色々なプログラ ムで一杯でした。晩餐会がChina Roseレストランで開かれ、暗い空を守る強い 同胞であるDavid Levyの印象深い話がありました。プログラムの内容を少しコ メントを付けて紹介します。詳しい事は、次回のIDAニュースレターで取り上げ る予定です。
金曜日の朝は、IDAの役員会が開かれました。この会議のメモと1997年度の予算 報告、Dave Crawfordの正式な年報が別にIDAのホームページに掲載されていま す。
幾つかのワークショップが金曜日の午後開かれています。資金集め、IDAのセク ションについて、公報について、照明とソフトウエア、これは二つのオースト ラリアのソフトウエアのデモと合わせて行われています。
金曜日の夜はIDA事務所のopen houseがありました。参加者の何人かは、ツーソ ン市の屋外照明のツアーに参加しています。
土曜日の一日と、日曜日の午前中は、光害問題の講演と沢山の議論に集中しま した。その内容は、次の様なものです;

・Dave Crawfordによる歓迎の言葉。
・光害のモデル化、特にMt.Wilsonについて、Roy Garstang
・オーストラリアの障害光に対する対応、Reg Wilson(シドニー、オーストラリア)
・アリゾナ州、フラグスタッフ屋外照明規制、Chris Luginbuhl
・ロスアンジェルス道路照明プログラム、George Eslinger
・幾つかの照明企業代表が照明器具の実演を実施。彼らの会議への参加と問題の 支持に大変感謝します。
・アリゾナ州南東での活動、Don Higgins
・ニューメキシコ州での最近のニュース、John Gilkison
・低圧ナトリウム灯照明の課題、Chris Luginbuhl
・IDA事務所の活動状況、Bob Gent
・IDAセクションの報告、Jack Sales, Phil Ianna
・Dave Crawfordを座長とするIDAの業務年会議。
内容には、正式な年報、予算報告、金曜日の役員会の報告、そしてIDA会員への 特別賞の発表があった。この中には、IDAの会員として8年以上の人、又はIDA に800ドル以上の寄付をした人たちに対する賞状が含まれる。その他沢山の 賞が個人に授与され、このことについては、次のIDA newsletterに掲載される。 現在とこれまでの役員メンバーに対しても賞状が渡された。IDAのロゴコンテス トを実施したが、IDAは入賞者決定を保留し、今の段階では発表しないこ とに決定した。ロゴの有力な候補作を提出していただいた皆さんに感謝します。 しかしながら、少なくとも今しばらくは、現在のものを使用します。

・ツーソン市の照明問題、Richard Guthrie
・テキサス州の最新情報、Kelly Knight
・国立公園や史跡での暗い空の保護について、Dennis CaspeerとDon Davis
・キットピークの空の明るさの測定の新しい報告、Caty Pilachowski
・閉会の言葉、Dave Crawford


室蘭市白鳥大橋ライトアップについて

室蘭市のホームページ: http://apple.earthcape.or.jp/users/muroran/index.html
白鳥大橋のページ: http://apple.earthcape.or.jp/users/muroran/swan/index.html

6月13日に開通した室蘭市、白鳥大橋のライトアップについて、 「光害防止委員会(代表:水谷雅寛氏 http://www.cnet-mie.ne.jp/astro/kougai/index-e.html )」 からの指摘があり、「星空を守る会」としても室蘭市に計画の見直しを求める 意見を提出しました。また、同様の意見が「光害防止委員会」からも提出され ています。

室蘭市の企画課と電話連絡を取った結果を報告します。
広範囲に天文活動に影響がある光害問題については、検討がまだなされていな い事、また最も影響を受けているはずの天文家から問題の指摘がなかった事も 上げられています。
ライトアップ、サーチライトなどの照明が広い範囲に及ぼす光害の影響、無駄 に夜空を照らす光について、まだ多くの市町村で正しく認識されていない事が わかります。

室蘭市企画課との電話連絡の概要は次の通りです;

ライトアップについて
白鳥大橋のライトアップについては、景観照明調査検討会の中で二年間をかけ て内容を検討した。検討会の中に、中京大学の先生も加わり、船舶の航行上の 安全面についても検討するなど、有識者の意見を入れている。この中で、光度、 ルーバーの設置等が検討された。
88個使われている電球の内訳は、1kwと400wがだいたい半数づつ使われている。 「星空を守る会」の意見は、市の企画課と観光振興課に届いている。意見の中 にあった光害対策ガイドラインについての検討はこれまで実施されていない。 この意見も参考に今後、運用と管理を行う観光振興課の中でガイドラインを含 め検討は続けられる。

省エネについて
室蘭市のホームページにもあるよう、室蘭市は、風の強い街で、新たに設置し た風力発電設備(490kw)でライトアップの電力はほとんどまかなえている。従 って、ライトアップの為に、新たに化石燃料を消費する事はしていない。この 発電設備に投資した費用も、発電した電力を全て自家消費するとすれば、7年 間で取り戻せる。
「折角の風力発電をライトアップに使う事はおかしいのでは?」、と言う意見 については、企画課は、考え方の相違とされています。

天文活動について
ライトップは、広い範囲に影響を及ぼす事を考慮し、対策を依頼した事につい ては;
天文活動についてライトアップで支障がある指摘を北海道の中では受けていな い。室蘭市役所の中でも天文家がいるがそのような問題の指摘はなかった。 また、隣接する市町村は、一番近い市で約20kmの距離にありますが、同様に 天文家から問題の指摘を受けてはいないとの事です。

今後室蘭市のライトアップについては、市の対応をフォローしていきたいと考え ます。また、天文家の意見、特に北海道の天文家からの意見を求めます。

6月22日


日本道路公団フルカットオフ器具を採用

星空を守る会−横須賀の佐藤博氏は、日本道路公団と話し合いを続けた結果、 横浜−横須賀道路の横須賀PA下り線の照明改善を実現しました。これは、既 に実施した上り線の改修に続いたものです。今回は改修では無く、施工前から JHへの提案、打ち合わせの結果が実ったものです。
星空を守る会が5月2日このPAの現地調査を実施した結果、全ての照明器具 が水平以上に光の出ないフルカットオフ仕様のものを使っていることからほぼ 理想的な照明設計と結論して良いと言えます。今後は、JHと共に施工の確認 を行い、さらには光害対策だけでは無く、「省エネ」と「障害光」低減の面で も成果を見たい所です。

日本道路公団東京第一建設局横浜工事事務所の話によると;

1)進入路の照明器具の間隔は、一般のハイウェー灯と同じ間隔となっている。 これはグレアーの関係から来ており、フルカットの照明器具を使っても、照度 的には問題ないことを道路公団も確認

2)新設の東名高速道路・青葉インターチェンジの照明器具も横須賀PAと同タ イプを使用している(国道246号線との関係で、一部照明は既存タイプ採用)

3)今後も基本的には横須賀PAで得た知見を採用していく努力を行う

また、佐藤氏との電話連絡で、「なぜ全国展開できないのか」という質問に対 しては、器具のコストをあげています。「今後このタイプを公団の標準」とす ればコストも下げられるのではとの意見に対し、「そうする努力を試みる」と の発言もあったそうです。佐藤氏は、日本道路公団横浜工事事務所担当エリア の照明は、今後も光害防止対策器具の採用が行われると思うとされています。 更に佐藤氏は、「再度日本道路公団総裁宛にSA・PA照明と道路灯に光害対 策を施した器具の採用をお願いします。」とのことです。

わが国では、道路灯としてこれまで使用例の少なかった「フルカットオフ」の 照明器具が使われ、照度の面でもこれまでのハイウェイ灯と比較して問題無い ことが分かった事。横須賀市だけでは無く、横浜市でも同様の照明具を使った 事。これは、道路照明の計画や設計に「新しい照明環境の考えが生まれた」大 きな成果です。器具コストは、この様な良質の照明を広めることで下げる事が 可能になります。
省エネの面とさらには障害光低減でどの様な効果があったかJHに確認してみ たいと思います。

佐藤氏のねばり強い交渉、そして着実に実行した道路公団に大きな拍手を送り たいと思います。また、PAの実地調査報告を別途ホームページに掲載を予定 しています。しばらくお待ち下さい。

5月16日


富士山に天文公園を作ろう(報告)

富士山に天文家が安心して活動できる場所を作る事について、次の部署へ電話 で問い合わせました。御殿場市には、天文公園の可能性について、裾野市及び 沼津土木については、水ヶ塚公園の「車の暴走行為対策」と夜間照明の消灯に ついて聞いてみました。

水ヶ塚では、暴走行為が出来ないよう路面にバンプ(車が減速して通行しなけ ればならない路面の盛り上がった部分)の設置、夜間照明の消灯(登山シーズ ンを除き夜間の消灯、日没一時間後の消灯など)を検討依頼しました。

地元で活動している御殿場星の会とも連絡を取ってこれから具体的な企画を練 って行きたいと考えます。今回の問い合わせでは、御殿場市富士山課は光害に 付いての理解が深い事が分かりました。

御殿場市富士山課
「自然からの便り」という刊行物で全天写真でサーチライトの光が天の川と交 差している写真を載せた。市としては、富士山周辺の車の問題、照明の問題が あることは知っている。
環境庁とは別に市として年一回の観察会を開いている。御殿場市が管理するの は、新五合目の駐車場3カ所、太郎坊の駐車場。
天文公園の提案については、御殿場星の会とも連絡を取って提案してはどうか。

裾野市の観光課
富士山周辺の土地の利用は、県が管理している。その上は、国立公園の敷地と 言うことで環境庁が管理する。観光課では判断は出来ない。

静岡県沼津土木維持調査課
車の暴走行為、駐車場の夜間照明については知らない。(4月に異動人事があ ったため)実体をよく調査してから回答する。
水ヶ塚の他に道路沿いに他にも何カ所か登山客用の駐車場があるのでそれも含 めて調査してみる。

5月1日


神奈川県からサーチライトを無くそう

「星空を守る会−横須賀」の佐藤博氏より神奈川県からサーチライトを無くす る活動提案があります。内容は次の通りです;

神奈川県のサーチライトを無くする運動を展開しようと思っています。ぜひ 皆さまの参加をお願いいたします。
環境庁が3月に発表した光害対策ガイドラインの中でサーチライトの使用は、 広範囲に光が漏れ、影響が大きいとして「許容しない」とする配慮事項が記載 されています。(6−4「広告物等のガイド」参照)この配慮事項を元に次ぎ のよな活動を考えています。

活動の概要;
1)神奈川県各地でのサーチライトの設置の現状調査実施
  サーチライト設置者の名前、住所、担当者、電話番号等の調査
2)市町村へ、サーチライト撤去の指導を依頼する(問題提起する方が文書や 電話で行います)その際の根拠は環境庁のガイドライン及びその他問題提起の 資料(資料は別途作成します)
3)市町村の対応についてマスコミの取材を依頼する(マスコミ了解済み)
4)必要に応じ環境庁の取材の実施(同上)
5)新聞等への記事掲載(同上)

さて以上の活動について、神奈川県在住の天文家に次の様な形での参加をお願 いします:

1)各地のサーチライト実態調査
2)市町村に対して、改善要求の提出(文書でも可:文例等は佐藤氏が作成し、 連絡します)
3)結果を佐藤氏宛に報告

佐藤氏の連絡先は、次の通りです;

佐藤 博
〒238-0032
神奈川県横須賀市平作5−12−4
電話(Fax兼用): 0468-53-1311
E-Mail: mr.hiroshi.sato @ nifty.ne.jp

広告を目的とする照明のため、これまで大変対応の難しかったサーチライトを 無くする為に皆様の参加をお願いします。まず神奈川県に限定した活動ですが、 これを機会に他の都道府県で同様な改善の動きを期待しています。

4月17日


光害防止委員会のホームページ完成

「Internet 光害防止委員会」のホームページを紹介します。主催しているのは、 三重県四日市市の水谷さんです。

URLは次の通りです:
光害防止委員会 : http://www.cnet-mie.ne.jp/astro/kougai/

(関連ページ「ASTRO PAGE」 : http://www.cnet-mie.ne.jp/astro/)

このホームページでは;

   あなたの街のその星空で満足なのですか?
〜都会で天の川が当たり前に見える世界を目指して〜

と呼びかけています。すばらしい熱意と実行力のあるアマチュア天文家の活動 です。「光害防止委員会」の活動と合わせて皆さんの積極的な参加と支援を宜 しくお願いします。

4月14日


「高山村の美しい星空を守る光環境条例」

県立ぐんま天文台 (URL: http://www.astron.pref.gunma.jp/ ) の設立を準備している群馬 県高山村で照明条例が村議会を通過しました。「高山村の美しい星空を守る光 環境条例」がそれです。我が国では岡山県美星町に続き二番目の照明条例にな ります。施行期日は、平成10年10月1日からの予定です。

ここでは、速報として要点を抜粋してお知らせします。水平以上に光が洩れな い器具の採用を進めるなど、その素晴らしい内容をご覧ください。

(目的)
第1条 この条例は、高山村における夜間照明等の光環境に関し、村民の夜間 の安全性や生産活動等の社会的活動に必要な照明を確保しつつ、人工光の増加 を抑制することによって、高山村の美しい星空と光環境を維持する事を目的に、 必要な事項を定めるのとする。

中略
(光環境審議会)
第4条 村長の諮問に応じ、人工光の抑制等による光環境を維持するための重 要事項を調査審議するために、高山村光環境審議会(以下「審議会」という) を置く。

中略
(照明器具等の制限)
第7条 屋外照明は、水平方向より上方に光が漏れないような遮光等に配慮し た照明器具を使用するように配慮しなければならない。遮光等に配慮した照明 器具の形態については別に規則で定める。
2 屋外で使用するサーチライト等の投光器は、継続的かつ水平方向以上の上 空を向けて使用してはならない。
3 建築物、看板等を下方向から上方に照明する器具についても、第1項を準 用する。
4 屋外照明は、天体観測への影響が少ない光源を使用するよう配慮しなけれ ばならない。光源の種類については、別に規則で定める。
5 屋外照明は、その用途に応じて適正でかつ必要最小限の光を使用するよう 配慮しなければならない。
6 事業所等で屋内において大量の光を使用する場合は、屋外に光が漏れない よう遮光に配慮しなければならない。

その他
(村の責務)、(村民及び事業者等の責務)、(関係行政機関への協力要請)、 (光環境モデル地区の指定)、(適用免除)、(国等に関する特例)、(天体 観測等への協力)、(照明時間の制限の奨励)、(光の監視)、(調査)、 (改善命令)、(改善命令に対する経費の補助)、(改善命令に従わない場合 の措置)、(委任)
について定められています。
4月9日


住宅照明の改善

光害の対策と資料のなかに資料 「住宅照明の改善−地 球温暖化対策の為に」を新しく追加しました。ご覧ください。

この資料は、主に集合住宅の廊下、階段にある夜間灯にタイマースイッチを取 り付ける提案です。ドイツ、イタリアでは昔から行われている良い習慣を見習 おうとするものです。既に紹介した「屋外照明の調査−横浜」と共に配布資料 として使う事で住宅、道路、公園等の屋外照明の改善提案やプレゼンテーショ ンに利用できます。

住宅に関する照明の改善提案を出す所として建設会社、(社)日本高層住宅協 会や建設省住宅局、建設省建築研究所などがあります。IDA日本セクションでは、 これらの資料をもとに照明の改善を「スマートライトプログラム」と名前を付 けて関係部門へ提案を実施しております。

照明の問題は光害だけの問題ではなくて、エネルギーと障害光の問題として、 そして夜間の視環境の問題として正しく認識する必要があることがだんだんと 理解されるようになりました。私たち市民も自信を持って環境を守る活動の一 つとして照明改善を提案できる様になっています。

3月24日


望遠鏡製作(ATM)のページへのリンクを新設しました。

わかばだい天文同好会のホームページに望遠鏡製作(ATM)のページへのリンクを新設しました。まだ一カ所しか登録していませんが、少しずつ充実して行きます。

3月2日


神奈川県知事よりの回答

2月5日にお伝えした 照明改善について神奈川県知事へ の手紙 は、パソコン通信PC VAN上で神奈川県在住の天文家達から問題提 起があり県知事へ意見提出した物でした。

神奈川県知事岡崎 洋氏から回答をいただきましたのでここに紹介します。

回答では県民の意見を取り入れて頂き、運用面での改善を行っていただきまし た。本当にうれしく思います。ただ、少し苦言を出すなら、本当はプラザの計 画の段階から、照明に関する環境への影響、省エネ対策等を取り入れるべきで あった考えています。これを機会に今後神奈川県と広く話し合いたいと思いま す。
知事の素晴らしい決断、そしてPC VAN上で勇気ある提案を行った本郷台に住む 天文家に拍手をおくりたいと思います。

これより知事の回答(別紙も最後にあります)
-----------------------------------------------------------------------
 日ごろから県政にご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。
 このたびは地球市民かながわプラザ等の照明についてのご提案をいただきあ りがとうございました。ご提案につきましては別紙のとおりお答えいたします。  県では、私たちのふるさと神奈川を個性豊かな魅力あふれる地域社会とする ためにいろいろな仕事に取り組んでおります。
 これからも、あらゆる機会をとらえて県民の皆様のご意見をおききし、生き 生きとしたより豊かな神奈川づくりに反映させてまいりたいと考えております。  春寒の候、ご健康に留意され、お過ごしください。
   平成10年2月26日
                      神奈川県知事 岡崎 洋
(別紙)
 平成10年2月1日に「地球市民かながわプラザ」を含め4つの施設が開館 いたしました。ご提案のプラザ等のライトアップにつきましては、この建物を 利用される方々の安全面、建物のPR効果、省エネルギーなど様々な視点から 検討を行いました。

 その結果、屋外照明は、閉館時間の午後10時までについては、利用者等の ための必要最小限の照明にとどめるとともに、閉館後については、構内を通行 される住民の方々の安全面や防犯上の観点から、公開空地部分の街路灯などに とどめることとしましたので、ご理解をお願いいたします。

3月2日


屋外照明の実体調査−横浜市(その2)

わかばだい天文同好会(わか天)近隣の屋外照明調査結果は既にお伝えしまし た。 屋外照明の調査−横浜市参照。調査の範囲 を更に広げ、旭区内(横浜市の北部に位置します)及び市中心部でも調査を実 施し結果を次のURLに掲載しましたのでご覧ください。

屋外照明の調 査−横浜(その2)

これらの調査からお分かりいただけるとおり、私たちのすぐ近くで沢山の「不 良な照明」があることが分かります。 これらを良質の照明に置き換えたり、不必要な照明の消灯をすることで50%以 上の電気エネルギーの節約につながる事、その結果夜空の明るさを少なくし、 美しい星空を守ることも可能になります。具体的な改善の例を次のURLでご覧く ださい。

グローブ型照 明の改善

都市郊外では、これらの努力により空の明るさを現在の八分の一以下にする事 も可能と予測しています。
今後これらの資料をもとに、マスコミ、横浜市、そして照明器具メーカへ積極 的に働きかけ、協力を求めて行きたいと考えています。

3月2日


米国司法省、街灯と犯罪の調査

IDA国際ダークスカイ協会が発行した照明に関する情報 インフォメーションシート63 の翻訳が完成しま したので、IDA日本セクション幹事のホームページに 掲載するとともに、ここに光害通信としてお送りします。原本は、 IDAのページより入手可能です。

また同様のテーマで作成された「照明と犯罪−インフォメーションシート51」 も用意してあります。ご参考としてください。 2月4日


照明改善について神奈川県知事への手紙

パソコン通信上で神奈川県在住の天文家達から問題提起されている神奈川県の 施設「地球市民かながわプラザ」のライトアップについて県民である星空を守 る会−横浜より「提案とお願い」を知事宛に提出しました。

この提案は、県の「わたしの提案(知事への手紙)制度」窓口へ送付した物で す。本制度は愛称をI-Netかもめ便とも呼ばれ次の窓口で受け付けてもらえます;

神奈川県県民課:
電話045-201-1111(内線3357〜3358)
E-mail: teian.007@pref.kanagawa.jp
愛称:Faxかもめ便045-212-8383
ホームページ:http://www.pref.kanagawa.jp/teian/kenmin/index.htm

以下が知事への手紙の全文です。

神奈川県知事殿

題目:地球市民かながわプラザのライトアップについて

 横浜市根岸線本郷台駅にある県の施設「地球市民かながわプラザ」のライト アップについてお願いとご提案をさせていただきます。
 プラザの完成後夜間ライトアップが実施されております。まずこのライトア ップについて次の点から改善をお願いするものです。

(1)省エネルギー推進の必要性
温室効果ガスの削減を議論した京都会議で我が国は6%の削減を、また諸外国 でも同等の約束を行った事はご存じの通りです。この削減の実現については、 国の施策を期待すると同時に企業、県・市町村の地方自治体においてもその 「具体的な実行」を緊急に行う必要があることは、新聞紙上等でも議論されて おります。(例:1月12日付け朝日新聞社説参照)この様な状況の中で新た な施設でのライトアップは、費用、効果、及び 周囲への影響 を最大限に考慮 された中で行われるべきと考えます。
同時に、プラザの立地条件(住宅地の中であること)と、運営の趣旨から見て も、過度のライトアップの必要性が有るとは、考えられません。

(2)夜空を無駄に照明する光源がある
プラザのライトアップに際しては、施設屋上から強烈な光が一帯の空を照らし ている場合があります。本照明は消灯されることもあるようですが、点灯され る際には、その光の多くが夜空に向けられています。本来、ライトアップの対 象となる建物のみを照明するべき光が多く無駄に宇宙に向けられています。県 民の税金が、この様な形で浪費されるべきではないと考えます。

(3) (2)項についてプラザの周辺の天文活動が影響をうけている
プラザの照明については、近隣の天文家の中でも天体観測に影響があるとして 問題としています。屋外照明が無駄に夜空を照らし、星を見る機会をどんどん 少なくしている「光害」については、環境庁のスターウオッチング等の活動で だんだんと明らかになり適切な屋外照明(水平以上に光の漏れないフルカット オフ型照明)の設置と無駄な照明の消灯が望まれています。昨年4月ヘールボ ップ彗星接近時は、環境庁の推進でライトダウンが行われたことはご存じと思 います。

 プラザの照明類を下記6種に大別し、各々について提案をさせていただきま す。
なお、エントランスの階段の照明は、環境的に全く影響を与えないばかりか大 変効率の良い照明器具であるため、下記分類には含んでおりません。

1.屋上のドーム状の物体から夜空を照らす強烈な光
2.建物本体及びブリッジのライトアップ
3.オブジェのライトアップ (4m四方程度のもの)
4.プロムナードの足下からの照明 (真上のみに光を放つ)
5.道沿いの花壇の水銀灯 (真上への光漏れはなし,横へはあり)
6.街灯

 1.は(2)項で触れた照明です。1月28日現在止んでいるようですが、 本照明は、本文でも訴えておりますように、最も無駄と考えられる照明であり 今後点灯されないことを希望します。

 2.3.4.は平時には21時、または、コンサートなどの催し物がある場 合はその終了時刻を目処として、深夜には消灯する。地球環境に配慮し、人の 目に触れる機会の少なくなる時間には消灯されることを希望します。21時は 近隣のスーパーマーケットの閉店時間であり、平時は本時刻以降、本郷台駅周 辺には駅からの帰宅者のみが往来することとなります。

 5.6.は22時を目処として消灯又は赤外線による検知器(Motion Detector) の取付を提案します。もともと近辺に照明はあり、施設独自の照明を深夜に渡 るまで点灯させる意義は薄いと判断されます。22時を目処とした消灯あるい は照明が「必要とされるときだけ点灯する」赤外線による検知器 (Motion Detector)の設置を提案させていただきます。
 またこれらの照明については、横方向に光が漏れ、眩しさ・障害光の点から 問題が残る可能性があると考えております。これらの点については、別途私ど もも更に検討の上ご連絡させていただきます。

 更にご提案させていただきます。プラザのライトアップの消灯だけでは、地 球環境への影響は小さい物かもしれません。しかし、本郷台周辺をもう一度眺 めていただきたいと思います。僅か4−5キロメートルで鎌倉の名刹円覚寺、 東慶寺があり、周囲は自然が豊富な県民に残された数少ない景勝地では無いで しょうか。敢えて夜間に人工の明かりを灯さずとも、美しい環境はすぐそこに 有るのです。そしてそれは、夜空(星空)も演出に加わっていることをお考え いただけないでしょうか。
同時に県の施設が率先して地球環境に配慮し、豊かな自然を創り出し、県民に 範を垂れていただくことが省エネルギーの具体的な推進力になると信じております。

以上心より、ご検討をお願いいたします。

なお、屋外照明に関する「エネルギーの問題」と「障害光の問題(ギラギラと 眩しさ)」については多くの情報を下記のわかばだい天文同好会のホームペー ジに掲載しておりますのでご覧いただければ幸いです。(参考記事添付)

1998年1月28日
                 星空を守る会−横浜
                 国際ダークスカイ協会日本セクション幹事

2月5日


光害対策ガイドライン策定に関する質問

星空を守る会及び国際ダークスカイ協会は、環境庁と日本環境協会が作業して いる光害対策ガイドラインに関して質問状を提出しました。光害対策の資料の ページにローカルインフォメーションシートNo.24 光害対 策ガイドライン策定に関する質問 として掲載します。
技術的な事も含まれ、分かりにくいところもありますが星空を守る会(会長古 在由秀博士 − 前国立天文台台長)の真剣な活動と照明に関わる環境という大 切な問題を知っていただくことが出来ると考えます。
御参考にしていただきたいと思います。

2月4日


省エネが進む世界の照明

我が国では、新しく作られた橋や建物がライトアップされたり、遊園地等の夜 間照明が眩しいばかりに夜空を照らすのを見かけます。身近なところを見ても、 アパートやマンションの廊下の照明、誰もいない公園の照明などが一晩中つけ っぱなしです。

地球温暖化、省エネルギーなどの問題を通して地球環境に配慮する声が聞かれ るようになった現在、こんな我が国とは正反対に世界中で具体的な努力が払わ れていることを知るのも大切な事です。諸外国では次のような事が既に行われ ていたり、行われはじめています。

世界中で地球温暖化対策の為に具体的な活動が始まっています。
さて、我が国では、、、、

省エネから見た世界の照明事情

1.照明用タイマースイッチの利用(ドイツ、イタリア、アメリカの例)

ドイツでは、アパート・マンションなどの集合住宅及び個人の家庭でタイマー スイッチが一般的に多く使われています。このタイマースイッチと言うのは、 スイッチを押すと照明が点灯し、数分後に自動的に消灯するものです。 ほとんどの住宅の廊下やホールの照明には、このタイマースイッチが使われて います。居住者が廊下を通る時にスイッチを押し、廊下を通り終わった頃に自 動的に照明が消される仕組みになっています。

イタリアでも同じです。「全ての」集合住宅でタイマースイッチが利用されて います。イタリアの人から見れば、これが当たり前で日本の様な使い方を「不 思議」に思っていますね。

アメリカの例です。公共のテニスコートは、無料で使うことが出来ます。大体 30分おきに交代する方法をとっており、夜間照明もドイツと同じ様なタイマ ースイッチを使います。テニスのプレーを始める前に照明のスイッチを一度押 すと30分間点灯します。30分後には自動的に消灯しますから、プレーを続 けるときはもう一度押すことになります。

2.在室検知器 (Occupancy Sensor又はMotion Detector)の利用

アメリカのある大学の照明の紹介です。大学の講義室では、学生が在席してい る場所とその近辺だけの室内照明が点灯されるよう「在室(席)検知器」が利 用されています。学生が座っていないところ、そして退席した後は自動的に照 明が消される仕組みです。

3.タイマーが付いた電球がフィリップス社から発売されています

照明器具メーカでフィリップスと言うメーカがあります。このメーカが開発し た電球には最初からタイマーが内蔵されています。その価格も普通の電球とあ まり変わりません。このランプに電気を入れると決まった時間の後、自動的に 消灯する仕組みが組み込んであります。もう一度点灯するためには、電気を入 れ直し、もし連続して点灯したければ、二回スイッチを入れる仕組みになって います。作っているメーカは勿論フィリプスだけではありません。

4.在室検知器(赤外線を使う検知器)

アメリカで主に空調のコントロール機器を作っているメーカにハニウェルとい う会社があります。このメーカから壁に組込型の「在室検知器付き壁スイッチ」 や「在室検知器付きコンセント」が販売されています。アメリカの電気器具店 で手に入り家庭で簡単に、居間、風呂、トイレ、台所などに取り付けられてい ます。また、白熱電球を電球型の小型蛍光灯に交換するなどを行い草の根的な 省エネ活動の一つになっています。
ハネウエル以外でも沢山のメーカが工夫を凝らした製品を出し始めています。

ハネウエル社ホームページ:http://ww.hbc.honeywell.com/hhc/kits.html

5.電球型小型蛍光灯(Compact Fluorescent Lamp)

CFLとは、電球型小型蛍光ランプの名前です。日本でも沢山電気店に並んでいま す。白熱電球に比べて約1/4の電力で同じ明るさを確保できると宣伝されていま す。日本でも多く使われるようになっています。アメリカやアジアでも盛んに 使われるようになりました。屋内照明にまだ白熱電球を沢山使っているアメリ カでもCFLが販売されています。

6.車が近づくと点灯する道路灯

フィンランドは、森に囲まれた自然の豊かな国です。フィンランドの交通量の 少ない道路では、車が近づくと初めて点灯する道路灯が多く使われています。 車が通り過ぎた後、数十秒立つと自動的に消灯する仕組みになっています。ま た住宅の周りの夜間灯(防犯灯や安全灯)は、同じように人や動物が近づくと 照明が点灯するようになっている物が多く見られます。これはやはり赤外線等 を使った検出器の応用です。この照明は、人が住宅に近づくと突然点灯する事 により防犯灯としても大変効果的です。勿論トナカイが近づいても点灯するよ うになっています。

7.フランスの高速道路は深夜以降消灯される

フランスでは、高速道路の交通量の少ない深夜や明け方の時間帯では道路照明 さえ消灯されます。点灯されているのは、交差点や道路の接続点だけのようで す。これは、フランスの首都パリでの話です。

さて、あなたの街はどうですか?

2月4日


光害通信の配信について

このページの「最近の出来事」は適当と思われるものを 「公害通信」 という名を付けてPC VANを初め次の様な所へもニュースとして配信されていま す。

横浜市、横須賀市、熱海市の環境部門
神奈川新聞社、毎日新聞社
環境庁
通産省エネルギー対策室
照明機器メーカ
その他

皆様の中でも自由に転送・転載を行って、光害の問題を環境とエネルギーの問 題として多くの方に知っていただけるようお願いします。その場合「星空を守 る会−横浜」と「IDA日本セクション幹事」の名前を一緒に入れてください。 またこのほかに配信を希望される場所があれば連絡をお願いします。今後とも 照明に関する国内と海外のニュースをお送りできるよう務めてまいります。

1月15日


環境アセスメント制度にあなたの意見を

横浜市環境審議会が環境アセスメント制度に我々の意見を募っています。

平成10年1月の横浜市広報「よこはま」によれば;

「環境影響評価(環境アセスメント)をより充実させるため、平成九年十二月、 横浜市環境審議会は、制度の条例化を含めた見直しに向け、中間報告をまとめ ました。今後、この中間報告に対する市民の皆さんの意見を聞きながら、最終 報告がまとめられる予定です。」とあり、中間報告の主な内容として;

「制度の一層の透明化・公正化」
「地球規模での環境配慮」
「早い段階からの環境への配慮」
「環境影響評価審議会の機能強化、信頼性の確保」
を上げています。

意見提出は、1月16日〜2月15日に葉書か封書かFAXで、住所・氏名・年齢・ 性別・電話番号も書いて「環境保全局環境影響審査課」まで。電話:671-2495、 FAX:641-3580

また3月17日(火)の横浜市環境審議会で直接意見の発表を希望出来ます。 申し込みは意見書提出と同じ要領で発表を希望する旨を明記してください。選 考の上決定されます。

星空を守る会−横浜からのお願いです。

「星空を守る会」は、ここ数年活発に行政機関に光害をエネルギーと環境の問 題として訴え続けています。その中で気付くことは、市民の意見が行政側に届 いていないことです。特に光害の問題については、アマチュア天文家の意見が ほとんど届いていません。このような機会に是非、皆さんの貴重な意見を積極 的に出すようお願いします。「星空を守る会−横浜」は意見提出と発表の申し 込みを行います。そしてその成功の為には、多くのアマチュア天文家の協力も 必要です。宜しくお願いします。 1月15日


ミシガン州光害条例が下院を通過

下記の条例(HB4254)が米国ミシガン州議会下院を通過し、上院に送られてい る。この中で不適切な屋外照明が持つ多くの問題を指摘し、 屋外照明に関する 研究を行う委員会の設置 を定めている。州条例案の中で、車を運転する人に 眩 しい光が危険である ことを明確に指摘していること、及び委員会のメンバーの 中に アマチュア天文家も代表として含まれている ことなどが特徴である。 なお条例本文の翻訳は、IDA日本セクション幹事(わかばだい天文同好会)が行 いました。法律文書を直訳しております。訳文に不明な点がある場合は、 ミシガン州条例案原文 をご参照ください。

これより条例の内容です。
HB4254,1997年12月3日下院を通過
HB.4254, 1994 PA451「自然の資源と環境保護条例」と題した条例にpart752を 追加し、改訂する法案。

ミシガン州民は、定める:
PART 752屋外照明の研究
SEC. 75201. このPARTで使われる「BOARD」はSECTION 75203で作られた屋外照 明委員を意味する。

SEC. 75202 立法府は、下記の全てを確認する;
(A)過剰でかつ不要な方向に放射される屋外照明は、不要な時に不要な所で使わ れることによる事、及び意図された役割の為に最も効率的で費用効果のある屋 外照明の形式を使用しないことによる結果であること。
(B)屋外照明を規制する事は、必要なエネルギーの減少により顕著な費用の削減 につながること。
(C)不適切な傘を持つ道路灯と安全灯からの光は、車を運転するものやその他の ものにとり深刻な危険性をもつこと。
(D)現代の非効果的で非効率的な屋外照明器具の野放しの増加は、不必要に住民 から星空と夜の雲の形の美しさを奪っているし、同時に夜行性の動植物に対し 潜在的な悪影響を及ぼしていること。
(E)道路、ビジネス、住宅の照明は安全の為に必要とされる一方、車を運転する 者の目に直接、また良く見られるように危険に照らしたり、また使い道もなく 無駄に空に向けて宇宙に向ける必要はないし、望むべき事でもないこと。
(F)幾つかの他の州、大きな都市で屋外照明を規制する条例が成立していること。
(G)本州は、暗い空の保護を作る為にPART751を採用したこと。
(H)幾つかのミシガンの地方行政単位は、色々な照明規制法を採用し、それらの 手段がその司法区において無視できない量のエネルギー費を節約していること。

SEC. 75203.
(1) 屋外照明研究委員会が部門の中に設立される。

(2)委員会は、州知事により任命される次のメンバーで構成する。

(A)天然資源部門の長又はそれより任命された者
(B)消費者と産業サービス部門の長又は、そりにより任命された者
(C)電力産業の二人の代表者
(D)ビジネスコミュニティの代表者一人
(E)環境団体の代表者一人
(F)アマチュア天文連合の代表者一人
(G)地方司法の代表者一人
(H)地方政府計画の代表者一人
(I)州立法府の代表者一人
(J)建築家か照明設計技術者の一人
(K)ミシガン州立大学、ABRAMSプラネタリウムの代表一人

(3)委員会に最初に任命されるメンバーは、このPARTの発行日より60日以内に任 命されること。

(4)委員会のメンバーは3年の任期とするか又は後任が任命されるまでかのどち らか遅い時とする。ただし、最初に任命された委員の内、4人は一年、4人は2年、 更に4人は3年をつとめる。

(5)委員会で空席が出来た場合、州知事は、残る任期の間を当初の任命と同じ要 領で指名する。

(6)州知事は、無力、任務の怠慢、不正行為、過失或いは仕事場での業務不履行 或いは他の適切な理由により委員会のメンバーを解任する。

(7)最初の委員会会議は天然資源部門の長により、組織が決まった時点から30日 以内に召集される。最初の会議では、委員会は委員の中から議長を選ぶが,あ る部門の長でもまたその代表者でもないものとする。また、必要とされ適当と される役員を選ぶ。委員会は、委員会が適当とするなら委員ではない物を秘書 として任命することが出来る。最初の会議の後は、委員会は、議長の召集によ るか、7人以上の委員の要求により会合すること。

(8)委員会会議では、委員の多数をもって議決の定員とする。

(9)委員会のメンバーは、無報酬で務めるものとする。しかし、委員会メンバー は、彼らの公式な任務を全うするに必要な費用実費を精算出来る。これは、適 用された予算の範囲か或いは合法的に本目的の為に可能の範囲とする。

(10)委員会は下記の全てを実行する:

(A)自然と屋外照明(州施設及び道路)に関連する問題の影響の研究。
(B)屋外照明に関する問題の有効な法的、行政的な解決法の研究や解決法の採 択の望む点に関する勧告を立法府に行う。
(C)より効率的で効果的な屋外照明の代替が選択された結果起こりうる建設的 な経済的影響の研究、それは生態系への利益、観光の増進、公共の安全と防犯 の改善、その他のどの様な利益をも含み、またこれらに限定するものではない。
(D)他の司法区でとられている屋外照明を規制する解決策の研究。
(E)立法府に対し委員会の最初の会合から9ヶ月以内にこのPARTで要求されて いる委員会研究の結果詳細レポートを提出すること。
(F)このセクションで要求されている報告書の提出に続き、少なくとも最初の 報告書の提出後年に一度、5年間は会合し委員会の責任に関する追加勧告に関し て立法府に対し報告すること。

(11)委員会は次のどちらか或いは両方とも実行する:

(A)このPARTの元に委員会の責任を全うするに必要か、又は適当と委員会が判 断する場合、いかなる人物の支援を求める事。
(B)このPARTの元に委員会の責任を全うする為に、支給された予算の限界の範 囲か又は合法的に委員会が利用できる範囲で費用を発生させること。

以上。

1月10日


速報:イタリアの光害防止条例案

イタリア国会で 光害を防止する条例案 が提案されています。もしこの法案が成立した後は、光害の原因になるランプの 新たな設置は禁止されるというもので す。また、天文台の様な保護地域では、既に設置済みのものであっても4年以内 に取り除かれることになります。
法案を出したのは、与党(イタリアでは、与党は連立政権であり、以前共産主 義であったPDS、現在も共産主義のRifondazione Comunista党が多数派)である とのこと。

注:引き続き状況が分かりしだい、ホームページで取り上げていきます。

法案の概要(抜粋)は次の通りです;

法案の目的
1条

この法律は、イタリアの全地域で光害の低減と電力の浪費を少なくし、特にプ ロとアマチュア天文家の天文台を保護することを目的とする。

屋外照明の規制
7条

  1. 施行された後は、すべての屋外照明,公共のものも個人のものも等しく「光 害のない、エネルギーを節約する」タイプのもので無ければならない。
  2. この規制に従わない照明を販売することは禁じられる
  3. 「光害の無いエネルギーを節約する」照明とは;
  4. 光害を非常に出す照明(グローブ型やガス灯型器具)のすべてに傘かバッフ ルを付け、水平より上に出る光が30cd/1000lumen以下にする

保護地域での規制
10条

1. 施行後4年以内にそれぞれの天文台を中心とした保護円の範囲にあるすべて の照明は「光害のない省エネ」のものでなければならない。置き換えられたラ ンプは、HPS又はLPSであること。

(以下略)

1998年1月1日


わか天「星空観察会」とイトーヨーカ堂の協力

横浜市旭区で活動するわかばだい天文同好会(わか天)からのニュースです。 わか天が定期的に開催する「星空観察会」を新春の1月2日と3日に地元の若 葉台団地で開催する計画です。この開催に当たって、近くにある イトーヨーカ 堂の広告塔照明を消す 協力を得ることが出来るようになりました。

広告塔の消灯については、イトーヨーカ堂東京本部とは、約一年前に内諾を得 ていたものですが実行面でわか天からの連絡が遅れたり、ヨーカ堂側で電気設 備の調整が急には出来ない等の理由で実現出来ていなかったものです。また最 初のヨーカ堂との交渉でも、消灯の主旨が理解されず交渉は難航したのですが 東京本部との数回の話し合いで最終的に了解をいただいていました。12月30日 の電話連絡で最終的に午後8時から10時の間消灯していただけることになりまし た。

1998年1月2日と3日「初めて」星空観察会の為に広告塔の照明が消えることにな ります。わか天にとっては、大きな事件の一つです。何時も観察会を開く場所 から見て東南東方向の空がこの照明によって邪魔されていたからです。

イトーヨーカ堂 の協力に心より感謝すると同時に、折角の 機会ですからわか天も若葉台の住民の為に張り切って観察会を提供するつもり です。

12月31日


栃木市星野遺跡の夜間照明改善依頼

栃木市星野にある遺跡の屋外照明について、アマチュア天文家から改善の嘆願 書が提出されている。星野遺跡で使われている照明具が上方にも光りを出し、 光害の原因となって天体観測の邪魔になること、同時に電気エネルギーの無駄 になっていることを指摘し、改善を求めている。星野では、栃木県内に限らず 東京都からもアマチュア天文家が観測に訪れる場所であり、適切に設計された 照明具の使用と同時に深夜人通りが少ない時間帯の消灯も望まれている。

星空を守る会−横浜からも栃木市と栃木市教育委員会に対し、改善の依頼を12 月29日付で提出した。
このホームページの中でも述べているが市町村が照明環境にも目を向け、 適切な照明計画と設置を可能にする管理者 が必要では無いだろうか。

12月29日


照明改善のビデオ「星を見つめる」の販売

ロスアンジェルス(LA)市の道路照明局(Bereau of Street Lightin; BSL)が作成したビデオ "LOOKING TO THE STARS"(星を見つめる)が国際ダークスカイ協会 より発売されています。

LA市は、光害、グレア(眩しさ)そして漏れ光を少なくする道路照明としてフ ルカットオフ型の照明を選択し、既に市が管理する道路灯230,000基の60%を このタイプの照明に変更した事を紹介しています。この改善された道路や高速 道路の夜景では、直接ランプから出ている光や眩しさは全くなく、道路面で反 射された光だけが見えています。その他にも、グローブ型(球形の傘の無い照 明具)の光は10%、セミカットオフタイプでも45%の光しか役に立っていない ことを紹介しています。


ご存じのようにLAには、歴史的なウイルソン天文台の100インチ望遠鏡がありま す。1985年に一度は閉鎖された施設ですが1991年から設備を更新して再び運用 されています。天文家達もこのLAの照明改善を喜び、特に大気の安定度では大 変優秀な同天文台
の観測を助けることを期待している様です。

このビデオは、光害の問題、そしてまた照明が持つ「エネルギーの無駄」、 「眩しさ」、「漏れ光」を理解するには大変良い材料です。光害の問題だけで は無く、市町村の照明関係者、照明メーカ、環境に関心のある人には是非見て もらいたい内容です。入手方法その他については、「星空を守る会−横浜」ま で御問い合わせください。。日本語訳についてもご希望が多い場合は、星空を 守る会で作業を行いたいと考えています。あわせてお問い合わせください。

12月26日


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Last update: January 4, 1999